『恐竜戦隊ジュウレンジャー』(きょうりゅうせんたいジュウレンジャー)は、1992年(平成4年)2月21日から1993年(平成5年)2月12日までテレビ朝日系列で毎週金曜17:30 - 17:55(JST)に全50話が放送された、東映制作の特撮テレビドラマ、および作中で主人公たちが変身するヒーローの名称。古代人類の戦士「ジュウレンジャー」と、人類滅亡を企む魔女バンドーラの一味の戦いを描いた本作品では、太古の動物であることから流行とは無関係であり、同時に大きく強い存在が子供たちの憧れであるという理由から、恐竜がモチーフとして選択されている。また当時マイケル・クライトン原作の小説『ジュラシック・パーク』のベストセラーや、スティーヴン・スピルバーグが監督を務める同作品の映画版の制作が発表されたことも、このメインテーマの選定に影響を与えている。「恐竜戦隊」と題されているが、哺乳類であるサーベルタイガーやマンモス、翼竜であるプテラノドンなど、恐竜以外の生物のモチーフが多く、厳密な意味で恐竜に属するのはティラノサウルスとトリケラトプスだけである。これは5体すべてを恐竜にすることで、デザインラインが似通うのを避けた結果である。初期設定での5体のモチーフには、ティラノサウルス(赤)、トリケラトプス(緑)、プテラノドン(青)、ブラキオサウルス(黒)、ステゴサウルス(黄)が設定されていた。しかしモチーフとなった実際の生物にかかわらず、本作品では守護獣を「1億7千万年前の人類が各部族の象徴としていた恐竜」として設定している。それまで「-マン」表記が主流だった本シリーズであるが、本作品では『ゴレンジャー』や『ターボレンジャー』と同じく「-レンジャー」表記が導入され、これ以降「-レンジャー」表記の戦隊が多くなった。タイトルロゴにも特徴があり、“ジュウレンジャー”の下に“獣連者”と漢字で書かれているが、これは名称から10人戦隊と誤解されることを防ぐための工夫である。本作品ではファンタジー性やRPGテイストが強く意識されている。これは本作品で戦隊初参加となった杉村升の意向である。『ジェットマン』が開拓した大人向け路線から一転して子供向けに戻ったことには反発もあったが、杉村は譲らなかった。本作品の世界がゲーム的なファンタジーであるため、悪役であるバンドーラ一味も死なないことは決まっていた。その一方でブライは短命という悲劇性を背負う人物として設定されているが、これは『ドラゴンクエスト』に見られる「息子が父を越える」というテーマを「弟が兄を越える」と読み換えて構成したものであり、また、バンドーラの死んだ息子カイと対比を成している。ファンタジー性の顕著な例として、従来作の「巨大ロボット」に当たるキャラクターには「守護獣」という人知を超えた存在との設定がなされている。ジュウレンジャーを導き助力し、時に試練を与えるという守護獣の存在は、ストーリー面でも添え物以上の活躍を見せた。巨大ロボの存在がドラマパートから乖離しがちであることは『ジェットマン』のころからスタッフ間で懸念されており、メカという設定を廃したのはドラマが続いているという感覚を表現するためである。本作品では、「6人目の戦士」をスーパー戦隊シリーズとしては初めてレギュラーキャラとするアイディアが導入されている。これは視聴率の好調に伴う実験的な試みとして採用された。スーパー戦隊の伝統フォーマット「5人でひとつ」を崩す反則的なアイデアの為、6人目の準備は東映社内でも極秘裏に進められていたという。以降の作品には踏襲しない予定だったが、予想以上にドラゴンレンジャーに人気が集まり、翌年以降も「6人目の戦士」の登場がスーパー戦隊のスタンダードとして定着していく形となった。以上の本格的なファンタジー世界の構築、6人目の戦士のレギュラー化、海外版の制作開始など、本作品は様々な面でシリーズのエポックとなった重要な作品である。マニアからの支持は低かったものの、当時の幼児層から高い支持を集めることとなった。玩具売上は90億円強という数字を残しており、合体ロボットの売上がスーパー戦隊シリーズでトップの売上を記録。またなりきり玩具、特に獣奏剣は人気商品となり、品切れ状態が続くなど、近年の特撮雑誌などで語り草になるほどの大ヒットとなった。日本国外からの評価も高く、アメリカでは本作品をベースにローカライズを施した作品『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』が放送され、本作品でバンドーラ役を演じた曽我町子も、同作品にリタ役として出演した。かつて地上は恐竜と、恐竜から進化した人間「妖精族」が共に暮らしていた。しかし1億7千万年前、恐竜部族の長の一人が悪魔と契約して人類滅亡を画策。五大部族たちは守護獣と共に、悪魔と悪魔に魂を売った魔女バンドーラと戦う。悪魔を撃退し、惑星ネメシスへバンドーラと手下達を封印したが世界は大氷河に覆い尽くされ、恐竜は絶滅してしまう。恐竜族は長い時間の間に消え、妖精族は新たに進化した人間に溶け込み暮らしていたが、ネメシスに飛来したスペースシャトルの乗組員たちのミスでバンドーラが復活し、再び地球を狙う。しかし、長い眠りについていた古代人類の戦士たちもまた、彼らと戦うために不思議仙人バーザによって目覚めた。地上に残された最後の恐竜の卵を巡る神と悪魔の決戦の物語が始まった。古代恐竜人類の中で最も栄えた5大部族の戦士たち。王族と騎士で構成されているが、上下関係は存在しない。バンドーラの復活により1億年に及ぶ眠りから目覚め、恐竜の卵を巡る攻防戦を繰り広げた。最終回でバンドーラ一味を封印した後は、バーザと守護獣達と共に天の世界へと去っていったが、後のレジェンド大戦で地上に帰還しており、変身能力が喪失した後も、5人は天井へは去らずに地上に留まった。ゲキはその直後に世界を漫遊する旅に出た。変身後の名乗りではシリーズ中初めて本名まで名乗るパターン(例:「ティラノレンジャー、ゲキ!」)が使用されており、のちに同様のパターンを採り入れた戦隊の先鞭をつける形となった。バンドーラ一味というのは便宜上つけられた名前であり、正式な組織名はない。かなりアットホームな雰囲気の集団で、せいぜい些細な揉めごとが起こる程度であり、ゲスト怪人を含めて仲間割れや裏切り、下克上といった内紛劇は起きていない。幹部の地位も絶対的なものではなく、グリフォーザーを制止したドーラスフィンクスなどのように、ドーラモンスターが幹部に対して対等な口を利くこともある。最後は大獣神によって全員壷に入れられた上、宇宙の果て(正確には土星近辺)に追放され、主要幹部は誰も戦死することはなかった。第4話から登場。数億年もの間、絶望の大陸に隠されていた初期メンバーの専用装備。それぞれにガイアトロンの吸収板が内蔵されており、地球がある限りそのエネルギーは尽きることがなく、決して切れ味が落ちない。ジュウレンジャーに変身後は武器自体も変化・強化される。現代に蘇ったときに持っていた古代の武器が破損したために入手の必要が発生。冒険の末に武器そのものに呼びかけることによって入手した。これら3台のマシンは、タンク部にあるエネルギー炉・ガイアトロンコンバーターで駆動する。これは超太古の技術で現代人類だけでなく古代人類にも原理は解明できないと言われている。また、3台ともメンバーの変身前でも常用された。従来のスーパー戦隊シリーズの作品とは異なり、本作品ではメカではなく「神」として設定されている。戦隊側に使役されるのではなく崇められる対象であり、明確な意思と行動理念をもってジュウレンジャーに力を貸している。そのため、時に戦士を窘めることがあれば、搭乗を拒否するといった独断行動を行う。ガイアトロンをエネルギーとしている。彼ら「神」は恐竜を守る立場であり、恐竜とともに生きる生命を守護する役目を持つ。故に人間もまた守る立場にある。究極大獣神が本来の姿であるが、古代人類の登場するはるか古の時代において、地獄から現われた悪魔・大サタンとの戦いを勝利した際に傷を負い、7つの分身に分かれた後は、守護獣として古代人類を守っていた。神の存在は守護する恐竜の存在と同調しており、地球から全ての恐竜が絶滅した場合、役目を終えた神はこの世からいなくなる。バンドーラによる恐竜絶滅によってほぼ全ての恐竜が息絶えたが、キングブラキオンの体内にて雄と雌一対の卵が安置されたために消滅が免れた。この卵がのちに戦いの鍵となる。初期メンバーの守護獣はコクピットに乗り込んだジュウレンジャーが、コンソールを操作して、ジュウレンジャーが描かれている左側パネルと守護獣が描かれてみる右側パネルを同調させ、恐竜が描かれている上部中央のパネルと繋げる合身を行うことで真価を発揮する。CG技術のない当時の撮影関係により、戦闘時に全ての守護獣が単体で活動することはない。そのため、体当たりなどの接近戦は着ぐるみの関係でティラノザウルスとドラゴンシーザーの役割である。また、作中で見られるメインの守護獣5体の行進は、背景をローラー回転させつつ遠方に着ぐるみのティラノザウルスの足踏み、他4体がカメラ至近距離に設置されたミニチュアを揺らすという、遠近法を活かした組み合わせで撮影された。ブライ役には『電撃戦隊チェンジマン』でチェンジペガサス/大空勇馬役を演じ、当時劇団東京ヴォードヴィルショーで活躍していた和泉史郎が抜擢された。和泉の人気は非常に高く、2001年ごろから顕著になるイケメンヒーローブームの萌芽とも言え、泉はブライ役は5話限定のゲストでオファーを受けたと語っているがブライの延命を願う手紙がテレビ局にも寄せられている。また、後楽園ゆうえんち野外劇場(当時)のスーパー戦隊ショーに和泉が登場したときの好評ぶりが、以後のシリーズ作品で変身前を演じる俳優が公演に加わるきっかけとなった。敵役である魔女バンドーラ役には、レギュラー出演としては『太陽戦隊サンバルカン』(ヘドリアン女王役)以来の戦隊シリーズ再登場となる曽我町子を起用。自他共に認める当たり役である「魔女」役ということもあり、曽我は序盤の段階から存在感を見せつけ、高い人気を獲得。『パワーレンジャー』の制作サイドからも評価され、一部コスチュームデザインを変更した上で「魔女リタ」として登場するという快挙も成し遂げている。メインライターはそれまでメタルヒーローシリーズでメインライターを務めていた杉村升が担当。RPG要素をふんだんに織り交ぜたシナリオでシリーズに新風を吹き込ませた。この他高久進や、杉村の弟子に当たる荒木憲一などが脇を固めた。前作のメインライターだった井上敏樹は1本だけ単発話を執筆している。また演出陣には『科学戦隊ダイナマン』以来およそ9年振りのパイロット監督となったメインの東條昭平の他、長年メタルヒーローシリーズに関わり戦隊シリーズの演出は初となる小笠原猛がサブとして支えた。また当時26歳だった渡辺勝也は本作品が監督としての公式デビューとなった。オープニングテーマは『高速戦隊ターボレンジャー』に出演し、同作品の主題歌を歌唱した佐藤健太が担当した。「6人目の戦士」は佐藤ではないかという噂もあったが、ドラマには出演していない。キャラクターデザインは、篠原保がレギュラー出演のキャラクターを、前作より続投の野口竜が主なドーラモンスターをそれぞれ担当している。音楽面では1年のブランクを経て吉田明彦が三たび劇伴を担当、格調高いファンタスティックな楽曲で作品を盛り上げた。また同じく吉田が手掛けた『ターボレンジャー』『ファイブマン』の2作品からも、サスペンス曲やブリッジを中心に楽曲がいくつか流用されている。いずれも発売元は東映ビデオ。
出典:wikipedia
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