PC-8000シリーズは、日本電気 (NEC) が販売していたパーソナルコンピュータシリーズである。同社初の完成品PC-8001に始まり、PC-8001mkII、PC-8001mkIISRがある。キーボードと本体が一体化したデザイン。同社を代表するシリーズのひとつで、数多くのソフトウェアや周辺機器が販売されていた。販売は、国内だけでなく海外でも行われていた。上位機種はPC-8800シリーズ。1979年5月9日に発表され、同年9月に発売。定価は168,000円。輸入品を除けば半完成品(セミキット)がほとんどであった当時のマイコンの中で、本格的な完成品として登場し、ハード・ソフトとも高い機能と完成度を誇り、国産パソコンの代表的機種となった。よく本機が国産初の筐体型パソコンと誤解されているが、国産初のパソコンとしてはベーシックマスターが先である。キーボードと本体が一体化され、最低限必要であるプリンタ、CMT(データレコーダ)、CRTインタフェースを備える。ただし拡張スロットはなく、FDD等その他機器の増設には専用の増設ボックスPC-8011/8012の購入が必要であった。当時のNEC社内での開発コードは「PCX-01」で、本体は元々COMPO-BSと同系色のデザインと旧JIS配列のキーボードで考えられていたが、石田晴久の助言によりミニコンの端末としても通用するシックなデザインとテレタイプ仕様のキーボードレイアウトとなった。搭載BASICもマイクロソフト作成のものとNEC独自作成の二種類が用意されたが、最終的にブランドイメージでマイクロソフト版が採用された。NECがこのマイクロソフト版BASICを採用するにあたっては、当時の西和彦の仲介があり、またマイクロソフトも日本企業への本格的なOEM進出を狙っていたタイミングだったため、NECには非常に安価な戦略的価格で提供されたという。発売当初は搭載メモリ16Kモデルのみの販売であったが、さらに16Kの増設が可能で、増設して購入するユーザが大半であったため、32Kモデルも後に販売された。なお、拡張ボックスの使用により64Kに拡張してFDDを増設すれば、CP/Mなどの汎用OSを動作させることも可能であった。グラフィックも発売当時は160×100ドットで十分高解像だったが、後発の機種が640×200ドットのフルグラフィックを搭載してくると見劣りするようになり、NEC以外から発売された高解像度アダプタ(FGU8200)やユーザ定義キャラクタジェネレータ(PCG8100)等のグラフィック機能拡張の周辺機器を増設することで対処した。「PC」は「パーソナルコンピュータ」の略である。国内で「パーソナルコンピュータ」という言葉が使われたのも、このPC-8001が最初である。当時は「マイクロコンピュータ」の略称である「マイコン」がこれらのコンピュータの通称となっていたが、NECは以降「パーソナルコンピュータ」、略称「パソコン」を商標に据え一般に定着させていく。1982年度のNHK教育テレビの趣味講座「マイコン入門」で教材に採用されたが、商品名を出すことができないため、銘板をマスクされ「機種X」と呼ばれていた。2015年9月1日に国立科学博物館の重要科学技術史資料(通称:未来技術遺産)の第00205号として、登録された。製品発売に先立ち、月刊I/O 1979年6月号に広告が掲載されたが、その時に使用された本体写真は、製品版と比べ以下の違いがあった。1983年1月に発表、同年3月に発売された、PC-8001の後継機。定価は123,000円。PC-8001ではオプション品であった、シリアルインターフェース(RS-232C)、5インチFDDインターフェース、拡張スロット(2スロット)を標準搭載させ、FGU-8200を参考(メモリマップも同じ)にした640×200ドットのグラフィックプレーンを追加する事で漢字表示を可能とし、オプションで漢字ROM、漢字BASICもサポートした、実用本位の強化に特化しているのが特徴で、同クラスの他機種でオプションのシリアル(RS232C)が標準搭載でモデム等の通信機器が直接接続できたり、制御用ボードの増設が簡単であったりと業務(研究)向けな仕様であった。メインRAMは64KBとなり、CP/Mなどの汎用OSも標準で動作するようになった。反面AV面では、ハイレゾグラフィックがモノクロ(解像度を落としても4色)、サウンドはPC-8001と同様のビープ音のみという寂しいものとなった。キーボードは、TABキーが追加されESCキーの位置が変わっている。BASICは、N-BASICの24KBのROMに8KBを継ぎ足して拡張したN-BASICを搭載。主にグラフィック関係の命令が追加されている(N-BASICの未使用予約語CMDを使用)。PC-8001 (N-BASIC) 用のソフトはN-BASICでも基本的に動作するが、フリーエリアなどの関係で完全な互換性が必要とされる場合には、N-BASICモードに切り替えることもできる。切り替えはリセット時のディップスイッチまたはキー操作による。また、本体背面にはアタリ規格と同形状の台形型Dsub-9ピンの汎用I/Oポートが設けられたが、ピンアサインをアタリ規格と合わせなかったため、アタリ規格準拠のジョイスティックポートとしては機能せず、バーコードリーダ等の業務用機器の接続ポートとして使われた。グラフィックモードは、ゲームでは主にスクリーン2(320×200ドット、黒+赤+緑+選択色)が使用され選択色に青を指定してタイルパターンでデジタル8色を表現する手法が多用された(ただし白を鮮明に表示させたい場合は青の代わりに白が指定された)。またカラーを必要としないボード系ゲーム(麻雀など)では、スクリーン0/1(640×200ドット、黒+指定色)が使用された。スクリーン3(320×200ドット、青+マゼンダ+シアン+選択色)は殆ど使用されることがなかったが、ポートピア連続殺人事件やNUTS&MILKなどで使用された。拡張手段は、のちに発売されたPC-8801用のビデオアートボード以外にはなかった(当然、ソフトは無いので付属説明書によるアクセス方法に従ったソフトを自作することになる)。音楽機能も、PC-8801mkIIの様な強化(CMD SING)はされず、PC-8001のままでソフトウェアによる工夫に頼ることなった。この頃、各社から同じような価格・スペックの8ビットPCが続々と発売されたが、それらの機種ではホビーユースでは不要なインターフェース部分をオプション扱いにしたり省略させる代わりにグラフィックやサウンド機能の充実を図った。それに対し本機ではインターフェースの拡張を重視させたため、AV面の拡張が中途半端なものとなり、AV面だけで比較すると他の機種に比べ大きく見劣りする物となった。その結果、本機は前モデルのPC-8001用の豊富な資源を安価で拡張できるというメリットがあったものの、競合他機種に見栄えで大きく水をあけられるものとなった。さらに、上位機種のPC-8800シリーズがPC-8801mkIIでホビーユースについて強化される一方、下位機種のPC-6000シリーズもPC-6001mkII/6601で大幅に機能拡張され、本機の位置付けは微妙なものとなってしまった。640×200ドットの8色グラフィックは、コストの問題とFGU-8200用のアプリケーションに対応させるため、サウンド機能は、コストの問題と拡張スロットを使えば容易に搭載できることから、それぞれ見送られた経緯がある。このクラスでは、珍しくワープロソフト等の業務用ソフトが多数存在する。なお、PC-8800シリーズの8インチFDD(PC-8881等)も使用可能。1985年1月に発売された、PC-8001mkIIの後継機。定価は108,000円。グラフィック機能はさらに強化され、PC-8801mkII同様の640×200 8色に加えて320×200 8色を2画面重ね合わせ出来るモードを持ち、PC-8801mkIISRよりゲームが作りやすい面もあった。また、他のSRシリーズ同様、高速VRAM書き込み(のちにALUと呼ばれる)、FM音源を搭載し、サウンド機能も飛躍的に向上した強化されたグラフィック・サウンド機能・ひらがな表示をサポートするN-BASICに加えて、互換性のためN-BASIC(高速モードも搭載)およびN-BASICモードを搭載。ただし、CMTインターフェイスICが変更されたことにより、PC-8001mkII用のソフトウェアで1200bpsで作成されているものは読み込むことが出来なかったため、互換性の面では満足出来るものではなかった。拡張スロット数は1つ減少しディップスイッチの設定より挿入ボード用の信号の切り替えに変更。漢字ROM専用スロットは、電源下からキーボード下へ移動した。これにより、非公認だがPC-8001mkII用だけでなく初代PC-8801用漢字ROMが使用可能となった。PC-8801mkIISR用キーボードも接続可能な端子が追加されている。なお、PC-8801mkII用のキーボードも接続可能だが、タイミング的な不具合が出る。また、mkIIにあった9ピンの汎用I/Oポートは削除された。すでに市場の主流はPC-8800シリーズに移っており、本機はPC-8801mkIISRの引き立て役といった色合いが強かった。しかしPC-8800シリーズにはないカラーでの2画面グラフィック機能を生かして、他機種(8bitパソコン)では存在しないパックランドや、本機とX1でしか発売されていないハイパーオリンピック'84の他、ゼビウスなど、競合機種よりも、スムースな動作を見せるソフトウェアも存在した。また、始皇帝(麻雀ゲーム)やキングフラッピー、らぷてっく、ホーリーグレイ等のPC-8801mkIISR / PC-8001mkIISR両対応のソフトも発売されている。
出典:wikipedia
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