バンコク・メトロは、タイの首都バンコク首都圏を走る地下鉄による高速鉄道網である。正式名称はMRT (Mass Rapid Transit)。バンコク・メトロ社(バンコク・メトロしゃ、Bangkok Metro Company Limited)が運営している。MRTはバンコク首都圏において増加する輸送需要への対応及び慢性的な交通渋滞の緩和を図り、タイの経済発展と温室効果ガスの排出削減を通じて、都市環境の改善に寄与する目的で建設された。国営のタイ高速度交通公社(MRTA)が路線の建設や施設の保有を行い、民間会社のバンコク・メトロ社が運営を行う上下分離方式を採用している。2004年に開業したブルーライン(チャルーム・ラチャモンコン線)20.8kmと、2016年に開業したパープルライン(チャローン・ラチャタム線)約23.0kmの2路線がある。建設は困難を極めた。バンコクは過去に何メートルにも及ぶ洪水を経験したこと、地下に配水管や電話線が無造作に埋まっていること、さらに、スカイトレインがあり開発には否定的な意見が多かったが、そのような中で1997年に建設が開始された。建設費は約27億ドルで、そのほとんどが日本の円借款で賄われた。建設の指揮は大衆電車公社が行い、請負った会社はイタリアン・タイ・ディベロップメント社、チョーカンチャン社、大林組、鹿島建設、熊谷組、東急建設、西松建設であった。ブルーライン(バーンスー駅 - フワランポーン駅)は、2004年7月3日に開通した。本来は2003年のAPEC首脳会議に間に合うよう開通させる予定だったが、間に合わず2004年8月12日の母の日(シリキット王妃誕生日)の開通を目指した。しかし、試運転段階において特に問題が発生しなかったために、予定を早めての開通となった。パープルライン(バンパイ運河駅 - タオプーン駅)は、2016年8月6日に開通した。ブルーライン用車両は当初、三菱電機・アルストム社(仏資本)が共同で請け負う予定で、すでに落札を終えていたが、後にBTSとの接続を可能にするため、スカイトレインと同じ、シーメンス社製の車両になった。車両は3両編成で、そのデザインはタイの国旗をイメージさせる白・青・赤の三色が使われている。基本的に内外装はBTSと変わらない。パープルライン用車両は、総合車両製作所製の鉄道車両「sustina」21編成63両が導入されている。座席はバケットシートだが、雨季に濡れた客が座った後に拭きやすいようプラスチック製の固いものが備え付けられている(これはブルーライン、BTS、エアポート・レール・リンクともに同じ)。洪水発生時に濁流が地下のコンコース・ホームに流れ込まないよう、ブルーライン各駅では地上の出入口にはわざと上り階段が設けられており、周辺道路より1mほど高くしてある。パープルラインでは全線高架駅のためコンコースやホームに濁流が流れ込む恐れはないものの、ブルーライン同様に地上の出入口には上り階段が設けられており、エスカレーターは地面と直に接してはいない(BTSでも同様)。コンコース階で金属探知機と目視によるセキュリティ・チェックが行われている。階段・エスカレーターの先にゲートを設けているので、列車には乗車せず改札外の通路を抜けるだけでもセキュリティ・チェックを受けなければならない。ゲートでブザーが鳴ると、カバンの中身を係員に見せなければならない(実際はチラ見せ程度)。なお、駅構内はメトロモールを除いて飲食禁止となっている。自動券売機はタッチパネル式のものが置かれている。画面上のマップに表示された駅の部分をタッチして運賃を支払うとトークン(とお釣り)が出てくるので、そのトークンを自動改札機にタッチして入場する。下車駅では、自動改札機にある投入口にトークンを投入して出場する。ブルーライン、パープルラインともに、駅のエスカレーター、エレベーターは三菱電機製が納入されている。ホームドアは、ブルーラインがフルスクリーンタイプを、パープルラインが可動式ホーム柵を採用している。朝の6時から、深夜の24時まで。ブルーラインは、2004年8月12日(母の日)までの運賃は、距離に関係なく一律10バーツであり、この期間の収益金は王室慈善プロジェクトに寄付された。その後、2005年7月3日までは乗車距離に応じて、12 - 31バーツであった。2014年3月現在、運賃は乗車距離に応じて16 - 40バーツである。子供及び高齢者用運賃有り(運賃は半額の8 - 20バーツ)。30日間乗り降り自由のフリーパスカード料金は1400バーツ。但し、日本の様に距離に応じての定期券運賃の制度は無い。パープルラインの運賃はブルーラインとは別建てとなっており、ブルーラインの1日乗車券をパープルラインで使用することはできない。なお、当初は14 - 42バーツで開業したが、利用者数が想定を大幅に下回っているため、開業早々半額に値下げが検討され、実際に値下げされたものの却って赤字幅が拡大してしまった。営業中の総延長は20.8kmであり、全区間を約30分で走行する。軌間は標準軌 (1,435mm) であり、直流750Vによる第三軌条集電方式である。フワランポーン駅から先、ラックソーン駅まで(13.4km)と、バーンスー駅から先、タープラ駅まで(13.0km)が延伸工事中であり、2016年の完成予定であったが工事の遅れから早くても2019年に変更された。これらの工事が完了すると、路線はひらがなの「の」と同じ形になる(タープラ駅で接続)。総延長は約23km。全区間が地上で、全駅が高架駅。ブルーラインと同じく、第三軌条方式を採用している。2015年12月14日より試験走行を開始。ただ、日本からの車両の到着が遅れた関係で開業が半年ほど遅延し、本格的な試運転は2016年5月10日より開始となった。翌6月から7月にかけて無料運行し、当初はシリキット王妃誕生日である8月12日に正式開業する予定と報じられたが、繰り上げて8月6日に正式開業した。ブルーラインの延伸工事が遅れており、ブルーラインとの接続駅であるタオプーン駅と現在のブルーラインの終点であるバーンスー駅間は、ブルーラインの延伸開業まで暫定的に無料シャトルバスを運行している。なお、タイ国内の報道によれば、ブルーラインのタオプーン駅は2016年12月5日開業予定とのこと(英語版Wikipediaen:Tao Poon MRT Stationにも記述がある)。ただ、開業前は1日あたりの利用客は6 - 7万人と見込んでいたものの、ブルーラインと接続していないことや運賃が比較的高いことから敬遠されており、開業後の1日あたりの利用客は想定を大幅に下回る2万人程度に留まっている。開業から5ヶ月が経過した2005年1月17日。フワランポーン駅へ向かう電車がタイ文化センター駅を出発した所で、後ろから空の車輌が追突。追突された車輌には700人の乗客が乗っていたが、およそ100人の乗客が負傷した。人為的ミスが原因。その後地下鉄は約2週間営業を停止し、2月1日に復旧。交通渋滞が激しいため、パークアンドライドを目的にラートプラオ駅とタイ文化センター駅に駐車場を設けた。2005年9月9日よりスクムウィット駅にてメトロモールと呼ばれるショッピングモールが開業。今まで売店も無く飲食も出来なかった地下鉄において、このメトロモールが開業したことにより、より利便性が高まった。ただし飲食はメトロモール内のみで可能で、その他の地下鉄構内では不可能。最終的に11の駅で開業する見込み。現在、ブルーラインの延伸工事が行われている(詳細は英語版wikipedia「en:Bangkok Metro」も参照)ほか、パープルラインもタオプーン駅より先、南進してウォンウェンヤイ、プラプラデーンへと延伸する計画がある。日本の東日本旅客鉄道(JR東日本)は、丸紅・東芝と共同で合弁の現地法人をバンコクに設立し、パープルラインの鉄道車両や地上設備についてのメンテナンス業務を実施することになった。パープルラインは、バンコク北西部のパンヤイ地区と中心部に近いバンスー地区を結ぶ全長約23kmの高架鉄道で、タイ運輸交通局が日本の円借款を活用して建設している。パープルラインには、JR東日本グループの総合車両製作所(J-TREC)が新造するステンレス製車両3両編成21本(63両)が納入された。2015年9月21日に、第一便としてタイに到着した2編成6両の引き渡し式典が行われた。2016年1月までに全編成の輸送を完了した。
出典:wikipedia
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