福岡 - 宮崎線(ふくおか - みやざきせん)は、福岡県福岡市と宮崎県宮崎市を結ぶ高速バス路線である。「フェニックス号」の愛称を持ち、西日本鉄道(西鉄)・西鉄高速バス(西高)・宮崎交通(宮交)・九州産交バス(産交)・JR九州バスの5社が共同運行する。1988年運行開始。なお、本記事ではJR九州バスが2011年4月13日から2012年4月25日まで単独で福岡 - 宮崎間に運行していた「たいよう」及び2016年4月22日から西鉄高速バス単独で週末及び祝日及び祝前日に運行する夜行便の「福岡 - 延岡・宮崎線」についても記述する。福岡市と都城市・宮崎市の間を九州自動車道・宮崎自動車道経由で結ぶ。西鉄・宮交・九州産交・JR九州バスの4社において1日28往復運行している。SUNQパス全九州版で利用可能。福岡市と宮崎市を結ぶ交通手段として航空機とほぼシェアを二分している(2004年度の実績ではバス45.3万人、航空50.3万人)。土日は、必ず続行が出る。ただ、出張などでは航空機に分があるとみられている。一方、博多 - 宮崎間の鉄道は、JR九州が小倉経由の特急「にちりん」と、人吉・都城経由の急行「えびの」が運行されていたが、遠回りとなる「にちりん」は所要時間と運賃・料金面でフェニックス号に大きく劣り、「えびの」も本数が少なく非電化区間を通過するために所要時間面で劣勢に立たされたこともあり、対抗策を止め運行規模を縮小(「にちりん」の直通系統は1日2往復に減便、「えびの」は系統廃止)し、JR九州(後に分社化しJR九州バス)がフェニックス号の共同運行会社として参入、担当本数を増やしている。ほかに、2000年代からは福岡市と宮崎市の間には数社がツアーバスを運行し、概ね「フェニックス」の通常運賃の半額程度の料金で利用可能であったが、2013年8月1日の高速ツアーバスの乗合バス化で一部が撤退した。現在ではサンマリンツアーが運行する「サンマリンライナー」と、山口運送(美登観光バス)が運行する「みとシティライナー」が乗合バス化され運行を継続しているが、乗合化後の運賃値上げや「フェニックス」の運賃値下げのため「フェニックス」との運賃格差は縮小した。国土交通省九州運輸局の統計によると、「福岡 - 宮崎」路線(3系統、この調査時点では「たいよう」は運行開始前)合計の運送収入は20億円から21億円であり、九州における高速バスで首位(2004,05,06年度)または2位(07年度)に位置している。※「フェニックス号」「たいよう」「福岡 - 延岡・宮崎線(夜行便)」それぞれについて記述する。沿革にもあるように当路線は1988年に運行開始して以来20年以上もの長い歴史を持つ。途中佐賀県基山町・熊本県人吉市にのみ停車する速達タイプ(スーパーフェニックス)と、福岡県久留米市・熊本県八代市などの主要地点に停車するタイプの2種類が設定されている。現在の1日の運行本数は、スーパーフェニックス16往復・多停車タイプ8往復の合計24往復であり、毎時1 - 2便が運行されている。他に、夜行便1往復も運行され2009年に廃止されたが、2011年3月12日から2013年3月31日まで試行的に運行を再開していた。かつては停車地がスーパーフェニックスと同じで運賃を通常便の約半額(往復運賃を通常便の片道運賃と同額)とした「皆割(みなわり)フェニックス」が3往復運行されていたが、運賃の値下げと「席割」サービス開始に伴い2011年4月12日を以って廃止された。座席は予約指定制であり、予約が必要。SUNQパス全九州版が利用可能だが、北部九州版は博多 - 八代・人吉間のみの利用であっても使用不可。愛称の由来は、宮崎県の県木であるフェニックス(カナリーヤシ)から。運行には福岡県および宮崎県の両方とも運行エリアでない九州産交バスも携わっている。これは、当初路線開設時において九州自動車道の八代 - えびの間が未開通であり、その大部分が熊本県であったことから、途中に通過する同県内の熊本市に次ぐ第二の都市である八代市や観光客の多い人吉市を無視できないとの見解から、同社の管轄停留所である『八代駅前』や『人吉ターミナル』(各停便、現在同ターミナルは廃止)ならびに『人吉クラフトパーク』(スーパー便)にも停車していたためで、その流れにより九州自動車道が全線開通した現在においても同社の管理する八代インターチェンジおよび人吉インターチェンジの両バス停において引き続き乗降扱いをおこなっているためである。なお、車両は熊本 - 宮崎間のなんぷう号で送り込みを行っている。太字は停車停留所。福岡・佐賀県内間(西鉄天神高速バスターミナル - 八女IC)ならびに宮崎県内間(えびのIC - 宮崎駅)のみの利用は不可。熊本県の八代IC・人吉ICにおいては両方向ともに乗降可。スーパーハイデッカーまたはハイデッカーで、その後の九州内を運行する長距離都市間高速バスの基本形となる幅のたっぷりした2+1列シート、床下(ホイールベース間)または車内後部に水洗トイレを備えているなど、グレードの高さ、その割に低廉な料金も好調の理由といえる。当初は各事業者とも西鉄に合わせて西工SD-I(九州産交のみいすゞ以外は三菱ふそう)で、カラーリングもクリーム色地に緑色濃淡の模様に統一されていたが、2000年代に入ると各社とも自社高速車用のカラーリングとなり、車種も以前は専らスーパーハイデッカーが用いられハイデッカーにおいては専用車都合時や続行車に限って使われていたが、最近では新車への代替時にはハイデッカーが専用車に選択されているケースが多い。他路線の車両にない特色として、2011年から西鉄グループ全車と宮交の一部を除く大半の車両に導入された「セレクトシート仕様車」がある。これは4列(横2+2列)シート車の事前購入割引「席割」を導入するに当たって、従来の3列(横2+1列)シート車の後方6列を4列シート6-7列に改造したもので、3列シート(12-13人掛け)と4列シート(22-24人掛け)が混在する2クラス仕様となっている。2011年7月からは、西鉄担当車に「セレクトシート仕様」の三菱ふそうエアロエースといすゞガーラHDが投入された。エアロエースは西鉄グループ初登場で、ガーラHDも路線車初登場。なお、産交とJRは当面セレクトシート仕様車を導入せず、宮交も全車セレクトシート化されていないため、これらにおいては従来からの3列シート車を使用する。ラジオは走行区域内のJFN系列局(エフエム福岡・エフエム熊本・エフエム宮崎)で、県境付近で変更される。JR九州バスでは、1989年から「フェニックス号」の運行に携わってきたが、2011年4月12日をもって「フェニックス号」の共同運行から撤退し、翌日から博多バスターミナル - 宮崎駅間に天神を経由しない別系統の高速バス「たいよう」を運行開始した。この運行形態の変更に際しては、九州新幹線全線開業に伴い、新幹線連絡となる高速バス「B&Sみやざき号」(新八代駅 - 宮崎駅)の運行を計画し、高速バスと新幹線の相乗効果を狙うJR九州サイドと、九州新幹線に伴うフェニックス号の利用者離れを食い止めたいとする西鉄サイドとの思惑の違いが遠因にあったと報じられている。「たいよう」はJR九州バス単独運行で10往復が設定された。福岡市内では「フェニックス号」が停車する西鉄天神バスセンターには停車しなかった。所要時間は博多バスターミナル - 宮崎駅間最速3時間55分で、慢性的な渋滞の見られる天神地区を経由しないことにより従前の「フェニックス号」に比べ20分から30分ほど短縮された。運賃も博多 - 宮崎間片道4,500円で、片道2,000円から3,500円(福岡 - 宮崎間の運賃。車両によって値段が異なる)の「前売きっぷ」を発売することで、「フェニックス号」よりも安く移動できるように設定した。インターネット座席予約システムは、これまでの「楽バス」ではなく、株式会社工房の「発車オ〜ライネット」を使用した。これはJR九州バスが「楽バス」の運営母体である九州高速バス予約システム運営委員会に参加していない(「フェニックス号」はJR九州バス以外の3社が加盟していたため、路線として「楽バス」を採用している)ためである。九州内で完結する高速バス路線が発車オ〜ライネットで予約・販売されるのは初めての例である。2011年10月1日からはJR駅などのみどりの窓口での販売も開始した。なお、「フェニックス号」の運行形態の大幅見直しは、「たいよう」への対抗措置の側面が強い(運賃値下げ、博多BTと天神BCの停車順序入れ替えなど)。JR九州バスでは2012年4月25日限りで「たいよう」を廃止し、翌26日より「フェニックス号」の共同運行に再び参入した。このため両系統の競合関係は約1年で終了した。太字は停車停留所。福岡県内間(博多バスターミナル - 久留米IC)ならびに宮崎県内間(えびのIC - 宮崎駅)のみの利用は不可。熊本県の人吉ICにおいては両方向ともに乗降可。9往復が3列(2列+1列)シートのスーパーハイデッカー、1往復が4列シートのハイデッカー。全便トイレ付き(ただし車両都合時や続行車においては変更になる場合あり)。なお、運行開始時より1往復には3列独立シートの2階建てバス(2011年3月末で運行を休止した山陽道昼特急博多号からの転用)が使用されていたが、2012年3月19日の運行を以って終了となった。九州内で完結する高速バス路線に2階建て車両を充当するのはこれが初めてであった。2階建てバスはその後同年4月1日より「福岡・山口ライナー」における臨時便として増便されたうちのノンストップ便1往復に転用されたが、こちらも同年9月17日の運行を以って終了し、その後、同年12月21日からは多客時期のみの期間限定で運行される鹿児島 - 広島間の夜行高速バス「鹿児島ドリーム広島号」に使用されていた(2014年3月頃運用離脱し、サンシャインエクスプレスに転出)。2016年4月22日から金・土・日・祝日とその前日限定で運行している夜行高速バス。福岡-宮崎間の夜行バスは2013年3月31日で終了したフェニックス号の夜行便以来3年ぶり、延岡方面はごかせ号が夜行便を休止してから実に23年ぶりとなる、いわば各系統夜行便のリバイバル版ならびに統合版とも言えるが、両系統とは全く別体系となっており運賃も異なるほか、愛称も付けられていない。太字は停車停留所。福岡県内間(西鉄天神高速バスターミナル・博多バスターミナル・高速基山)ならびに宮崎県内間(延岡駅前バスセンター・佐土原駅前・宮崎駅・宮交シティ)のみの利用は不可。ごかせ号及びフェニックス号の夜行便的な役割を果たすが、ルートは各系統と異なり東九州自動車道経由となる。運賃はごかせ号及びフェニックス号とは別体系になり、両路線の往復乗車券・回数券(窓口発行分のみ・Web版及び席割乗車券は除く)ならびに「SUNQパス(全九州+下関版)」は使えるが、乗車前に窓口において本券を提示したのち「夜行差額券」を購入するか、乗車時に本券と共に現金にて差額を支払う必要がある。
出典:wikipedia
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