『宇宙船サジタリウス』(うちゅうせんサジタリウス)は、1986年1月10日から1987年10月3日までテレビ朝日系列で全77話が放送された日本アニメーション制作の日本のオリジナルSFアニメである。藤倉電線(現・フジクラ)→住友電工の一社提供番組であった。零細企業で宇宙貨物輸送船のパイロットとして働く平庸な中年サラリーマン達が、様々な星で騒動に巻き込まれるストーリーを複数話完結のオムニバス形式で描いた作品。登場人物は全て獣人のようなキャラクターデザインである。イタリアの物理学者、アンドレア・ロモリ(Andrea Romoli)が描いた「アルトゥリ・モンディ」(ALTRI MONDI)というSF怪奇冒険絵本を原作としているが、原作から借りているのはメインキャラクターや一部の設定のモチーフだけであり、ほぼ日本アニメーションオリジナルの作品である。ちなみに「アルトゥリ・モンディ」とはイタリア語で「異世界」(ANOTHER WORLD)という意味。金曜19時30分枠という『ドラえもん』の次の放送枠を与えられていたにも関わらず、獣人的なキャラデザインとは裏腹な、平庸で倹しい生活臭に満ちた中年サラリーマンたちが、家族や生活などの様々なしがらみの中で時には命を張って冒険に赴くといった、低学年層にとっては難解なストーリーも展開された。放送開始当初はそれほど注目されておらず、2クール程度の予定でスタートしたが、後に最高視聴率が19%を超え、最終的に1年9ヶ月近くもの間放送されることになった。2001年にムービックよりDVD-BOXが全3巻(1BOXディスク5枚×3計15枚)数量限定で発売され、後に単巻販売もされた。2010年1月27日にはCCREからパッケージや枚数を一新した新装版DVD-BOXが全2巻(BOX1ディスク9枚、BOX2ディスク10枚)で再発売された。2010年2月3日よりDVDレンタルも開始されたが、同社が倒産したことによりレンタル版は12巻(〜48話)までで打ち切られた。なお、GyaO!ストア内の日本アニメーション公式サイトにおいて77話まで有料動画配信が行われている。2014年12月10日にBlu-ray Disc BOXが全1巻(11枚組)でNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンから発売された。放送当時の設定画や製作初期資料を収録したブックレット、テレビ放送前に収録されたパイロット版映像、放送当時の番組宣伝映像集などが特典として収録されている。第1・2話とそれ以降ではオープニングアニメーションの一部が異なる。トッピーとラナは宇宙輸送の零細企業・宇宙便利舎のサラリーマンで中古貨物宇宙船サジタリウス号のパイロット。月面基地のトイレ修理の仕事を終え、ひと月ぶりで地球に戻ると、社長から次の仕事を言い渡された。依頼主は宇宙考古学研究所の研究員のジラフ。危険なベガ第3星に、調査のために単身で旅立った研究所の先輩で恋人のアン教授を連れ戻して欲しいという内容だ。トッピーとラナは家族との再会もつかの間、休む暇もなくジラフと共にサジタリウス号で一路ベガ第3星に向かう。ベガ第3星では不思議な異星人にして吟遊詩人のシビップを仲間に加え、スリルと笑いと涙に満ちあふれた冒険記が始まる。本作のキャラクターデザインは、かなり独特で、地球人であっても現実の地球人とはかなりかけ離れたデフォルメされた獣人にも似た物になっている(これについては我々ホモ・サピエンスが未来の環境汚染により獣人のような防護スーツをまとっていて、便所掃除の仕事は移住先の惑星探しかも?という横田監督による冗談話が当時のアニメ雑誌に掲載された)。劇中やエピソードの合間に数ヶ月単位で時間が経過することがあり、年齢は一定しない。深緑色で円柱形をした垂直離着陸ロケットタイプの骨董品クラスの旧式貨物宇宙船。トッピーとラナがクルーを務める。船名のサジタリウスとは射手座のことで、同船には弓矢をモチーフとしたシンボルマークが付けられている。元々は宇宙便利舎が中古で購入したが、宇宙便利舎が倒産後は宇宙コスモサービス社の資産となり、宇宙コスモサービス社へ再就職してその後退職したトッピーとラナに対し、退職金代わりに現物で譲渡された。サジタリウス号を元手にトッピーは新宇宙便利舎を起業することになる。船体は前部の居住部と後部の貨物・推進部で構成されている。大気圏内での航行や高速巡航時には一体となっているが、通常航行時は両区間の通路部を伸張して分離可能な構造になっている。通常航行時にはこの伸張した通路部を囲むような形で予備燃料タンクを装着することも可能。高速巡航時には、メインエンジン噴射口に通常時は折り畳まれて収納されているパラボラアンテナ状の大型ノズルが展開され、通常は居住部から張り出して有視界航行が可能になっているコクピット部を内部に引き込み収納する運用も可能である。居住部は切り離し可能で、単体で大気圏内での航行能力を持ち、宇宙港などの施設がない星へ着陸するための着陸船として運用可能だが、それが描写されたのは第2話でベガ第3星に着陸した時のみで、以後劇中で描かれる事はなかった(EDでは居住部のみで水上船のように海上を「航海」している)。居住部内部にはコクピット下部に3機の船外作業用ポッド格納庫およびポッド用ハッチ3基、一人乗り小型飛行機「ジュニア」が格納されるハンガーとハッチが存在する。ポッドは終盤に至るまで船外作業のシーン等に登場するが、飛行機は第2話でトッピーが搭乗中に墜落して以降、登場しない。大気圏突入時に船内を冷却する機構が無く、「指令エックス」と称してクルーが着衣を脱いで、突入時に発生する高熱をしのぐというシーンが何回か登場した。また故障も多く、操縦レバーが折れたり、燃料漏れを起こすといったトラブルは当たり前で、メインエンジンが故障して操縦不能になり、これで事件に巻き込まれるという展開は例に事欠かない。他のSF作品では見られる宇宙航行技術に関する設定や情報が本作では殆ど登場しないため、どのようにして恒星間航行を実現しているのかは不明だが、ワープと思われるシーンは存在する。なお旧式でこそあるが、船体そのものは相当頑丈で、不時着や胴体着陸をしようが、現地の軍隊に攻撃されようが、応急修理ですむ程度の損傷しか受けていない。各編の名称は『宇宙船サジタリウスDVD-BOX(1)』のブックレットに表記されているファンサイト由来のものである。第1話 - 第13話の全13話。月面基地でのトイレの修理を終えたトッピーとラナは、久しぶりに地球へ帰還するが、家族との再会に浸る間も無く宇宙便利舎社長から呼び出される。依頼者は宇宙考古学研究所の研究員ジラフ。彼の先輩であるアン教授が、ムー大陸の謎を追う為危険を顧みず未開の惑星ベガ第3星へ単身旅立つのを連れ戻して欲しいと言う。困惑するトッピーとラナだが、渋々ベガ第3星へ飛び立った。惑星到着後、アン教授に追い付くもサジタリウス号の不調により見失ってしまう。3人は近くの村へ向かうが、そこで翻訳機の不調により村の礼儀に反することをしてしまった為3人は捕まり、死刑に処される事に。あわや殺されるところを救ったのは、吟遊詩人シビップの歌だった。シビップを仲間に加え、一行のアン教授を探すベガ第3星の旅が始まった。第14話 - 第19話の全6話。ベガ第3星から地球への帰還の途中、サジタリウス号が故障し、冥王星に緊急着陸。学会の発表で地球へ急ぐアン教授、ジラフと別れる。一方サジタリウス号の修理費用が払えず困っていたトッピー達。そこに、妙な2人の異星人が現れ修理費用を全額支払ってくれる。代償に彼らから仕事の依頼を受けたトッピー達は「マグロック星」へ向かう。途中、突然攻撃を受けるがなんとか到着。マグロック星国王の話によれば隣星カレムスの国王シガトと将軍タルトに率いられた軍によって大飢饉が起こり、戦争になって壊滅的な打撃を受けてしまったと言う。そこで、滅亡を回避する為に惑星ベンセレムにある最終兵器スイードをとって来て欲しいと依頼される。初めは拒否をしたトッピー達であったが、王女パルバラ姫によって心動かされ、姫をのせ惑星ベンセレムへ向けて飛び立った。その途中学術調査でベンセレムへ向かっていたアン教授、ジラフと合流。一行はタルト率いるカレムス軍をかわしながら、スイードを探す。第20話 - 第26話の全7話。惑星ベンセレムから地球へ帰還した一行は、それぞれの家路につく。リブとの対面を果たすトッピー、ラザニアに舌鼓を打つラナ。だが、彼らはもはや失業者だった。困り果てたトッピーは、サジタリウス号で新会社「新宇宙便利舎」を旗揚げする。研究所を解雇されたジラフも参加するが、ラナはナラの言いつけにより工場の組み立て労働をする事に。しかしラナの子供達によって自分がしたい事に気付かされ、新会社へ参加を決意する。会社設立の日、怪しげな依頼人・ザザー星の少女ルルが訪れた。ルルはトイレ修理の依頼だと言ってトッピーたちと契約するが、実はザザー星はアマルログ星に侵略されつつあり、アマルログ軍に集団連行された同胞達を救出するための助っ人を探しに来ていたのだった。第27話 - 第32話。ジラフが大学時代の恩師で生物学者のトンシー博士から引き受けた仕事は、コンテナを惑星クレイラに運ぶだけで大金が貰えるといううまい話だった。しかし、オンボロ宇宙船サジタリウス号は大気圏離脱時に大きな衝撃を受け、コンテナを破損してしまう。一行がコンテナの様子を調べにいくと、子犬ほどの大きさの謎の動物が船内を動き回っていた。まもなく、サジタリウス号は宇宙パトロールの臨検を受ける。彼らは火星の研究所から盗まれた珍獣・ダイムの卵を探しているという。コンテナの中身は実はダイムの卵で、コンテナ破損により孵化してしまったのである。トッピー達は逮捕され宇宙パトロールステーションに拘留される。だがステーションをフランケンと呼ばれる怪物を連れた謎の老婆ベリアルが襲撃。混乱の中、崩壊するステーションからダイムと共に脱出したサジタリウス号。しかしベリアルも船内に乗り込んでおり、一行を脅し惑星クレイラへと向かわせる。第33話 - 第36話。寒風吹きすさぶ荒涼とした辺境の星デルタ星にやって来た一行。この星でかつてテラン文明を築いたといわれる、オルロッグ人の遺跡を発掘作業中の、イストリックス教授と助手を地球に連れて帰る仕事を、アン教授に紹介されて来たのだった。しかしイストリックス教授は、オルロッグ人の石像の発見によりもう少しでテラン文明の謎を解明できると、地球への帰還を拒否する。困惑するトッピー達だったが、無人の惑星で2年間一人で助手を務めた娘アミンサの落胆を知った教授は、地球への帰還を承諾する。しかしその夜、岩々の間を吹き抜ける風がオルガンのような音色を奏でる中、オルロッグ人の石像が突如動き出し、イストリックス教授と共に姿を消す。教授を探して地下遺跡に踏み込んだトッピー達は、太古に絶滅したはずのオルロッグ人と、彼らを管理する何者かが潜む異空間へと迷い込んでしまう。第37話 - 第39話。大学の研究室でジラフと一緒だったモラ博士は、故郷の不毛な星アロン星のために植物の成長を促進する物質“物体Z”を開発する。しかし物体Zは火と反応すると核反応を起こし、植物を突然変異させ動物を三日後に死に至らしめる死の灰を撒き散らすという欠点があった。そんな危険な物体Zをジラフは間違って捨ててしまい、その上物体Zは他のゴミと共にアロン星の焼却工場へと運ばれてしまう。奇しくもその工場の持ち主は、旧宇宙便利舎の社長であった。そして、物体Zを狙う悪党ケミカル一味もまた、アロン星へと向かう。しかしあと一歩のところで間に合わず、物体Zはトッピーたちの眼前で大爆発を起こしてしまう。第40話 - 第43話。宇宙最高の宝が隠されているという伝説が残るブリル星。その付近を航行していたサジタリウス号は、ルアー星の自警団に海賊と間違われ襲撃を受け拿捕されてしまう。そこで考古学シンポジウムに参加する為ルアー星を訪れていたアン教授と偶然再会。アン教授により海賊の嫌疑は晴れる。開放されたサジタリウス号のクルーはウラン鉱山のマルク社長に呼ばれ、海賊退治の仕事を莫大な報酬で依頼されるが、トッピーは危険すぎると断る。しかし、アン教授とシンポジウムに同行していた教授の幼馴染ルピアとの仲を誤解し嫉妬したジラフは、アン教授へ報酬で高価なプレゼントを買って良いところを見せようと考え、ラナと二人で海賊退治に出発してしまう。しかし、海賊の正体はマルクだった。マルクは輸送船を襲い一度売ったウランを奪い返して二度売り三度売りをし、拿捕した乗組員をブリル星の財宝発掘のために酷使していたのだった。マルクから持ちかけられた海賊退治の狂言をジラフが拒否した為、サジタリウス号はマルクに攻撃されブリル星に不時着してしまう。※印は時差ネット
出典:wikipedia
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