MRワゴン(エムアールワゴン、英語表記:"MR wagon" )は、スズキで生産されていた軽トールワゴンである。日産自動車には2002年よりモコとしてOEM供給されていた。エンジンは自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類が用意される。初代・2代目はK6A型を搭載しており、NA車は40 kw(54PS)/ 6,500 rpm で吸気側にVVT(可変バルブタイミング機構)を搭載、ターボ車は44 kw(60PS)/ 6,000 rpm となる。3代目では高い燃焼効率を実現し、軽量・コンパクト化されたR06A型に置き換え。NA車は軽自動車初の吸排気VVT機構を搭載し、40 kw(54PS)/ 6,500 rpm となる。ターボ車は47 kw(64PS)/ 6,000 rpm に向上すると共に、吸気側にVVTを搭載したことで動力性能と環境性能を両立した。トランスミッションは初代と2代目が全車4ATで、3代目は副変速機付きCVT。シフトレバーは初代がコラムシフト、2代目と3代目がインパネシフトである。パーキングブレーキは足踏み式を採用することで運転席周りを広くとり、サイドウォークスルーも可能。当初前席はセパレートシートで、運転席と助手席の間に収納が設けられていたが、2004年(平成16年)の一部改良でベンチシートとなり、2代目と3代目もそれを継承している。助手席座面をスライドさせると下に収納スペース(助手席シートアンダーボックス)がある。初代はバケツのように取っ手があり、着脱可能。一方、2代目は着脱こそできないが大容量のシートアンダートレーがあり、イオンの「マイバスケット」がピッタリと収まるようになっている。3代目はシートアンダートレーが省かれたものの、初代のように取っ手が復活し、着脱可能となった。1999年の第33回東京モーターショーにMRワゴンと名づけられたコンセプトカーが出品された。後車軸直前にエンジンを搭載したミッドシップレイアウトであり、MRの名はその略称によるものである。全長、全幅はほとんどの軽自動車と同様に軽規格いっぱいを使うが、パッケージングだけではなくスタイリングも重視しており、トヨタ・エスティマのようなモノフォルムデザインとなった。当初はDOHC VVTエンジンを搭載する「E」・「X」・「Xナビパッケージ」とDOHC Mターボエンジン(60PS)を搭載する「ターボT」の4グレードで展開。「E」以外は全車同色ドアノブ、電動格納式ドアミラー、各種オーディオが標準装備されるなどセルボモード以来の充実ぶりであった。「Xナビパッケージ」は1DINのCD/MDチューナーと1DINのインダッシュカーナビゲーションが装備される。後部座席はリクライニング機能の他105mmの左右独立前後スライド機能を備え、またレバー一つでシートを倒せるなどシートアレンジが豊富になっている。前後スライド機能は、ベースとなった2代目ワゴンRのプラットフォームからショックアブソーバーの取り付け位置を変更するなどリアサスペンションの改良を施すことで実現、後にワゴンR/マツダ・AZ-ワゴンにもマイナーチェンジにより同様の改良がされた。そのためMRワゴンは一見コンパクトな車体に見えて広い室内を実現していた。またスズキ車としては初めて全車にブースターを利用するヘリカル型ルーフアンテナをルーフ中央に採用した。従来のスズキ純正カセットチューナーやAMラジオではアンテナコントロール電源がなく、対応させるには配線を増やす必要がある。そのため標準装備されることはなく、以降発売される新型車種も乗用モデルにはCDチューナーが装備されるようになった。軽自動車の規格が1998年に変更以降、多くのメーカーが乗用モデルにはSRSエアバッグやシートベルトプリテンショナー・フォースリミッターを標準装備していたが、スズキ製軽乗用車ではエブリイ以外標準装備が進んでいるとは言えなかった。このMRワゴンでは全グレード両席SRSエアバッグ・シートベルトプリテンショナー・フォースリミッターが標準装備された。更にフォースリミッターには軽自動車初の可変フォースリミッターを採用。リミッターが2段階に分けて働く仕組みとなっている。以降他の車種もマイナーチェンジを期にエアバッグなどが標準装備されるようになる。後述の「スポーツ」にはこれもまた軽初のCRD(クッション・レストレイント・デバイス)と呼ばれる乗員の衝突時の前方移動を抑制する装置を受注生産として設定された。コンセプトカーでは名称の由来となったミッドシップエンジンレイアウトは採用されず、コンベンショナルな前輪駆動(及びFFベースの4WD)となり、「MR」は「マジカル・リラックス」の略称とされた。2006年末、インドにてマルチ・スズキ・インディアが「ゼン・エスティロ」 ("ZEN ESTILO") の製造・販売を開始した。ゼン(セルボモードベース)の後継として投入されたこの車種は、MRワゴンをベースに外観を変更し、1,100ccエンジンと5速MTを搭載したものである。同車種は2007年からインドネシアへの輸出が開始され「カリムン・エスティロ」 ("KARIMUN ESTILO" ) として販売された。2009年にフェイスリフトが行われ、エンジンがK10型1,000ccに換装された。また、このときにインド仕様車は単に「エスティロ」と改名された。インドネシアでのカリムン・エスティロの販売は2013年に終了し、インドモービル・スズキ・インターナショナルは後継車種としてカリムン・ワゴンRの投入を発表した。インドでのエスティロの販売は2014年初めに終了した。2003年にゼネラルモーターズと共同開発した燃料電池自動車「ワゴンR FCV」に引き続き、2005年にはMRワゴンFCVが試作された。水素の充填圧力をワゴンR FCVの35メガパスカルから国内の燃料電池自動車では初めて2倍の70メガパスカルに強化して、航続距離の延長が図られている。(プレスリリース)目標月間販売台数は6,000台と発表されている。「ママワゴン」というコンセプトの下、随所に女性や子供に対する配慮が見られる設計とされ、従来型以上に利便性を追求した。内外装のデザインのとりまとめを行なったチーフデザイナーは同社の結城康和。この2代目よりキーレススタートシステム(先代モデルにもキーフリーシステムなるただ近づくだけでドアの施錠を行える機能がメーカーオプションにあったが、イグニッションは通常のキー式)やフルオートエアコン、MRワゴン専用CD/MDチューナーといった上級装備が採用され、内外装ともども使い勝手や上質さを充分考慮した仕上げとなっている。特に先代モデルではインパネに付く小物入れがヒューズボックスの前にあるケースとグローブボックス以外皆無だったが2代目からは豊富になっている。また、従来型ではコラムシフトを採用していたが、今回の変更でより操作性に優れたインパネシフト(全車4AT、スズキ車として初採用)に刷新された。同時にグレード体系も整理され、DOHC VVTエンジンを搭載する「G」・「X」、DOHC Mターボエンジンを搭載する「T」の3グレードとなった(「T」はのちの小改良で廃止。それによりターボ車は「Wit TS」のみとなるが、2010年の小改良でそれも廃止)。車体構造部には成形性に優れたハイテン材を多用し、従来鋼を用いた場合よりも軽量に仕上げている。ターゲットを主婦層から若年層に切り替え、「低燃費・広い室内空間・個性派デザインを採用した新感覚軽ワゴン」として開発された。
その理由は「トールワゴンのパレットがファミリー層と(2代目でターゲットとしていた)若い主婦層をカバーできていると判断したため」、そして「これまでのスズキのラインナップでは若者を取り込めていないことがわかったため」である。個性的なスタイリングと広々としたキャビンを実現するため、ホイールベースを先代に比べ65mm拡大。結果、ワゴンRやパレットよりも25mm長く、スズキの軽乗用車の中で最も長い2,425mmとなった。フロントフェイスはラウンドされた面編成に半円モチーフのヘッドランプを採用。Aピラーも前席の開放感を確保するために先代よりも角度を起こした。リアのコンビネーションランプにも半円モチーフを採用し、幅広感を強調させるため、リアウィンドー、ルーフエンドガーニッシュと共に一体に見せる黒基調とした。標準搭載のオーディオは静電容量式タッチパネル式を採用。指先で軽く触れたり、スライドするだけで簡単に操作できるほか、iPodやUSBメモリと接続できるUSBソケットやスムーズな駐車を可能にするバックモニターを搭載した。また、インパネトレーが配置されており、エアコン・シフトレバーの上にある中央のトレーはUSBで接続したデジタルオーディオプレーヤーや携帯電話などに、助手席側のトレーは箱型のティッシュペーパーがそのまま収納できるスペースを確保。運転席側のアンダートレーはETC車載器を設置できるようになっている。さらに、「G」・「T」には3代目ソリオにも採用されているワンアクションでフラットスペースな荷室展開が可能なダブルフォールディングリアシートを装備。左右独立のスライド式ラゲッジボードを採用することにより、リアシートのスライド位置に関係なくほぼフラットな荷室にすることができる。エンジンは軽量・コンパクトに収め、低燃費・低回転域のトルク向上・静粛性を実現した新開発のR06A型を採用。「G」・「X」には軽自動車初の吸排気VVT機構を搭載した自然吸気エンジンを、フルモデルチェンジに合わせて復活した「T」は吸気側にVVT機構を備えるターボエンジンを採用した。また、副変速機構付CVTにはCVT作動オイルをエンジン冷却水で温めるビルトインオイルヒーターを組み込み、オイルの粘性による抵抗を軽減するとともに、車体も高張力鋼板を効率的に多用することで先代比30kg(「G」の2WD車の場合)の軽量化を達成。これらにより、「T」の4WD車を除く全グレードが「平成22年度燃費基準+25%」を達成した(現在は「平成27年度燃費基準」も達成)。安全装備としては、「T」の2WD車にメーカーセットオプションで、「ヒルホールドコントロール付きESP(車両走行安定補助システム)」と「フロントシートSRSサイドエアバッグ及びSRSカーテンエアバッグ」が設定されている。なお、2代目の派生グレードであったエアロ仕様の「Wit」はフルモデルチェンジ時に一旦廃止となっていたが、2013年7月16日の一部改良により復活した。モデル途中から、成約者にCM・カタログのキャラクターであるミイ(声:佐久間レイ)のぬいぐるみ「ミイぐるみ」が進呈されるようになった。MRは「Magical Relax」の略。最初のショーモデル時はMR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)レイアウトの意だったが、その後前輪駆動レイアウトになり、「Magical Relax」の略となった。なお2・3代目に設定される「Wit(ウィット)」とは英語で「知性、知恵」を意味する。
出典:wikipedia
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