ハイエナ(=ヒヤエナ)は、ネコ目(食肉目)ハイエナ科に属する動物の総称である。長い鼻面と長い足を持ち、イヌに似た姿をしているが、ジャコウネコ科に最も近縁である。別名タテガミイヌ。サハラ砂漠以南のアフリカの他、シマハイエナはトルコ、中東のアラビア半島、ロシア南西部、インドにも分布する。現生の4種のハイエナのうち、昆虫食のアードウルフを除く3種は、強力な頭骨と顎、消化器官を持つ。これらによって、他の肉食動物が食べ残すような骨を噛み砕き、有機成分を消化吸収できる。角、骨、蹄など消化できないものは、ペレットとして吐き戻す。中型のカッショクハイエナやシマハイエナは、狩りをするより腐肉を漁ることの方が多いため、ハイエナの一般的な印象「サバンナの掃除人」のもととなっている。一方、ブチハイエナは、時速65kmを超える俊足と、並外れたスタミナとを併せ持つ優秀なハンターである。その食物には腐肉も含まれるものの、半分以上は自分たちで捕えたものであり、狩りで仕留めた獲物をライオンに横取りされる場合もある。イギリスの生態学者 H.Kruuk の研究では、セレンゲティ国立公園のブチハイエナは、10-15頭の群れでヌーやシマウマを狩ることが明らかにされている。他の動物が掘った巣穴に住み、巣穴の回りには動物の骨などが散乱している。巣穴にある骨は非常食である。ハイエナは前述したように顎の力が強いため、食料が無い時にはこれらの骨で飢えを凌ぐ。ハイエナの群れのリーダーはメスであり、メスのリーダーの長女が群れのリーダーを継ぐことが常識的になっている。そのため、オスは群れの中で順位が低い。ハイエナ科は、同じネコ目のジャコウネコ科から進化したと考えられる。その出現は比較的新しく、最古の化石はアフリカとヨーロッパの中新世前期のものである。初期のジャコウネコに似た比較的小型の系統(イクティテリウム亜科)は鮮新世前期までに絶滅し、現在の系統(ハイエナ亜科)は、中新世後期に出現して現在に至っている。ハイエナ科のほとんどは、アフリカとユーラシアに分布が限られるが、チャスモポーセテス属だけは、鮮新世後期に北アメリカまで分布を広げていた。現生のハイエナ科には、4属4種が含まれる。ハイエナは肛門腺が発達しており、これがしばしば女性器と見間違えられたため、長らく両性具有であると信じられてきた。ただし、アリストテレスは著書『動物誌』で「両性具有は誤りである」と記している。また、古代ローマの博物学者プリニウスは、『博物誌』で「ハイエナは交尾をしなくても出産できる」と記している。このような、性がはっきりしないという迷信から、中世までのキリスト教では神を受け入れたかはっきりしない曖昧な人間の象徴として、ハイエナが用いられた。ブチハイエナのメスの外性器は、外見上、オスのそれとほとんど区別がつかない。メスの外性器の各部分が偽の陰茎や陰嚢を形作っているため、野外で雌雄を明確に見分けるのは困難である。ハイエナが両性具有や、しばしばその性を転換すると考えられたのは、このためである。この現象は、ハイエナの胎児で高いアンドロゲン(雄性ホルモン物質)濃度が維持されるために起こるものであることがわかっている。この形容は同様の理由で、「ハゲタカ」とも言われる。
出典:wikipedia
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