プライム (英: prime、 )は、約物のひとつで、対象となる文字の右肩に右上から打つ点である(例:x′)。2つ重ねたものをダブルプライム( )、3つ重ねたものをトリプルプライム( )と呼ぶ。類似の記号としてアポストロフィー、クォーテーションマーク、アキュート・アクセントなどがあるが、それぞれ別のものである。なおイギリスの古い影響を受けた国(日本やインドなど)ではダッシュと呼ぶことも多い。プライムは 「第1の小部分」というフレーズに由来する(ここではラテン語で示したが、非常に古い起源をもった表現である)。60進法の慣習で、ある単位(たとえば1時間)の60分の1を"prime minute"、さらに60分の1を"second minute"、さらに60分の1を"third minute"の様に表現していた。除数は60に限らず、物によっては24分の1や12分の1を意味する場合もあった。これに対応して、数の右肩に点( )を1つ、2つと打つ表記がされるようになる。したがって本来この記号は"minute"に対応しているのであり、プライムと呼ぶのはふさわしくない。20世紀前半までは"x"′を「エックス・プライム」、"x"″を「エックス・セカンド」のように読んでいた。しかし次第にこの記号そのものがプライムだと認識されるようになったため、現在では"x"″を「エックス・ダブルプライム」と読むようになっている。プライムおよびダブルプライムは、時間、角度、ヤード・ポンド法における長さなど、単位を表すのに用いられる。腕時計メーカにおいてはトリプルプライムを使ってリーニュ( inches; 1インチの12分の1)を表している。金網 業界では"10=10メッシュ、"20=20メッシュと 25.4㎜(1インチ)に入る線の表記を略して数字の前にダブルプライムを付ける。 数学では、一般に類似したものを表すのに使われる。 は に類似しているもの、 は と に類似しているもの、といった具合である。例えば直交座標系で と表記される点に対し、回転や変換を施した点を と表記したりする。こうしたプライムの意味は使う度に定義するものであるが、しばしば定義なしに用いられる場合がある。なおいずれも他の表記法もある。なお素数のことを というが、これとは何の関係もない。物理学では、事象の後の変数を記すのに使われる。例えば はある事象が起きた後の物体 の速度を示す。また相対的な関係を示すのにも用いられる。つまり、ある慣性系 での座標 は、別の慣性系 での座標 に対応する。化学では、官能基を区別するために用いられる。たとえば、R-CO-Rという化学式は、2つの官能基(RとR)に挟まれた構造のケトンを表現している。またIUPAC命名法において、環集合に位置番号を付ける際に複数の環を区別するために用いられる。具体例としては核酸の構成要素であるヌクレオシドが挙げられる。ヌクレオシドでは核酸塩基にプライムなしの位置番号を、リボースにプライム付きの位置番号を振る。分子生物学において核酸分子の向きを示すのに5'・3'という表記が用いられるが、これはリボース環での位置番号に由来している。核酸はヌクレオシドの5'位の炭素と隣のヌクレオシドの3'位の炭素の間がリン酸で結びつけられた構造をしており、そのためこの2つの表記で向きを示すことができるのである。ロシア語などの言語をローマ字に翻字する際に、口蓋化の表記として用いる場合がある。Xバー理論では、版組が難しくなるオーバーライン(バー)の代わりにプライムを使って表記することが一般的になっている。ここで"Modifier Letter"とあるのは強勢や口蓋化を表記するような言語学的な用途のための文字である。文字コードとしてプライムを使えない場合には、代わりにアポストロフィー(U+0027)を(可能ならイタリック体で)用いることがある。LaTeXでは、codice_1はformula_1と描画され、codice_2とすればformula_2と描画される。
出典:wikipedia
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