スキューズ数(スキューズすう、Skewes number)は、南アフリカの数学者が素数の個数に関する研究において用いた、極めて大きな数である。あるいは、π("x") > li("x") を満たす最小の自然数 "x" を指すこともある。ここに、π("x") は "x" 以下の素数の個数、li("x") は対数積分である。この意味でのスキューズ数は、10 から 1.3983 × 10 の間にあることが知られているが、正確にいくつであるかは不明である。素数定理によれば、π("x") は漸近的に li("x") に等しい。実際の値を比較すると、現実的に計算が実行可能な程度に "x" が小さいあいだは常に li("x") の方が大きいように見えるため、π("x") > li("x") となる "x" が存在するか、という問題が自然に考えられる。ガウスやリーマンはそのような "x" は存在しない、と予想していた。スキューズの指導教官であるリトルウッドは、1914年の論文において、そのような "x" が存在することのみならず、π("x") − li("x") の符号は無限回変わることを示した。すなわち、π("x") と li("x") は無限回抜きつ抜かれつするのである。しかし、リトルウッドの証明は、いつ初めて π("x") が li("x") を追い抜くか、という見積もりを与えるようなものではなかった。つまり、リトルウッドの証明は計算可能でないが、結果は有効な結果であることが、スキューズ数の発見により実証されたことになる。スキューズは、1933年の論文において、リーマン予想が真であるとの仮定の下に、π("x") > li("x") となる "x" は、次の数以下に存在することを証明した。これがオリジナルのスキューズ数であり、第一スキューズ数とも呼ばれる。後にグラハム数などにその座を譲ることになるが、当時としては意味のある数学的議論に登場する最大の数であった。なお、この見積もりは非常に大雑把なものであり、後述のように評価は大幅に改良される。スキューズは1955年には、リーマン予想を仮定することなしに、"x" は次の数以下に存在することを証明した。これは第二スキューズ数と呼ばれる。表現のシンプルな評価 10^10^10^10^3 も第二スキューズ数としてしばしば言及される。スキューズの与えたこれらの見積もりは非常に大きいため、より小さな評価を与える研究が進められた。それは、コンピュータを用いてリーマンゼータ関数の零点を計算することによって行われる。Lehman (1966) が示したところによると、1.53 × 10 から 1.65 × 10 の間に π("x") > li("x") となるような整数 "x" が連続して 10 個以上ある。H. J. J. te Riele (1987) は上からの評価を約 7 × 10 にまで、Bays & Hudson (2000) は約 1.3983 × 10 にまで下げ、その付近に π("x") > li("x") なる "x" が存在することを示した。一方、Rosser & Schoenfeld (1962) は、"x" < 10 においては常に π("x") < li("x") であることを示した。この記録は Brent (1975) によって 8 × 10 にまで、Kotnik (2008) によって 10 にまで更新された。正確にいつ初めて π("x") が li("x") が追い抜くのかは、未解決の問題である。それどころか、π("x") > li("x") となる具体的な "x" の値はひとつも知られていない。Wintner (1941) は、π("x") > li("x") なる "x" の割合は正であることを示し、Rubinstein & Sarnak (1994) はその割合がおよそ 0.00000026 であることを示した。
出典:wikipedia
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