『快傑ライオン丸』(かいけつライオンまる)は、1972年(昭和47年)4月1日から1973年(昭和48年)4月7日までフジテレビ系で毎週土曜日19:00 - 19:30に全54話が放送された、ピー・プロダクション製作の特撮テレビ番組。『スペクトルマン』の好評を受けて企画されたこの番組は、当初から時代劇としての体裁を考えていたわけではなく、うしおそうじの企画案は『ライオンマン』という等身大ヒーロー作品だった。これはうしおが暖めていたアニマルヒーローの企画と、『仮面ライダー』のヒットなどから連想したものと言われている。時代劇になった経緯については、当時のピー・プロダクションの一員でこの作品にも深く関わっている篠原茂が、2007年にフジテレビ721で放映された『ピープロ魂』の中で「誰が言い出したのかまでは覚えていませんが、確かフジテレビとの企画会議の際に現代劇では魅力がないという意見が多く出て、舞台設定を時代劇にして、このライオンの顔をしたヒーローを主人公にしたらどうだろうという話になったんだと記憶しています」と証言している。関連書籍によれば時代劇という案を出したのは当時のフジテレビ編成局長で、『スペクトルマン』の企画を後押しした武田信敬だったとされている。『超人画報』でも、時代劇となったのは局側の意見とし、他作品との差別化が意図されていたと記述している。シリアスなドラマ路線だった前作『スペクトルマン』とは打って変わり、痛快明朗な時代劇アクションとして作られていたが、中盤以降シリアスなドラマにも磨きがかかり、後半はドラマチックな展開で盛り上がった。アイディアマンだったうしおらしく、魅力的な悪役を登場させてのストーリーの展開を考えていた。その結果、「ライオンのライバルにするなら虎だろう、ということで」(篠原談)、虎錠之介とその変身態タイガージョーというアンチヒーローの先駆けとも言うべきキャラクターが登場した。虎錠之介は第27話から登場して第30話でいったん出番を終え、第36話で再登場するが、当初は第30話までの予定だったのを、人気が出たため再登場させてレギュラーとしたことによる。タイガージョー以前にも、卑怯な真似を徹底的に嫌い、野伏から住民を助けたり幹部に平気で逆らったりするネズガンダ、盲目の少女と心を通わせ、南蛮での少女の治療を夢見るトビムサシ、人間にすら捨てられた捨て子を愛情かけて育てているムイオドロなど、他番組の悪役と一線を画すバラエティ豊かな怪人も登場した。このドラマが初の主演になった潮哲也は体当たりの演技を見せ、潮も『ピープロ魂』に出演し「吹き替えはなしだよと言われてやっていたので、獅子丸のアクションはすべて自分でやりましたが、もしかしたら撮影中に死ぬんじゃないかと思ったこともあります」と回想している。事実、潮は撮影中に一度足を骨折している(詳細は#エピソードを参照)。後番組の『風雲ライオン丸』は、本作品で好評だった要素を再構成して制作されたものであり、続編ではない。物語上は別世界(パラレルワールド)となっているが、快傑ライオン丸が登場するシーンがある。また、虎錠之介(タイガージョー)の弟であることを示唆するタイガージョーJr.も登場する。『仮面ライダー』と同じく、変身シーンを真似ることが子供たちの間で流行した。当時大洋ホエールズに在籍していたジョン・シピンが「ライオン丸」と呼ばれるほど、この「ライオン丸」の名は広く一般に浸透していた。放送開始直後には関西で『ライオンマン』という贋作商品が出回っていた。劇中で小松方正演じる薬売り「丸目三角之介」の旗印が武田薬品のロゴであったためクレームがついた。アメリカでも放映されて人気を博し、2002年には『Samurion』のタイトルでテレビシリーズ化が企画されたが、結局実現せず、パイロット版のみが残されている。滋賀県出身のロックバンドほぶらきんは、1983年、本作をモチーフとした「ゴースンの一生」という、ソノシート2枚組のロック・オペラを発表した。現在では「ゴースンの一生・ライブ」(CD、2009年08月28日)アルケミーレコード ARCD-217で聴くことができる。時は戦国時代。ヒマラヤ山中で邪悪な妖術を身につけた1人の男が「大魔王ゴースン」を名乗り、戦乱の日本征服を目指して乗り込んでくる。彼は自分と同じようにチベットで修行し、妖術を身につけている偉大な忍者・果心居士の存在を危険視して、手下のオロチを人間に化けさせて刺客として送り込んだ。その頃、飛騨山中に住む果心居士は、自らが育てた獅子丸、沙織、小助の教え子3人に形見分けをしていた。獅子丸には居士がチベットでの師匠から受け継いだ「金砂地の太刀」、沙織には「男に負けない力」を発揮する小太刀、小助には自分の魂の化身となる天馬ヒカリ丸を呼ぶ笛だった。そして3人の弟子にゴースン打倒を命じた居士は、自らが予期した通り、オロチによって命を落とす。獅子丸は太刀の力を用いた「忍法獅子変化」で、白いたてがみをなびかせた獅子面の剣士・ライオン丸に変身してオロチを倒す。そして3人は居士の遺志を受け継ぎ、ゴースンの送り込む暗黒魔人達を倒すため諸国を行脚して戦う。参照。声優の欄は『ピー・プロ 70's ヒーロー列伝(2) 快傑・風雲ライオン丸』(ソニー・マガジンズ)より記載。スーツアクターについても同書とエンディングのテロップより記載。1972年(昭和47年)12月11日、虎錠之介役の戸野広浩司が、ロケ先の滋賀県彦根市の国民宿舎で事故死するというアクシデントが起こった。このため戸野広の出演は第40話までとなり、第42話から福島資剛に交替した。なお、第41話はタイガージョーのみの出演としている。うしおそうじは「伝聞や自分の推測」と断ったうえで、戸野広の死因は「ロケ先の国民宿舎での夜、次の日がオフだった彼はスタッフとの宴会で深酒をして泥酔し、水を飲もうと洗面所へ行ったが、消灯時間を過ぎて電気が消されていて真っ暗な中、唯一洗面所に明かりのついていた女風呂に迷い込み、酩酊状態で脚を滑らせてガラス扉に突っ込んで、割れたガラスで脇腹を切り、そのまま湯船に落ちて出血多量で亡くなった」と説明している。うしおが旅館に駆けつけると、同じく急を聞いて駆けつけた戸野広の許婚の姿があったという。戸野広が死亡した場所が女湯だったことから、状況も理解せず、一部のマスコミはこれを覗きの結果と、好奇の目で報じた。それは以後のピープロの営業にまで影響したという。その5日後の12月16日、世田谷区民会館で「快傑ライオン丸怪人合同慰霊祭」が催され、戸野広の冥福も合わせて祈祷された。僧侶役は遠矢孝信が務めた。また、この日放送された38話のOP後に戸野広の死去を伝えるテロップが挿入されている。第40、41話の虎錠之介 = タイガージョーの声は、戸野広の死去がアフレコ前だったため、声優の池田勝が吹き替えている。2008年12月、エース電研より「CRA快傑ライオン丸DH5」が全国のパチンコ店に設置開始。
出典:wikipedia
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