北陸鉄道株式会社(ほくりくてつどう)は、石川県金沢市に本社を置き、石川県を中心として鉄道とバスを経営する中小私鉄である。現在は、鉄道を中心にした経営ではなく、主力は路線バス・高速バス事業となっている。北鉄(ほくてつ・きたてつ)と略される。筆頭株主は、発行済株式の13.57%を所有する名古屋鉄道。また、主要な連結子会社として、議決権の80.5%を有する小松バスのほか、事業所を分社化した北鉄金沢バス(ほくてつバス、北鉄金沢中央バスなどが2012年に合併)などがある。2004年(平成16年)12月1日から乗車カードとしてICカード「ICa(アイカ)」が導入された。当初はバスのみで利用可能なプリペイドタイプのみの運用だったが、2005年(平成17年)3月1日使用開始分からは、定期券の機能をもつ「ICa定期券」を導入し、発売開始した。この「ICa定期券」は、バスだけでなく、鉄道線の一部駅間でも利用可能となっている。ただし、鉄道線はプリペイドタイプとしての利用はできない。数年内に利用できるように整備する予定ではあるものの、設備投資に2億5千万円かかることから導入時期は未定となっている。全日空金沢地区総代理店業務も受託、子会社の北鉄航空でハンドリングを行っている。1943年(昭和18年)に、陸運統制令に基づき鉱山鉄道であった尾小屋鉄道を除く石川県下の鉄道およびバス会社をすべて統合して発足した。だが社風が異なる会社を強引に合併したことから、発足後しばらく混乱を生じたり、また路線が各地に点在するなどしていたため、合理化も進まなかった。さらに合併の弊害として、1959年(昭和34年) - 1960年(昭和35年)に労使紛争が起こると、ストライキなどが頻発して、鉄道・バスが多く運休となり、観光を中心とした県下の経済に悪影響を与えた。また一時は、社長をはじめとする役員がすべて辞任するという、指導者不在の事態に陥ったりもした。運輸省では事態の収拾を図るため、名古屋鉄道(名鉄)に命じて同社を子会社化し、支援を行わせることにした。だが、石川県にはこの北陸鉄道の混乱に乗じて、近畿日本鉄道が北日本観光自動車(かつて金沢 - 粟津・山中間に路線を有した)というバス会社を傘下におさめ、北陸鉄道1社に県下の交通が独占されているのを解消しようと競合バス路線の開設を目論むなど、交通業界は無秩序の状態に陥った。この混乱が終息するのは、1969年(昭和44年)に北日本観光自動車のバス路線拡大申請が運輸審議会で却下された辺りからで、北陸鉄道では以後、名鉄が同時期に行っていたように、鉄道・バス路線の整理を推し進めることになった。なお、1968年(昭和43年)に全鉄道路線の廃止の意向を表明したことがあったが、地元住民や自治体の反対に遭い、浅野川線・石川総線(石川線・金名線・能美線の総称)は合理化努力により残すことになった(後に能美線は利用低迷で、金名線は路盤劣化により廃止)。コーポレートカラーは以下のように定められている。かつては「国鉄各駅毎に接続」と云われるほどに石川県加賀地方のほぼ全域と能登地方の一部に路線を持っていたが、次々にモータリゼーションの影響で廃止され、現在は2路線20.6kmを有するのみとなっている。現有路線の部分廃止区間含む。現在の営業運転用の車両はすべて大手私鉄から譲受したオールステンレス電車で、2車種4形式に整理されている。路線廃止が進行する以前には、合併会社各社からの継承車と、合併後に車体更新・新製された車両、他社から譲受した中古車両などが入り乱れて小型電車中心の複雑な車両構成をきたしており、また軌道線や非電化路線があったことから路面電車や気動車も保有するなど、百鬼夜行の状態だった。戦後のデザイン傾向としては、1950年代から1960年代にかけての鉄道線車体更新車・新造車で、左右の尾灯を車体裾のごく低い位置に「寄り目」気味に配置するスタイルを共通して多用した時期がある(この間にアンチクライマーを配置した例も多かった)。詳細は以下の各路線の記事を参照。かつては石川県全域に路線バスの路線を有していたが、現在ではその大半を分社化している。北陸鉄道本体は、高速バスや金沢 - 小松空港間のリムジンバス、および金沢市中心部の路線バスの一部の幹線系統、城下まち金沢周遊バスを中心に運行を担当している。路線バスについては、金沢市北部の一部路線で、西日本ジェイアールバスおよびごくわずかの本数の加越能バスと競合、市内中心部では西日本ジェイアールバスおよびまちバス(土休日と繁忙期のみ運転)とも競合しているが、それ以外に関してはほぼすべての路線で独占状態である。また、金沢市などのコミュニティバスを受託運行している。1999年(平成11年)2月19日に金沢市がオムニバスタウンに指定されたことを受け、2004年(平成16年)12月1日からICカード「ICa(アイカ)」が導入され、金沢市および同市周辺の路線(高速バスや定期観光バスなどをのぞく)で利用可能となった。2008年(平成20年)10月14日よりバスの車体に広告を施したラッピング車両を試験運行し、その後本格運行に入っている。金沢市の中心部においては「地帯制エリア」と呼ばれる一定距離での均一料金区間を導入しているが、その他の区間では距離ごとの運賃となる。2009年(平成21年)10月現在、地帯制エリアでの運賃は200円、210円、230円となっている。また、武蔵ヶ辻 - 香林坊間での乗降車に限り、運賃は100円となる(かつては旭町・鈴見台二丁目・鈴見町 - 金沢大学(角間)でも2006年(平成18年)4月1日より100円区間とされていたが、2011年(平成23年)3月31日をもって終了した)。名鉄グループであるため三菱ふそう車が多いが、石川県内に古くから「金産自動車工業(現・ジェイ・バス)」があることから伝統的に日野車も多い。サイズは1990年(平成2年)までは10.7m車中心だったが1991年(平成3年) - 1996年(平成8年)にかけては金沢地区において11m車を多く導入していた。また、同年にかけてはハイバックシートなどを装備した「ハイグレード仕様」として導入していた。三菱車においては、1995年(平成7年)までは当時の三菱自動車工業名古屋製作所大江工場製を導入していたほか、1974年(昭和49年)頃までは三菱+金産車体の組み合わせで導入していた。なお、1996年(平成8年)以降は三菱ふそうバス製造 (MFBM)製を導入している。日産ディーゼル(当時、現:UDトラックス)車においては、1987年(昭和62年)以降、高速路線向けに大量にスペースウィングが納入されてきたが、1997年(平成9年)を最後に高速車は納入されていない。逆に一般路線向けには1996年(平成8年)に中型幅の10.5m車であるJPワンステップの導入を皮切りに、中型ノンステップ車を中心に数多く納入されるようになった。近年ではフルサイズ大型車スペースランナーRAも配備されるなど、グループ全体でもシェアを伸ばしていた。車体製造メーカーは富士重工業製と西日本車体工業製が混在している(後者はCNGバスおよび小型車で採用されている)。さらに、2008年(平成20年)からは三菱ふそうからのOEM車種であるスペースランナーAを導入していたが、日産ディーゼルのバス事業撤退に伴って2010年(平成22年)を最後に新規導入を終了した。かつてはいすゞ自動車製も活躍していたが、現在は導入されていない。ただし、奥能登地区においては2002年(平成14年)に撤退した西日本JRバスから譲渡された小型路線バス「ジャーニーQ」を保有していたが、現在はすべて廃車になっている。近年はグループ会社で、他社からの中古車を一部導入しているものの、地方のバス会社(グループ全体)としては、大都市の事業者のように新車をかなり積極的に導入し、サービス向上に努めている。金沢地区では、長尺車の一般乗合車が多いのも特徴的である。貸切車・空港リムジン車・県内特急車は三菱および日野車を導入している。貸切車においては2006年(平成18年)以降日野・新型セレガを増備しているほか、2007年(平成19年)には北陸地区では初めてとなる三菱ふそう・エアロエースが導入され、現在も増備されている。都市間高速車は2007年まで3メーカー揃っていたが、2013年現在、大阪線、富山線に日野を充てている以外はすべて三菱のみである。現有車両数(北陸鉄道本体、2009年現在)ノンステップ車・ワンステップ車の採用は1996年(平成8年)から積極的に推進していて、導入台数は北陸地区において最も多い。1997年(平成9年)に大型ノンステップ車7台(三菱ふそうKC-MP747M)が導入されたが、これは北陸地区で最初の導入であった。その後も増備されたが、2000年末以降、金沢地区でもコストダウンを目的に日産ディーゼル・RNなどの小型車「プチ」や日野・HRを主体に日産ディーゼル・JP、三菱ふそう・MKといった中型10.5m車の導入が続いていた。しかし、積み残しや車内の混雑が激しくなるなどの問題が生じたため2005年(平成17年)秋からは輸送力を増強すべくフルサイズ大型ワンステップ車の導入が開始されたほか、2006年(平成18年)より大型ノンステップ車の導入も再開され現在も増備が進んでいる。なお、2005年(平成17年)以降のサイズはワンステップ車は10.7m車、ノンステップ車は10.9m車を基本に導入されていたが、ワンステップ車においては2008年導入の日産ディーゼル・スペースランナーAより11m車で導入され、2011年以降はすべて11m車で導入されているが、2013年は一部10.7m車も導入している。1990年代後半より地域子会社を中心に大手事業者からの中古車も導入している。特に、加賀温泉バスおよび能登地区の地域子会社において導入例が多く、金沢地区でも子会社にて導入例が見られるが北鉄本体では貸切車両をのぞき導入されていない。以前は、都営バス・小田急バス・成田空港交通・空港グランドサービス・名古屋市営バスなどや、奥能登地区で撤退した西日本JRバスからの移籍車両も使用されていた。2005年以降は愛知万博終了後、大量の余剰車が生じていた名鉄バスから大量の中古車を購入した。少数ながら、大阪市営バス・川崎市営バス・京浜急行バス・京阪バス・相鉄バス・立川バス・神奈川中央交通・ジェイアール東海バスなどの移籍車両も在籍していたが、これらの車両も現在引退が始まっている。また、近年では、2008年(平成20年)4月に廃業し、北陸鉄道も出資していた、富山県の名鉄クレハ観光バス(1台)を含む名鉄系グループ各社より貸切車両も移籍してきている。主に競馬場等の契約輸送で運用されている。車両側面および後方には北陸鉄道独自の車両番号(詳細は下部に表記)が記載されている。また、前扉袖部には「東」や「南」といった文字が記載されている。これは所属する営業所を表す(「東」は東部支所、「南」は南部支所)。2000年(平成12年)以降は方向幕にLED(オージ製)を導入しており、北鉄本体以外では新車以外の車両もLED方式に切り替えを行っていて、幕式の車両は少なくなってきており、特に子会社の北鉄金沢バス(野々市営業所をのぞく)では在来車も含めて100%完全にLED方向幕に移行している。また、2008年の新車の一部より液晶パネル式運賃表(レシップ製)が採用されたほか、同年の新車よりHDD式ドライブレコーダー兼デジタルタコグラフの導入が開始された。車両番号(乗合車)2000年代後半ごろから、貸切車については冒頭の1桁目はメーカーや車両規格という分類ではなく、営業所ごとに番号が割り振られるようになっているが、2桁目は引き続き乗合車と同じ扱いである。また乗合車についても冒頭の1桁目はメーカーによる分類として中型車でも従前の大型車と同じ番号が割り振られ、コミュニティーバスなどの小型車については3桁の通し番号のみの割り振りになっている。また、ハイフン以下の通し番号は以前は貸切・乗合を問わず000から1台導入ごとに加算され、999まで行くと000に戻り、これを繰り返していく方式であったが、同じく2000年代後半ごろから貸切車は000〜100番台、乗合車は200番台〜900番台が割り振られるようになっており、最終番号に来ればそれぞれの枠内にて最初の通し番号に戻るように改められている(現在貸切車用である000〜100番台と乗合車用の初頭部である200〜210番台の中には、2013年11月現在、乗合車の一部で各運行子会社で独自に割り振った番号も混在している。2013年度の新車で乗合車の通し番号が999に達した後、それ以降は221から始まっているが、これはその部分との重複を避けたためと思われる)。管理委託路線をのぞく。強調文字は地帯制エリアの境界停留所。北陸鉄道グループでは金沢市内一般路線バスに方面別にカラーリングを行っている。この表記は、方向幕採用のバスや金沢駅の案内表示に見ることができる。また、北陸鉄道頒布の路線図にも色分けがなされているが若干色が異なる場合がある。北陸鉄道(本体)が運行および運行支援を行う路線はすべて金沢駅東口発着。なお、北陸鉄道では高速バス各路線に愛称を採用をしていないため、愛称のある路線は共同運行会社における愛称である。なお、金沢 - 大阪線 ・金沢 - 富山線 ・金沢 - 高岡線の3路線は子会社の北鉄金沢バスが運行を行っている。詳細は「北鉄金沢中央バス#高速バス」を参照。石川県加賀市・金沢市と東京都渋谷区・八王子市を、北陸自動車道・上信越自動車道・関越自動車道・首都圏中央連絡自動車道・首都高速道路・中央自動車道経由で結ぶ昼行および夜行の高速路線バスである。夜行便のみ西東京バスと共同運行、昼行便は運行支援のみ(西東京バスの単独運行)。石川県金沢市・福井県福井市と神奈川県横浜市・鎌倉市・藤沢市を結ぶ夜行高速バスである。高速バス路線開設ブームのさなかに開設された路線であり、北陸鉄道の関東方面への高速バス路線としては2路線目の高速バス路線である。運行開始当初は昼行便も設定されていたが、後に廃止された。2007年(平成19年)までは横浜側の共同運行会社は相模鉄道で、「ラピュータ号」という愛称が付けられていた。同年以降は江ノ電バスと共同運行。江ノ電バスでは横浜・鎌倉・藤沢 - 福井・金沢線と称する。石川県加賀市・小松市・金沢市と山形県山形市および宮城県仙台市を結ぶ夜行高速バスである。宮城交通と共同運行。石川県金沢市と新潟県新潟市を結ぶ高速バス路線である。1日2往復、新潟交通と共同運行。1991年当時、JR線の金沢駅 - 新潟駅間には北陸本線・信越本線を経由する特急列車「白鳥」「雷鳥」「北越」などが運行されていた。当高速バス路線は低価格の運賃設定を強みに、これら特急列車に対抗するため開設されたものである。その一方でJR線の特急列車は、元々北陸地方3県と上越新幹線の乗継需要に特化したダイヤを編成しているという背景がある。そうしたことから1997年(平成9年)の北越急行ほくほく線開業を機に特急列車の運行系統が整理され、大阪駅から直通していた「白鳥」「雷鳥」は金沢駅および富山駅で運行系統を分割され、金沢駅 - 長岡駅間を結んでいた「かがやき」は北越急行ほくほく線経由の「はくたか」に移行し廃止された。これによって 金沢 - 新潟間の特急列車は大幅に減少した。また存続した「北越」も全区間を通して乗車する利用客は元々あまり多くない。当路線は現在に至るまで「北越」と競合関係を保ちながら、共に金沢と新潟を結ぶ都市間輸送の役目を果たしている。以前、新潟発最終の「北越10号」は17時台の発車だったが、JR東日本新潟支社は当路線の運行時間帯を見越して発車時刻を18時台に繰り下げるなど、高速バスに対抗し、かつ利便性の確保を図っている。金沢市と岐阜県高山市を結ぶ路線である。濃飛バスと共同運行。現在は高山発着4往復と白川郷発着2往復が運転されている。 五箇山バス停は片クローズ扱い(金沢駅東口⇔五箇山間に限り、乗降可)名鉄バス・西日本ジェイアールバス・ジェイアール東海バスと共同運行。金沢市、小松市と山梨県富士吉田市を結ぶ夜行高速バス路線である。富士急山梨バスによる単独運行で、北陸鉄道は運行支援のみである。途中、静岡県静岡市葵区、富士市、富士宮市、山梨県南都留郡富士河口湖町を経由する。隔日運行で上下線それぞれ1往復が運転されており、季節運行となっている。金沢駅発(上り)は金曜日、日曜日、火曜日の運行、富士山駅発(下り)は木曜日、土曜日、月曜日の運行となり、水曜日は運休。小松駅を経由するため、富山県方面には行かず、米原JCTを経由し、名神高速道路、東名高速道路を経て運行される。以下は特記のない限り、北陸鉄道の直轄事業。2011年現在、17社が連結子会社となっている。
出典:wikipedia
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