中国自動車道(ちゅうごくじどうしゃどう、CHUGOKU EXPRESSWAY)は、大阪府吹田市から兵庫県、岡山県、広島県、島根県を経由して山口県下関市へ至る高速道路(高速自動車国道)である。略称は中国道(ちゅうごくどう、CHUGOKU EXPWY)。法定路線名は中国縦貫自動車道であり、当初の道路名はこの法定路線名をそのまま使用していた(道路名を現在の「中国自動車道」に改めた時期は不明)ほか、現在も地図などで「中国縦貫道」などの表記が使用されている場合がある。なお、吹田JCT - 神戸JCT、山口JCT - 下関ICは アジアハイウェイ1号線にも指定されている。中国地方のほぼ中央部を東西に貫く形で建設されており、1983年(昭和58年)に全線開通した。総延長は500km以上にも及び、高速自動車国道の中では東北自動車道に次いで長い。高速道路網としては初期の部類に入り、元々中国縦貫自動車道(国土開発幹線自動車道の路線名)の路線が指定された際には、「中国地方においては、高速道路網の東西軸は1本のみを建設する」とされていたため、山陽地方からも山陰地方からもほぼ等距離にアクセス出来る中国山地沿いの位置に建設された。しかし、山肌を縫うように建設された結果、高速道路としてはカーブやアップダウンの多い線形になり、大半の区間で最高速度が80km/h以下に制限されている。1997年(平成9年)に山陽自動車道が全線開通すると、通過交通の大半は、距離が短く直線的に計画され、岡山市や広島市などの中国地方の主要都市の中心部近くを通過する山陽自動車道へシフトしている。現在は、日本を縦断する国土軸において、山陽自動車道を補完する役割を担っている一方で、中国山地沿いの各都市(津山市、新見市、庄原市、三次市、美祢市など)や、鳥取自動車道・米子自動車道・松江自動車道・浜田自動車道などを介して接続される山陰地方の各都市にとっては、他地域との交流の上で欠かせない重要な交通ルートとなっている。近畿地方では、高速自動車国道の路線としては、中国縦貫自動車道は起点の吹田市において近畿自動車道天理吹田線の終点であり、吹田市 - 神戸市において山陽自動車道吹田山口線と重複している。特に中国池田ICで接続する阪神高速11号池田線、西宮山口JCTで接続する阪神高速7号北神戸線、神戸JCTで接続する山陽自動車道、吉川JCTで分岐する舞鶴若狭自動車道の相互交通が集中し、加えて適当な迂回路のない中国池田IC-西宮山口JCT間は交通量が極めて多く、宝塚東・宝塚西トンネル周辺を中心として渋滞の発生が顕著である(交通量の節も参照)。2017年度完成を目標としている新名神高速道路・高槻第二JCT-神戸JCTが開通すると、中国道を経由している東西間の交通が分散されることにより渋滞が軽減されると見込まれている。国土交通省近畿地方整備局の定める「関西4環状ネットワーク」においては関西中央環状道路を構成する道路の一つと位置づけられており、山陽自動車道・神戸淡路鳴門自動車道・紀淡連絡道路(構想段階)・近畿自動車道と組み合わせて一周約240kmの環状道路を形成している。1995年(平成7年)の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)で京阪神の交通網が大きく寸断された際、道路以外も含めた交通の大動脈の中で、対面通行となりながらも唯一機能した道路でもある。この結果、交通の大動脈の大半が神戸市の海沿いを通っている集中ぶりが改めてクローズアップされることとなった。毎年10月-11月にかけて、交通量が多く道路の劣化が激しい宝塚IC付近を中心に中国道集中工事が行われる。例年大規模な渋滞が発生するが、集中工事方式を採用することで年間の工事渋滞や規制件数が大幅に低減する。同じく交通量が多い東名高速道路や名神高速道路でもこのような集中工事方式が採用されている。なお、広島北JCTは吹田方面→広島自動車道が本線で、吹田方面→吉和・山口方面が分岐側となっている。凡例 JCT : ジャンクション、IC : インターチェンジ、SIC : スマートインターチェンジ、SA : サービスエリア、PA : パーキングエリア、BS : バスストップ、TB : 本線料金所、TN : トンネル売店は全てのサービスエリアと、赤松・社・安富・上月・真庭・江の川・本郷・王司の各PAに、レストランは吉和SAを除く全てのサービスエリアに設けられている。また、ガソリンスタンドは鹿野SA・吉和SAを除く全てのサービスエリアと王司PAに設けられている。このうち、24時間営業の売店を有するのは西宮名塩SA・社PA上り線・加西SA・勝央SA・安佐SA・美東SAのみ、また24時間営業のガソリンスタンドを有するのは西宮名塩SA・加西SA・勝央SA・七塚原SA・安佐SA・美東SAのみとなっている。山陽道全通後は交通量の減少により、ガソリンスタンドやスナックコーナーの閉鎖、営業時間短縮などの規模縮小が目立っている。特に安佐SA-美東SA間の途中にある吉和SA・鹿野SAのガソリンスタンドが続けざまに廃止されており、この間は150km近くにわたってガソリンスタンドがない状態である。このため、NEXCO西日本では2015年4月20日より1年間、吉和IC・六日市IC周辺の指定ガソリンスタンドで給油するETC利用車に対して、1時間以内の中途出場を認める社会実験を行っていたが、翌2016年に更に1年間継続となった。なお、この区間で並行する山陽自動車道にはガソリンスタンドのあるSAが3箇所(宮島SA・下松SA・佐波川SA)存在する。また、帝釈峡PAはかつては売店・スナックコーナーに加えてガソリンスタンドもあったがすべて廃止され、現在では無人のPAとなっている。牛頭山・加計東/西トンネルは、広島北JCT-戸河内ICの区間に存在する。いずれも2kmを超える長大トンネルである上にその前後にも1km前後のトンネルが連続するため難所とされる。ちなみに、この区間の距離約17.2kmの内12.4kmはトンネルであり、これは、この区間全体の3/4にあたる。また、開通からしばらくの間は、これらのトンネルは暫定2車線で供用されていた。以下のトンネルの数の表では、広島北JCT-戸河内よりも戸河内-吉和の方が多くなっているが、合計の距離は、広島北JCT-戸河内は約12.4km、戸河内-吉和の上り線は約3.1km・下り線は3.3kmと遠く及ばない。2005年10月の道路公団民営化後、中国自動車道は全区間がNEXCO西日本の管轄となっている。中国道はほとんどの区間で80km/hに制限されている。これは、建設時期が山陽道よりも早く、建設当時の技術的な問題もあり、極力元の地形に沿った形でルート選定がされたため、急カーブや勾配のある坂道が連続していることが要因である。中国道は全体を通じて半径500m未満のカーブが非常に多く、広島県庄原市の東城IC-庄原ICは中国道で最小半径のR=250mが連続している場所がある。また、北房IC-新見ICは、1種4級で、かつ急カーブ(R=250あり)、急勾配が連続しているため、最高速度が60km/hに制限されている(北房IC側の4kmは、改良工事により、最高速度が80km/hに緩和されている)。この道路の規格は、開通当初の自衛隊の車両規格に沿ったものになっているとされる。道路照明灯は吹田JCT-神戸JCT間に設置されている。24時間交通量(台) 道路交通センサス中国池田IC-西宮北IC間では日交通量10万台以上と極めて混雑するのに対し、山陽道と並行する区間では西に向かうにつれて交通量が激減する。特に戸河内IC-山口IC間は日交通量が3000台にも満たない。これは、山陽道の最少交通量区間である山口南IC-山口JCT間でも19,842台の日交通量があるのとは対照的である。特に、山陽道が全線開通した1997年(平成9年)12月10日以降は、これまで神戸JCT-山口JCTを中国道経由で通過していた高速バスや貨物自動車の大半が山陽道へシフトし、現在では通常の昼間に大型車が通過することは少なくなっている(米子道・浜田道に入る場合は、引き続き中国道を通過しなければならない)。さらに、交通量が多くなるゴールデンウィークやお盆の時期でも山陽道では渋滞が多く発生するのに対し、並行する中国道の神戸JCT-山口JCTの区間ではほとんど発生しない。このため、NEXCO西日本ではキャンペーンなどで交通量の多い時期に山陽道を通過利用する車に対し中国道経由への迂回を呼びかけている。なお、2005年(平成17年)9月7日に台風14号による路盤崩壊により山陽道の岩国IC-玖珂ICが通行止めになり、本線が復旧する12月1日までは通過交通を中心に一時的に広島北JCT-山口JCTの交通量が増加し、この通行止め期間中の2005年9月から11月にかけて実施された平成17年度道路交通センサスの交通量調査では日平均10000台程度の交通量があった。2010年の交通センサスでは、2005年に比べて8割程度交通量が減少している区間もある。一方、吹田JCT - 神戸JCT間は中国道・山陽道双方の交通が人口の多い阪神地区において集中するために常に交通量が多い状態で、宝塚東・宝塚西トンネルを先頭にした渋滞が常態化している。
出典:wikipedia
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