遮断器(しゃだんき、英表記:Circuit Breaker)は、電力回路・電力機器の正常動作時の負荷電流を開閉するとともに、保護継電器と連携して事故電流(特に短絡事故電流)などを遮断することにより負荷側の設備を保護し、上流側への事故波及を防止する開閉器である。遮断器によって電流の流れを断つことを遮断(しゃだん)といい、遮断するために電極を開放する動作を引き外し(ひきはずし)という。電力回路では流れる電流も大きなものとなっており、それを遮断しようとただ開閉器を開放したとしても、電極間にはアーク放電が発生してしまい、遮断できないばかりか開閉器自体の損傷も引き起こしてしまう。発生したアーク放電をいかにして迅速に消滅させるかが遮断器開発設計の急所である。アーク放電を消滅させることを、消弧(しょうこ)という。消弧の「弧」は、アーク放電の漢語的表現である電弧(でんこ)に由来する。遮断器はその消弧の方式によって、多様な種類に分類される。遮断器はかつてしゃ断器と表記されていた。1981年まで使われていた当用漢字に「遮」の字がなかったためである。現在の表記となったのは、1985年制定の "JEC-2300" からのことである。一般に、消弧に対する配慮の有無によって低圧用と高圧・特別高圧用という違いが生まれる。遮断器の両電極間に印加される電圧が低いのであれば、遮断は容易に行えるが、印加電圧が高いほど遮断時に電極間に放電が生じ易くなり、一度生じた電弧は持続しやすいために遮断を困難なものとする。両電極間が空気のままでは絶縁性が低く比較的容易に絶縁破壊されるため、両電極間をガスや油で満たしたり、さらには真空にすることで絶縁性を向上させる。特に真空中では原理的にアーク放電が起きず維持も不可能なために、電極由来の分子などによる放電も発生直後の短時間で消弧される。特に高圧で大電流を扱う遮断器は電極などの保守点検が他の開閉器より高い頻度で求められるが、そのような作業に備えて遮断器の両電路には断路器と呼ばれる開閉器が設けられることが多い。断路器は消弧能力を持たず、遮断器の保守時などではまず遮断器で電流を断ってから両側の断路器を断つことで、遮断器の電極への電圧印加を避けて安全な作業を行えるようにするものである。
出典:wikipedia
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