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三浦つとむ

三浦 つとむ(みうら - 、1911年(明治44年)2月15日 - 1989年(平成元年)10月27日)は、日本の言語学者。マルクス主義者で在野の主体的唯物論者。本名、三浦二郎。東京都生まれ。フリードリヒ・エンゲルス及びヨセフ・ディーツゲンを師と仰ぎ、写植の仕事をしながら独学者として勉強し、映画論などを発表。戦後は『弁証法はどういう科学か』のヒットから著述業に専念し、晩年には吉本隆明主宰の雑誌『試行』に論文を定期的に掲載した。弁証法的唯物論の立場から時枝誠記の時枝文法・言語過程説を批判的に継承することで、独自の言語論を打ち立てる。彼の立場は独自のマルクス主義に基く内容主義であり、そこから言語学における形式主義及び機能主義の批判を行なった。具体的には、ソシュールを祖とする構造言語学の批判や言語過程説における機能主義の批判などである。彼は言語を絵画や彫刻などと同じ表現の一種であると規定した上で、「対象-認識-表現」という言語表現の客観的生成過程が、その結果である言語形式に関係として保存されたものが内容であるとした(参照:用語解説)。この内容論に基く積極的な成果としては『認識と言語の理論』(1967年(昭和42年))、『日本語の文法』(1975年(昭和50年))、『言語学と記号学』(1977年(昭和52年))などが挙げられる。なお、特に一般向けに書かれたものとして『日本語はどういう言語か』(1956年(昭和31年))がある。現在、三浦つとむの言語論は自然言語処理の分野で認められ、(1996年(平成8年))以降、三浦つとむの研究者と自然言語処理の研究者が中心となって「言語・認識・表現」研究会(LACE)を開催している。国家論については、エンゲルスについての研究から「国家意思説」(国家は国民に対し国家意思を法という規範として押しだす)を唱えた。レーニン真理論の批判、スターリンのスターリン言語学の批判、ミーチン式弁証法的唯物論の批判などを行った。このため日本共産党から除名された。のち「官許マルクス主義」としてスターリン主義や毛沢東主義を批判した。また、レーニンの誤謬をも指摘した。上記以外にも『弁証法はどういう科学か』『この直言を敢てする』など、三十冊以上の著作がある。詳細は三浦つとむ著作一覧、或いは「三浦つとむ著作目録」(『胸中にあり火の柱』所収)を参照の事。最初の著作が『哲学入門』(1948年(昭和23年))だったために生前から哲学者として扱われることが多かったが、本人はそれを厭い、科学者を自認していた。吉本隆明とは雑誌『試行』の同人であり、家族ぐるみの付き合いがあった。吉本は『言語にとって美とはなにか』の中で、三浦の意味論を批判しながらも一定の評価を与えており、『日本語はどういう言語か』に解説も寄せて居る。以下、三浦理論に影響を受けた研究者を羅列しておく。若き滝村隆一(政治学)は一時、三浦に傾倒し、親交があったようだが、その後、{三浦つとむの学的本領は言語学にこそあり、彼は本格的な社会科学者ではなかった}という評価を与えている。橋爪大三郎(社会学)は三浦に「信頼すべき合理主義者」と一定の評価と言及を与えている。

出典:wikipedia

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