FA-MAS(Fusil d' Assaut de la Manufacture d' Armes de Saint-Étienne:ファマス、ファーマス)は、フランスのGIAT(現・NEXTER)傘下のサン=テチエンヌ造兵廠が製造したブルパップ方式のアサルトライフルである。文書によっては-を省略してFAMASと書かれる場合もある。FA-MASは、全長75.7cm、重量3.7kg、口径5.56mmのブルパップ型ライフルで、上部にはM16のような照準器を兼用する大型キャリングハンドルがあり、二脚を標準装備している。初期型のF1や後継のG1では専用の25発弾倉を使用し、弾倉を装着していない際に異物が銃へ侵入しないよう、マガジンウェルに挿入するダミーブロックが用意されている。1994年から製造されているG2バージョンからはSTANAG マガジンが使用できる。フランス陸軍が1977年7月に旧式化したMAS 49半自動小銃やMAT 49の後継として制式採用した。採用から30年が経過しているが、現在も配備が継続されている。価格は、F1が1,500€(ユーロ)、G2が3,000€。携帯性向上のため、銃身を縮めずに全長の短縮が可能なブルパップ型のデザインとなっており、作動機構としてAA-52機関銃と同様のレバー遅延式ブローバックを採用している。レバー遅延式ブローバックは、てこの原理を利用してボルトの開放を遅延させる方式で、H&K G3小銃やH&K HK21機関銃のローラー遅延式ブローバックと同じ系統の作動方式だが、こちらはレシーバー・ボルト・ボルトキャリアの三部品が2本の爪を持つレバー(てこ)を介して連結される構造となっている。ガス・ポートが存在しない長い銃身を持つため、命中精度は良好であり、反動を制御し易いブルパップ形状、銃身軸線が射手の肩の下方に位置するデザイン、反動がマイルドなレバー遅延式ブローバックの効果、などが複合して連射時の安定性・集弾性はともに良好であるとされる。FA-MASの実射映像:セミオート・ バースト・フルオートともに安定した射撃を見せているセレクターにも工夫があり、オプションパーツとしてバースト(3点射)ユニットが組み込めるようになっている。これは安全装置とは別の切り替えスイッチが用意され、ONにすることによりフルオートがバーストへと切り替わる。FA-MASのバースト(3点射)は、反動で射手の姿勢が変化する前に高速で3点射を行う事で集弾性を向上させており、通常のフルオートでは500-700発/分程度である連射速度を、バースト時には1,100発/分程度に設定している。この発想はH&K G11やVP70の影響から生まれたもので、同様の発想に基づく製品としてはM93RやAN-94が知られている。さらにFA-MASにはライフルグレネードの運用機能もあり、対人・対軽装甲用のAPAV 40と対装甲用のAC 58が用意されている。直接照準用のアリダード式照準器が付属しており、これは対装甲車両戦闘時に用いる。初期型では照準器を兼ねるキャリングハンドルが脱着できないことから、取り付けられる光学照準器が制限されていたが、後期型ではキャリングハンドルを脱着式とし、ピカティニー・レール付きの物に交換できるよう改良された。ただ、取り付け部直下にボルトハンドルが存在するため、光学照準機は実際の射線から離れてしまう。ブルパップ型共通の欠点は、フロントサイト・リアサイト間の距離が十分に取れないことや、排莢口の位置が射手の頬にあたる部分(肩で保持しサイトを覗いた状態)に来ることがあげられる。前者の場合は遠距離を狙った際の照準精度に不安が生じ、後者の場合は左利きの兵士では排出された薬莢が顔に当たったり、利き手に限らず作動音や硝煙によって射手の健康を害する恐れがある。この欠点について、同じブルパップ型のステアーAUGなどは光学機器を標準装備するなどしているが、FA-MASは二脚を標準装備することによる安定性の向上で対処している。また、ステアーAUGなどと同様、分解時に排莢口の部品の向きを入れ替えることで薬莢の排出方向を変更できるようにして左利き射手への対応をしている。ただし、排莢口の件に限っては現代の戦術においては左撃ち右撃ちのスイッチを状況によって素早く行うことが求められるため、いかに容易に排出方向を変えられるといっても瞬間的な操作には対応できないという問題は残っている。民生品としてフルオート、3点バーストを排除したものがフランス国内で300丁、北米用が300丁の計600丁のみ販売されていた。3点バーストの切り替えスイッチ自体は存在するが、機能しない。フランスおよび旧フランス領諸国以外の採用は、F1型がアラブ首長国連邦軍、G2型はフィリピン国家警察の特殊部隊に採用されている。
出典:wikipedia
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