菅野 ひろゆき(かんの ひろゆき、1968年5月8日 - 2011年12月19日)は、日本のゲームデザイナー・シナリオライター。旧名義、剣乃 ゆきひろ(けんの - )。本名、菅野 洋之(読み同じ)。東京都出身。コンピュータゲーム開発会社、株式会社アーベルの創業者で初代代表取締役社長。小・中学生の頃は「読書の虫」で、コナン・ドイル、エラリー・クイーン、ディクスン・カーといったミステリーをむさぼり読んでいた。冒険小説の要素を含んだものを特に好み、『怪盗ルパン』が大のお気に入り。ミステリーを読み尽くすとSFに手を伸ばし、アシモフなどに熱中する。また中学2年生の時、数学の面白さに目覚め、以降、数学にのめりこむ。高校時代は、『ウィザードリィ』『ウルティマ』『デゼニランド』など国内外のパソコンゲームに熱中する。この時の感動が彼のゲーム観の原点となる。高校卒業後(留年等無しなら1987年)から姫屋ソフト入社(1993年)までの経歴は不明。姫屋ソフトでは、同社の新ブランド・シーズウェアに所属する。シーズウェアのデビュー作『禁断の血族』では「官能博士」名義でプログラムを担当する。ゲームのプログラミングは未経験であった為、試行錯誤を重ねることになる。続く『悦楽の学園』では、プログラムに加え本人の希望でシナリオも担当する(プログラムは本名の「菅野洋之」名義であり、シナリオは「剣乃ゆきひろ」名義)。制作期間は2ヶ月ほどしかなかったが、短期間でゲームを完成させたことに彼は満足していた。しかし発売後、パソコン通信での電子掲示板を見て『悦楽の学園』評価が、自分の予想よりもはるかに悪かった事にショックを受ける。特に「デジタルコミックに過ぎない」という評価がこたえたという。その中で彼は、作り手の苦労などは対価を支払って購入するユーザーには関係のないことだと気付かされる。環境の悪さを言い訳にしていた彼は、これを機に考えを改め、短い期間でどうしたら面白いゲームを作れるか思案することになる。以後、シーズウェアのコンテンツは、彼が企画・脚本・ゲームデザイン・プログラムを一人で手がけることになる。そんな環境の中で生み出されたのが『DESIRE 背徳の螺旋』である。翌年、マルチサイトシステムを再び採用した『EVE burst error』が爆発的なヒットを記録する(両作品はいずれもPC98用)。1997年、『DESIRE』および『EVE burst error』はシーズウェアに残ったスタッフの手によってセガサターンに移植されたが菅野ひろゆきの名前はスタッフロールには載っていない。その後も『EVE burst error』はSS版を基にしたWindows 95版、PlayStation 2専用ソフト『EVE burst error PLUS』、PLUSを基にした18禁版『EVE』、PlayStation Portable専用ソフト『burst error EVE the 1st.』などとしてリリースされ続けたが、ひろゆきはEVEシリーズも含めた全ての続編ゲームに一切関わっておらず、また今後も関わる予定はないと雑誌インタビューで述べていた。『EVE burst error』の発売後に姫屋ソフトを退社し、エルフに入社、取締役に就任する。これにより、シーズウェア時代は2〜4ヶ月ほどしかなかった制作期間に対して、エルフでは8ヶ月もの制作期間を得る。また、プログラマを兼任する必要がなくなり、ゲームデザインやシナリオに専念できる環境を得る。その環境の下で『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』(PC9801用、1996年12月26日発売)を開発する。本作は、当初は現代編を序章とし、異世界編を本編とする予定だった。しかし、開発の遅れから、現代編を本編とせざるを得なかったという。このため、彼自身は本作を駄作と位置づけるが、彼が考案した「A.D.M.S.(Auto Diverge Mapping System)」という当時としては画期的なシステムもあり、ユーザーに高く評価された。その後、セガサターン版『YU-NO』(1997年12月4日発売)の完成をもって、エルフを退社した。1997年12月、株式会社アーベルを設立し、代表取締役社長に就任。独立の理由は「理想の環境を求めて」だという。コンシューマ市場でオリジナル作品を制作した経験はまだなかったが、『DESIRE』『EVE burst error』『YU-NO』がSSに移植されたことにより、ひろゆきの知名度はコンシューマ市場にも広まっていた。そのため、氏のアーベル設立はゲーム雑誌などでも取り上げられ、話題となる。1998年11月26日、『EXODUS Guilty』を発売する。本作は10数万本を売り上げたと言われ、セールス的には成功だったが、内容面では賛否両論であった。その後も、『不確定世界の探偵紳士』、『ミステリート 〜不可逆世界の探偵紳士〜』、『十次元立方体サイファー 〜蒼き月の水底〜』、アーベル初のRPG『カード・オブ・デスティニー』など、ゲーム性・ストーリー性を重視した作品を製作している。また、各作品間での世界観や人物の連関も独立前作品より多く見られる。特に『ミステリート』は、キャラクター性に特化したコミック的手法を採っており、彼の数ある作品の中で唯一続編を意識した作りになっている。本作は2006年5月にPS2に移植され、「ファミ通」でシルバー殿堂入りとなった。2009年『ミステリート アザーサイド・オブ・チャーチ』発売後は、『MQ 〜時空の覇者〜』を未完成状態で発売したり、新作においてアペンドプログラムをダウンロードしないと最終話をプレイ出来ないなど、経営面などでの問題からか、作品の内容や質も精彩を欠いたものとなった。2011年の春頃より突如活動を休止する。実は仕事中に突然倒れて緊急入院し、それが命に関わる大病である事が発覚して緊急手術し集中治療室で一ヶ月間治療していた事を本人がTwitter上で明かした。その後病院を退院した後、何度かの入退院・手術を繰り返しつつ、開発途中だった『ミステリート2 〜フェアウェル・エンカウンター〜』をシリーズ完結編としてプロットを練り直していたが、容態が急変して同年12月19日、脳梗塞およびそれに伴う脳内出血のため午前11時52分に東京都文京区の病院で死去。43歳没。ピアノの演奏と数学。「週刊文春」や話題になった小説、漫画、映画、ゲームをよく読んだりプレイしたりしていた。作風から物理や哲学にも造詣が深いと見られる。シーズウェアとエルフに在籍していた時のペンネームは「剣乃ゆきひろ」である。エルフを退社する際、エルフがこの名を商標に出願していることを知り、本名を名乗るようになる。しかし、エルフが実際に出願していたのは「剣乃ひろゆき」であった(登録番号:第4255615号)。これを受けてか、「菅野ひろゆき」という名前も株式会社アーベル名義で商標登録されている(登録番号:第4326529号)。エルフの保有していた商標登録「剣乃ゆきひろ」は放棄され、2009年12月11日、新たに「剣乃ゆきひろ」も株式会社アーベル名義で商標登録された(登録番号:第5287665号)。雑誌インタビューにて「年齢制限を設けた方が表現の自由度が向上する」と語り、作品内では名前を伏せているものの、主に成人向け美少女ゲーム市場でゲームを製作している。その一方、コンシューマ市場においては、「菅野ひろゆき」名義で活動している。最新のアーベル発行の同人本によると、アーベルはCESAに加盟しているメーカーであるから、というのがその理由らしい。年齢制限を設けたソフトをWindows-PCで販売するときは系列の別会社からとするなど、コンシューマとPCの商品は明確に区分けしている。SFとミステリーを愛読しているというだけあって、タイム・トラベルと探偵を扱った作品が多い。『DESIRE』、『YU-NO』、『エクソダスギルテイー』、『カード・オブ・デスティニー』が前者、『EVE burst error』、『不確定世界の探偵紳士』、『ミステリート(第1作目)』等が後者に当たる。『十次元立方体サイファー』では2種類のシナリオがあり、両方のパターンに含まれる。よく取り上げられるテーマは、自己犠牲、友情、愛、生命倫理である。シナリオはAVGの一部に過ぎないと考えており、シナリオとシステムの融合を模索している。物語を様々な方向から追う『DESIRE』や『EVE burst error』のマルチサイトシステム、『弟切草』に始まる単純なマルチエンディングを快く思わず、ダンジョンRPGのオートマッピングをヒントにマルチエンディングの新たな可能性を世に示すために考案した『YU-NO』のA.D.M.S.などが、その成果である。本や映画では不可能な表現を実現するのが目標だという。上述の通り、成人向け美少女ゲーム市場で発表している作品では名前を伏せている。
出典:wikipedia
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