ゴールデンバット(Golden Bat)は、日本たばこ産業から発売されている紙巻きタバコの銘柄の一つ。かつては両切りタイプで、2016年6月以降からフィルター付きのタバコになった。タール15mg、ニコチン1.0mg。「バット」の通称で古くから親しまれている銘柄である。日本でタバコの専売制が開始されて間もない1906年(明治39年)9月に、当時の大蔵省専売局(後の日本専売公社の前身)から発売された。現在販売されているタバコの中では日本最古の銘柄として有名で、2006年には発売100周年を迎えた。大衆向けの紙巻きタバコで、かつては細身の巻きを特徴としていた。発売当時から爆発的に流行るようなことはないが、熱烈かつ根強い愛用者が常におり、そのことが例外的なロングセラーに繋がったと考えられている。20本入りで210円(2014年04月の価格改定から。それまでは200円だった)と、日本で最も安価なタバコとしても知られている。等級の低い葉を用いることから、たばこ税で「旧3級品」の範疇に含まれ、課税額が低くなることによる。なお、1906年の発売時には10本入り4銭であった。ブランドにコウモリを使った背景には、当初、コウモリが幸運の象徴とされる中国向けの輸出用ブランドとして企画された事情がある。海外向け輸出品としては国内発売の前年である1905年(明治38年)から生産されていた。灰緑色系の地に金色のコウモリをあしらった古風なパッケージは広く知られており、近年ではレトロな好デザインとして再評価されるようになっている。極めて歴史が長いため、幾度も細かいデザイン変更が行われてきたが、おおむね発売当時の基本デザインを守ってきた。デザインを手がけたのは東京高等工藝学校(現・千葉大学)の教員であった宮下孝雄(1891年‐1972年)である。2005年には新警告文を載せるため、パッケージの体裁が大幅に変更された。愛用者層からは「歴史を破壊するものだ」として非難を浴びたが、その後もデザイン変更がなされ、銀紙に札付きのパッケージとなり、タバコ本体も一般タバコと同等の巻きサイズに変更された。この変更で巻が太くなったため、今までになく重厚な味わいとなっている。発売110周年を迎えた2016年、ゴールデンバットの改良が発表された。しんせいとともにフィルター付きになり、タール値は18mgから15mgへ、ニコチン値は1.1mgから1.0mgに変更される。また値上がりし、50円高い260円にリニューアルされた。愛用者には作家も多く、文芸作品の中にはしばしば「バット」の名が登場する。芥川龍之介や太宰治、中原中也らが吸っていたことは有名である。内田百間は「朝日」「ピース」など高級煙草を好んだが、「たまに吸いたくなる」銘柄としてバットを挙げている。博物学者の南方熊楠も喫煙しており、空箱は採集した粘菌の標本入れに利用していた逸話がある。太平洋戦争前後の1940年(昭和15年)から戦後の1949年(昭和24年)までは、「ゴールデンバット」という名称が敵性語とされたため、神武天皇の神話に基づいた「金鵄(きんし)」に名称変更された。戦争中にタバコ類の大幅な値上げがおこなわれると、それを題材にした唱歌「紀元二千六百年」の替え歌が作られたが、その冒頭は「金鵄あがって15銭」であった。その安価さとバラつきの多い味(製造ロットの違いや湿度によって相当に味が変わる)から、「他のタバコを作る時に(こぼれた)屑を寄せ集めて作っている」との噂があるが、これは事実と異なる俗説の一種である。実際には、上級の煙草には使用しない葉脈の部分(課税上の等級が低くなる)を主原料に製造されているため、均質な味に調整しにくいのがばらつきの原因であるという。重度のバット愛好者には、この「味の変化」を逆に楽しむ者すらいる。1997年にフィルターつきのボックスタイプが全国発売された。パッケージデザインを現代的にアレンジし、CM・広告展開も大きくされたが、価格・タール、ニコチン値などは一般的なものであり、日本最古のブランドを利用した新規銘柄に近いものであった。2004年7月から宮城県内でゴールデンバット・ボックス(紅茶風味)とゴールデンバット・メンソール・ボックス(カシス風味)が販売されたが定着せず、2005年1月をもって廃止が決定された。
出典:wikipedia
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