巨大編成の作品とは、主に管弦楽で、通常の一管、二管、三管、または四管編成を大きく越えた楽曲を指す。俗にこれらは「マンモスオーケストラ」とも言われ、20世紀初頭にオーケストラの楽器が肥大化する過程で問題になった現象でもある。多くは経済的な理由で当然のごとく初演さえもされないものもあり、後日改めて初演されることの多い典型的な芸術音楽の特徴ともなっている。主に小編成の室内楽か、または数十人の演奏家によるオペラが中心となっているバロック音楽に慣れ親しんだ者から見れば、古典派の作曲家ハイドンやモーツァルトらがオペラ並の規模の二管編成管弦楽のために作曲した交響曲は、かなり大編成に見えたに違いない。当時のマンハイムの宮廷管弦楽団は世界初の完全な二管編成を誇り、かつ世界トップの実力を貯え、モーツァルトを絶賛させた。ベートーヴェンの交響曲第9番や、ベルリオーズの幻想交響曲は、ここからさらに拡大し、この時代における最大の編成を示した。ベルリオーズはオクトバスのように未来の演奏家を想定した楽器も考案した。一般には四管編成以上になれば十分大編成だと見なされるが、それ以上の編成の楽曲は実は多数存在する。ソラブジのように演奏に多額の費用がかかり、傑作といえどもコンサートにかからないものが大半である。現在では、五管編成以上になれば間違いなく巨大編成として扱われうる。現代曲ではたいてい編成が変則的だが、このような場合は、"パートの総数を楽器の大まかな種類で割った平均値によって分類する"ことにする。五管編成でスタンダードになった管弦楽曲はストラヴィンスキーの春の祭典しかない。その他は演奏会ではほとんど定着していないといって過言ではなく、オーケストラの存続すら危うい現代では五管編成以上で定着する傑作が今後書かれるのかどうかは不明である。水野修孝の交響的変容はおそらく日本人による初のマンモスオーケストラのための作品と思われるものの、全曲演奏は1回しか行っていない。五管編成の曲は数が多い。多くは曲名だけを記す。余りにも変則的なので一概に何管編成と言えないものや、未完成作品など。シェーンベルクの「ヤコブの梯子」の元の構想は木管が各20人と金管が各10人の「二十管編成」相当であったが、経済的に実現不可能なため四管編成に改められ、更に未完成のまま残された。スケッチのままで未完成に終ったアイヴズの「宇宙交響曲」はもし完成していたならば合唱付きで4500人の演奏者が必要とされる。現在は打楽器の部分だけが時折演奏されるのみである。これを19年かけて完成させたラリー・オースチンによる補筆版があるが、これは4500人を必要とする版ではなく現実的な演奏家に削っている。ソラブジのピアノと大管弦楽、オルガン、コーラスのための交響曲第II番KSS51は、おそらくピアノ譜のスケッチのみに終わった楽曲である。第I番が5管編成、ジャーミーが7管編成なので、おそらく6管編成で完成したと思われる。ソラブジは第一ヴァイオリンに最低20人以上を要求しているが、この人数で同時にあの複雑なスコアをシンクロさせることができるのかどうかについては、本人の回答はなかった。のちにソラブジは20世紀の展開に合わせた小編成の協奏曲も作曲した。水野修孝の交響的変容はチューブラーベルを10本要求した初めてのオーケストラ作品である。その10本が同時に鳴り響く瞬間はCDにしっかりと収録された。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。