『沙羅曼蛇』("SALAMANDER"、サラマンダ)は、1986年にコナミ(現・コナミデジタルエンタテインメント)が稼動したアーケード(以下AC)用シューティングゲーム。『グラディウス』の続編に当たる作品である。「沙羅曼陀」や「沙羅慢蛇」などとしばしば誤記される。本作の海外版の名称は『LIFE FORCE(ライフフォース)』となっているが、この名称の作品には2種類存在する。1つは背景の一部を差し替えて海外向けに販売されたもの(「Stereo Sound」の表記が付く)、もう1つは海外版を元に多数のアレンジを施し、日本国内向けに稼動されたものである(詳細は『ライフフォース』を参照されたい)。なお、海外版ではボイスの追加、ストーリー説明の追加などの改変が見られる。1996年には、本作品の続編として『沙羅曼蛇2』も製作された。PlayStation・セガサターンでは『ライフフォース』も含めたシリーズ3作をまとめて、「沙羅曼蛇 DELUXE PACK PLUS」としてオリジナルにほぼ忠実に移植された。PSPでは、さらに『XEXEX』とシークレットタイトルの計5作が「沙羅曼蛇 ポータブル」として移植された。PlayStation 4のアーケードアーカイブスでは、本作と日本版『ライフフォース』、北米版『ライフフォース』3作をまとめて移植、配信された。なお、本文中に特に断り書きがない場合は、AC版についての解説である。これを元にした各種移植作品についての解説は他機種版の項目を参照。ただしMSX版に関してはAC版などと共通する要素はタイトルとBGMくらいで、ステージ構成などは大幅に変更されているため別項目とした。詳細は沙羅曼蛇 (MSX) を参照頂きたい。8方向レバーと2ボタン(ショット、ミサイル)で、1P側がビックバイパー(青)、2P側がロードブリティッシュ(赤)を操作する。全6ステージで、奇数面が横スクロール、偶数面が縦スクロールである。2人同時プレイが可能であり、ステージ6以外であれば途中参加ができる。コンティニューはできず、クレジットを追加することで上限はあるが残機が増える仕様。得点による残数の増加はない。ループゲームで、周回数を重ねるごとに地形が変わるほか、3周目以降は倒した敵機が弾を撃ち返すようになるなど、10周目まで難度が上がり続ける。ステレオ対応のFM音源サウンドや、場面に合わせたボイス(合成音声)、プロミネンスに代表されるグラフィックや演出効果が話題を呼んだ。当時はステレオ対応筐体が皆無だったこともあり、2Dシューティングゲームとしては異例である専用筐体販売が行われた。そのため流通数が少なく、当初はプレイ待ちの行列がいたるところで見られた。パワーアップは、『グラディウス』のカプセルストック制ではなくアイテム制になっている(ファミコン(以下FC)版、MSX版はカプセルストック制。各移植版の項も参照されたい)。自機が破壊されても画面が切り替わることもなくその場で復帰し、ゲームは続行される。このような違いから、グラディウスシリーズの中でも異質な作品となっており、『グラディウス』とは一味違った独自のシステムとなっている。尚、パワーアップが『グラディウス』と同じカプセルストック制になった『ライフフォース』(前述の通り、元々は沙羅曼蛇の海外バージョン名であり、国内版と海外版の2種類で内容が異なる)も発売されている。開発当初、本作は『グラディウス』からの続編である『グラディウスII』となる予定だった。しかし、横スクロールにするか縦スクロールにするか、開発部署で揉めた末に、これらを交互に挿入することになり、システム的にも『グラディウス』と異なる点が多いために、別タイトルになった経緯がある。ゲームのエンディングで敵が惑星から脱出するシーンがあるが、これには製作スタッフが続編の『グラディウスII』を作りたいという意思が込められている。パワーアップの構成は『グラディウス』と似ているが、パワーアップの方法はそれぞれの装備に該当するアイテムを取得する事によって行う。本作ではアイテムのことをパワーユニットと称する。パワーユニットは特定の敵(ほとんどの場合、赤い色違いの敵)を倒すことによって出現する。なお、このパワーユニットを持った敵の出現位置はすべて固定であるが、数はプレイによって異なる。プレイされない間のデモンストレーション中に各パワーユニットの説明が表示される。各装備の細かい性能や補足事項などについては#パワーアップの制約・固有性能で解説する。特記ないものは1段階しかパワーアップしないが、いずれもパワーアップ限界数を越えて取っても得点にはなる。発売された当時としては画期的な2人同時プレイを実現している。1P側(ビックバイパー、青色の機体)と2P側(ロードブリティッシュ、赤色の機体)で、それぞれグラフィックは全く異なるが性能に違いはない。双方の機体は互いに重なる事ができず、ぶつかると相手の機体を押す事になる。押された結果、地形に接触してしまうとミスとなるため、狭い場所では左右に少し動くときでさえ相手の位置に注意しなければならなかった。これはAC版『沙羅曼蛇』やこれを忠実に移植した作品のみの現象で、国内版『ライフフォース』やFC版などではこの現象は起きない。また、押された側のマルチプルは移動しないので、通常ではできないような自機とマルチプルの距離の開け方も可能であり、2人同時プレイの場合はこれを利用してボス戦に有利なフォーメーションを取るなどといった使い方もあった。前述の通り、2人同時プレイの場合であってもマルチプルを装備可能な最大数は画面内に4つまでである。片方のプレイヤーが1つ以上装備すると、もう片方のプレイヤーはその個数分だけ装備可能なマルチプルの個数は減る。片方が4つ装備するともう片方のプレイヤーは1つも装備できない。本作品最大の特徴であり、『グラディウス』と比べて最大の違いが、スクロール方向が横だけではなく縦にもなる点である。これにより本作品の戦略性が高まっている。スクロール方向により装備の性能が変わったり、自機の当り判定が変わるなどの要素も含まれている。また、『グラディウス』に比べて、スクロール速度が速い。装備面ではミサイルがその影響を多大に受けており、『グラディウス』に比べて大きく変更されている。横スクロールでは上下、縦スクロールでは左右と、同時に2方向へ発射可能となっている。また2面を除く縦スクロール面では前方画面奥側にも発射するが、これは空間のリアルさを表現する手法に留まらず、画面奥の一部の地上物を破壊することもできた。敵の出現位置、攻撃方法、アイテムの場所などは完全に固定されており、安全地帯も多いため、パターン化によって攻略法を確立できる。なお、本作では『グラディウス』とは異なり、再開時に一定の場所まで戻される事はなくその場で復活し、復活後、装備していたマルチプル(オプション)が回収可能である。そのため、低次周ならばミスした場合でも『グラディウス』よりは復活が容易な場面が多い(ただし、高次周だと逆になってしまう)。復活時は数秒間の無敵時間があるが、すべての装備を失ってしまうため、その無敵時間を活用して立て直すことは困難であった。2周目以降は周回数によって地形(奇数周と偶数周で1面の盛り上がる地形の場所や、3面のプロミネンスの噴出する場所や組み合わせ)が変わったり、周回を重ねる毎に撃ち返し弾が増えていくなど、最終的には尋常でないほどの攻撃をしてくるようになり、高次周では一度ミスすると復活は極めて困難になる。なお、4面最後の地上ハッチなど、一旦破壊されるとその後のプレイではボスが攻撃をしてこないという仕様のため、プレイ条件は常に一定ではない。先述の通り、グラフィックやステレオサウンドが特徴として挙げられる。さらにシリーズを通じて初めて「声(英語)」による演出を行っている。主に、武器をゲームプレイの最初に装備した時、ステージの切り替わり、ボス戦の直前に発せられる。ミサイルを装備していない時にミサイルショットボタンを押すと音声で注意される演出もある。ただし、これら音声の演出は、周囲で他のゲームが稼働しているゲームセンターなどでは聞きとりづらく、さらに低音質だったため、聞き流されることがほとんどだった。この「声」の演出は、以降のグラディウスシリーズにも標準的に採用される。『沙羅曼蛇』初の家庭用移植作品。ハードの制約からAC版から大きくアレンジされているが、コナミが独自開発した特殊チップVRCの搭載により前作FC版『グラディウス』よりオプションの装備可能数が増え、大型ボスも登場している。外殻が半透明で内部の基板が見えるスケルトンカセットを使い、それをアピールしたTVCM(後に、発売延期を発表したCMもあった)や、『グラディウス』の正統続編ということで話題を呼び、ファミリーコンピュータMagazineの集計では初登場の売り上げ1位に輝いている。以下、AC版からの変更点。"沙羅曼蛇 (MSX) を参照。"AC版におけるブート時のメモリチェックやクロスハッチ表示、テストモード(裏技を使う事により可能)まで忠実に移植され、ACからコンシューマー機への忠実移植ブームの火付け役となったとされる。しかし発売当時の純正ハードである10MHzモデルでの動作はやや重く、3面のプロミネンスの表示が特にもたつく。また、1面のBGMに若干の違いがある。開発はSPSで、発売はシャープ。発表から発売までに当時としては異例なほどの発売延期が繰り返された。後にSPSの担当者が雑誌インタビューにて、「ほぼ完成していたバージョンの出来に納得できず、それまでに作成したすべてのデータを破棄して一から作り直したため」と説明していた。裏技でBGMだけを聴くことができるが、未完成どころか明らかに曲になっていない物なども存在する。X68030の高速動作モードではBGMが正常に演奏されず、不具合を解消するためには有志が作ったパッチソフトを使う必要がある。静止画の画面写真を見る限りでは、一見オリジナルに忠実な移植作のように見えるが、実際はシステム・ゲーム内容ともにかなりのアレンジが施されており、その内容は大きく異なるものとなっている。中でも一番の違いは、1人プレイ時に、『グラディウス』と同じ「自機が破壊されると復活ポイントに戻されるシステム」に変更されている点である。それ以外にも、敵(ザコ・ボス共に)のアルゴリズム等が大きく異なり、全体を通して、AC版よりもスピードの速い敵が多く(例えば、ステージ1ボスのゴーレムの移動速度や、ステージ2のザコが発射してくる弾の速さなどが顕著である)、ステージ3のプロミネンスの出現パターンもAC版とは全く異なり、ステージ4に至ってはAC版では可能だった画面奥へのミサイル投下が出来ず、そこに配置されているハッチ(AC版同様に雑魚を発進させる)が破壊できない。それ以外にも、アイテムの出現数・出現位置がかなり違い、レーザーも短め。音楽は、PCエンジンの内蔵音源の特性から、オリジナルよりも一部、音程が異なる部分もあるがMSX版に近い雰囲気になっている。また、PCエンジン版『グラディウス』同様、横スクロール面で画面が上下にスクロールする。2007年9月11日よりWiiのバーチャルコンソールで、2010年7月21日よりゲームアーカイブス(発売元:ハドソン(現:コナミデジタルエンタテインメント)、PSP・PS3用)で、2014年10月22日よりWii Uのバーチャルコンソールで配信されたほか、2010年12月20日発売のiOS用ソフト『PC Engine GameBox』に収録されている。また、2013年6月20日よりクラウドゲームとしてG-clusterやひかりTVゲームで利用できた。なお、バーチャルコンソール及びゲームアーカイブス版では画面が点滅する演出が削除されている。「沙羅曼蛇 DELUXE PACK PLUS」として『沙羅曼蛇2』、『ライフフォース』も同時収録され、いずれもほぼ忠実に移植されている。CD-ROM内に開発者によるテキストファイルおよび壁紙が入っている。画面の左右が黒く表示されるARCADE、画面を左右に拡大したARCADE ZOOMの2種類の画面モードを選択可能。ただし、ARCADE ZOOMにしてもスコアの表示はARCADEのままになるので、バランスの悪い画面となる。また、このモードでは元々256ドット×224ラインのグラフィックを320ドット×224ラインに引き伸ばして表示している関係上、画質が低下している。『ライフフォース』も同様。AC版でレーザーを撃つとちらつく3面のイントルーダーが、ちらつかなくなっている。「沙羅曼蛇 DELUXE PACK PLUS」として『沙羅曼蛇2』、『ライフフォース』も同時収録。いずれもほぼ忠実な移植。こちらはARCADE ZOOMの画面モードしかないが、SS版と違ってスコアも拡大された状態で表示され、画質の低下もない。また、オプションで画面の位置を調整可能。グラフィックこそオリジナルに近いが、「マルチプルの動きが素直で間隔が広い」「縦スクロール面で下にミサイルを撃てない」「壊せる壁がすべて再生する」「ノーミスで進むと3面の炎がたくさん出現する」「ノーミスで4面に進むと1周目で打ち返し弾が発生する」といった違いがある(S!アプリ版で確認)。また、iアプリ版は自機の当たり判定が異様に大きい。i-revoにて、FC版、MSX版、PCエンジン版『沙羅曼蛇』が配信されている。また、プロジェクトEGGにてPCエンジン版が配信されている。DELUXE PACK PLUSにさらに『グラディウス2』と『XEXEX』を加え、合計5作を忠実に収録。詳しくは「沙羅曼蛇 ポータブル」を参照。2015年11月27日にアーケードアーカイブスで配信開始。『沙羅曼蛇』のオリジナルモードに加え、北米版『LIFE FORCE』と日本版『LIFE FORCE』を同時収録。また、ハイスコアモード、キャラバンモードが追加され、オンラインのハイスコアランキングに登録できる。他のアーケードアーカイブス同様に中断セーブに対応。サンダーミューの画面を激しくフラッシュさせる攻撃の表現がマイルドなものに変更されている。本作の音楽は当時まだ音大生だった東野美紀がアルバイトで作曲を担当した。作曲したBGMが次々に没になり、苦し紛れに三連符を多用したところ、多少の批判を受けながらも採用された、という作曲者自身による発言がCDのライナーノーツに記載されている。当時制作しながら没になった曲のいくつかは、PSPソフト「沙羅曼蛇 ポータブル」のギャラリーに収録されている。音楽演奏にはFM音源チップYM2151が使われており、ステレオ出力されるのも当時は珍しいことだった。マイコンBASICマガジンの1986年11月号、並びに同12月号では、古代祐三がPC-8801mkIISR用に本作使用曲のステレオ演奏実現を試みるプログラムを発表した。これは左右チャンネルを各々別のプログラムとして二台のPC-88に入力し、同時再生させることでサウンドボード搭載の音源、YM2203の出力ポート不足を補う方法を採っていた。元のデータをコンバートしたものではなく、耳コピーであり、音源のスペックが異なるため、再現性については完全ではなかったが、二台の本体を必要とするプログラムとして話題となった。またタイトルについては(『ライフフォース』で使用されたものも含め)当初は付けられていなかったようで、1986年にアポロン音楽工業から発売された『オリジナル・サウンド・オブ・沙羅曼蛇』では「第1ステージ・サウンド」などとなっている。以下の曲名は1992年に発売された『沙羅曼蛇 -Again-』に基づいている。1991年にそれまで発売されていたアーケードゲーム全てを対象に行われたゲーメスト読者の人気投票によるゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』では16位を獲得した。同誌では、「超難度パターンシューティング」、「ステレオサウンド機能付きのオリジナル筐体で販売されていたので、音楽に臨場感があふれていた」、「サウンドもさることながら、グラフィックにも迫力があった。STAGE3の炎の面などは初めて見た時には驚いたものだ」と評している。ゲーム誌「ファミコン通信」のクロスレビューでは合計29点(満40点)、「ファミリーコンピュータMagazine」の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、23.48点(満30点)となっている。ゲーム誌「ファミコン通信」のクロスレビューでは合計26点(満40点)、「月刊PCエンジン」では95・90・80・85・80の平均86点(満100点)、「マル勝PCエンジン」では8・9・7・8の合計32点(満40点)、「PC Engine FAN」の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、22.00点(満30点)となっている。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で160位(485本中、1993年時点)となっている。前出の通り、『ライフフォース』、『沙羅曼蛇2』がそれぞれ本作のアレンジ、続編として存在する。これらはすべて本作から発生した沙羅曼蛇シリーズと見た場合のものであり、実際には本作を含めたこれらはグラディウスシリーズの1つである。本作をモチーフにした『沙羅曼蛇』を第1作とするOVAシリーズも発売され、続編には(正確には第1作目の前話になる。)『グラディウス』をモチーフにした『沙羅曼蛇 瞑想のパオラ』と、『グラディウスII』をモチーフにした完結編『沙羅曼蛇 ゴーファーの野望』が存在する。グラディウスシリーズ以外の後のコナミ作品にも、たびたび本作のキャラクターが登場している。以下はその一例である。
出典:wikipedia
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