高等教育(こうとうきょういく、Higher education)とは、中等教育における学修を受け、学修の成果として学位などの学術称号やサーティフィケートが授与される課程、具体的には、大学(短期大学および大学院を含む)、高等専門学校(専攻科を含む)、専門学校(専修学校専門課程のみを指し、高等課程を含まない)などで行われている教育のことである。国際標準教育分類(ISCED)ではレベル5以上のものをさす。学位を付与されない課程(継続教育、英国Further EducationやアメリカのContinuing Educationなど)や、学士レベル(Bachelor)未満の過程(Short-cycle tertiary education/ 短期大学や高等専門学校)については、第3期の教育(Tertiary education)として高等教育から区別することもある。日本においては専門学校は高等教育として扱われ、区別されないことが多い。「高等」とあることから、高等学校(広義的には、特別支援学校の高等部を含む)の課程が高等教育を行う課程であると誤認されることもあるが、正しくはそれは後期中等教育(ISCEDレベル3)を行う課程である。世界人権宣言においては「高等教育は、能力に応じ、すべての者にひとしく開放されていなければならない(26条1)」と定められている。高等教育は、中等教育を修了した者またはそれと同等以上とみなされた者が知識・倫理・技術などを深く学び、さらにそれらの理論や実践を身に付ける。そのことを通じて、課程を修了した後に、職業人(研究者を含む)となるなどして広く社会に、教育の成果を還元する。高等教育を行う学校には、大学(短期大学および大学院を含む)、高等専門学校、その他の教育施設があり、教育施設の中でも学位またはそれに準ずる学術称号を授与する権限を持っていたり、課程の修了により他の機関(イギリスでは商業技術教育委員会、日本では大学改革支援・学位授与機構など)から授与されることに特徴がある。高等教育は、時代や地域によっては、将来の国や社会を担うエリート養成という役割がある。一方、近年、高等教育は個人の能力に応じ、すべての者に等しく開放されなければならないと国際人権規約(社会権規約第13条)により規定されており、高等教育の進学率は上昇傾向にある。現在の先進国では、高等教育進学率が50%以上の国も少なくない。開発途上国では、母語による高等教育が困難であることを理由に、英語やフランス語などの非母語を使用している場合もみられる。日本のように、母国語でほとんどの専門科目の授業と教科書がそろっている国は少ない。各校種の意義は時代、地域によってそれぞれだが、高等教育の目指すものの内容についても議論が行なわれており、ユネスコ高等教育世界宣言(1998年、パリ)などの文書もある。欧州圏ではボローニャ・プロセスにより、各国の高等教育レベル互換性を定める作業が進んでいる。高等教育の制度は国によって若干の相違があるが、基本的には、大学とその他の専門的教育・職業的教育のための学校とに区別される。一般的な高等教育は、大学やカレッジといった教育施設にて実施される。高等職業教育は大学以外の中等後教育(non-university tertiary level)に分類される。高度専門職業教育(Professional higher education)は、 一般の高等教育とは区別されており、 それはエンプロイアビリティを高め、資格を身に付けさせ、技術革新を刺激し、本人と社会に利益をもたらすことを目的とする。教育施設の例としては、建築学、ビジネス、ジャーナリズム、法学、図書館学、眼科、薬学、公共政策、医療、工学、足病学、歯科、獣医学などがある。日本において高等教育とは、狭義には、学校教育法第1条に定められる学校(一条校)のうち、後期中等教育(高等学校)に続く上位の学校種で実施される教育を意味する。具体的には、大学(短期大学含む)・高等専門学校で行われる教育である。また広義には、国家が国民に対して保証すべき教育(学校教育)のうち、基礎的教育(初等教育: 小学校など、中等教育: 中学校・高等学校・中等教育学校など)に続く上位の教育であって、一般教育と専門教育の双方を充分に行うものを意味する。18歳から30歳までの在籍者数が多く、成人年齢に達した若者世代に対する学校教育という色彩も持っている。「専修学校の専門課程」(いわゆる専門学校)のうち、大学に編入学できる課程(修了者に専門士または高度専門士が付与される課程)で行われる教育も高等教育に分類されることがある。文部科学省が所管する教育機関については、以下の機関が高等教育機関として分類されている。文部科学省のまとめによれば、2003年度の18歳人口に対する高等教育進学率は72%以上(4年制大学41.3%であり、短期大学7.7%、専修学校の専門課程23.1%)となっている。学生数の割合は21%が国公立、79%が私立であった(2012年)。文部科学省所管外の省庁大学校は、学校教育法第1条に規定される大学(学校)ではないため、学校基本調査の対象外である。しかし、省庁大学校のうち、防衛大学校(本科、研究科博士前期課程、博士後期課程)、防衛医科大学校(医学科、研究科博士後期課程)、水産大学校(本科、研究科)、海上保安大学校(本科)、気象大学校(大学部)、職業能力開発総合大学校(総合課程、長期課程)、および国立看護大学校(看護学部、研究課程部)の7校の各課程は、独立行政法人大学評価・学位授与機構により大学の学部または大学院に相当する教育を行うものと認定されており、これらの省庁大学校の卒業者や修了者には、学校教育法第104条第4項第2号の規定に基づき、学士、修士、または博士の学位が同機構より授与される。アメリカ合衆国では、リベラルアーツカレッジ、大学、コミュニティーカレッジなどが高等教育を担っている。アメリカで連邦政府が運営する大学は、陸・海・空軍の士官学校と空軍大学校の他には存在しない。また、米国の大学の数は日本に比べ圧倒的に多く、大規模大学・小規模大学をすべて含めると実に4000以上存在する。学期はセメスター制をしく学校と、トライメスター制、クォーター制をしく学校の3種類がある。セメスター制は日本と同じ年2学期制(通常15週間/学期)、トライメスターは3学期制(通常10週間/学期)で、クォーター制は春夏秋冬の4期から構成されている。クォーター制の夏期は基本的に補講期間と考えられていて、メジャーな授業は開講されない。州立大学やコミュニティ・カレッジでは、学費は日本と異なり登録する単位数によって変動する。学校間の提携が非常に発達しており、既得単位の移動が学校間で比較的容易なため、編入が頻繁に行われている。特に費用の安いコミュニティ・カレッジである程度単位を取得してから同一州内の4年制大学へ編入する方法は、成績・経済的な理由から特によく見かけられる。イギリスでは、大学や継続教育カレッジなどが高等教育機関となっている。大学はほとんど総合大学。イギリスの大学は国に属する団体ではない。よって大学の教員は公務員ではない。あくまでも研究費や学生の授業料を国費で援助しているだけである。オックスフォード大学、ケンブリッジ大学などが有名。オーストラリアでは、大学と、技術・継続教育(TAFE)がある。オランダの高等教育では、研究大学(WO)と高等職業教育機関(HBO)に分かれ、それぞれ入学に必要な中等教育ディプロマも異なる。フランスにおける高等教育機関としては、一般大学と、技術大学、専門職業教育に重きを置いたグランゼコールがある。その他、高等音楽院、美術院なども高等教育機関として位置づけられる。ドイツの教育において高等教育機関は Hochschule と呼ばれる。公立大学は、以前は授業料が無料であり、入学も学部によっては順番待ちによっておこなわれていた。学部の段階から学問と技術を学ぶ気風が高く、2年間ほど在学した後に退学する人も多かったといわれていた。21世紀に入る前後で改革がおこなわれ、州によっては公立大学の授業料が有償化されたが、徐々にRP州やNRW州のように無料化の方向に進んでいる。また、ほとんどが州立であり国立は無い、私立大学の数は比較的少ない。このような一般大学のほか、ファッハホーホシューレ(Fachhochschule)、ファッハシューレ(Fachschulen)、 職業コレーク(Berufskolleg)などの職業学位を付与する高等教育機関もある。
出典:wikipedia
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