名古屋ガイドウェイバス株式会社(なごやガイドウェイバス)は、愛知県名古屋市の東区と守山区でガイドウェイバスの運営などを行っている、名古屋市、名古屋鉄道、ジェイアール東海バスなどが出資する第三セクター会社である。本社は名古屋市守山区竜泉寺二丁目301番地(区画整理により2003年11月10日、守山区大字吉根字松洞3360番地1より地名変更)にある。ガイドウェイバスとは、ガイドレールを備えた専用軌道に対し、これを案内輪でトレースしてステアリング操作が不要な半自動運転を実現しつつ、一般道路においても普通のバスとして走行可能な新交通システムである。都市部では一般道路で発生する交通渋滞の影響を受けない専用軌道を走行し、郊外では一般道路を走行する。同社のガイドウェイバスには、交通渋滞の影響を受けずに快適に移動ができる特徴を反映して「ゆとり」と「ストリート」を掛け合わせた「ゆとりーとライン」という愛称がつけられている。名古屋ガイドウェイバスが車両(バス)と専用軌道区間のガイドウェイバス志段味線(大曽根 - 小幡緑地間 6.5km)を保有し、設備管理と運行管理を行っている。一般道路を走行する平面区間の運行管理や車両整備、全線を通じた運転業務は名古屋市交通局大森営業所が行っている。専用軌道区間を運転するには大型第二種免許に加え、鉄道の動力車操縦者運転免許(前例が無いため無軌条電車運転免許に分類)が必要である。大曽根 - 小幡緑地は専用軌道区間を走行する。印場 - 高蔵寺間の営業については、名古屋市交通局の入出庫系統であるため、名古屋ガイドウェイバスは関与していない。なお、毎年2月には龍泉寺の節分祭に合わせて、大曽根 - 竜泉寺口間の臨時バスを運行している。名古屋ガイドウェイバスが運行管理するガイドウェイバス志段味線(専用軌道区間)および、名古屋市営バスで運行している平面区間の駅・停留所の一覧である。下記の車両を名古屋ガイドウェイバスが保有しているが、管理は名古屋市交通局に委託されている。また法規上は無軌条電車の扱いでもあるので、鉄軌道車両同様に形式称号が存在する(動力から見れば気動車扱い)。エンジンは全車直列6気筒型。トランスミッションは、GB-1000形とGB-1100形がアリソン製トルクコンバータ式6速AT、GB-2000形とGB-2100形がZF製トルクコンバータ式5速AT、GB-2110形は5速FFシフト(5速MT)である。通常、ガイドウェイバスの案内輪は固定式であるが、名古屋ガイドウェイバス車両の案内輪は収納式である。全車両に通し番号がある。2013年(平成25年)11月20日時点2009年9月30日までは、G-50番台の車両は名鉄バスに、G-80・90番台の車両はジェイアール東海バスに所属していた。合計で25両の車両を保有している。車内には「全般検査」の時期が記入されているほか、前面ガラスには通常の車検期限のステッカーも貼られている。車両によって、次停留所を示すモニターの位置や、運行時刻表の表示位置が異なるなど、細かい差異がある。名古屋市交通局に運行委託が一本化された後に導入されたデジタルタコグラフ装置、ドライブレコーダー装置、卓上型電波時計などについては、差異はない。平面区間におけるバスロケーションシステムの移動局(無線機)がすべての車両に搭載されており、名鉄バス株式会社のシステムで運用されている。バスロケーションシステムによるバス停での接近案内は、2012年3月31日をもって運用が停止されたが、上島(西)バス停、竜泉寺バス停、モードインターチェンジ周辺、各駅の先端・末端部、駅間にバスロケーションシステムの地上子を設置し、平面区間、高架区間におけるバスの位置確認を行っている。また、名鉄バスが使用していたG-50番台の車両には従来から同社春日井営業所との音声通信用無線機およびアンテナが搭載されていた。名古屋市交通局に運行委託が一本化された後、無線機は順次撤去された。当初の計画では営業車両25台のうち3台を、名古屋市から補助金を受けてリフト車とする計画であった。2000年12月22日、障害者団体が「リフト車の台数が少なく、車いすで利用できるバスの導入推進をうたう交通バリアフリー法の趣旨に反する事業計画であり、不当な公金の支出にあたる」として、名古屋市に対し補助金支給をやめるよう求める住民監査請求を行った。同住民監査請求を受け、名古屋ガイドウェイバスは名古屋市からの補助を受けて購入する3台に加え、独自にリフト車を4台購入することを決定。2001年2月19日 名古屋市監査委員は、名古屋ガイドウェイバスのバス購入時期は同法の定める適用期間外であることに加え、同社がリフト車4台を追加購入したことを評価し「交通弱者への配慮を著しく欠いた不当な事業とはいえない」として、同住民監査請求を棄却した。しかし、今後増車する際は同法の適用がされるため、監査委員は「バリアフリーの実現を求めるよう、名古屋ガイドウェイバスを指導する」旨を名古屋市に意見を提出した。ゆとりーとライン開業に先立って、当時の建設省を中心とした「ガイドウェイバス共同実験研究会」が製作した試作車両は、普段は名古屋ガイドウェイバス本社1階のバス車庫(整備場)に留置されている。ボディには「THE GUIDEWAY-BUS 1000」と書かれているほか、後部の窓に「FUSO」の文字が入っている。2001年、車両後部に融雪剤散布装置を設置し、以降、融雪車として運用している。トランスミッションは営業車両とは異なりMTである。小型トラックにクレーンを搭載した保線用車両がある。案内輪はついていない。このほかに、保線に際しては工事業者の一般車両や普通乗用車、二輪車なども専用高架軌道に入って作業をしている。2012年4月9日、真っ白な塗装の日野自動車製のリフト付きツーステップハイブリッドバス(LJG-HU系)が納車され、同日中に軌道内での試運転が行われた。収納式案内輪なので、ノンステップまたはワンステップが対応できなかったためツーステップ仕様で納入されたもの。2013年4月10日以降、名古屋ガイドウェイバスに順次G-01号車からG-07号車の7台の新車が納車された。日野自動車製のハイブリッドバスである。また、同年9月19日、G-21号車が納車された。以後、G-26号車までが納車されている。manacaおよび、TOICA・Suica・ICOCA・PASMO・Kitaca・SUGOCA・PiTaPa・はやかけん・nimocaといった全国相互利用サービスに対応するICカード乗車券が全線で利用できる。このほか、名古屋ガイドウェイバス発行の「ゆとりーとカード」、名古屋市交通局発行の「ユリカ」、名鉄バス発行の「昼間割引バスカード」などが利用できたが、2012年2月29日をもって取り扱いが終了した。原則、IC乗車券「manaca定期券」での発行を行っている。ただし、下記の場合は従来の紙定期券を発行している。名古屋ガイドウェイバス(大曽根駅および本社)、名古屋市交通局(地下鉄全駅の黄色い券売機・一部を除く地下鉄駅長室・サービスセンター)にて販売している。購入に際しては下記の条件がつく。平面区間を含む定期券を購入した場合、ゆとりーとライン以外の名古屋市営バスの利用が可能である。特別割引通学定期券で、名古屋ガイドウェイバス(大曽根駅および本社)にて販売している。専用軌道区間(大曽根 - 小幡緑地間)の全駅で通用。当初は国土交通省の「広域的な公共交通利用転換に関する実証実験」に際して2004年9月から2006年3月までの有期で発売していた定期券だが、好評のため、実証実験終了後も販売が継続されている。この定期券についても、2011年2月11日より原則manaca定期券としての発行に変更された。manaca定期券導入に伴って、従来より発売額が割高になってしまう区間については、引き続き紙定期券の発売が継続される。名古屋ガイドウェイバスの窓口でのみ購入可能で、従来同様「市バス全線」シールが貼付られるため、ゆとりーとラインの定期券区間のほか、市バス全線(ゆとりーとライン平面区間を含む)に乗車可能である。大曽根 - 高蔵寺の全線で利用可能。市バスの全線定期券・一日乗車券・ドニチエコきっぷなどで平面区間が利用可能。ゆとりーとラインの運賃は、高架区間(専用軌道区間)の運賃と平面区間(路線バス)の運賃の2本立てになっている。高架区間と平面区間の境界は、小幡緑地駅である。小幡緑地以西(大曽根方面)のみ乗車の場合は高架区間の運賃を、小幡緑地以東(中志段味方面)のみ乗車の場合は平面区間の運賃を支払う。小幡緑地駅をまたいで乗車する場合には両区間の運賃を合算する。この場合、降車駅・バス停によって定められた併算割引制度があり、区間に応じて20円 - 140円(小児の場合10円 - 70円)を割り引いた額になる。身体障害者手帳、療育手帳、愛護手帳を提示した場合は運賃が半額になる。その場合はカードまたは現金での支払いとなる。また、2011年2月11日のICカードmanaca導入に伴い、高架区間と名古屋市営地下鉄・バスとの乗継割引制度および連絡定期券が新設された(平成22年4月発行の名古屋市交通局・「市営交通事業経営健全化計画のあらまし」による)。運賃の収受方法は、一般路線バスに準ずる。なお、大曽根駅では朝のラッシュ時間帯、多客時、延着時には、車内での運賃徴収は行わず、駅2階の改札口にて"駅徴収"を実施している。大曽根駅の改札口には、バス車内に設置されているのと同型の運賃箱が4台設置されており、これらは駅徴収時に使用される。乗車人員(人/日)は、年度別乗車人員を、その年度の暦日で除したもの(小数点以下切捨て)ガイドウェイバスの運行は開業以来、名古屋市交通局のほか名鉄バス、ジェイアール東海バスが行っていたが、2008年(平成20年)8月27日にジェイアール東海バスが一般路線バス事業から全面撤退したい意向であることが明らかになった(詳細はジェイアール東海バス#一般路線の項を参照)。同社は名古屋ガイドウェイバスに出資しているだけでなく、車両の管理等も受託していた。同社は、2009年(平成21年)9月30日をもって一般路線バス事業から撤退した。2009年9月1日に以下の発表が行われた。名古屋市では、総務省のガイドラインに基づき、経営が著しく悪化している外郭団体の改革プランを作成することになり、名古屋ガイドウェイバスもこの対象となった。外部の有識者による外郭団体経営検討委員会の結果を踏まえ、2010年5月に改革プランが策定された。この中で後述する車両更新に対する市の支援、地下鉄・市バスとの乗継割引などの方策が示された。なお外郭団体経営検討委員会においては、将来的には市交通局との事業統合も含め会社のあり方を見直すべきとの見解が示されている。また、車両が製造から11年を迎え、老朽化等の対策のため2010年度(平成22年度)より新車両(低床ハイブリッド車)の設計が開始されている。特殊な車両のため設計費用が高額になることから、費用は名古屋市が負担する。2012年度(平成24年度)より順次導入される予定。また、車両の価格も高額となることから、名古屋市が車両を保有することも検討し、資金援助を行う予定。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。