クレマンソー級航空母艦(クレマンソーきゅうこうくうぼかん、)は、フランス海軍が運用していた航空母艦の艦級。2隻が建造され、1960年代初頭より就役した。老朽化に伴い、2000年までにフランス海軍からは退役したが、2番艦はブラジルが購入し、「サン・パウロ」として再就役させている。フランス海軍は、第二次世界大戦においてほぼ壊滅状態となり、戦後の再建は他の連合国諸国からの供与艦を主力としていた。航空母艦も供与されていたが、それらは軽空母や護衛空母であり、排水量も1万トン前後のものであった。1950年代後半になると、フランスの国力も回復し、それらの艦も性能が陳腐化したために、より大型の国産航空母艦としてクレマンソー級が建造された。アメリカ海軍で使用されていたエセックス級航空母艦とほぼ同程度の大きさで、当時のフランスの独自外交の影響もあり、可能な限り国産化が進められた。飛行甲板が強度甲板とされており、45 mmの装甲が施されている。また機関部などの枢要区画には、更に30~50 mmの装甲が施されている。なお「クレマンソー」の就役後に復原性の不足が判明したことから、同艦は水線部中央にバルジを装着する改修工事を受け、当時建造中だった「フォッシュ」は当初からこれを装着して竣工した。主機関はボイラー6缶および蒸気タービンを用いて2軸の推進器を駆動している。この規模の艦で2軸推進としているのは前例がなく、1軸あたり63,000馬力という出力は、アメリカ海軍のスーパー・キャリアを除けば最大級である。ボイラーの蒸気性状は、圧力、温度450℃であった。飛行甲板は全長257メートルを確保している。艦首甲板は93メートル×28メートル、艦首尾線に対して8度の開角を付されたアングルド・デッキは165.5メートル×29.5メートルの面積となっている。蒸気カタパルトとしてはイギリス製のミッチェル・ブラウンBS5型が採用されており、艦首甲板とアングルド・デッキに1基ずつ装備された。全長52メートル、15~20トンの航空機を110ノットまで加速できる。ハンガーは長さ180メートル×幅22~24メートル×高さ7メートルである。1990年代の標準的な搭載機は下記の通りであった。なお、艦上戦闘機としては、当初はアキロン(デ・ハビランド シーベノムのフランス海軍版)を搭載していたが、1963年にアメリカからクルセイダーを購入したことから、1966年に所定の改装を行って順次に搭載した。また艦上攻撃機も、就役当初はエタンダールIVであったが、1970年代末よりシュペルエタンダールに更新された。同機は、1986年からの近代化改修によって核弾頭搭載のASMP巡航ミサイルの運用能力が付与され、これにあわせて本級もカタパルトや弾薬庫を改修して、核攻撃能力を持つこととなった。2000年のフォッシュ退役時、フランス海軍はF-8E(FN)クルセイダーの最後の運用者となっていた。フォッシュの退役に伴い、F-8クルセイダーの運用は世界的に終了した。なおブラジル海軍での搭載機は、AF-1 ファルカン(A-4 スカイホークのブラジル名)と各種ヘリコプターである。飛行甲板とハンガーを連絡するエレベータは、艦首甲板後端部とアイランド後方に1基ずつ設けられており、前部エレベータは17メートル×13メートル、後部エレベータは16メートル×11メートルの大きさである。耐荷重はいずれも当初は15トン、後に20トンに強化された。なお航空燃料としては、「クレマンソー」ではジェット燃料1,200 m³、航空用ガソリン400 m³を、また「フォッシュ」ではジェット燃料1,800 m³、航空用ガソリン109 m³を搭載できる。新造時には、前後両舷のスポンソンにMle.53 100mm単装砲を2基ずつの計8基搭載していた。その後、クレマンソーは1985年、フォッシュは1987年にそれぞれ改装を受けて、右舷前部および左舷後部の砲を撤去し、それぞれクロタル短SAMの8連装発射機に換装された。この発射機はFCSと一体になっており、またその下の弾庫を含めて、ミサイル18発を搭載する。フォッシュがブラジルに売却される際に、100mm単装砲とクロタル発射機は撤去された。ミストラル発射機については撤去されたか残置されたか定かでない。ブラジルでは2010年にサン・パウロのオーバーホールを行い、このときにミストラルの2連装簡易発射機シンバッドが3基搭載された(仮にサドラルが残置されていたとするとこの際に撤去されている)。
出典:wikipedia
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