映画監督(えいがかんとく)とは、映画の映像作成を統括する責任者で、TVではディレクターとも呼ぶ。一般に、製作を担当する製作者(プロデューサー)に対して、その映画のトップ2となる。テレビ番組やビデオ作品などについても「監督」、「ディレクター」という言葉が用いられるが、「映画監督」は、劇場用映画(劇映画)や、フィルムで撮影されたまとまったドキュメンタリー作品の監督のみを意味することが多い。商業映画であれば何百という人間が動くが、「映画は監督のモノ」と映画評論家に言われるほどその立場は重要で、程度の違いこそあれ制作現場では作品創作全体の統一のための権力を有しているが、映画は創作者集団による総合芸術であり、芸術としての映画を厳密公正に研究・分析する場合「制作者」は俳優やプロデューサーや監督以外にも制作創作スタッフ全体がその対象となる。「映画監督」と「(テレビ番組やビデオ作品の)監督」の職務内容には、規模の違いこそあれ大きな差はないため、本稿では両者をまとめて扱う。映画監督の基本的な責任範囲は「映画作品としての品質管理」である。「企画(どういう映画を作るかという案を策定する)」、「製作(製作費の調達や管理、作品の売り出しなどを決定する)」は基本的にプロデューサーの職分であり、監督という職種の本来の責任範囲ではない(ただし、監督がプロデューサーを兼ねる場合もある)。もっとも、監督が作品を作り上げる上で複数の職務を担当することもあり、「脚本」や「編集」に多く見られる。さらに自分の作品で音楽家を兼任していたりする監督もいる。とはいえ、諸々の経済的事情を始めとする理由によって、主に商業映画を中心に仕事をする監督は自らが理想とする映画を完璧に作り上げることは困難とされる。少しでも理想に近づけるための交渉術なども、監督にとって重要な資質であるといえる。また、映像作品を作り上げるためには、多くのスタッフが関係することがある。それぞれの専門的なスタッフのアイディアをくみ上げ、アイディア1つ1つについて吟味し、採用したり却下したりという判断を下すことも、監督の重要な仕事である。監督の仕事は、完成した脚本を受け取ってから始まる(それ以前にも脚本を完成させるための議論に参加するなどの仕事が発生するが、脚本が完成するまでは、基本的に脚本家の仕事である)。ただし、監督自らが脚本を書く場合も少なくない。また、完成脚本に手を入れることで、結果的に脚本家との共同脚本としてクレジットされる場合もあれば、監督が手を入れていても特にクレジットはされない場合もある。ドキュメンタリー映画の場合は、劇映画ほど職務分担の違いが明らかではない(明らかにならないし、見つけられない)。多くの場合低予算でスタッフの人数が少ない事や、その場その場で判断しなければならないことが多いなどの理由から、一般にドキュメンタリー映画の監督は、監督としての職務のほかに、「企画」「調査(リサーチ)」「取材(インタビュアー)」などを兼務せざるを得ない(「撮影」を兼任する場合も多く、それどころか「荷物運び」なども当然に監督が分担すべき職務と考えられている現場もある)。ドキュメンタリー映画の監督の場合は、権限が広いというよりは、不可分ないくつかの職域を横断し監督一人が総合的に責任を負うことになるという、構造的な違いがある。なお、監督の仕事のスタイルは、人によって様々である。また、撮影現場には、国や文化圏によって異なる様々な慣習があり、そういった意味でも違いは大きい。最終的に「(条件の範囲内で)良い作品を作る事」のみが監督の職務であり、監督の仕事の進め方については、(無難な仕事の進め方というものは、もちろん存在するものの)定石と呼べるようなものはない。最近では映画のメイキング映像なども比較的入手しやすくなっているが、実に千差万別に各人が工夫をして作品の映像を作り上げていることが分かる。それらを見比べるのも、映画の楽しみの1つであるといえる。関根潤三の著書の巻頭のコメントで北野武は「初めて映画監督をした時こんな大変な仕事はないだろうと思った」と述べるなど過酷な仕事である。
出典:wikipedia
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