禁錮(きんこ)日本国の現行刑法では、禁錮(きんこ)とは、自由刑の一種であり、受刑者を刑事施設に拘置する刑罰である()。禁錮は無期と有期とに分類される。無期禁錮は、死刑、無期懲役に次いで重い刑である。日本国の刑事法においては内乱罪、並びに爆発物使用罪(爆発物取締罰則第1条)及び爆発物使用未遂罪(爆発物取締罰則第2条)にのみ定められている、非常に稀な刑罰である。もっとも、死刑を減軽する場合は、無期の懲役もしくは禁錮、10年以上30年以下の懲役もしくは禁錮となっているので、死刑の定められている犯罪については、死刑を選択した後で酌量減軽することで、無期禁錮刑を言い渡すことができる。少なくとも1947年以降に無期禁錮を言い渡された者はいない。有期禁錮は、原則として1ヶ月以上20年以下である(但し、刑を加重する場合には30年まで、減軽する場合は1ヶ月未満にすることができる)。したがって、ある条文において「2年以上の有期禁錮に処する」などと書かれている場合、天井知らずの刑が言い渡される可能性はない。裁判所は原則として「2年以上20年以下」の範囲内で量刑しなければならない。しかし、死刑もしくは無期刑が定められている犯罪についてはそれらの刑を選択した上で酌量減軽をすることで20年超30年以下の禁錮を言い渡すことができる。有期懲役と刑の軽重を比較するときは、「有期の禁錮の長期が有期の懲役の長期の二倍を超えるとき」は禁錮のほうが重い刑であるとされている()。3年以下の禁錮刑が言い渡された場合においては、情状によって、その刑の執行を猶予することができる。同じく自由刑である懲役との制度上の違いは、懲役では「所定の作業」を行わなければならないのに対して、禁錮ではただ拘置(監禁)することのみが定められていることにある。しかし、禁錮は独房の中で強制労働が無いといっても自由に動き回ることは許されておらず、就寝時以外は一日中正座をしていなければならない。常に看守に監視され、不用意に動くと厳しく指導される。そのため、精神的に相当な負担を負うことになるので捉え方によっては無期懲役より厳しいとする意見もある。そのため、願い出により刑務作業を行うこともできる(「請願作業」あるいは「名誉拘禁」などといわれる。刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律93条、刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則56条)。受刑者の多くが作業に従事することを望むのが実情で、その割合は2014年3月31日時点で82.5%であった。このため懲役と禁錮を区別する意義は薄いとする議論(自由刑単一化論など)も存在する。なお、調髪(男子の場合、丸刈り)の強制や全裸での身体検査が科されることは禁錮でも懲役でも同じである。また、同じく自由刑である拘留との違いは、期間の長短による。禁錮刑が無期または1ヶ月以上20年以下であるのに対し、拘留は1日以上30日未満である。古くは、禁錮は政治犯や過失犯に科されるもので、懲役は破廉恥罪(殺人、窃盗など道徳的に非難されるべき動機により行われる犯罪)に対して科されるものとする理解があった。その名残りとして、政治犯的性質を持つ内乱罪の法定刑には懲役がない。しかし、現代においては必ずしもこのように解釈されているわけではなく、例えば、過失犯は非破廉恥罪であるが懲役刑が科されることもある。代用表記と言われると、戦前「禁固」という表記は全く使われなかったかのように思われがちだが、決してそうではない。明治期に発行された書籍にも極少数ながら「禁固」の表記が確認できる。「禁固」は、それほど一般的な表記でなかっただけの話にすぎない。法令での表記は時代によって変遷がある。制定時期と改正時期の違いにより、同一の法律内に複数の表記が混在しているものもある(電波法など)。2010年11月30日に内閣告示された新しい常用漢字表では「錮」の字が含まれたので、以後は戦前と同じように、ルビなしで使うことが許容されることになった。マスメディアでも「禁錮」が用いられるようになっている。禁錮判決が確定した件数は次のとおりである。95パーセント以上が執行を猶予されており、実刑判決の割合は低い。実刑判決でも大半は3年以下であり、3年超は年間数件程度である。禁錮以上(死刑、懲役、禁錮)の刑に処せられた場合について、法律や法令で欠格事由としている例があり、俗にいう「前科者」も「禁錮以上の刑に処せられた者」(または執行猶予中の者)を指すことが多いが、より厳格な例として「罰金以上の刑に処せられた者」(交通違反など)まで含まれることもある。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。