筑豊本線(ちくほうほんせん)は、福岡県北九州市若松区の若松駅から福岡県筑紫野市の原田駅に至る九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線(地方交通線)である。鹿児島本線との短絡線と篠栗線を含めた黒崎駅 - 折尾駅 - 桂川駅 - 博多駅間には「福北ゆたか線」(ふくほくゆたかせん)、若松駅 - 折尾駅間には「若松線」(わかまつせん)、桂川駅 - 原田駅間には「原田線」(はるだせん)の愛称が付けられている。かつては石炭輸送が盛んであり、炭鉱などに通じる多くの貨物支線を有していたが、現在はすべて廃止されている。現在の列車は旅客列車のみとなっており、直方市・飯塚市などの市町から北九州市・福岡市などとの通勤・通学路線となっている。長らく非電化路線で、ラッシュ時輸送のために客車列車が設定されたり、都市間輸送強化のため高性能な気動車が投入されてきたが、2001年に折尾駅 - 桂川駅間が篠栗線とともに電化され、電車が走るようになった。折尾駅の東水巻駅側から分岐して鹿児島本線の黒崎駅方面に通じる短絡線があり、黒崎駅および門司港駅方面との直通列車が通る。この短絡線上にある折尾駅ホームの南側に鹿児島本線と筑豊本線の境界点がある。本線を名乗るJR線の中では路線距離が最も短い路線である。全線が旅客営業規則の定める「福岡近郊区間」に含まれる。本線を名乗るJR線で全区間が大都市近郊区間に含まれていた路線は国鉄時代から通してしばらくこの筑豊本線のみであったが、2009年3月14日に東日本旅客鉄道(JR東日本)総武本線成東駅 - 銚子駅間が新たに大都市近郊区間に含まれるようになって同路線全区間が対象となったことにより、当路線が唯一のものではなくなっている。IC乗車カード「SUGOCA」が若松駅 - 桂川駅間で使用可能となっている。一方、原田線はSUGOCA利用エリア外であり、桂川駅 - 原田駅間の途中駅では利用できない。しかし、特例として桂川駅以遠福北ゆたか線方面と、原田駅以遠鹿児島本線方面のSUGOCA利用エリア駅相互間をSUGOCAを用いて乗車する場合、原田線を通過できる。全線が本社鉄道事業本部直轄となっている。2001年の電化時から直方 - 博多間に運転開始した通勤客向けの特急「かいおう」が直方 - 桂川間を通っている。1950年から1985年にかけて本州 - 九州間を直通する以下の特急・急行列車が短絡線を通り折尾 - 原田間を経由していたが、1985年に寝台特急「あかつき」の筑豊本線経由がなくなったのを最後に消滅している。この他、筑豊本線から日田彦山線に向かう直通急行列車「日田」「はんだ」が1966年から1980年まで運行されていた(1963年に準急列車として設定、詳細は日田彦山線を参照)。かつては、若松 - 原田間の全線を通して運転される列車や、後藤寺線などの支線に乗り入れる列車もあった。しかし、1968年に篠栗線が開通して筑豊本線内から博多駅に直通する列車が原田駅を経由しなくなったこと、各炭鉱の閉山に伴い沿線人口が減少して支線の宮田線や香月線などが廃止されたこと、一方では福岡・北九州両市への通勤・通学利用が増加したことなどの変化によって、当線の運行形態は大きく変化した。2001年の一部区間電化後は概ね愛称の通りに運転系統が分かれている。全区間でワンマン運転を実施している。以前は全線(一部鹿児島本線乗り入れ)において、50系客車(DD51牽引)による、客車普通列車が朝夕ラッシュ時を中心に運行されていた。1995年4月20日のダイヤ改正以降は若松・門司港 - 飯塚間の2往復のみとなったが、1999年に久大本線で客車普通列車が廃止されたため日本最後の客車普通列車(ただし、快速列車としては、海峡線の快速「海峡」が残っていた)となり注目を集めた。しかし、2001年の当線一部電化により廃止された。過去には原田線にて豊肥久大鉄道事業部のキハ125形気動車が投入された時期があった。2006年にキハ220形気動車が大分地区に投入され、捻出された大分のキハ31形気動車が直方へ転属し、同年8月1日から若松線で運用が始まっており、原田線でも8月17日から運用開始されている。なお、黒崎 - 直方間では筑豊電気鉄道線(黒崎駅前 - 筑豊直方)が並行して存在しているが、相互が至近で連絡している駅は鹿児島本線黒崎駅と黒崎駅前駅のみで、直方駅と筑豊直方駅は約500m離れている。このほか、直方 - 新飯塚・桂川間に後藤寺線及び原田線の車両の送り込み回送がある。かつて原田線の車両は運行の無い昼間の時間帯に新飯塚駅の引き上げ線に留置していたが、2016年3月現在、直方まで回送されている。原田線では夜間滞泊はなく、始発前に直方運輸センター - 桂川駅間で回送運行される。昼前に一度運用を終えて直方へ回送するが、別の車両で昼過ぎに再び桂川駅へ回送され、最終列車運行後に直方へ回送する。石炭輸送を行うため、筑豊興業鉄道(ちくほうこうぎょうてつどう。1894年、筑豊鉄道に改称)により開業し、九州鉄道を経て、1907年、鉄道国有法により国有化された。路線は若松から上山田方面と長尾(現在の桂川)方面へ延びていたが、若松 - 原田間が全通すると飯塚 - 上山田間は上山田線として分離された。民営化後、上山田線は廃止され、筑豊本線は電化された。他路線に分離された区間は除く。(貨)は貨物駅を表す。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。