セグウェイ (Segway® Personal Transporter, PT) とは、アメリカの発明家ディーン・ケーメンを中心に開発され、Segway Inc.から発売されている電動立ち乗り二輪車。初期モデル (HT) 開発時のコードネームはジンジャー (Ginger)。平行二輪車の技術はケーメンが「フレッド」の名で開発していた高機能車椅子から派生したもので、アメリカでiBOTの認可が中々下りないためにセグウェイの販売を先行したとされる。2001年12月の発表以前は、その実体は極秘とされていた。その上で実物を見たビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、ジェフ・ベゾスといったIT界の著名人達が「人間の移動形態を変える革命的な製品」と絶賛したため、正体不明の「ジンジャー」に対する米マスコミの期待は過熱し、ケーメンの持つ特許から実態も浮かんでいながらも、「空中に浮かぶスケートボード」「タイムマシン」といった過大な予想まで生まれていた。発売後は、1台約60万円(米Amazonで5,000ドルで発売)という高価格がネックとなり販売は低迷した。当初、米国で100万台を販売した後の世界進出が目標とされていたが、3年間の販売数は約6,000台に留まった。発売当時は、ガソリンを使わずにクリーンエネルギーによるトランスポーテーションとして、「環境にやさしい近距離圏の車」のような売り込みをされたが、最高時速19キロでは車両としては遅すぎるし小さすぎる、歩行の代わりとしては自転車があるといった矛盾が指摘された。最も大きな見誤りは、肥満が社会問題化する米国でこのような高価格の製品を購入できる人々は健康維持のために毎日の歩行やジョギングを重視しており、ターゲット層を誤ったとする分析がなされている。発売後、アメリカの一部の地域の警察や郵便局に無料で貸し出された後、機動力やコミュニケーション能力の高さが評価されて各地の警察や民間警備会社などで正式に導入された。歩道での走行を禁じているサンフランシスコ等、セグウェイの公道利用を認めていない自治体も一部あるものの、多くの州で歩道や自転車道の走行が可能となっている。ブッシュ米大統領(当時)も購入し、父親のブッシュ元大統領にも誕生日プレゼントとしてセグウェイを贈った。その大統領が休暇中、電源投入後で起動準備中のセグウェイに搭乗しようとして転びそうになる。その場面がテレビで放映された事でセグウェイの製品イメージが悪化し、売上を落とす一因となった。大統領は2005年11月16日の日米首脳会談でもセグウェイを日本の小泉首相(当時)にプレゼントし、翌12月には官邸をセグウェイで走る首相の様子が報道された。2006年9月には転倒の危険性を伴うソフトウェアの不具合が発見された事により、新機種のi2を含むそれまでに販売された全車両に対するリコールが行われている。日本で2006年10月から総代理店が販売しているものについては該当しない。アメリカ航空宇宙局で開発中の宇宙用ロボット(ロボノート)では、国防高等研究計画局の協力でセグウェイを応用した移動も研究されている。アメリカでは身体障害者の移動手段にも利用されているが、アメリカ食品医薬品局から車椅子として認可されていない事を理由に、ディズニーワールドではセグウェイの乗り入れを禁止している。その解除を求めた3名が2007年11月に訴訟を起こし、セグウェイ社もディズニーに対する異議を唱えたが、2009年10月にオーランド地方裁判所は原告の訴えを棄却した。但し、持ち込みは禁止であるものの来園者向けのアトラクションとしてセグウェイツアーを提供している。2009年12月、セグウェイ社はイギリスの資産家であるジミー・ヘセルデンに買収された。2010年9月、セグウェイ社オーナーのヘセルデンは、自宅があるウェスト・ヨークシャー州ボストンスパの森でx2を運転中、林道から約9メートル下のホウォーフ川に転落し、死亡した。2015年8月、北京で開かれた陸上の世界選手権で、中国人カメラマンが操縦するセグウェイがバランスを崩し、男子200メートル決勝で優勝したウサイン・ボルトに衝突する事故が発生した。平行に配置された2つの車輪、その間にわたされたプレート、プレートからは上部がハンドルとなったポールが伸びており、搭乗者は上部のカバーによって保護された車輪の間のプレートに立って操縦する。車輪はそれぞれが電動サーボモーターで駆動され、その電力は本体底部に搭載されたバッテリから供給される。バッテリは家庭用電源から充電される。内部のジャイロセンサーやエンコーダーによる姿勢情報等に基づいてマイクロコンピュータがモーターを制御する。左右2輪の車輪だけで前後の支えがないため一見不安定に見えるが、シリコン・センシング・システムズ社 (SSS) 製の加速度センサが内蔵された「バランス・センサ・アセンブリ(特殊な5つのジャイロと2つの傾斜センサ)」が内蔵されており(現在はSSS製ジャイロを4個内蔵に変更、第2世代機にて一時期のみ他社製品が採用された事もある)、自立安定性能が極めて高い。ハンドルバーにはアクセルもブレーキもなく、搭乗者の体重移動による直感的操作で速度調節から前後進を行う。セグウェイのハンドルの中央には液晶画面を用いたストップウォッチのような装置 (Infokey) があり、この装置の対角線上に4つのボタンがある。その左下のボタンを押すと電源が入り、バッテリー容量や亀のマークでの最高速度設定などが画面に表示される。以上で走行が可能となり、搭乗可能となる。基本的にアクセルは無く、体重を前に置く(重心を体の前に移動させる気持ちで)感じ、つまり前傾すると、前進する。ブレーキに該当する操作方法は、走行中に体の重心を足の土踏まずあたりに置く感じ、つまり水平にすると、止まる。同様に後退は後傾させる。即ち、本来傾斜すると倒れてしまうところを、倒立振子の制御方法でバランスをとっている。速度調整は、重心を体の前に押し出すと速度が上がり、徐々に体の中心に戻す感じで土踏まず辺りに置くと減速する。速度を出しすぎると一旦加速してスイングバックするように減速を導くため、自動的な急ブレーキは不可能である。電子鍵によりユーザーレベルを認識しレベルに応じた速度制限をつけている。その場で回転する時は、重心を体の中心に置きながら、ハンドルだけを左右に傾けるように操作する。日本の道路交通法上では、後述するような「改造(改修)」をしていないモノを公道で走行することは認められていない。利用は私有地内に限られる。2006年10月21日から日本SGIが国内正規総販売代理店として販売を開始。購入時には保険の加入、すべての搭乗者に対してインストラクターからの講習を徹底するなど、安全運用・管理に力を注いでいる。このような理由に加え、運用場所が制限されるために一般向け販売は見送られており、法人に対しての販売を前提としている。2007年10月には東京国際展示場にて警備の実証実験が行われ、2008年10月には埼玉県越谷市のショッピングセンター・イオンレイクタウンで、また成田国際空港第一・第二旅客ターミナルで、ガイドや警備員の移動ツールとしても使用されるなど、大型施設での導入が進んでいる。2011年1月時点においては、諸外国での実績と同様に、空港、コンベンションセンター、大学、駐車場など多くの施設で導入されるまでになってきているが、この背景には環境意識の変革や労働効率の向上に取り組む企業の増加が考えられている。セグウェイジャパンから一般向けの販売は行われていないが、セグウェイを使った観光「セグウェイガイドツアー」やアトラクションで体験は可能で、セグウェイジャパンも情報を提供している。2003年7月に東京・渋谷の路上にて「日本にセグウェイを取り締まる法律は無い」として無許可でセグウェイのイベントを行った業者が道路交通法違反(自賠責保険違反・整備不良)で2004年4月に略式起訴され罰金50万円の判決を受け、セグウェイ本体は証拠物件として10ヶ月以上にわたり押収された。警視庁による検証でモーター出力が0.6kWを超えていることが確認され、道路交通法上セグウェイは「原動機付自転車」ではなく「普通自動二輪車」であると判断された。現行法では公道でこれら「自動車」が走行するためには、急制動できるブレーキや灯火装置などを装着して保安基準を満たし、車両登録を行ってナンバープレートを取得することが必要となる。しかしセグウェイにブレーキを取り付けて車輪を止めると転倒してしまうことから、現時点では保安基準を満たすことには無理があり、公道での走行は不可能とされた。2005年に陸運局でセグウェイの車両登録を尋ねた例では、保安部品の装備でナンバーの発行は不可能ではないといわれながらも、実際の登録には難色を示された模様。2010年に国土交通省へ問い合わせた例でも、保安部品がないことが公道禁止の理由とされている。2004年にはコンピュータ雑誌『週刊アスキー』上での神田敏晶のコラム連載で、「セグウェイで公道を走ったら捕まっちゃいました」という記事が掲載された。2005年11月11日、関西文化学術研究都市(奈良県生駒市)で実施された、奈良先端科学技術大学院大学らによる無線LANの電波強度マップの作成実験の際に、ロボット特区を活用し警察の許可を得た上で、日本で初めてセグウェイを公道で利用した。2008年11月20日、千葉県柏市で行われた交通イベント「柏の葉モビリティフォーラム」にて、柏の葉キャンパス駅前から千葉大学柏の葉キャンパス間の歩道約300メートルを、警察の許可を得た上で一般の来場者がセグウェイを体験した。2009年5月に新たな国内総代理店となったセグウェイジャパンは、歩道通行へ向けて横浜市へ特区申請を働きかける考えを明かした。2010年1月、茨城県つくば市が『搭乗型移動ロボット(人が乗って走行するロボット)』の実証実験特区(つくばモビリティロボット実験特区)の認定を内閣府から受け、同年10月3日から公道での通勤実験が開始された。2012年2月9日には観光ツアーの社会実験として、つくばエキスポセンターなど市内の観光名所を約9キロメートルにわたって巡る企画が実施されている。なおこの実験によりつくば市内でセグウェイに乗るためには、16歳以上で普通自動車免許か普通または大型の自動二輪車免許を所持していることが必須条件となっている。また、セグウェイツアーと称し、一般市民公募型の実証実験を毎月行っているが、競争率は10倍と高く、人気の高さを数字が物語っている。2015年7月、道路運送車両法の施行規則などの改正により、セグウェイは正式に「歩道等移動専用自動車」として小型特殊自動車に分類され、公道走行実験エリアの対象が全国に拡大された。これにより各地の運輸局と警察署で申請が受理される必要があるが、承認されれば全国の各地でセグウェイの公道走行実験が可能となる。
出典:wikipedia
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