糖衣構文(とういこうぶん、syntactic sugar)は、プログラミング言語において、読み書きのしやすさのために導入される書き方であり、複雑でわかりにくい書き方と全く同じ意味になるものを、よりシンプルでわかりやすい書き方で書くことができるもののことである。構文上の書換えとして定義できるものであるとも言える。英: syntactic sugar の直訳に近い構文糖(こうぶんとう)とも言い、糖衣構文あるいは構文糖衣とするのは少々意訳的だがよく言われている。構文糖はプログラムの意味としては同じものを、よりわかりやすい構文で書けるものである。ジャーゴンファイルのsyntactic sugarの項では、アラン・パリスの「構文糖はセミコロンのガンをひきおこす」という言を引用している(ジャーゴンファイルのこの記述は、そのひとつ前の項目である「構文塩」(syntactic salt)の項にある「構文塩は不健康にプログラマの血圧を上げる」という(こちらは引用ではない)記述と対応していて、colon cancer(結腸癌)とセミコロンを掛けてもいる)。C言語では、配列は連続するメモリ領域に要素を並べたものとして定義され、配列の要素へのアクセスは配列の先頭要素のメモリアドレスに要素のインデックスをオフセットとして加えたアドレスの値を参照することで行われる。しかしメモリアドレスを指定するポインタを直接操作することは誤りの原因となることが多い。そこで本来ならば codice_1 と書くところを、codice_2 とも書けるようになっている。この糖衣構文はポインタ演算がより面倒になる多次元配列のアクセスを行うときに特に役に立つ。またこの糖衣構文は、括弧の手前に書かれるものが配列の先頭アドレスで括弧の中がインデックスであるというように、コードの意味をより明確で分かりやすくする。これをcodice_3と記述しても構文上エラーにはならず、同じアドレスを差すため動作上も問題がない。しかし、他者(人間)がコードを読む際には誤解を招くだろう。C言語では、構造体へのポインタと矢印演算子によりメンバを参照できる。ここで、codice_4 は構造体へのポインタ、codice_5 は構造体の要素名である。ポインタをデリファレンスする codice_6 演算子と、構造体の値に対しメンバを選択するcodice_7 演算子を組み合わせて、次のように等価な式を書くことができる。C++では演算子をオーバーロードできるため、これらが等価ではないケースもある。の配列の宣言と初期化の記法はと書ける。codice_8以外のオブジェクトでも可能である。後者は「あらかじめ決まったいくつかの文字列から文字列の配列を作りたい」という記述者の思考を、より良く反映している。ここでは、ML系の言語のについて説明する。codice_9 は、手続き型言語においても見受けられるように、いわゆる命令文の列であるが、型付きラムダ計算において、codice_10 と表すことができる。(ここで、Unit はユニット型 である。)の条件文の記法はと書ける。の開発者ラリー・ウォールによればこれは糖衣構文であるが、プログラマの中にはこれを読みにくいと感じる者も多い。それは、「読み書きのしやすさ」が主観に基づくためである。
出典:wikipedia
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