地域通貨(ちいきつうか、、、)は、法定通貨ではないが、ある目的や地域のコミュニティー内などで、法定貨幣と同等の価値あるいは全く異なる価値があるものとして発行され使用される貨幣である。西部忠によれば、おおむね以下のような特徴を有するという。ただし、明確に定義が決まっているわけではなく、「地域通貨の明確な定義はなく、したがってガイドラインも作成できない」といった指摘もある。社会的に地域通貨がコミュニティー内で流通している例や、割引券のような役割を果たす地域通貨制度など、地域通貨の経済的効力は、地域通貨運動を行っているコミュニティーごとに異なる。日本では、通貨の発行は法に触れる虞れがあるので、厳密には通貨ではない。児童文学作家のミヒャエル・エンデが残したインタビューテープを元にしたNHKのドキュメンタリー番組『エンデの遺言』で紹介されて話題になった。その価値を認めるもの同士での贈与、サービスとの交換、売買が可能である。なお、使用の促進を促すべく負の利子がつく場合や一定期間ごとに価値が無くなる場合もある。中央銀行ではなく、個人やNPOや労働団体や企業が発行する。現在、地域のコミュニティ活性化のために地域限定で、相互支賦与、支援の代償として地域通貨を期限限定で導入する動きがある。発行形式は、紙幣形式、カード形式などがある。地域通貨は通常、法定貨幣とは兌換(だかん)できない為、経済的に流通しにくい。しかしながら、地域通貨の流通性を高めるために様々な意見が上げられている。地域通貨の話題になるとマイナス利子がよく話題になるが、これはシルビオ・ゲゼルが提唱した「減価する貨幣」のことである(ちなみに、英語ではdemurrageという表現が一般的に使われる)。これは通貨そのものの価値を時間とともに減らしてゆく(正確に言うと一定期間ごとに額面の一部に相当するスタンプを購入して貼らないと価値が維持できないようにする)ものであり、現在の通貨の機能のうち価値保存機能を奪うことで通貨の流通速度を高めたり、投資の際の貸出利率を大幅に引き下げたり(理論的にはマイナス利率での貸出も可能となる)することで経済活動を活性化させようというものである。シルビオ・ゲゼルについて日本銀行などの中央銀行ではなく、NPOなど、その地域通貨を必要とする団体が発行する。「」(日本語訳「マネー崩壊」、日本経済評論社)の著者であるベルナルド・リエターが創設したアクセス財団や、「」の著者であるマルグリット・ケネディらが創設したMONNETA、また国際的な連帯経済のネットワークであるアライアンス21内の運動である社会的通貨ワークショップなどが、世界各地に散らばっている実践者や研究者などを結んだ国際的なネットワークを生み出しつつある。また、関連の国際会議も最近は開催されるようになっている。シューマッハー協会が2004年6月に米国ニューヨーク州で開催した21世紀の地域通貨や、マルグリット・ケネディらが2004年7月にドイツで開催した欧州補完通貨会議などで、数多くの異なった事例が紹介されている。また、2006年と2007年にはBALLEB()という米国の地域経済振興団体が開催した会議のプレイベントとして地域通貨が特集されている。この他、事例としても注目すべきものが増えている。ドイツではREGIO(地方通貨)と呼ばれる運動が盛んになっており、バイエルン州南東部のキームガウアー(2003年発足)などの実践例が生まれつつある。アメリカではマサチューセッツ州西部のバークシャー郡でバークシェアーズという地域通貨が2006年9月に発足し、1年も経たないうちに100万ドル相当の地域通貨が地域内で流通している。両者とも地産地消型経済の推進を目的として運営されており、これらの成功が今後の世界の地域通貨の動向を示すものと思われる。さらに、マイクロクレジットとの関連でも、非常に興味深い事例が存在する。ブラジルのフォルタレザ市のパルメイラス地区では1998年より、パルマス銀行と呼ばれる銀行が運営され、ブラジルの法定通貨であるレアルではなく独自通貨パルマで融資を行っており、3万人強の人口の地区で1000名以上に雇用を創出している。日本でも地域通貨関連の会議は各地で開催されているが、国際的な連携というよりも国内での事例紹介が主目的となっている。地域通貨には、以下の問題点がある。カードの発行や携帯については、SuicaやPASMOといった既に普及しているカード(プリペイドカード・クレジットカード)を流用して、地域通貨決裁に使用する試み(サービス提供は、シー・アール総研)もみられる。地域通貨とは厳密には異なるが、似たものとしてハンセン病療養所の特殊通貨がある。ハンセン病療養所の特殊通貨としては、コロンビア、米国(ハワイ、パナマ運河地域)フィリッピン、マレーシア、タイ、日本、その他の国がある。隔離を目的にした療養所以外の通貨として、大正時代から昭和の戦前にかけて、西表島の西表炭鉱では、労働者を強制労働のように使役し、会社の売店でのみ通用する金券を発行し、炭鉱切符と称した。発行会社は西表炭鉱会社など数社あり、福岡県の炭鉱では「炭鉱札(券)」と称した。
出典:wikipedia
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