微細構造定数(びさいこうぞうていすう、)は、電磁相互作用の強さを表す物理定数であり、結合定数と呼ばれる定数の一つである。電磁相互作用は素粒子の基本相互作用であり、量子電磁力学をはじめとする素粒子物理学において重要な定数である。1916年にアルノルト・ゾンマーフェルトにより導入された。記号は で表される。無次元量で、単位はない。微細構造定数の値はである(2014 CODATA推奨値)。微細構造定数の逆数(測定値)もよく目にする量で、その値はである。歴史的な経緯から電磁気量に関する量体系には幾つかの種類があり、量体系に依って微細構造定数と他の物理定数との関係式が異なる。なお、微細構造定数は無次元量であり、量体系に依らず、値は変わらない。国際量体系(ISQ)において微細構造定数はと表わされる。ここで、 はプランク定数、 は光速度、 は電気素量、 は電気定数である。電磁相互作用の強さの尺度である電気素量を、量子論を特徴付ける定数であるプランク定数と、相対論を特徴付ける定数である光速度と関連付けている量といえる。ガウス単位系は異なる量体系に基づいているのでと表される。また、素粒子物理学では、しばしば 、、 に固定する自然単位系が用いられるのでと表される。微細構造定数は1916年にゾンマーフェルトにより導入された。水素原子のスペクトル線の僅かな分裂(微細構造)を説明するためにボーアの原子模型を楕円軌道を許すように拡張(ゾンマーフェルトの量子化条件)して、さらに相対論の効果を含めた模型を考えた。微細構造定数はボーア模型において基底状態にある電子の速度の光速度に対する比に等しく、ゾンマーフェルトの解析の中で自然に現れ、水素原子のスペクトル線の分裂の大きさを決めている。原子構造を説明する理論において導入された定数であったが、現在では原子構造から離れてより一般に素粒子の電磁相互作用の強さを表す結合定数と見なされている。
出典:wikipedia
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