保育士(ほいくし、)は、一般に保育所など児童福祉施設において子供の保育を行う者。日本の国家資格の一つである。学歴によっては保育士と幼稚園教諭免許状(一種・二種免許状)の、双方の国家資格・教育職員免許状を取得することも可能である。保育士の単一資格者は後にオプションとして、幼稚園教諭免許状(一種・二種免許状)の教育職員免許状取得を目指す者も多い。「この法律で、保育士とは、第18条の18第1項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。」(児童福祉法第18条の4)。名称独占資格の一つである。保育所に入所することを希望しながらも、種々の理由により入所できない待機児童が、平成23年(2011年)4月1日時点で約2.5万人いる。そのため政府・地方自治体は待機児童の解消の施策により保育所等の増設を進めているが、大都市を中心に保育所や認可外保育施設の新設が進んだ地域では、保育士の人材不足という新たな課題に直面している。都市部の保育園では従来の公的な人材サービスの他に民間の求人広告媒体や人材サービスを利用するケースが一般化してきているが、従来の総合的な求人広告媒体や総合人材サービスでは専門性の高い保育業界の人材動向に追いつけず、人材不足の問題は深刻化の一途を辿っている。ただし、保育士の人材不足の原因の主因は、保育園の増加ではない。専門職にも関わらず、保育士の長時間労働と平均年収315万円という低賃金が主因でである(時給換算すると、コンビニエンスストアやスーパーのアルバイトよりも安い)。保育士の主な就労先は保育士の資格を必要とする認可保育所、認可外保育施設(いわゆる無認可保育所、事業所内保育施設、病院内保育施設、へき地保育所、季節保育所)の他に、乳児院や児童養護施設、児童館、学童保育をはじめとした児童福祉施設、知的障害者に関わる施設や、病児保育士として病児保育を専門に行う病児保育施設や、NPO等の民間団体が運営する訪問型病児保育事業者への就職もある。保育士を目指す多くの人は、公立や認可保育所の正規職員を目指しているが、非正規雇用となる場合も少なくない。1999年以前の正確な資格名は「保母」であった。それまで、この職業に従事する者は、ほぼ例外なく女性であったが、1985年(昭和60年)の均等法や1999年の男女共同参画社会基本法の制定を契機として、1990年代から徐々に男性保母の就労数も増えていった。保母に対しては保母さんという敬称や呼びかけを用いるのが通例であったが、男性に対して保母さんと呼ぶには抵抗のある向きも少なくない為、保父(ほふ)という言葉がつくられ、保父さんという呼び名が用いられた(似たような名称の過程をたどったものに、看護婦と看護士の例などがある)。しかし、あくまでも正式な名称は「保母」であるため公式文書の職業欄には正式名称である「保母」と記入しなければならず、男性の保育業務従事者には不満であった。総務省行政監察局(当時)の行政相談に意見が寄せられ、これを契機に名称の見直しがなされ、1999年4月1日、男女雇用機会均等法の大幅な改正に伴い、児童福祉法施行令が改正され性別に依存しない保育士に改称された。男性保育士の増加については、テレビドラマやドキュメンタリーでよく取り上げられている。男性保育士の有用性も指摘されており、男性の増加に期待する向きも少なくない。しかし、長年女性の職域であったため、待遇の不満や、就労に必要な設備(男子更衣室・男子トイレ等)が欠落している等の理由の他に、求人の段階で女性しか採用しないとする保育所も未だ存在し、男性保育士の就労が阻まれている。児童福祉法第18条の6に基づき、厚生労働大臣の指定する保育士を養成する学校その他の施設で所定の課程・科目を履修し卒業するか、保育士試験に合格するかのいずれかの方法がある。前者の施設は指定保育士養成施設といい、指定された科目を全て勉強し、保育園と児童福祉施設での校外実習に行って、卒業すると保育士の資格を取得することができる。後者の保育士試験は、受験資格に短大卒業程度以上が必要だが、1991年3月31日以前に高等学校を卒業した者でも受験資格がある。これは1991年4月1日以降から受験資格が短大卒業程度以上に引き上げられたことによる経過措置で、 高等学校の保育科を卒業した場合1996年3月31日以前の卒業で受験資格がある。児童福祉法の原則としては、保育士試験は各都道府県知事が実施することになっている(児童福祉法第18条の8第2項)が、都道府県知事は試験事務の全部又は一部を指定する者に行わせることができることとされている(第18条の9第1項)。現在、一般社団法人全国保育士育成協議会が47都道府県知事から保育士試験の指定試験機関としての指定を受けて、保育士試験の全部を実施している。大学等(大学院、大学、短期大学、保育系の専門学校のいずれか)を卒業するか、大学に2年以上在学し必要以上の単位を取得していれば誰でも受験することができる。見込みでも受験することは可能だがその場合受験結果は仮となり、後日卒業・単位取得を証明する書類を提出しなければ受験結果が無効となる。また上記のように経過措置として高等学校を卒業した者でも受験資格が得られる場合がある。
このほか児童福祉施設において一定期間以上児童の保護に従事していた経験があれば、高等専門学校卒業、高等学校卒業、中等教育学校卒業のいずれかでも受験資格を得ることができる。保育士試験は科目別の合格制をとっており、各科目とも6割以上得点すれば合格となる。一度合格した科目は翌々年までの3年間有効で、例えば4科目が合格点に達していた場合、その4科目について合格証が交付され、次の保育士試験では残りの科目のみを受験すればいい。ただし教育原理と社会的養護は同一年に両方合格しなくてはならず、片方の合格を翌年以降持ちこすことはできない。既に合格している科目でも再受験が認められており、合格すればその年から更に3年間有効となり仮に不合格でも以前の合格が取り消され有効期限が短縮されることはない。(2013年保育士試験から試験科目が一部変更。)
※は同一年度に両方合格する必要がある、太字は幼稚園教諭免許状を有する者への免除対象科目。筆記試験全科目合格者のみ実技試験の受験が可能。なお、幼稚園教諭免許状を有する者は実技が免除されるため、筆記試験が通ればその時点で合格となる。 種別を問わず幼稚園教諭免許所有者が保育士試験を受験する場合、免除申請を行うことで「保育の心理学」・「教育原理」・「実技試験」が受験免除となる。その他の科目についても指定保育士養成施設で受験科目に対応する教科目を習得していた場合、その受験科目は免除される。このため場合によっては全科目免除となる場合もあり得るが、その場合でも通常の受験と同様11月ごろに送付される合格通知書をもって合格となる。
また、平成31年度実施の保育士試験までは、新たに設置される「幼保連携型認定こども園」での職員(保育教諭)は「幼稚園教諭免許状」と「保育士資格」の両方の免許・資格を有することを原則としており、こども園への円滑な移行を進め幼稚園教諭免許と保育士資格の併有を促進するために上記の科目免除とは別の特例措置がある。特例措置を受けるには幼稚園教諭免許に加え、幼稚園などで3年以上かつ4320時間以上の勤務経験が必要となる。
特例制度の条件を満たした上で、保育士養成施設で指定された特例教科目(8単位)を履修することで全科目免除となり保育士試験に合格となる。なお、特例教科目を履修しなくても「保育の心理学」・「教育原理」・「保育実習理論」・「実技試験」が免除される。合格してもその時点で保育士として勤務できるわけではなく、登録事務処理センターを通じて各都道府県知事への登録が完了し知事から保育士証の交付を受けて初めて保育士の名称を用いて勤務することができる。保育士試験合格から登録完了までにはおおよそ2,3カ月程度を要する。なおこの登録は任意であり、保育士として勤務する予定がない場合は登録しなくても保育士資格が無効となることはないが、保育士の名称を用いて勤務することはできない。2015(平成27)年通常国会で成立した「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律」により、創設された。資格取得後3年間は当該自治体内のみで、4年目以降は全国で、「保育士」として働くことができる。正式名称は「国家戦略特別区域限定保育士」で、全国で行われる前期保育士試験(筆記が4月下旬の土日、実技が7月上旬の日曜日)に加えて、2回目(後期保育士試験と同日、筆記が10月下旬の土日、実技が12月上旬の日曜日)の試験として行われる。地域限定保育士試験実施自治体は、
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