敬礼(けいれい)とは、相手に敬意を表すこと(礼)。一般的には下位の者が上位の者に対して行う動作を指し、受礼者たる上位の者はこの「敬礼」に対し「答礼(とうれい)」で応え、また同位の者でも相互に"「敬礼」は交換しあう"。日常の動作では握手・お辞儀などが含まれ単に「礼」と言うことが一般的であるため、「敬礼」と称す場合には特に近代以降の軍隊などで行われている挙手の敬礼(挙手注目の敬礼)を指すことが多い(軍隊礼式)。本記事では主に日本の軍隊礼式について記述する。一般的には握手やお辞儀の敬礼を行う。握手・お辞儀共に東洋・西洋で古くから行われていた行為であるが、東洋においてはお辞儀が、西洋においては握手が広く行われる。古くは跪礼なども行われた。また、神・仏や僧などを敬い拝む意味の敬礼(きょうらい)もある。日本では上体を傾ける角度により、15度の「会釈」・30度の「敬礼」・45度の「最敬礼」(浅い順)と使い分けを行なっている。軍隊においては一般的な挙手の敬礼(挙手注目の敬礼)のほか、銃・刀・槍・旗や各種兵器などを用いたもの、手・腕ではなく頭・視線・体勢で表現するもの、個人(各個)・団体(部隊)によるものなど多種多様な敬礼が存在する。敬礼は受礼者が答礼してから元の姿勢に復するまで続けるべきであるとされている。この軍隊礼式を参考として導入しているものは、準軍事組織(沿岸警備隊・国境警備隊など)や警察・消防などの公的機関だけでなく、警備会社や交通会社(航空・鉄道・船舶・バスなど)といった民間の組織などもある。自衛隊では「自衛隊の礼式に関する訓令(昭和39年5月8日防衛庁訓令第14号)」に基づき、以下の礼式が定められている。概ね、アメリカ軍および事実上の前身である旧日本軍(陸海軍)の礼式の影響を多分に受けている。なお、自衛艦の通路においてのみ、上席者へ道を譲ることが敬礼することより重視されているので、結果欠礼となっても問題視はされないという。旧日本陸軍における独自の礼式としては、種々の沿革があるが「陸軍礼式令(昭和15年1月25日軍令陸第3号)」によると第4章に軍旗に関する敬礼が定められている。旧日本海軍においては、通則として「君が代」の奏楽、吹奏を聞くときは姿勢を正すこと、上官に対しては敬礼し、上官はこれに答礼し、同級者は相互に敬礼を交換すべきであるとされる。軍艦の敬礼は、挙手の敬礼(挙手注目の敬礼)は、軍隊の敬礼(軍隊礼式)の中で最も有名なものである。この敬礼は近代的軍隊の発祥地であるヨーロッパにおいて、鎧を装着した騎士が王族や貴族に拝謁する際、鉄兜の目の保護具である鎧戸を持ち上げるその仕草が端緒とされる。イギリスでは王・女王に騎士が謁見をする際、自らの額に右手の甲を当てて、手のひらに武器を握っていないことを証明するために行われていた。下位の者より「敬礼(挙手の敬礼)」を受けた受礼者たる上位の者は、例外を除き「答礼(挙手の答礼)」を行う。受礼者が行う「答礼」は厳密には「敬礼」と異なるものであるが、動作がほぼ同様であるため一般的にはこれも「敬礼」と総称されることが多い。また、上位の者が行う「答礼」および同位の者同士が交換し合う「敬礼」の場合、動作や形(指や腕の位置・角度)は下位の者が行う「敬礼」と異なり、力まず簡易なものになる場合も多い。なお、軍隊組織において挙手の敬礼の形は基本が定義され、新入隊者は教育隊などを含む各部隊や軍学校にて先ず敬礼の教育・指導を受けるものの、あくまで癖・嗜好・体格も異なる人間が行う動作であることから、同じ軍種・職種・階級であってものちのち形に相当の差異が生じることは珍しくはない(かつ、時と場合によっては同一人物であっても差異が生じる場合もある)。そのため、軍隊組織において画一的な挙手の敬礼の形というものは厳密には存在しない。例として、以下の3枚の画像は「答礼」を行うアメリカ海軍将校を捉えたものであるが、各自の「答礼」の形は全く異なることが確認出来る。日本では明治初め、西洋を模範とした近代軍隊である陸海軍(旧日本軍)建軍の際に導入された。脱帽時には挙手の敬礼をしてはならず、会釈・お辞儀の敬礼をする。日本以外の軍隊などにおいては脱帽時にも行うところが多い。国によっては、負傷などの理由で右手を使えない場合、左手で挙手礼を行うよう定めている場合もある。掌を下方に向けるか前方に向けるかという差もあり、アメリカ軍や自衛隊など多くの国では掌を下方に向けるが、フランス軍とその礼式を採用した国やパキスタン軍などでは前方に向ける。イギリス軍のように歴史的経緯から陸軍・空軍は前方へ、海軍は下方に向けるといった国もある。日本陸軍の陸軍礼式令(昭和15年1月25日軍令陸第3号)では、「挙手注目の敬礼は姿勢を正し右手{傷痍疾病に依り右手を使用し得ざる者は左手}を挙げ其の指を接して伸ばし食指と中指とを帽の庇の右(左)側(庇なき帽に在りては其の相当位置)に当て掌を稍〻外方に向け肘を肩の方向にて略〻其の高さに斉しくし頭を向けて受礼者の目若くは敬礼すべきものに注目す」(片仮名を平仮名に改め、小文字を{}で括る)と、定義されている。なお、元帥陸軍大将寺内正毅は右腕が不自由だったため、左手を挙げて敬礼を行っていた。日本海軍の海軍礼式令(大正3年2月10日勅令第15号)では、「挙手注目は姿勢を正し右手を挙げ右臂を右斜に右前腕及び掌を一線に保ち五指を伸ばして之を接し掌を左方に向け食指の第三関節を帽の右前部又は庇の右縁に当て頭を向けて受礼者の目又は敬礼を受くへきものに注目す」(片仮名を平仮名に改める)と、定義されている。なお、戦後、極端に脇を締め肘を張らない挙手の敬礼を「海軍式敬礼」などと称し、さも日本海軍の正式な敬礼の形として喧伝されていることが多いが、これはあくまで「俗なもの」に過ぎず決して(日本海軍の)正しい敬礼の形ではない。海軍礼式令では上述の通り「(極端に脇を締め肘を張らない)俗・海軍式敬礼」のような形は一切定義されておらず、実際に当時の海軍軍人は後述の通り「(脇を開き肘を張る)俗・陸軍式敬礼」を行っている姿が多数確認出来る(単純に、海軍礼式令では陸軍礼式令の様に肘の高さについて言及されていないに過ぎない)。ごく一部の海軍将兵が時と場合により「俗・海軍式敬礼」を行っていたことはあれど、それをもって日本海軍全体の敬礼の形となすことは不適当である。また、逆に日本陸軍においても主に受礼者が「俗・海軍式敬礼」を答礼として行っている姿もある。例として、以上の5枚の画像は靡下将兵の敬礼を受け答礼中の連合艦隊司令長官たる海軍大将山本五十六、空母「瑞鶴」にて発着甲板上に集合し敬礼を行う乗組員一同、海軍中将に対し敬礼を行う靡下将兵、敬礼を行う航空機搭乗員たる海軍中尉、敬礼を行う飛行予科練習生の姿であるが、何れにおいても敬礼の形・腕の位置が確認出来るほぼ全ての海軍将兵および生徒は、役職や階級を問わず「俗・陸軍式敬礼」を行っていることが確認出来る。特に2枚目画像の場合、沈没直前の「瑞鶴」は大傾斜中で足場は悪く危険であり、かつ甲板上は乗組員で溢れ肩が触れ合う状況ながらも大多数の将兵は脇を大きく開け、肘を肩の位置で高く水平に張る挙手の敬礼を行っている。警察の礼式は、基本的に軍隊の礼式に準じている。日本では、警察礼式(昭和29年8月2日国家公安委員会規則第13号)に定めがある。馬術では礼が重んじられる。近代オリンピックで見られるようなブリティッシュ馬術の競技会では、全ての競技者は審判長または臨席の国家元首に対し敬礼を行わねばならない。敬礼は騎乗したまま行われる。競技者が男性の場合、ヘルメット着用時には挙手注目の敬礼を、トップハット(シルクハット)または山高帽(ボーラーハット)着用時には脱帽して前傾する敬礼を行う例が多い。女性では、指を揃えた右手を横斜め下に伸ばしつつ前傾する敬礼を行う例が多い。なお、馬場馬術競技においては、手綱を片手にまとめて取って敬礼を行うよう規則づけられている。民間船が軍艦に対して国旗の上げ下げで行う(人間が敬礼するのではない)ものと、人間が行う登檣礼がある。国旗礼では、民間船側が国旗を下げた後、軍艦側が同じ事をしたのを確認後、上げる事で完了する。
出典:wikipedia
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