放送大学学園(ほうそうだいがくがくえん)は、テレビ・ラジオチャンネルの『放送大学』を運営する、放送大学学園法(主務大臣:文部科学大臣・総務大臣)に基づく特別な学校法人である。国が個別の法律に基づき設置した、放送による通信制大学・大学院(国設の私立大学)である。法人の名称は法律によって定められており(放送大学学園法第3条・放送大学学園寄付行為第1条)、一般の私立学校と異なり「学校法人」を冠しない(「学校法人放送大学学園」ではない)。放送大学学園法(平成14年法律第156号)に基づき大学を設置し、当該大学において放送等による授業を行うとともに全国各地の学習者の身近な場所において面接による授業等を行うことを目的としている(放送大学学園法第3条)。関東広域圏の授業実施予定地域を放送対象地域とする超短波放送(FM放送)とテレビジョン放送の特定地上基幹放送事業者および日本全国を放送対象地域とする超短波放送(衛星ラジオ放送)とテレビジョン放送の衛星基幹放送事業者でもある。1981年、生涯学習機関として、広く社会人等に大学教育の機会を提供するという趣旨で放送大学学園法(昭和56年法律第80号、以下、旧法)が制定された。放送大学は、旧法に基づき特殊法人である放送大学学園(以下、旧法人)が1983年に設置した大学である。2002年には「特殊法人等整理合理化計画」に伴い、放送大学の設置者である放送大学学園を「特別な学校法人」とするため、旧法を改正した放送大学学園法(平成14年法律第156号、以下、新法)が施行された。新法第3条の規定により、現在の放送大学は、特別な学校法人である放送大学学園(以下、新法人)が設置する学校となっている。なお、文部科学省のホームページでは国立大学の項に記載されていたこともあり、表記の上では国立と同等の扱いをされることが多い。文部科学省には放送大学担当の係長職がある。遠隔教育、生涯教育の公開大学として国際的にわかりやすい大学名とするため、2007年10月1日より大学名の英称を、The Open University of Japan(旧称The University of the Air。違いは「放送の」から「公開の」に語義が変わったこと)と改めた。英称の変更前から用いられていたドメイン (u-air.ac.jp) については、2010年4月に新ドメイン(ouj.ac.jp)に変更された。また、この機に学内情報システムの刷新が行なわれ、以前より行なわれていたインターネットからの履修登録に加えて、通信添削指導もWeb上でも行なわれるようになった。放送大学学園が設置する大学を「放送大学」といい(放送大学学園法第2条)、放送大学学園は放送大学に関する業務(大学の設置・運営、教育放送等、附帯業務)を行う(放送大学学園法第4条)。なお、教育研究は放送大学学園が設置する「放送大学」において行われ、放送は放送大学学園が開設している放送局において行われている。学園を所管する文部科学省も「私立大学」ではなく「国立大学」として扱っていた。2002年に「新放送大学学園法」が公布され、放送大学学園が(国立大学法人とは異なった)特別な学校法人になったことに伴い、放送大学は私立大学となった。ただし、全国に所在する学習センターの多くが国立大学の敷地内に入居していること、教職員の約9割を文部科学省、総務省、財務省、国立大学からの出向者が占めること、事務職員の採用に「文部科学省文教団体職員採用試験」、「国立大学法人等職員採用試験」を通じて行っていることなど国立大学に準じており、一般的な私立大学とはその性格を異にしている。なお、教職員が加入する社会保険は私学共済である。旧放送大学学園は、放送大学学園法を根拠法とし政府が全額出資する(資本金1億円)特殊法人であったが、2002年に放送大学学園法が改正され、放送大学学園は放送大学学園法第3条に規定する「特別な学校法人」になった。放送大学学園は、文部科学省並びに総務省の共管である(総務省の前身の一つである、旧郵政省が放送法及び電波法を管轄していた為)。一般的な学校法人と異なり、放送大学学園に対しては経常費の半額を超える補助金を交付することが可能となっており、国からの期待を背景にして2012年度予算では、国からの財政支出は約80億9800万円(財政支出比率は56%)に上る。同年度の、国立大学法人の財政支出における運営費交付金(国からの財政支出)の割合は、41%程度なので、これを15%も上回ることになる。放送大学は通信制大学の大学であり、教育は放送授業・面接授業・オンライン授業(2015年より開始)の3形態の授業によって行われる。放送授業によって卒業に必要な大半の単位を修得できることが特徴である。卒業するためには、124単位を修得することが必要であり、このうち94単位は放送授業で、20単位は面接授業及びオンラインで(2016年より)、残りの10単位は放送授業・面接授業・オンライン授業のいずれでもよいことになった。なお、放送授業で用いるテキスト(印刷教材)は、財団法人放送大学教育振興会を通じて、学生以外でも入手できる。放送大学は、英語名(The Open University of Japan)から読み取れる様に、誰にでも開かれた大学(公開大学)である。その為、教養学部については入学試験がなく、入学は容易であるが、卒業については、放送大学の卒業生の質を保証させる為、入学後に厳格なチェック体制が敷かれている。2016年からは更なる改革を行い、より学習効果が高まるような授業となった。1985年度から学部生の受け入れを開始して以来、平成25年度第2学期現在、136万2258人の方々が学生として学び、平成26年度3月末現在、7万9186人の教養学部卒業生、4177人の大学院修士課程修了生を輩出している。平成22年度3月現在、在学期間(最長10年)内における、教養学部卒業率(全科履修生の卒業率)は、30〜40%程度である。同年の、在学期間(最長5年)内における、大学院修士課程修了率(修士全科生の修了率)は、80%程度である。平成26年度第2学期現在、8万3892人の教養学部生(全科・選科・科目履修生及び、特別聴講学生)、5606人の大学院修士課程生(修士全科・修士選科・修士科目生及び、特別聴講学生)、12人の大学院博士後期課程生(博士全科生)が在籍している。平成28年度現在、放送大学単位互換協定締結大学数は、日本国内の全大学・短期大学数のおよそ32%に相当する、358校である。特に国立大学との単位互換協定が多く、日本国内の全国立大学数のおよそ71%に相当する、61校と締結している。大学本部は千葉県千葉市美浜区に所在し、放送授業番組は本部の専用スタジオにて収録されている。放送大学の特徴として、通信制大学でありながら、学習施設として、全国に学習センターを50ヶ所、学習センターの分室的な役割を担うサテライトスペースを7ヶ所設置していることがあげられる。学生は、いずれかの学習センター、またはサテライトスペースに所属する。学習センター、サテライトスペースは、面接授業等のスクーリング、単位認定試験、放送授業の再視聴などを行う学習施設である。放送大学の学生は全国すべての学習センター、サテライトスペース、千葉本部の附属図書館を利用できる。また、学習センター、サテライトスペースでは学習相談、卒業研究指導を受けられるほか、図書室の利用、学生証・在学証明書など各種証明書の発行もできる。さらに、学習センター、サテライトスペースを拠点とする学生のサークル活動も通学制の大学と同様に活発に行われており、様々な行事が行われ参加して親睦を深める学生も多い。那珂太郎作詞、柴田南雄作曲による「放送大学学歌」のほか、小椋佳作詞作曲のイメージソング「と・も・た・ち」「人間の贅沢、ひとつ」がつくられている。2008年に、こうの史代のデザインによる伝書鳩をモチーフとしたマスコットキャラクターが制定され、名称は公募により「まなぴー」となった。2009年度から、従来の教養学部3コース6専攻を、教養学部教養学科5コースに改組した。なお、2008年度以前入学の学生も新コースに移行できる。旧産業と技術専攻の学生は新社会と産業コースと新人間と文化コースを選択して移行できる。2013年から情報系が独立し情報コースが開設され6コースに改組。大学院は、文化科学研究科の文化科学専攻の中に修士課程は7つ、博士後期課程は5つのプログラムが設けられている。1990年6月に放送大学本部に附属図書館が併設された(千葉学習センターと共に同じ構内にある)。附属図書館は約26万冊の蔵書のほか、放送大学の教科書に相当する印刷教材、再視聴用のテープ・ディスクなどを備えている。利用条件を満たせば一般人も利用可能である。放送大学の学生は、各学習センターやサテライトスペースの図書室を介して、附属図書館所蔵資料の貸出しを受けることができる。大学院修士全科生・学部全科履修生は、自宅への図書配送も有料で行っている。附属図書館に必要な資料や書籍がない場合、所定の利用条件のもとで国立国会図書館および他大学図書館への利用申込書を発行している。各学習センター及びサテライトスペースに小規模な図書室を置いている。放送大学は、4月と10月を学習開始月とする年2学期制の教育課程を編成している。そのため、入学・卒業時期が年2回ある(修士全科生は4月入学の1回のみ)。授業科目の登録は学期ごと事前に行う。各授業科目(放送授業)は、毎学期、週1回45分の放送が15週間にわたって放送され、完結する。放送大学の入学式(「入学者の集い」と呼ばれている)は毎年4月と10月に各学習センター・サテライトスペースにて挙行される。卒業式・学位記授与式は毎年3月に挙行される。創立以降、東京ベイNKホールや幕張メッセを式典会場に使用してきたが、2007年3月からNHKホールを使用している。式には文部科学大臣と総務大臣が出席し祝辞を述べることが慣例となっている。全国各地の学習センター・サテライトスペースでの卒業式・学位記授与式は3月(または4月初旬)と9月(または10月初旬)の年2回挙行される。卒業生・修了生は大学本部主催の式典と各学習センター・サテライトスペース主催の式典に出席することができる。また、卒業生・修了生の家族も列席できる。学位記授与式の模様は特別番組や大学の窓で放送される。学部(教養学部)については、いずれかのコースに所属し卒業(学士(教養)の学位取得)を目指す「全科履修生」(修業年限4年)と、自由に授業科目を履修する「選科履修生」(在学期間1年)・「科目履修生」(在学期間6ヶ月)の学生種別がある。全科履修生として入学する際、それ以前に選科履修生・科目履修生として修得した単位の全てを全科履修生の卒業要件単位に含めることができる。「全科履修生」の在学最長年限は10年である。この期間内に卒業できない場合には退学となるが、希望により再入学することは可能である。なお、再入学した場合、それまでの修業年数と修得した単位は引き継がれる。このほか、放送大学と単位互換協定を結んだ他大学の学生が単位修得のために放送大学に在籍する「特別聴講学生」という学生種別もある。大学院(文化科学研究科)については、いずれかのプログラムに所属し修了(修士(学術)の学位取得)を目指す「修士全科生」(修業年限2年)と、自由に授業科目を履修する「修士選科生」(在学期間1年)・「修士科目生」(在学期間6ヶ月)の学生種別がある。修士全科生として入学する際、過去に修士選科生・修士科目生として修得した単位があれば、修得した単位の全てを修士全科生の修了要件となる単位に含めることができる。学部における全科履修生は高等学校・中等教育学校・高等課程専門学校の卒業者、高等専門学校の第3学年修了者、あるいは高等学校卒業程度認定試験(旧・大検を含む)の合格者など、いわゆる「大学入学資格」が原則として必要であるが、選科履修生と科目履修生については、入学年度の学年の初めに15歳以上であれば学歴は問わない。一般的な大学入学資格(学歴、認定試験合格など)を有していない者も、選科履修生や科目履修生として入学し所定の単位(16単位)を修得し、かつ年齢が18歳に達することによって、全科履修生に入学することが可能となり、卒業を目指すことができる。但しこの入学資格は放送大学のみに限定され、また所定の単位を揃えたからといって一般的な大学入学資格や学歴は得られない。大学院における修士選科生、修士科目生は、入学年度の学年の初めに18歳以上であれば学歴は問わない。修士全科生には放送大学では唯一入学者選考(入学試験)がある。入学試験の内容は、1次選考は書類選考、2次選考は筆記試験と面接試問である。原則として22歳以上で放送大学または他の大学(短期大学を除く)を卒業していることが出願条件だが、放送大学による出願資格事前審査を受けることにより、大学(短期大学を除く)を卒業していなくても入学者選考の対象となる場合がある。放送授業(通常1科目2単位)については、配付されたテキスト(印刷教材)による学習と、テレビ・ラジオによる放送授業の視聴による学習を行って、学期末の単位認定試験に臨む。各学習センターで放送授業教材(DVD、CD)を再視聴できる。放送授業の講義の概ね半分が終了した時点で、通信指導(レポート)が課される。期限日までに、これを回答・提出し、合格すると単位認定試験を受験できる。後日、結果が郵送される。学期末試験は通信ではなく、学生は各学習センター等に出向いて実際に試験を受ける。単位認定試験に合格すると単位が与えられる。面接授業(1科目1単位、スクーリング)は、学生が各学習センターまたはサテライトスペースに出向いて受講する。1科目の授業時間は85分の講義8回分。通常、1科目あたり2〜3日間で行われることが多い。2016年より面接授業及びオンライン授業で20単位を修得するというシステムに変更となった面接授業は教員から直接教室内で講義を受け、各面接授業の合格基準に達すると単位を修得できる。合格基準は、出席回数・試験・レポートなどの総合評価。このような学習方法で、単位を取る。「全科履修生」を履修した場合は、基礎科目、共通科目、総合科目、所属コース内外の専門科目の124単位以上。そのうち外国語科目6単位、所属コース科目を30単位以上、総合科目を4単位以上含めコース科目を60単位以上、放送授業を94単位以上、面接授業を20単位以上、など組み合わせの規定がある。選択制の卒業研究(卒業論文)を履修し合格した場合は、卒業に必要な単位の一部に充てることができる。所属コースの専門科目6単位として認定以上。上記の卒業要件を満たすと、大学卒業「学士(教養)」の学位が授与される。学部・大学院ともに履修科目申請は毎学期ごと事前に行う。受講料は1単位あたり学部で5,500円、大学院課程で11,000円。印刷教材の費用は授業料に含まれている。印刷教材は取り扱いのある一般書店、書店通販サイトでも購入可能(「教育および研究」の節参照)。なお、印刷教材の送付が不要な場合は授業料の「割引制度」がある。大学院の学習方法は放送授業のほかに、修士全科生の場合、専攻内の7プログラムのいずれかに所属し、指導教員による研究指導(修士論文・特定課題研究(リサーチペーパー))を受ける。研究指導は直接指導のほか、電話・FAX・テレビ電話・電子メール・郵便などにより行われる。大学院課程の必要単位を修得し、修士論文または特定課題研究の審査、および口答試験に合格すると、大学院修了「修士(学術)」の学位が授与される。必要単位は、研究指導を含め30単位以上、臨床心理プログラムは34単位以上。臨床心理プログラムのみ、学外施設での演習・実習が行われる。放送授業は、原則として4年間または6年間で閉講される。そのため、各科目には開設年度が記載されている(例「身近な気象学(
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