『007 私を愛したスパイ』(ダブルオーセブン わたしをあいしたスパイ、"The Spy Who Loved Me")は、イアン・フレミングの長編小説『007』第9作(後述のように日本語版のタイトルは『007 わたしを愛したスパイ』)。また1977年公開の、ルイス・ギルバート監督による『007』シリーズ第10作となるスパイ・アクション映画。イアン・フレミングの小説『007』シリーズ長編第9作(単行本としては10冊め)。1962年、ジョナサン・ケープより出版された。日本では1963年に後の映画とは若干異なる『007 わたしを愛したスパイ』のタイトルで早川書房から井上一夫訳によりハヤカワ・ポケット・ミステリで発売された。ヴィヴィエンヌ・ミシェルは男に散々人生を弄ばれて男性不信になり、ヴェスパに乗ってジョージ湖付近を傷心旅行していた。そんな彼女が泊まったモーテルに、2名のギャングが侵入して来た。彼女をギャングから救ったのは、トロントでスペクターと対決してきたばかりのイギリス秘密情報部員ジェームズ・ボンドだった。そしてヴィヴィエンヌは、性懲りもなくボンドに惹かれてしまう。核ミサイルを搭載した英潜水艦「レンジャー」とソ連潜水艦「ポチョムキン」が突如消息を絶った。調査を命ぜられたボンドはエジプト・カイロへ飛び、そこで同じ目的でソ連が派遣した女スパイ、アニヤKGB少佐と出会う。英ソの利害が一致したことからボンドとアニヤは共同で任務に当たるが、事件の直前、アバンタイトルでボンドに差し向けられ返り討ちにあったソ連の殺し屋は、彼女の恋人だった。「この任務が終わったら、あなたを殺すわ」そう言われたボンドは彼女と共にアメリカ海軍の潜水艦リパラスに乗り込み、怪しいとにらんだストロンバーグ海運のタンカーに接近する。ストロンバーグは米ソを核攻撃し、世界を壊滅させ、海の世界を作ろうとしていた……。本作はシリーズ開始15周年と10作目というメモリアルな作品であり、3度目の登板となったロジャー・ムーアの一番のお気に入りでもある。しかし、15周年記念というのはあくまでも結果論で、それまでは毎年、或いは一年おきに制作されたシリーズに初めて3年のブランクが発生した。理由は複数あり、共同プロデューサー、ハリー・サルツマンの無断離脱(彼のイオン・プロの持ち株はブロッコリに無断でUAに譲渡された)、ショーン・コネリーとケヴィン・マクローリーによる『サンダーボール作戦』のリメイク訴訟、前作『黄金銃を持つ男』の興行不振を理由に大株主となったUAからのムーアの降板要求(元々UAはムーア起用に反対だった)、あらゆる意味でシリーズ初の完全オリジナルストーリーの構築。ブロッコリはこれらの障壁を乗り越えて完成にこぎつけた。内容は秘密兵器とアクションを大掛かりにした荒唐無稽なスペクタクル・アドベンチャーとしての魅力を全面に押し出したものとなった。結果は後述の通り、シリーズ最大のヒットを飛ばし、ブロッコリの手腕と本格的なロジャー・ムーア時代の到来を世に知らしめることになった。本作で初期のコネリー時代のシリアスとポップのバランスの取れた作風からムーアの演じるボンドのコミカル路線に移行されたとも言われる。また、本作から完全オリジナル作品となったため、従来の「Ian Fleming's ○○」から「Ian Fleming's James Bond 007 in ○○」とタイトルの出し方が変更され、現在まで続く(『ムーンレイカー』は除く)。シリーズ第10作を記念し、前作の2倍の1400万ドルの製作費をかけた超大作となった本作は、世界興行成績も前作の約2倍の1億8540万ドルとなり、インフレ率を勘案しなければ過去最高記録。しかし、1977年の映画は強豪がひしめき、『スター・ウォーズ』(7億9800万ドル)、『未知との遭遇』(3億380万ドル)、『サタデー・ナイト・フィーバー』(2億8540万ドル)に次ぐ第4位にとどまった。日本の1978年度の海外映画配給収入でもこの1位(43億8000万円)・2位(32億9000万円)の順位は変わらなかったが、本作はそれに次ぐ第3位(31億5000万円)となり、同年度の日本映画配給収入の第1位『野性の証明』(21億5000万円)と第2位『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(21億円)を凌いだ。アメリカの女性シンガー、カーリー・サイモンによる『Nobody Does It Better』が、イギリスの『ミュージック・ウィーク』誌では最高位7位、アメリカの『ビルボード』誌では、最高位2位を獲得する大ヒットとなった。英米共にトップ10入りしたのは、ポール・マッカートニー&ウィングスの『Live And Let Die』に続いて2曲目である。また、マーヴィン・ハムリッシュによるサウンドトラックは、『ビルボード』誌で最高位40位を獲得している。※キングレコードから発売の特別版DVDにはTBS版の2バージョンの吹替を収録。
出典:wikipedia
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