伊丹市(いたみし)は、兵庫県南東部(阪神地区)に位置する市。大阪国際空港(当市にちなんで通称「伊丹空港」と言われることが多い)の滑走路の大半を擁する20万人都市で、大阪・神戸の衛星都市、ベッドタウンの一つとされる。気候は温暖で、冬には昆陽池などにカモなど多数の渡り鳥が飛来する。伊丹市は大阪国際空港(伊丹空港)の地元自治体の連合である大阪国際空港周辺都市対策協議会 (10市協)に加盟しており、伊丹市長がその会長を務めている。かつては大阪国際空港を発着する航空機の騒音等に悩まされ、大阪国際空港撤去都市宣言を掲げていたが、大阪国際空港が地域環境との調和していくにつれ、同空港を市の重要都市資源と位置づけるようになり、大阪国際空港と共生する都市宣言を宣言するに至っている。兵庫県の南東に位置し、東に猪名川、西に武庫川が流れている。市域は全体に平坦で起伏のなだらかな地形であり、「伊丹台地」と呼ばれる。JR西日本福知山線(JR宝塚線)と阪急伊丹線が南北に縦断している。大阪市からは約10kmと近い。市の中央部を天神川、天王寺川が北から南へ流れている。兵庫県では南隣の尼崎市に続き、人口密度が2番目に高い。北は川西市、北・西は宝塚市、西宮市、南・西は尼崎市、東は大阪府池田市、豊中市に接する。サヌカイト(讃岐石)製のナイフ形石器が西摂地方で発見されている。伊丹市緑ヶ丘1丁目付近で石鏃が4個、桜ヶ丘3丁目で1個見つかっている。この両地域で竪穴式住居が数軒発見されている。川辺郡神津村の2カ所(大阪空港A・B遺跡)から縄文式土器が出土している。「縄文のない縄文式土器」が現れた時期である。伊丹市松原で1960年代に弥生土器が地下10メートルほどから出土し、その腹部にノギのついた籾の圧痕が残っていた。この土器は畿内の弥生土器第V様式で後期に属し、今から凡そ1600年前のものである。伊丹に関連の深い「猪名部」「猪名県」などは『日本書紀』に表れる。古くは「摂津国」の「西摂」と呼ばれた地域。市の名前は、摂関家領橘御園を鎌倉時代から管理していた伊丹氏の名に由来すると考えられる。伊丹市男女共同参画施策市民オンブードという組織を設置している。副首都構想とは、首都東京に大地震やテロなどが起こったことを備え、伊丹市と大阪府豊中市・池田市にまたがる大阪国際空港を廃止し、空港跡地に副首都をつくり、危機管理専門の省庁をおく構想である。この構想について2005年4月6日には危機管理都市推進議員連盟が結成され、これには、民主党の石井一(比例近畿ブロック選出)を筆頭に、自由民主党の青木幹雄元官房長官(島根県選挙区選出)や民主党の菅直人元代表(比例東京ブロック選出)らが名を連ねている。ただ、これらの動きを含む大阪国際空港の廃止は、現存する空港施設の撤去にかかる莫大な費用・時間、アクセスの不便な関西国際空港では代替空港として心もとないこと(もちろん、関西国際空港のアクセス改善に要する費用・時間も問題である)、万一大阪国際空港を閉鎖した場合の北大阪経済に与える打撃、新幹線(将来的には中央新幹線)に対抗できる航空交通手段確保の必要性、そして、航空利用者の利便性の確保などの観点から、現実的ではないとの意見もある。※ 2015年(平成27年)5月20日現在。警察は、兵庫県警伊丹警察署が置かれ市内全域を管轄する。消防は、伊丹市消防局が市内全域を管轄する。市内には陸上自衛隊中部方面総監部および第3師団司令部があり、阪神・淡路大震災やJR福知山線脱線事故における災害復興や救助活動が特筆される。園芸業については、隣接する宝塚市の山本地区と合わせて、全国三大植木産地のひとつである。接木の一つ「芽接ぎ」が盛んで、坂上善太夫が豊臣秀吉から「木接太夫(きつぎだゆう)」と言う称号を与えられる。アメリカ合衆国のポトマック川の川沿いに植樹されているサクラは伊丹のサクラを台木にして成長させたものである。現在、東野地区では南京桃の生産に力を入れている。江戸時代から酒造が盛んであり、近代でも全国に先駆けて産業としての清酒醸造法を確立している。現在も、小西酒造(白雪本社)がある。1919年、日本初の国産リノリウム(床材)を製造販売する「東洋リノリューム株式会社(現在の東リ)」が創業。臨空都市としての利点を生かしたハイテク産業(住友電工、三菱電機など)がある。2002年10月10日、市東部にオープンしたダイヤモンドシティ・テラス(現・イオンモール伊丹)は、その規模の大きさ、店舗の多様さ、営業時間の長さで、近隣の大規模店舗に様々な影響を与えている。2010年(平成22年)国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、2.03%増の196,160人であり、増減率は県下41市町中6位、49行政区域中10位である。市内には私立の小学校・中学校は無く、全て公立(伊丹市立)である。このほか、各種学校(非一条校)として日本の幼稚園・小学校に相当する民族教育を行う伊丹朝鮮初級学校がある。高等学校についても私立学校は存在せず、全て公立学校(伊丹市立または兵庫県立)である。高校入試は複数志願選抜のシステムをとっている。市内は市バスで結ばれる。市域は伊丹台地を擁するものの、特に大きな山はなく、起伏がなだらかで市内を端から端まで自転車で走ることも容易であるため、自転車の利用が大変に多い。市域東側に広がる大阪平野には大阪国際空港もある。鉄道にも囲まれており、近距離・遠距離の移動ともに交通の便は大変良い。大阪国際空港は、滑走路の大半を伊丹市が占めているため一般に伊丹空港と呼ばれている(IATA空港コード:ITM ICAOコード:RJOO)。従って、空港内の出張所には大阪府警と兵庫県警とが詰めている。また、警備のための機動隊員の派遣も交代で行なわれている。関西国際空港の供用開始に伴い、国際線および比較的遠距離の国内線が同空港に移るなどして、大阪国際空港の相対的な地位は一時的に下がったが、数年後に国内線の多くが伊丹空港に戻るなどして、かつての賑わいを取り戻したほか、近年は大阪市の主要部から10 km圏内であるという地の利の良さが見直されつつある。伊丹空港のほか関西・神戸とあわせてマルチエアポートの関西三空港として、一体的な空域として扱われている。橋下徹(当初は大阪府知事、現大阪市長)をはじめとする日本維新の会などは、航空路線の関西国際空港への統合を掲げて、大阪国際空港の廃港論をたびたび打ち上げるなど、議論の的となっている。(2013年には市長選挙の争点の一つにもなった。)市の代表駅として中心的な立場にあるのは、長らく阪急伊丹駅であったが、JR東西線開業に伴う福知山線(JR宝塚線)内の大幅増発と大型ショッピングセンターの進出に伴い、現在はJR伊丹駅がこれに代わっている。駅はないが、山陽新幹線が市南部を通過している。現在、大阪国際空港には大阪モノレールが乗り入れているが、JRの路線は乗り入れていない。そこで大阪国際空港に近いJR伊丹駅から大阪国際空港までの空港アクセス路線を建設する「JR福知山線分岐線構想」がある。1990年代に入ってから計画され、実現に向けて取り組まれているが、膨大な費用がかかるため実現の可能性は低くなっている。また、2007年に大阪国際空港とJR伊丹駅や阪急伊丹駅、伊丹市街地にアクセスできる大阪国際空港広域レールアクセス構想の検討が始められ、上記「JR福知山線分岐構想」の半分以下の費用で実現できるとされることなどから、現在では最も実現可能性が高い構想となっている。※印は伊丹大使に任命されている。
出典:wikipedia
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