合衆国(がっしゅうこく)とは、英語における政体呼称の一つである“United States”の対訳語であるとされる語である。"United Provinces"の訳語としても用いられることもある。国名に用いられ、現在はアメリカ合衆国(米国)とメキシコ合衆国(墨国)の2か国がある。古くは前者のみであり、日本で単に合衆国と呼ぶ場合はアメリカ合衆国を指すことが多い。英語の“United States”に関しても同様である。United Statesとは、複数のState(州、国、邦)の連合体を意味し、現代の日本語に直訳すれば「連合諸州(諸国・諸邦)」、意訳すれば「連邦」のような意味合いとなる。しかしながら、江戸時代末期(幕末)以降、現代に至るまで日本の政府・社会一般では一貫して「合衆国」を用いている。「連邦」の語はFederationの訳語として当てることが多い(ロシア連邦、セントクリストファー・ネイビス連邦など)。「合衆国」が使われる以前の "United States of America" の漢字表記としては、日本では「アメリカ共和政治」、「アメリカ合同国」、中国では「美理哥合省国」「兼摂列邦」「育奈士迭(United Statesの音訳)」などがある。参考までに、“United Kingdom”は「連合王国」と(イギリスの日本語での正式名称は「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」)、“United Nations”は「国際連合」「連合国」と訳されるように、現代ではUnitedは「連合」と訳されることが多い。1844年に米清間で締結された望厦条約の中国語文において「合衆国」表記が採用された。これがペリー来航時かその少し前に日本に伝わり、広まったとする。「合衆」(がっしゅう)は幕末から明治初期に日本で発案された訳語で、本来的な意味としては「共和制」(Republic=君主のいない、民衆から元首を選ぶ制度)、ないしは「民主主義」(democracy, democratic) の古い訳語(前身)であり、そもそも"United States"の直訳語ではない、とする説。「合衆制度により治められる国」の意となる。由来は周礼・春官大宗伯の「大封之禮、合衆也」から。この説によれば、中国語へも日本語から輸出されたこととなる。高島俊男はこの説が正しいとしており、「合州国」の誤記説を唱える本多勝一を批判している。単に合州国と書くべきところを合衆国と、誤って表記したという説。“United States”を直訳すれば合州国という表現がより正確であり、合衆国という訳にはならないとして、支持する者もいる。本多勝一が『アメリカ合州国』で主張している。この訳語は中国にいた宣教師ブリッジマンによって作られ、それが日本語に転用(輸入)された、とする説。合衆国とは「衆国を合わせた」という意味を表し、「衆国」とは大衆によって運営される国(共和政体)のことを指すという。ブリッジマンは、当時中国在住の外国人の間で読まれていたChinese Repository 1845, Jan. ART. VIIIに下記のように書いている。本多も、ブリッジマン(中国名・裨治文)に『亜美理駕合衆国志略』という著書(1846年)があることを指摘し、「合衆国」は中国語に色々あった訳語の一つであり、合衆共治国(共和国)を略した意訳であろうと推定しており、日本もこれを借用したものとする。「合衆」は「複数のものを合わせてひとつにする」という意味で、 United の訳とする。合わさった衆(多数の)国(state, 州)、とUnited Statesを直訳したものである。望廈条約より前の1844年正月の、広州巡撫からの上奏文に「該國係二十六虜爲一國、故有合衆國之名」とある。また、Chinese Repository 1845, Jan. ART. VIIIには条約翻訳者による注記としてとあり、「United States の訳として合衆国を当ててみたが少し違う」との印象を持っていたと推察される。加えて「同じ条約内で State と Nation を同じ『国』を使って表すのでよくない」と不満を述べている。しかし望廈条約で採用され、以降「合衆国」がアメリカの公式漢字名として定着してしまった。2012年現在、合衆国として存続するのは2カ国だけである。
出典:wikipedia
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