レーザーディスク(LaserDisc, LD)は、直径30cmのディスクに両面で最大2時間の映像を記録できる光ディスク規格である。本来、LaserDisc、レーザーディスクという名称は日本国内ではパイオニアの登録商標だった。規格名としてはレーザービジョン(LaserVision, LV)という名称が用いられたが、1989年(平成元年)に商標を無償開放し、事実上一般名詞化していたレーザーディスクという名称を他メーカーも使用できるようになった。発売当時は「絵の出るレコード」というキャッチコピーが使われていた。1972年(昭和47年)9月にオランダのフィリップスが光学式ビデオディスク規格としてVLP(Video Long Play)方式、同年12月にアメリカ合衆国のMCAがディスコビジョン(Disco Vision)方式を発表。1974年(昭和49年)9月に両社の規格が統一され「フィリップス/MCA方式」として発表された。1978年(昭和53年)12月にアメリカで製品化され、フィリップスの子会社マグナボックスが世界初となる家庭用LDプレーヤー「マグナビジョン」VH-8000を発売した。パイオニアとMCAの合弁会社ユニバーサルパイオニア(UPC)が、アメリカ市場で1979年(昭和54年)2月に業務用LDプレーヤー、1980年(昭和55年)6月に家庭用LDプレーヤーVP-1000を発売した。日本ではパイオニアが製品化し、1981年(昭和56年)10月に第1号機LD-1000を発売した。日本市場では当初はパイオニアのみが製品を販売し、日本ビクター(後のJVCケンウッド)の開発したVHD陣営と販売競争を繰り広げた。ビクターはビデオデッキ市場でVHS方式を広めた実績があり、採用メーカー数では13対1と圧倒的に不利だった。しかし、映像ディスクはビデオデッキと違い再生専用で録画ができないことから、当初はビデオデッキよりも高画質を求めるマニア向けの規格となった。そのため、水平解像度が240本程度だったVHDに対し、レーザーディスクは400本以上と画質面のアドバンテージがあったことに加え、ピックアップがレーザーによる非接触式のため、プレーヤーで再生した事が原因のディスクの劣化が無いことから、レーザーディスクの方が圧倒的に優勢だった。さらに、コンパクトディスク(CD)とのコンパチブル再生機の発売、レーザーカラオケのヒットによって、一般層にも普及した事から、結果的に規格争いに勝利した。VHD陣営のメーカーも参加して開発した音楽CDの量産技術が、同じ光ディスク方式であるLDの技術とコストの問題を解決させ、LDを勝利に導いたと言われる。初期のLDはメインとなった映画ソフトが7,000円 - 1万円前後の価格設定で発売されていたが、1980年代終盤からパイオニアLDC(後のNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)が中心となって「エバーグリーンシリーズ」「ブロックバスター」等と称して5,000円を切る価格帯で次々と人気ソフトを発売。やがて他社もこれに追随する価格帯の製品を増やし、加えてパイオニアの他、ソニー、松下電器産業、ケンウッドといった各社から「ロッキュッパモデル」と言われた69,000円台の安価なプレーヤーも次々と登場。LDは1990年代前半を最盛期としてユーザーを拡大、多くの映画、音楽、ドキュメンタリー、アニメ、スポーツ、その他各種のコンテンツがLDで発売され、パイオニアからはCD/LDコンパチプルプレーヤーを搭載したミニコンポ「プライベート」も登場した。特に1992年(平成4年)頃からは、それまでの映画ソフトで主流だった画面のトリミングをやめ、できるだけ劇場公開時の画面サイズに忠実なワイドスクリーンサイズの画面で映画ソフトを次々に発売して映画マニアを中心にユーザー層を厚くしていった。映画LDの中には、1本の映画をワイドスクリーンとテレビサイズの2パターンの商品で発売するなどマニアックなラインナップがなされたものも多い。これらの中にはDVD-Videoで発売されているソフトでは見ることができない画面サイズのものもあった。一方で、同じ映画のソフトが何種類も発売されていることから当時の一般的ユーザーを混乱させる副作用も生じた。またテレビドラマやアニメーションなどのシリーズ作品を複数枚のLDに全話収録して一括販売する「LD-BOX」というボックス・セット形態の商品も数多く発売され、コアなファンやマニアを取り込んでユーザー層を拡大させていった。一方、LDのデジタル音声領域にCD-ROMと同様のデジタルデータを記録した「LD-ROM」が登場し、パイオニアが自社パソコンとして発売していたMSX機器との連携がなされたが、あまり普及しなかった。後にパイオニアはMacintosh互換機を販売したが、LD-ROMとの連携はなされなかった。家庭用LDソフトは販売専用という戦略をとり、末期の一時期を除いてレンタルは全面禁止だった。当時の映像ソフトはレンタル向けが中心であり、個人が購入する例は少なく、LDソフトの低価格化も進まなかった。また録画ができないこともあり、普及率はビデオテープレコーダ(VTR)に遠く及ばなかった。そしてソフトの発売種と量が増える一方で、生産ラインの少なさが次第に影響し始めた。1994年 - 1995年頃には、一部の人気商品を除いてほとんどの商品が初回ラインのみの生産で終了するようになり、発売と同時に販売元品切れとなるソフトが続出。新譜として発売された月に廃盤で入荷不可という奇妙な商品も相次いで出現した。需要に供給が全く追いつかない状態となる一方で、それまでは高額だったビデオテープソフトの低価格化と安定供給が進み、ユーザーのLD離れが始まった。なお、アニメLDソフトでは1980年代後半の時点でここで述べられたような供給体制の不備が一部のビデオ雑誌で指摘されていた。やがて1996年(平成8年)にCDと同じ12cmサイズのDVD-Video規格(DVDビデオ)が登場。最初期のソフトラインナップはLDと同じく、ディスクメディアのポテンシャルを引き出すための高品質なオーケストラコンサートやBGV、教養分野や代表的なブロックバスター作品というバリエーションである。供給出足が鈍かったものの、1999年 - 2000年より洋画作品をLDで数多く発売していたパイオニアLDC(2000年頃までタッチストーン・ピクチャーズ系中心)やソニーピクチャーズ(当初よりコロムビア映画の他、ビデオソフトでCIC・ビクタービデオが販売元だったユニバーサル映画作品のDVDソフト販売元にもなっている)、ワーナーホームビデオといった洋画メジャー系のコンテンツを中心に、比較的廉価な価格帯で充実したソフトを発売するようになった。例えばブロックバスター作品の場合、LDソフトでは一作品5,000円 - 8,000円程度の価格帯が主流だったのに対し、DVDソフトは当初でも3,900円 - 6,000円程度だった。こうして、DVDと比べると大型で耐久性も劣るLDはその地位を急速に奪われていく。また、2000年(平成12年)に入ると東芝EMI(後のユニバーサル ミュージック)やソニー・ミュージックエンタテインメントをはじめとしたレコード会社がミュージックビデオやライブを収録した「ミュージックDVD」の発売、ブエナ・ビスタ(ウォルト・ディズニー・カンパニー)の参入(2000年頃までタッチストーン作品やごく一部のディズニー映画はパイオニアLDCが発売元だった)などLDを上回るスピードでソフトの発売が行われ始めた。加えてDVDは、当初からレンタルを解禁した事(これはDVDソフトがコピーガードを標準規格として採用できた事が大きい)と、録画に対応する規格が登場した事も、LDとの大きな差となった(もっともDVDの録画機能は、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAMなど、規格が乱立した事が消費者の混乱を招くという問題があった)。1999年(平成11年)末頃からはCD-ROMに代わりDVD-ROMドライブが搭載される家庭用パソコンが出現し始め、LD-ROMの普及が全く進まなかったLDとは対照的であった。2000年(平成12年)3月には当時のDVDプレーヤーよりも安価でDVD-Videoが視聴できる家庭用ゲーム機「PlayStation 2」が発売され爆発的ヒット商品となった。このようにDVDビデオの再生機器台数が急増し、DVDレンタルの躍進などDVDビデオソフト市場が急速に拡大する。これによって、邦画・テレビドラマのDVD化やアダルトDVDも出回るようになり、LDユーザーのターゲットだった洋画やOVAも新作はDVDへ移行するといった市場変化がみられた。大部分の映像ソフト・レコード会社がLDの制作・発売を終了し、LDは最後まで映像メディアの主役となることはなかった。LDからDVDへの過渡期である2000年(平成12年)頃は、同一タイトルをLDとDVDで併売するスタイルがパイオニアLDCが発売元の洋画(ブロックバスター作品)とOVAを中心に見られた。バンダイビジュアルもアニメ作品を中心に併売を行っていた。過去に発売されたLDソフトの映像を視聴するだけの機器になりつつあった2002年(平成14年)に、パイオニアがLDプレーヤー事業から撤退する報道があったものの、消費者からの要望があったために細々と生産・販売を継続する方針を取った。また、DVDが発売された時点で、カラオケボックスではすでに通信カラオケが台頭していたものの、当時は技術仕様の問題から音質が貧弱だった。その一方で、レーザーディスクカラオケはスタジオ収録や楽曲のオリジナル音源とプロモーションビデオなどのアーティスト本人出演映像を収録できる点から、演歌・歌謡曲をはじめとする定番曲での利用では一定の評価を得られており、費用面から通信カラオケ機器導入に消極的な一部のパブ・居酒屋・カラオケスナックといった飲食店(接待接客を伴う店舗は風俗営業)や、壮年者を中心としたカラオケファン(歌謡曲愛好家)が自宅で楽しむなど根強い需要が2000年代に入っても残っていた。しかし新曲対応の鈍さが最大の弱点であることは変わらず、2004年(平成16年)に登場したBBサイバーダムが過去に自社(第一興商)や当時のコロムビアミュージックエンタテインメント(後の日本コロムビア)などが制作したレーザーディスクカラオケの映像や音源をストリーミング配信する機能を盛り込み、クオリティ面での不利が払拭されたため、この領域の衰退に拍車をかけた。それでも2007年(平成19年)3月までは、個人向けに20cmのカラオケソフトが細々と発売され続けた。2007年(平成19年)3月、市場衰退により世界唯一のディスクプレスメーカーとなったメモリーテックが製造ラインを廃止。これによりレーザーディスクの歴史は幕を下ろした。最後まで制作を続けたのはテイチクの家庭向け市販カラオケソフト(20cm LDシングル)「音多ステーション」シリーズであり、2007年(平成19年)3月発売の三門忠司の楽曲が収録された規格番号「22DK-1018」まで、毎月4タイトル以上の新譜ソフトの発売を続けた。2006年(平成18年)12月に発売した演歌歌手・川中美幸の『金沢の雨』などが収録された規格番号「22DK-995」がラストプレスとなり、製造ライン終了に伴う式典を行った。ソニー・松下電器産業などはLDプレーヤーを1999年度(平成11年度)までに販売終了・撤退し、DVDへ軸足を完全に移した。それ以後、パイオニアだけが以下の機種をLDプレーヤー最終機種として発売していた。これらは発売後モデルチェンジをすることなく、10年以上にわたり細々と生産・販売を続けていた。しかし2009年(平成21年)1月14日、上記4機種について合計約3000台をもって生産を終了すると発表を行い、2009年度(平成21年度)限りでの販売終了が決定された。その後、DVL-919の注文が生産予定台数に達したものの、一部の消費者の注文が複数の販売店に重複したことによる若干数のキャンセルが発生した。このキャンセル分を、2009年(平成21年)9月25日までの間、パイオニアインターネット直販サイト「パイオニアオンラインショップ」にて販売され完売した。これらの機種は2009年(平成21年)の生産終了後、最低8年間は修理に必要な補修部品を保有するほか、過去の機種でも補修部品に在庫があれば修理に応じる体制を併せて発表している。なお、LDプレーヤーの最終機種としては、DVL-919よりも後の1998年(平成10年)12月に発売されたDVDコンパチブルのプレステージモデル「DVL-H9」が存在する。発売当時のLDプレーヤー・DVDプレーヤーのリファレンス(プレステージ)モデルに搭載された映像回路を両方搭載の上、最新機能も盛り込ませた贅を尽くした高価格機種であり、2002年(平成14年)6月に生産終了、2003年(平成15年)頃にカタログ掲載から消えている。日本電子機械工業会により、EIAJ CP-3302(光学反射式再生専用ビデオディスクシステム(レーザービジョン 60Hz/525ラインM/NTSC))として規格が定められていたが、1999年1月以降は国際電気標準会議によって国際規格に定められた、IEC 60857 Ed.1.0 Pre-recorded optical reflective video disk system ‘Laser Vision’ 60Hz/525 lines-M/NTSC(録画済み光反射ビデオディスク装置 'レーザビジョン’ 60Hz/525ライン-M/NTSC)が使用されている。LDフォーマットのディスクはポリメチルメタクリレート(アクリル樹脂)の記録面にアルミ蒸着を施したもので、アクリル樹脂は吸湿により反りが発生するため、片面記録であっても両面張り合わせディスクが基本である。直径30cmと20cmのものがあるが、20cmディスクにはCDと同じポリカーボネートを使用した張り合わせ無しの薄型も存在する。これは「LDシングル」と呼ばれ、非対応のプレーヤーでは厚さを調整するスペーサ(LDシングルアダプター)を重ねて使用する必要がある。なお通常のディスクは盤面が銀色で、末期に登場したレンタル専用商品は金色にして区別している。CDと同様、信号の記録は非常に細かい楕円形のくぼみ(ピット)で行われている。ピット幅は0.4µm、深さは0.1µm。ピットの列をトラックと呼び、トラックピッチは1.67µmである。このピットがディスク表面に内側から外側に向かって螺旋状に並び、ダイレクトFM変調したNTSC信号をスライスした矩形波に従って記録されている。このピット数はCLV片面ディスクで300億個に達する。両面記録ディスクではA面/B面と呼ぶ。レコードと違ってピックアップはディスクの下にあるため、実際に再生されるのは裏面の記録内容で、レーベルに記載されている面と実際に信号が記録されている面は逆である。なお反対側の面を再生するにはレコードのようにプレーヤーから取り出してひっくり返す必要があるが、後にディスクを取り出さずに連続再生できる、ピックアップがU字形に移動する両面再生プレーヤーも発売された。初搭載したのは三洋電機が1987年に発売したSLV-J1だった。映像はアナログ(ダイレクトFM)方式を採用し、記録はレーザー光を使って読み出す。当初はピックアップに波長632.8nmの赤色ガスレーザー(ヘリウムネオンレーザー)を採用しており、LD-7000から波長780nmの赤外線半導体レーザーを採用した。映像はNTSCのビデオ帯域が4.2MHzのため、1MHzあたり80本の計算で水平解像度336本となる。CAV方式では内周部336本から始まり外周部440本になり、平均して水平解像度400本以上と言われる。CLV方式では常時330本前後になる。直径30cmのディスクではCAV方式(回転数1800rpm)の標準ディスクで片面30分、CLV方式(回転数1800 - 600rpm)の長時間ディスクで片面1時間の映像を記録できる。トラックは螺旋状に記録されており、CAV方式の場合、NTSCの1フレーム(1/30秒)の情報が螺旋の1周に記録されている(30回転/秒=1800rpm)。一時停止は1周を繰り返し再生、コマ送りは順次前後の1周に移動、変速再生はトラックの読み出し間隔を変更という仕組みになっている。また、CAV方式では全ての画面(フレーム)に番号が振られており(フレームナンバー)、このフレームナンバーで希望のシーンを探す「フレームサーチ」が使用できた。一方、CLV方式では一定の線速度で記録されているため、トラックとフレームの間に物理的な関連はなく、正逆サーチ以外の特殊再生はできなかった。このため、1980年代後半にプレーヤーにデジタルメモリーを搭載してCLV方式での特殊再生を実現した。デジタルメモリー初搭載のプレーヤーは1986年(昭和61年)発売のLD-S1である。LDフォーマットはNTSCの全ての帯域をそのまま記録していると表現されることもあり、映像信号についてはアナログ方式なのでDVD-Videoのような圧縮が一切ないのが特徴である。この点からDVDのMPEG-2による圧縮ノイズを嫌い、LDの画質を好む人もいる。特にコマ送り、正逆サーチなどの特殊再生ではLDが優れている。音質についてはデジタル記録であれば、圧縮がないLDのほうが完全に優位に立っている。MUSE規格でハイビジョン映像を記録した拡張規格「Hi-Vision LD」もあり、Hi-Vision LD対応プレーヤーで再生できる。このほか、映像・音声以外のサブコード領域に映画の台詞や英語字幕や歌の歌詞などの情報を記録した「LDグラフィックス(LD-G)」も存在する。音声は開発当初はアナログ(FM)のみだった。1984年(昭和59年)に世界初のCD/LDコンパチブルプレーヤーCLD-9000を市場に投入するに併せ、デジタル(44.1kHz/16ビットリニアPCM)音声の記録が未使用帯域に追加された。1987年(昭和62年)にCD VIDEO(CDV)が新規に市場投入するのに併せて、CD-DAと同様のTOC情報が合わせて記録されたデジタル音声付レーザーディスクが一般的となった。「LaserVisionマーク」「CD VIDEOマーク」「DigitalSoundマーク」の3つがジャケットやディスクに併記されている。当初はこのタイプのディスクを「CD VIDEO LD」と呼んでいたが、元となるCDV規格が思ったように普及しなかったことから、1989年(平成元年)頃からは「LASERDISCマーク」と「DigitalAudioマーク」の併記されたものがTOC付きLDと認識され、主流となった。1994年(平成6年)には映画館で採用され始めていたドルビーデジタルが、1997年(平成9年)にはDTSといったデジタルサラウンドが導入されたほか、ハイビジョンで製作されたマスターテープを用いたり、ワイド画面でワイドスクリーン作品をより高解像度で鑑賞できるように画面の横幅を3/4に圧縮したスクイーズ方式も一部ソフトで採用された。音質/画質は大きく向上し、これらの技術はDVDにも引き継がれている。特にドルビーデジタルは、初期DVDソフトの音質がLD収録のものより劣ると言われていたため、ビットレートをLDの384kbpsからDVDは最大448kbpsまで引き上げることでLDを上回る音質を達成している。ドルビーデジタル対応LDは、デジタル音声領域にPCM方式ドルビーサラウンド、アナログ音声のRchにドルビーデジタル(5.1chサラウンド)、LchにFM方式モノラルで音声が収録されているため、ドルビーデジタル音声で再生するには、ドルビーデジタル(AC-3)RF出力の付いているLDプレーヤーと、アナログ音声トラックのRchに高周波変調して記録されているドルビーデジタル(AC-3)RF信号を元のドルビーデジタル音声信号に変換できる、RFデモジュレーター搭載AVセンター(AVアンプ)もしくはプロセッサーが必要である。非搭載アンプで再生する場合は、PCMデジタル音声またはアナログ音声Lch(モノラル)での再生になる。このドルビーデジタル(AC-3)RFデモジュレーターは一部の高級機または一昔前のAVセンターまたはプロセッサーしか内蔵されておらず、最近のAVセンターにはデコーダーしか内蔵されていない場合が多い。また、単体でのRFデモジュレーターはほとんどのメーカーで生産が終了しているため、中古ショップまたはオークションでしか入手できない。なお、日本生産盤ではまず見かけることのないDTS対応LDは、デジタル音声領域にDTS音声信号が収録されているため、光出力端子(S/PDIF)のあるモデルとDTS音声を再生できるAVセンターまたはプロセッサー/デコーダーがあれば一部の機種を除いて再生可能であるが、未対応AVセンターではDTS音声信号はノイズとしてしか再生されず、アナログステレオ音声のみでの再生となる。LDフォーマットが市場へ投入された当初は「半永久的に劣化しない」という表現を使っていたが、1980年代中頃からこの表現は中止された。レーザーディスクに使用されたアクリル樹脂は吸湿性が高く、空気中の水蒸気を吸着することによりアルミ記録面が劣化し、ノイズが発生した。原因は当時、まだアルミ蒸着技術が確立しておらず、製造時にミクロ単位の異物が混入したことによるものだった。一部のメーカーは良品との交換対応を余儀なくされ、劣化対策は当時メーカーにとって急務だった。その後、アルミ蒸着技術の確立・精度向上と共にこの事象がほぼ解決されたのは1992年(平成4年)頃であり、それ以前に製造されたレーザーディスクにはホワイトスノー・スノーノイズなどとも呼ばれるノイズが乗っているものが多い。なお、酸化保護膜付加・防錆加工・接着剤の材質改善といった改良が加えられた経年劣化対策済みのディスクでも、ごくわずかながらも劣化は進行する。一般家庭の保存環境下ではLDシングルを除く一般的なLDの平均寿命は30 - 50年程度とされ、材質にポリカーボネートを使用し平均寿命が30 - 100年程度とされるLDシングル、およびCD、DVD、BDに比べ短い。このような経緯から、後に開発されたDVD規格などでは「半永久的に劣化しない」という表現は消えている。レーザーディスクの生産を終了してから長期間経過しているが、劣化したディスクは盤面を見ても判断がつかず、実際に映像を視聴してみるまでノイズの有無は分からない。1987年(昭和62年)にS端子が発表された後、それ以降に発売されたLDプレーヤーでは多くの場合、RCA端子(コンポジット)出力に加えてS端子出力も備わっている。しかし必ずしもS端子で接続したほうが画質が良いとは限らない。VHSやDVD-Videoなど、輝度(Y)信号と色(C)信号が分離記録されている場合はS端子で接続したほうがY/C混合・Y/C分離が発生しないため画質が向上する。しかしLDの場合はもともとコンポジット信号で記録されているのでY/C分離は避けられない。プレーヤーとテレビモニタをコンポジットで接続すればモニタでY/C分離することになり、S端子で接続すればプレーヤーでY/C分離することになるため、モニタのY/C分離性能のほうがよい場合はコンポジットで接続する方が画質が向上する。中・低価格帯でS端子を持つプレーヤーでは、ディスクから読み取ったコンポジット信号がそのまま出力されているわけではなく、プレーヤー内部でY/C分離したものをS端子に出力する一方で再度Y/C混合したものをコンポジット出力しているものが多い。これはコストダウンが理由である。このようなプレーヤーでは、S端子で接続したほうがよい。高級機種では、このようなことをしていないという意味で「ダイレクトコンポジット出力」などと謳っているものもある。しかし高級機器である以上、Y/C分離の性能には優れているため、矛盾した機能でもある。また、歴代のLDプレーヤーで最高級機とされるLD-X1は、Y/C分離した信号をデジタル処理して高画質化を図っているため、ダイレクトコンポジット出力ができない。なおDVDコンパチブル機の一部はコンポーネント端子を備えるが、同端子からのLDの画像は白黒になってしまうため、この方法での正常な再生はできない。従来のVTRとは異なり、ランダムアクセスを可能としたLDはゲーム用途にも活用された。1991年9月に、三洋電機、ソニー、東芝、パイオニア、松下電器産業の5社がMUSE方式を採用したHi-Vision LDの仕様を発表。映像信号帯域8.1MHzにアナログ帯域圧縮したMUSE信号を記録し、レーザー波長=670nm、NA=0.55のピックアップを用いて読み出す。これにより、直径30cmのディスク片面で60分、両面120分の長時間再生可能なフォーマットを確立した。EIAJ CP-3303(光学反射式再生専用ビデオディスクシステム(ハイビジョンLD 60Hz/1125ラインMUSE)として規格が定められていたが、2004年9月に廃止されている。ディスクの特性は、LVフォーマットとして制定されたEIAJ CP-3302(光学反射式再生専用ビデオディスクシステム(レーザービジョン 60Hz/525ラインM/NTSC))に準拠しているが、MUSE方式に合わせて一部変更が加えられている。CAVディスクの角速度は1映像フレーム期間で1回転、CLVディスクの線速度は13.8m/s〜15.2m/s。トラックピッチは1.1±0.1µmとLVフォーマットより狭くなっており、MUSE信号、時間軸基準パイロット信号、EFM音声信号(オプション)が周波数分割多重記録(FDM記録)されている。音声は、MUSE信号の垂直ブランキング期間に多重されているMUSE音声信号の他に、CD規格に準拠したEFM音声信号を追加多重する事が可能となっている。これらの信号は、LVフォーマットよりも短波長の670nm赤色レーザーで読み取られ、NTSC(MUSE)FMアナログ信号に復調後、A/D変換されている。
出典:wikipedia
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