『おきらく忍伝ハンゾー』(おきらくにんでんハンゾー)は、山中あきらによる日本の少年漫画作品。講談社の『コミックボンボン』(以下『ボンボン』)本誌・増刊号誌上にて1996年から1998年まで連載された。本作は、山中が1993年、1995年に『ボンボン』の増刊号でそれぞれ発表した読み切り作品(後述)が原型となり、1996年より『ボンボン』本誌連載が開始された。当時の『ボンボン』の広告文曰く、「痛快時代考証無視娯楽活劇」。江戸時代をモチーフにした「江戸のよ~なところ」を舞台に、少年忍者ハンゾーの活躍を、山中独特のギャグ(既存の漫画やアニメのパロディは元より、登場人物が自分のテーマソングを歌うなど奇抜なものもあった)や恋愛要素を交えて描いた。忍者や武士、妖術士など特殊能力や奇妙な人格を備えた様々な人物・兵器が登場した。同誌の読者投稿欄でも高頻度で取り上げられるなど、同時期(1990年代後半)に連載していた『王ドロボウJING』や『ロックマンX』などと並び、高い人気を集めた作品である。単行本はボンボンKCとして全6巻が出たが、ほどなくして絶版。しかし、後年になって復刊を求める声が多くなり、復刊ドットコムを通じて2007年よりブッキングから全3巻で復刊された。連載終了後の2001年、山中は『ハンゾー外伝 蝦夷帝国編』という新たなハンゾーの物語を同人誌で発表してはみたいと公式ホームページ内で発言。また、ホームページでは作中では語られなかったキャラクターの過去や最終回以降の展開、マンガでは未登場のキャラクターの詳細なども紹介されている。連載終了から14年を経た2012年から続編の『おきらく忍伝ハンゾーR』が刊行されている。Rとは「ループ」と読み、本編の後日談ではなく本編最終章『魔装具編』の前に時間をループさせたエピソードである。連載分やその番外編、原型となった読み切り作品など関連作品の初出を表記。他にボンボンKC第1巻には、「ハンゾーのルーツ」として山中が中学生の頃に初めてペンで書いたという1ページの漫画が掲載。また、山中のホームページで連載されている4コマ漫画には度々「ハンゾー」のキャラクターが登場している。ハンゾーの忍びの山の忍者学校の同級生。当初、忍びの山にハンゾーを連れ戻そうと思っていたが、アヤメの「またおいで」発言により、江戸に居つき、ジュウベイの家の蔵を改装し、忍者屋敷を作り、そこに住み始める。五人衆はクロカゲ、タイゲン、ボラン坊、ハグルマ、マタキチを指す。それぞれ特色ある忍法を使う。ハンゾーを含めた6人は「心伝玉」という玉を持ち、これにより遠隔地にいても互いに通信をすることが可能である。第二部・長崎編に登場予定のハンゾーの仲間達。タイゲン、ボラン坊、シズリ、キリギリスの4人はかつて忍びの山忍者集団のリーダーであった土忍ブガンの手下としてハンゾー、クロカゲと対峙したという設定がある。明神下第三寺子屋中等部忍者科の少女達。くノ一三人娘はそれぞれフブキ、ヒデリ、ツナミをさす。リーダーであるフブキが老中タヌマの娘であるため、一応は忍者帝国の一員として分類されている。毎回起こる騒動に首を突っ込んでは話をややこしくしている。三人娘の名前の由来は天災「吹雪」「日照り」「津波」から来ている。本作における主要な敵対組織。日本を忍者だけの国にしようとするスルガ大納言を首領とする団体の総称。後述の由比卍党とは敵対関係にある。本拠は「悪死頼城(あしたのじょ~)」。首領であるスルガ大納言が気分でやっている団体であるため、本気で忍者帝国を作る気があるのか不明。なお、失敗した者はスルガ大納言によってお仕置きされる。根城である悪死頼城の名前は、『あしたのジョー』から採っている。大納言とは最終的な決着が描かれる前に連載が終了した。忍者帝国の助っ人としてハンゾー一行と戦った盗賊戦隊。「シラナミ闘傘術」と呼ばれる傘を用いたチーム戦法を得意とし、5人揃うことで強力な奥義を発揮する。由比卍党(ゆいまんじとう)はサムライによる最強の軍事国家を作ろうと企む闇元帥ショウセツの下に集った機甲軍団で、空飛ぶ黒船、旗艦キクスイを本拠としている。忍者帝国と並ぶ本作の主要な敵対組織の一つ。厳格な規律である由比卍党鉄の掟で統制されており、鉄の掟九「失敗せしものは改造によって強化とす」の下にドクターゲンパクによって改造された党員は少なくない。鉄の掟十八は「マンガを読む前に宿題をすべし」。鉄の掟四十二は「マンガ家は締め切りを守るべし!」。ナチス・ドイツがモデルとなっており、由比卍という名前をはじめ、一般兵士の姿や登場兵器の名前など戦時中のドイツをモデルとしたものが多い。最終巻では魔装具の攻撃により戦艦キクスイが甚大なダメージを負ったため、これ以上の戦闘は不可能と撤退していった。そのため最終的な決着が描かれぬまま連載終了となった。ギエモン配下の由比卍党少女部隊員達。R弐巻にておしおき中のギエモンを救うべく初登場。ギエモンより授かった科学兵器を使い、くノ一三人娘と対峙した。「色気はない、ポロリもない、不思議に自信はあるけれど」。名前の由来は久留米絣。3人の名前の一部を取って並べると井上伝となる。江戸のよーなところの隣国でかつて犬と人の間に子を成した里見の国一族の子孫。各兄弟とも身体面、知能面において人間と犬両方の遺伝子を受け継いでいる。まるっきり犬である長男・シンベエの党首即位に反発し、由比卍党の手を借りてシンベエ暗殺を目論んだ(作中での活躍については登場兵器の項・タマズサを参照)。魔人アマクサを筆頭とする妖術士軍団。1000人の妖術士が操る空中要塞「奇顔城」で世界征服を狙う。しかし、結成理由はアマクサが目立ちたいがために作られている。正月にアマクサライブを行ったりとかなり迷惑な連中。江戸のよ~なところに侵攻する前は西国で活動していた。江戸の平和を守る江戸守備隊。名前の由来は新撰組から。コンドーの台詞からヒジカタという副長らしき人物も存在することが判るが現在は不在らしく、作中に名前付きで登場するのは下記の二人のみ。九州・薩摩の国を統治する大名家。大威栄帝国のカラクリ蒸気兵襲来により、それまで険悪であった幕府と和解しようとする。島津水軍は戦闘力は高いが、構成員達は非常にガラが悪い。科学と魔法の融合した「有化実異(あるけみい)」という力を駆使する異国。世界征服をたくらむ物騒な国と認知されていたが、新女王の治世の元、侵略から産業振興へ方針を切り替えた。学天則(がくてんそく)は江戸城科学奉行のゲンナイによって開発された一連の巨大からくり武者の総称である。動力はそのほとんどが100人ほどの力士による人力機関であるが、ハグルマの手により蒸気エンジンに動力が変更されたこともある。名前の由来は学天則。それぞれのメカデザインにも元ネタがある。蟠龍機(ばんりゅうき)は由比卍党工作員六六〇壱ギエモンが、寛永寺の五重の塔を人型の巨大兵器に改造したものである。正式名は、由比卍党強襲戦略可変型巨大兵器開発番号キリ七八超機動カラクリ兵蟠龍機。武器はKA・WA・ランチャー、制空九輪鞭、ジンゴローによって彫られたネズミ退治用ねむりネコ。由比卍党の旗艦にて移動本拠となる、無数のプロペラが装備された空飛ぶ黒船。由比卍党の剣士であり機甲部隊の一人でもあるバイケンが江戸野隣村から江戸のよーなところに向けて発射しようとしていた長距離爆撃弾。ハンゾー・ジュウベイ・ヨシムネの3人によってその計画は阻止された。名前の由来は第二次世界大戦時ドイツ空軍で使用されたミサイル、V1飛行爆弾。里見七犬士用カラクリ戦車。水陸両用で、装甲は千年杉の一刀彫りによるもの。動力は4つのキャタピラの中に右前から時計回りにゲンパチ、ドウセツ、コブンゴ、アサケノが入って動かすという“ちょっとつかれるけどとっても地球にやさしい”ものになっている。彼らにほねっこを与えることで加速することが出来る。コックピットにはシノが乗っている。なお、作中ではダイカク、ソウスケはタマズサには搭乗していない。武器は前後にある回転のこぎり、前方にあるシュレッダー、そしてメインウェポンである血煙爪(ちえんそー)。コックピットの頭部にはおしゃれなアクセサリーとして犬ミミが付いている。最期は隅田川虹橋(すみだがわれいんぼーぶりっじ)に押しつぶされ撃沈。名前の由来は南総里見八犬伝の玉梓。楠太夫(ぐすたふ)は由比卍党が江戸に向けて発射するため里見の地で開発していた巨人砲。砲身は里見城に固定されており、長さは壱千米。発動するには里見家に伝わる8つの霊玉が必要とされた。装甲は急ごしらえで製造されたため伸した大仏などが使われておりボロいが、発動後はそれが割れ、眼球や皮膚が剥き出した生物的な姿が現れた。ハンゾーたちの手によって江戸のよーなところ壊滅の危機は回避。名前の由来はV1爆弾と同様戦時中のドイツ軍で使用された80cm列車砲の1台目、グスタフ。かつて魔王として恐れられたノブナガが魔界との契約によって手に入れた4つの武具の総称。普段は生物的な勾玉となっているが所持者の願いを聞く事で武器に変化する。所持者に強大な力を与えるが、その者の精神を汚染して凶戦士化させてしまう。ノブナガの死後、それぞれ宝玉に封印されて各地に保管されていた。意思を持っており、全て揃った時はアヤメのコンプレックスに漬け込んで彼女を依代にして巨大な鎧武者の姿となり破壊の限りを尽くすが、ハンゾー、ジュウベエ、ミゲル、ジャキマルの尽力でアヤメを奪い返され崩壊、核である勾玉もスルガ大納言に砕かれ消滅した。本作の最終的な敵。作中では、なぜか一部の登場人物が自分の心情をテーマにした、もしくは仲間・軍団のテーマソングなどを歌う場面があった(ほとんどの歌は作詞・作曲者の名前も載せている)。いくつかの歌は当時流行っていたポップスや既存の楽曲のパロディである。著作権は、大江戸著作権協会(日本音楽著作権協会のパロディー)が管理している設定。
出典:wikipedia
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