電子料金収受システム( :エレクトロニック・トール・コレクション・システム, 略称)とは、高度道路交通システムのひとつ。有料道路を利用する際に料金所で停止することなく通過できるノンストップ自動料金収受システムである。無線通信を利用して車両と料金所のシステムが必要な情報を交換し、料金の収受を行う。日本では一般にイーティーシーと呼ばれる ほか、「ノンストップ自動料金支払いシステム」と呼ばれることもある。2015年時点で、5000万台以上の自動車にETC車載機が取り付けられており、高速道路におけるETC利用率は90%を超えている。なお、日本では「ETC」およびETCロゴは(一財)ITSサービス高度化機構(ITS-TEA)の登録商標である。日本国外でも同様の料金収受システムが構築されている。1989年に、イタリアのアウトストラーダでテレパス (TELEPASS) という無線式料金収受システムが導入され、後のETCの先駆けとなった。アメリカでは、基本的に「高速道路」は無料であるが、一部有料道路もあり、そのほか橋・トンネルなど通行料金を設定している所でETCと同様のシステムを導入している。 全米統一システムはなく、各州が幾つかのシステムを導入しており、カリフォルニアでは「Fas Track」、フロリダでは「Sun Pass」といった具合である。最大規模のものはニューヨーク州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ペンシルヴァニア州、デラウェア州、メリーランド州、ウエストヴァージニア州などで導入されている「E-ZPass」である。ただどれも日本のETC方式とは違い、料金所にはバーがなくクレジットカードや車に特別な装置を設置することなくナンバーをカメラで読み取ったり、専用のタグをフロントガラスに貼り付けるだけで高速道路を利用できる。後日登録した預金口座から引き落とされるか請求書が自宅に届く。シンガポールの交通では日本よりも3年以上前にERPと呼ばれるシステムが運用されており、ゲートがないため停車する必要もない。NETSカードによる自動課金であり、カードを搭載していないと後日監視カメラを通じて請求を受ける。日本のETCシステムは、インターチェンジにETC専用ゲートを整備しなければならず、さらに料金割引制度を受けたい高速道路利用者が、ETC車載器・ETCカード・セットアップ費用を用意しなければいけないなど、金銭的な負担、ハード依存が大きい。そのため、世界で最も高価かつ複雑なシステムで、こんなに高価になってしまったのは、旧建設省、旧運輸省、警察庁などの省益がぶつかりあった結果で、もっと安価にすることも出来た筈だと指摘する論評もある。そのため一部の出版社や識者からは、ETC機器を製造販売する組織の既得権益ではないかという声が挙がっている。中華人民共和国でも各地で導入されつつあり、例えば北京市では、呼び名こそETCと同じであるが、料金の徴収方法が日本とは違い、後払い制ではなくデビットカードの様に「速通カード」と呼ばれるICカードに、予め人民元をチャージしておく方式である。日本では、1997年(平成9年)に小田原厚木道路小田原料金所で業務用車輛を対象に試験が開始され、2001年(平成13年)11月30日には、日本の高速道路において一般利用が開始された。日本では国土交通省が推進している。2015年(平成27年)11月末現在、日本では累計6975万台の車両にETC車載器が取り付けられた(ただし、このうち再セットアップ件数が1788万台あるので、実台数は5187万台程度であると推定される)。2015年12月時点におけるETC利用率は全国平均で90.3%であり、首都高速道路では週平均で93%を超えている。ETC車載器(以下、車載器)を導入した自動車が料金所のETCレーンに進入すると、無線通信により車載器と料金所の間で料金精算に必要な情報(車両の情報、ETCカードの番号、入口料金所、出口料金所、通行料金など)が交換される。通信が正しく行われ、情報に問題がなければ、ETCレーンに設置された発進制御棒(以下、開閉バー)が開き、車両は停止せずにそのままレーンを通過できる。ETCレーンを通過する際はETCカードをあらかじめ車載器に挿入し、車載器によるカードの認証を終えている必要がある。車載器がカードの認証を終えていない場合、または通信中に何らかの異常があった場合や情報が正しくない場合などには開閉バーが開かず、料金所を通過できない。なお、無線通行をしない場合は「一般」または「ETC/一般」の表示があるレーンを利用する。この場合、対応している有料道路であればETCカードを料金精算に利用できる(ETCレーンがない場合を参照)。車載器には、あらかじめ設置する車両の情報を登録しなければならない(セットアップ。後述)。料金所にはアンテナや車両検知器などの「路側装置」が設置されており、ETCカードをセットした車載器と交信が行われ課金情報を送信する。「路側装置」より利用明細が「中央処理装置」に送られ、課金情報をもとにユーザーに請求が行われる。また、前払い方式を導入している道路は、車両の利用区間を確認する為、料金所のない出口に「フリーフローETC」が設置されていることから、入口のETCレーンを通過した後も走行中はETCカードを抜いてはならない。通信に利用している周波数は5.8GHz帯で、ISMバンド、アマチュア無線と共用している。通信速度は1,024kbpsで、ASKを使ったDSRC(Dedicated Short Range Communication:専用狭域通信)という通信方式が使われている。高速道路本線上または都市高速の出口などに設置されている「フリーフローETC」は180km/h、料金所のETCレーンでは80km/hの速度で通過しても通信が可能である。ただし、ETCカードの挿し忘れや通信エラーなどで、開閉バーが開かなくても衝突せずに確実に停止可能な速度で料金所のレーンを通過しなければ危険である。各事業者は、ETCシステム利用規程などで定め、20 km/h以下の低速で料金所を通過するよう、周知活動を行った。しかし、速度超過でのレーン進入に起因するETCのブースや開閉バーを破壊する事例が相次いだため、NEXCO中日本を皮切りにNEXCO西日本・東日本をはじめ首都高速や阪神高速など多くの高速道路会社で、開閉バーの開くタイミングを遅らせることで過剰な速度での通行を防ぐ対策を順次実施している。一旦停止を必要とする「スマートインターチェンジ」も実用化に向けて各地で実験が進められ、その一部は2006年10月1日から恒久化されている。ETC対応レーンの路側装置は、手前進入口側より順に以下のように設置されている。ただし、これは一例であり料金が対距離料金制か均一料金か、対距離の入口か出口かによって設備構成に多少の違いがある。ETCの車載器をハードウェアの形式で分類すると、無線通信を行うアンテナ部を別ユニットで持ち、ETCカードと併せて3つのパーツから成り立つ3ピース(アンテナ分離型)と、アンテナ部を内蔵した2ピース(アンテナ一体型)の二つのタイプがある。ソフトウェアの機能で分類すると、カードの入れ忘れなどをブザーで知らせるタイプと、音声で料金などを案内するタイプの二つがある。
利用履歴を、連動したカーナビゲーションで管理できるものもある。また2009年以降、車載器のDSRC通信を利用してITSスポットでのETC2.0サービスを利用する為の機能を搭載した機器も開発・発売されている。対応車載器は「ETC2.0対応車載器」または「DSRC車載器」として従来型ETCとは差別化している。通常のETC車載器として利用できるだけでなく対応カーナビゲーションと連動させることでサービスを利用する事が出来るものや、カーナビゲーションを必要としない発話型車載器が発売されている。日本では、1997年3月に小田原厚木道路小田原料金所で業務用車輛を対象に試験が開始された。同年12月には東京湾アクアラインで路線バスを対象に試験を実施、1999年10月にはORSEが車載器と路上アンテナの相互接続試験を開始し、またデンソー製車載器が初合格した。2000年4月24日には、東関東自動車道での試験が実施され、2000年7月1日には福岡高速道路榎田出入口に試験的に先行導入。2001年3月30日に千葉、沖縄地区において一般利用が開始された。同年7月23日、三大都市圏の一部区間において、同年11月30日には全国の高速道路において一般利用が開始された。一般利用開始後も当初は、利用登録料や車載器工事費の負担があり、ETCカードの発行申し込みが必要になるなど手続きが煩雑であるため普及が鈍かった。しかし、額面が3万円や5万円の高額なハイウェイカードの偽造問題による廃止や以前の法人向け割引である別納割引に代わりETCの利用が条件の大口・多頻度割引に移行したこと、これを含め後述のETC割引制度が拡充されたこと、更には車載器の価格低下等があり、主に深夜に長時間走行する長距離トラック、それに高速バスや観光バスを中心に急速に普及した。2006年4月1日以降ハイウェイカードの利用が全面的に停止されたため、普及がさらに加速され、2014年4月現在の利用率は89%に達している。また、2012年1月1日以降 から首都高速道路と阪神高速道路 の通行料金制度が、均一料金制から距離別料金制へ移行し、ETC非搭載車の首都高速・阪神高速の通行料金が事実上値上げとなるため、ETC車のさらなる増加が予想される。詳しい通行料金制度などは首都高速道路#2012年1月1日実施予定の距離別料金または阪神高速道路#2012年開始予定の対距離料金制を参照のこと。ただ、高速道路の利用頻度が少ないドライバーやクレジットカードを持つことができないドライバーは車載器を所有しづらい。普及にも限界があり、利用率95%程度が上限であろうと考えられている。2009年3月から始まった地方高速上限1,000円割引とそれに合わせて復活した台数限定の助成制度で購入希望者が殺到。車載器の生産が追いつかない状態が続き、仕入れ価格がメーカー希望小売価格を上回るほどに高騰したため、助成がすでに終了した2009年7月時点でも入手が困難な状態が続いていた。2009年9月頃になって、ようやく需要と供給が安定してカー用品店でも在庫が目立つ状況になった。このため、2009年前半よりは入手しやすくなっている。2010年時点でのETC設置費用は、ETC車載機が6,000円~8,000円(売れ筋価格帯)、セットアップ料金3,150円、自動車への取り付け工事費3,000円~5,000円、合計で1万3,000円から1万5,000円程度である。民主党は高速道路無料化をマニフェストで提唱し、2010年度には高速道路無料化社会実験を一部路線で実施した。完全無料化が実施されると、無料化対象外の都市高速道路や地方道路公社路線を除いてETC車載器の需要がなくなるため、メーカー側は政権交代前後の時期に生産を控えていた。2011年8月現在では東日本大震災の影響もあり6月まで実施されていた上述の高速1000円社会実験も停止された。車載器には、あらかじめ設置する車両の情報を登録しなければならない。これをセットアップといい、車載器がセットアップされていない場合、無線通行は利用できない。車両の入れ替え、車載器の譲渡などで車載器を別の車に移す場合には再セットアップ(作業自体は通常のセットアップと同じ)を行う必要がある。セットアップが行ってあればどのETCカードでも利用可能であり、料金は利用時に挿入されているETCカードの契約者が支払う。なお、セットアップは有料で、セットアップ店というITS-TEAに登録された店舗でしか行えないようになっている。セットアップ方法は以下の2通り。セットアップは以下の流れで行われる。開閉バーは通信不良や車載器・路側機の故障・装着ミスなどで開かないことがある。また、環状のルートを経由しUターンしたような状態で、最初に入ったICから出るか、進行方向が限定されるICにおいて車両の走行ルートとの整合がとれない場合も開閉バーは開かないことがある。車両が電波を乱反射させることによって起こるマルチパス、利用の周波数がISM機器やアマチュア無線と共用のために起こりやすい混信によって通信不良があり、常に確実な通信ができることは保証されていない。さらに、ETCカードの入れ忘れや有効期限切れなどでバーが開かず、後続車に追突される事故も発生している。利用規程には、開かない場合に衝突しないように通行するよう定められており、開閉バーが開かずに衝突などの事故が発生した場合、開かない原因が運転者にない場合でも事故の責任は一般に運転者が負う。例えば開閉バーを折損した場合、標準的な物で1本あたり6万5,000円を請求されることがある。なお「ETCゲート車両損傷お見舞金制度」のあるETCカードもある。また、安全速度の20km/hを越えた危険な速度で通過しようとしてバーが開かないために急ブレーキをした場合、違反行為となる。これによって後続車が追突した場合、交通事故の刑事、民事、行政責任を問われる。また、追突した側も責任を問われる。安全な速度でETCレーンに進入することのほかに、進入前に何らかの方法で車載器がカードを認識しているか確認する必要がある。また、一部区間では、ICの直前にカード未挿入を知らせるためのアンテナが設置されている場合もある。また、NEXCO3社では安全対策として、ETCレーンのバーの開閉速度を0.5〜1秒遅くし、過剰な速度での通行ができなくする対策を2009年3月下旬から順次開始した。料金所の構造によっては、交代などで収受員がレーンを横断する場合がある。その際通過する車両に接触、衝突される事故が2001年のETCシステム稼動(導入)以来2006年までに27件発生し、この中には死亡事故も含まれている。2009年現在、各高速道路会社は対策として、収受員専用の歩道橋や地下通路を料金所に設置する等の料金所安全対策工事を進めている。ETCカードはキャッシュカードの国際規格(ISO/IEC 7810 ID-1)と同等サイズのプラスチックカードにICチップと車載器との接続のための端子を埋め込んだ物である。ICチップにはあらかじめカード固有の情報が書き込まれている。また、ETC利用時に必要な情報について、車載器がICチップの情報を読み書きする。料金の履歴を保存することができ、この履歴は車載器の操作で合成音声で読み上げたり、専用のプリンタを用いて明細を印字することができる。ETCカードには以下の種類がある。クレジットカードの発行会社が、ETC利用者に貸与するETCカード。次項のETCパーソナルカードが登場するまで、個人の利用者はETCクレジットカードを利用するしかなかった。クレジットカードの契約ができない、あるいは契約を望まない高速道路利用者からの、ETCを利用したいと言う要望に応えて企画された、ETC利用者識別情報カードである。ETCシステムの全国一般運用開始からほぼ4年後の2005年11月29日、発行が開始された。高速道路6社 が共同で発行し、ETC利用者に貸与する。通常クレジットカードの発行に必要な「審査」に代わり、デポジット(預託金)を預託することで発行されることが、一般のETCカードとの違いである。NEXCO各社が発行し、大口・多頻度割引の利用者に貸与するETCカード。ETCの設備を備えた車線(ETCレーン)は以下の形態で運用される。単にETCレーンという場合、「ETC専用」および「ETC / 一般」で運用されている車線を指す。登場初期は「ETC」(「専用」などの表記なし)と表示されていた。ほとんどの料金所には、ETCレーンの方向予告標識と車両を誘導する舗装がある。誘導舗装の多くは「^」型が薄青色の地に白色で表示されている()標示である。また一部のインターチェンジの入口ランプウェイ・出口付近やサービスエリア (SA) ・パーキングエリア (PA) の出口付近にはETCカードの未挿入を警告する予告アンテナが設置されている。さらに一部の本線料金所には、車線運用を予告する表示器が前述の方向予告標識の上部に設置されている。ETCに対応している有料道路において料金所にETCレーンがない場合、またはあっても利用できない場合、もしくはやむを得ず「一般」レーンを利用する場合は、以下の手順で通行すればETCカードで料金の精算ができる。ETCに対応している有料道路において、下記のような理由においてETCレーンが閉鎖される場合がある。1の理由による場合が最も多い。首都高速では、ETCカードの未挿入によるものが54%、車載器未搭載車両の誤進入が32%、ETCカードの有効期限切れが8%を占めており、この3原因で94%にのぼっている。また、3,4の理由による場合はNEXCO・都市高速各社または地方道路公社各社の公式サイトでETCレーン閉鎖情報がリリースされる。ETCレーンが閉鎖されている場合、赤信号が点灯し、黒幕〈〉の表示や白背景赤字で「」もしくは黄色背景黒文字で「」と表示される。または、一部の都市高速では「」印表示の色違い点滅や、黄色背景赤文字で「」(福岡都市高速及び北九州都市高速の場合)・赤背景白文字で「」(名古屋高速の場合)・上部に黒背景赤文字で「」、下部に「」(阪神高速の場合)と表示される。前述のノンストップタイプとは別に、通過時に一旦停止を求められるタイプのものもあり、それらはスマートインターチェンジ(一部除く)やETC対応駐車場などで運用されている。料金所設備構成としては通常のものと比べ、発進制御棒の仕様が違っていたり信号灯や運用表示部がない(一部を除く)など簡素な造りとなっているのが特徴である。高速自動車国道と都市高速道路ではETC整備が完了しており、すべての料金所でETC無線通行またはETCカードでの支払いが可能となっている。しかし、それ以外の有料道路ではETCカードすら利用できないところが多い。以下にETCが利用できない主な道路、料金所を挙げるが、これらは例示であり、すべてを尽くしているわけではない。特に道路公社管理の有料道路の多くでは利用できないと考えたほうがよい。外見はNEXCO管理の高速道路や有料道路のように見えても、実際の管理は各府県の道路公社が行っている場合もあり、ETCの利用可否を事前に確認する必要がある(ETCが使えない道路では起点や料金所手前予告標識に「ETCは利用できません。」と書いてあるところもあれば、料金所で初めてその旨の標識を置いている所もある)。料金所にETCレーン及びカードリーダー機器が未整備のため、ETCの利用ができない。以下は、2014年3月現在の状況。ETCレーンが未整備のため、料金所内で一旦停止・料金所係員への手渡し(あるいは自動収受機併設のカードリーダーにカードを挿入し精算)での処理のみであり、ノンストップでの通行はできない。このうち京奈和自動車道・京都縦貫自動車道・椎田道路のETCレーン未整備の料金所では、ETCカードでの支払いによって各種時間帯割引の対象となる。以下は、2016年8月現在の状況。2013年現在、二輪車用車載器は日本無線(JRC)とミツバサンコーワが開発し、販売している。ETC車載器を販売しているバイクメーカー等は同社からOEM供給を受けている。発売当初はアンテナ分離型の1機種のみであったが、アンテナ一体型の機種が2008年10月に発表された。車載器の取り付けは、車載器取扱店で行う必要があり、四輪車のようにセットアップ済車載器を購入して利用者が取り付けることは認められていない。また、ETCカードの発行・車載器の取り付け・セットアップが1か所で完了するETCワンストップサービスも行われていない。ORSE(道路システム高度化推進機構・当時)及び各道路会社による期間限定で車載器導入の助成措置が行われていたが、それでも導入コストが高く、四輪車用車載器で見られた0円キャンペーンなども行われなかった。このように四輪車に比べてETC導入時のコストが高く、セットアップ時のサービスが悪いこともあって普及率は低い。二輪車ETCの一般運用が始まった翌年の2007年に行われた日本二輪車協会(現:全国二輪車安全普及協会)のアンケートで「ETCを利用している」と答えたのはわずか8.3%であった。また、2013年時点で四輪車は87.6%の普及率に対し、二輪車は13%程度にとどまっている。これに対して国土交通大臣が、二輪車のETC利用の推移が「極めて低い」と普及が遅れていることを認め、普及促進について発言がなされた。四輪車のETCと同じシステムを使用しているため、ETCに対応している道路は四輪車と同様に通行することができる。何らかの理由でバーが開かなかった場合、後続車の追突が重大な事故につながる危険性が高いため、二輪車用のレーンを設置している料金所もある。通常の四輪車用レーンを通過する場合は、エラーの発生時に通り抜けられるよう、バーの隙間部分を通行するのが好ましい。なお、エラーが発生した場合は通過後、安全なところに停車し申告することが求められる。2001年に四輪車のETC一般運用が開始されてからも、二輪車におけるETCの運用は目処が立っていなかった。同乗者がいたり、あらかじめダッシュボード等に通行券や現金を用意できる四輪車と異なり、二輪車での手渡しによる料金支払いは面倒であるため、二輪車へのETC導入を求める声は大きかった。ETC利用の料金優遇が、ETC車載器による無線通行のみに限定され、ETCカードを手渡ししての支払いは対象外になった結果、時間帯によっては割引が適用された大型車よりも、車載器が存在しない二輪車の通行料金の方が高額となっていた。特例措置として2007年11月30日まで、二輪車の利用者は一部のETC割引を車載器なしで受けることができた。なお、車載器を持たない利用者向けのETCマイレージ割引の新規登録は2006年11月30日までで終了している。二輪車用車載器は、小型で防水性・耐振動性を備える必要があるため、技術的課題が多くコストがかさむ。しかも、ユーザー数が四輪車よりも少なく市場規模が小さい。そのため、積極的に開発に取り組んだメーカーは少なく、二輪車用ETCを発売したのは当初JRC1社のみだった。エラー時に開かなかったバーへの接触転倒を防止するため通過が可能なようにバーを短くし、二輪車専用レーンや誘導標示などの改修をおこない、四輪車の一般運用開始から3年以上が経った2005年4月28日、バイク便などのプロライダーが参加しての試験運用実施 ののち、同年11月1日、道路新産業開発機構(HIDO)がおこなった、首都圏・名古屋圏・近畿圏の三大都市圏で5,000台の一般モニターによる試行運用を経て、四輪車から遅れること約5年後の翌2006年11月1日に一般運用が始まった。ETCレーンでの不正通行は以下のように3分類される。うち、強行突破が9割程度を占める。ETCがあまり普及していなかった2001年度の不正通行車は、以下いずれも延べ数で、日本道路公団で9万9,276台、首都高速6万6,160台、阪神高速11万7,146台、本四連絡橋813台で、合計28万3,395台だった。ETC通行車両全体に占める不正通行車の率(不正通行率)は0.1%程度であり、鉄道におけるキセル乗車率に比べると相当小さいものである。国交省によれば、高速道路の不正通行件数は2001年に約28万3,000件、2003年度に約47万1,000件、2004年に約69万件、2005年に94万8,000件と急増。2006年にはETC利用率が2001年度の利用の60%を超え、約96万1,000件となった。これはETC専用ゲートの設置により心理的に料金所の突破がしやすくなったためではないかとされている。また、2010年に入って、前方を走る車(主に大型自動車)にピッタリと付く形で追走する、俗に『カルガモ走法』と呼ばれる手口で、ETCの支払いを免れていた人物が逮捕されている。以上のような不正通行により、道路整備特別措置法違反(30万円以下の罰金)や電子計算機使用詐欺で検挙・書類送検・起訴される事例が発生している。京都市内の僧侶がETCの不正通行を行ったとして検挙された事例では、一審の京都簡裁は、故意に不正を行ったかには合理的疑いがあるとして被告人を無罪としたが、二審の大阪高裁は、カードが誤って挿入されていたことに気付くことは可能だったとして、被告人の故意を認定し、罰金200万円の逆転有罪判決を言い渡した。さらに2013年2月に最高裁で確定した。NEXCO各社管轄の高速自動車国道や首都高速等の高速道路をETC搭載車が、ある特定の条件で利用すると通行料が割引になる。国土交通省が創設し、2005年4月28日から2008年度まで毎年施行されていたETC車載器購入者を対象とした助成金制度。「四輪車ETCらくらく導入キャンペーン」と銘打って行われており、平成20年(2008年)度は7月31日まで、先着20万台限定でETC車載器1台当たり5,250円の助成金を給付することとされたが、同年6月5日に20万台に達したため、このキャンペーンは終了した。実際の運用としてはETC車載器リース制度取扱い店が購入者に代わって助成金を受け、その分購入者に割引して販売しているケースが多かった。なお、リース制度という名称となっているが、実質は割賦・分割販売がほとんどであり、助成金給付の条件としては「2年以上、2回以上の支払い」となっている。同様の制度は二輪車でも行われていた。2006年11月1日 - 2007年1月31日の期間限定で、限定数はなく、ETC車載器1台あたり1万5,750円の助成金を給付された。「二輪車ETCらくらく導入キャンペーン」と銘打って行われており、2008年度は2009年1月30日まで、先着2万台限定でETC車載器1台あたり1万5,750円の助成金を給付する。当初は1万台限定だったものが、好評だったために、六会社からの協力を得て1万台を追加したもの。この二輪車対象の助成制度も、2008年10月14日に終了した。また、2009年3月12日より高速道路交流推進財団による助成制度が施行された。助成額は2008年までの助成制度と同額の四輪車5,250円、二輪車1万5,750円。四輪車に対する助成は115万台に達したので、2009年4月28日に終了した。二輪車に対する助成も5万台に達したため、同年7月9日に終了した。二輪車に対する助成制度は継続的に実施されており、告知された場合、主催者の予想を上回る速度で申し込みが発生し、予定台数を早々と達成して早期終了することが多い。2016年に実施されたNEXCO三社が主催した二輪車向け助成キャンペーンでは、ETC車載器1台の新規購入に対して15,000円を助成するという内容で、先着50,000台の枠が用意され、4月26日より受付を開始したが、6月末には早くも助成枠が払底する状態となった。しかし、7月以降に日本無線からETC2.0対応機器の発売があったことなどを理由に予定台数を超過している中で受付を引き続き行い、8月31日まで受け付けた分については台数にかかわらず助成金を交付する旨の発表を行っている。ETCを使用した決済システムは有料道路以外でも一部に導入例がある。2003年9月から、丸ビル駐車場にて初めて導入された。また、2005年より駐車場ETC社会実験を実施しており、現在では会員登録の上で、3箇所にて利用可能である。パーク24も「タイムズETCサービス」を開始している。阪神高速道路でも「まちかどeサービス」を開始した。その他、ガソリンスタンド、乗船などでの決済にも利用されている。ファーストフードのドライブスルーなどでも実験が行われている。デンソーとパナソニックの上位2社でシェア6割を占める。以下は、自社製造ではなく、OEM供給を受けて販売している。
出典:wikipedia
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