ゴルゴ13( - サーティーン)は、 さいとう・たかを作の劇画『ゴルゴ13』に登場する超A級スナイパー(狙撃手)の主人公で架空の人物。以下のサブタイトルの作品が載っている本はゴルゴ13のエピソード一覧を参照。出生については作品の中で複数の説や憶測が語られている。上記のことより、ゴルゴ13の生まれた年は、1930年代後半から遅くとも1940年代前半までであろうことが推定される。これは、ジョン・F・ケネディ暗殺(『統計解析射撃』など)や、ダグ・ハマーショルド暗殺(『300万通の絵葉書』)もゴルゴの仕業と噂されることから、「1960年代当時で、彼が20代」であると仮定すれば、逆算するとやはり1930年代後半生まれということになるが、作品の連載が長期に渡ったことから、ゴルゴ13の年齢設定は完全に破綻しており、これは作者自身が認める所である。以上、接した者に強い印象を残し、また分析しようとすると極端すぎるという、相反を併せ持つ性格の持ち主。作中、ゴルゴの分析にあたったFBI主任捜査官は、「社会不適格者(ソシオパス)」と総括した。上記のゴルゴの性格は、長期に渡る漫画連載によって形成された物であり、初期作品においては後年での作中描写とは違っている点がある。当作品に限った話ではなく、長期連載作品の宿命とも言えるものであるが、若く未熟だったゴルゴが歳月を経て成長したとも解釈できる。作者によれば、ゴルゴが無口になったのは「ゴルゴ自身で語らせるよりも周囲の人間に語らせたほうが面白い」という作劇上の都合である。なお、無口がゴルゴの性格として定着した以降においても、ストーリー上の都合でどうしてもゴルゴに語らせる必要がある場合、稀にゴルゴが饒舌になることがある(『百人の毛沢東』において、ターゲットである漢卑将軍を殺す直前の会話、など)。その他:トルコ産のトレンドの葉巻(『黒い熱風』より)、または紙巻タバコ。黒のアタッシェケース。劇画の中では、「英国王室御用達のブラウン・ウインザーの石鹸」と説明されている。しかし、ここ数十年間、実際の英国王室御用達の石鹸ブランドは『BRONNLEY of LONDON』と『D.R.HARRIS』の2社。自分のルールを厳格に守り、生き抜くことを第一に考える。仕事は完遂するために最大限の努力をする。本人の意向もあり、一般人には知られていない。公にしようとした者は阻止される。各国の権力者、軍事・警察関係者の重要人物には知られているが、それらの組織の中でも下の方の要員には知らされていない。常に一人で行動する。2015年末においても家族は登場していない。ただし、家族である可能性のある者(または血縁者である旨を自称する者)は登場している。ゴルゴが自ら友人であると述べた人物はいないが、ゴルゴを友人であると述べた人物はいる。概略を以下に述べるが、各キャラクターの詳細は別記事を参照。ビジネス上の付き合いをしている者の中には、ゴルゴ13と特に親密な関係を持つ者もいる。以下にその例。各国の首脳から財界人、軍人、同業者、犯罪組織、犯罪者、老人、子供まで。階級、人種、性別、職種、思想、宗教を全く問わず非常に幅広い。本人曰く、「他の手段ではどうしようもない状況だから依頼に来る者が多い」とのこと。本人のルールに抵触しなければ依頼人となることができる。また、本人のルールに抵触した場合、それは死への報復につながる。特殊技能(変装)、武器の調達、情報収集など、また必要と判断した際にその分野の中でもさらに優れたプロに委託したり、直接師事し教えを乞おうとする。秘密厳守で、必要な情報以外は用途すら知らされないばかりか、ゴルゴの正体すら知らない場合も多い。引き受ければ過分な報酬をもって報いる。また、非常事態に備えて各地に保険的な意味合いで雇っている者が多数いる。滅多に連絡することはないが、万が一の時は連絡があったら24時間いつでも理由を聞かずにゴルゴを助けることを条件に、平常時から多額の報酬を支払い続けている。ひどく無愛想な性格でありながら女性には好かれ、性関係を持つことも多い。また、しばしば仕事の前に娼婦を呼ぶことも。売春宿に宿泊することも多いが、これは仕事に関連した情報を娼婦から集めるという目的もある(『ラオスのけし』)。しかし相手を受け入れるには基準があり、基本的に高飛車な女は嫌いである。作中でゴルゴよりも射撃や格闘面で優れているか、対等な技量・能力を持つ可能性のある人物が存在する。なお、下記の人物は全て作中で死亡しており、1人(東堂高志)を除いて全てゴルゴ13に抹殺されている。以上のように万能と言える才能の持ち主であるが、ゴルゴ13の能力の真骨頂であり、彼を世界最高と言わしめているのは、やはり長距離狙撃・ロングキルである。ゴルゴの対人狙撃は、ほとんどが頭部への狙撃、いわゆる「ヘッド・ショット」である。作中においてもゴルゴの狙撃と特徴とされ、ゴルゴを模倣した狙撃手がヘッド・ショットを敢えて多用した例もあった。基本的に拳銃以外の銃器は携行せず、狙撃に使用する小銃などは別の手段で目的地に運搬し、必要に応じて試射する。連載開始直後の頃は、宝石箱、螺旋ネジ製作機械、碍子などの商品サンプルに偽装して銃を小包で送り、現地で組み立てることもあった(『ビッグ・セイフ作戦』など)が、偶然輸送車が襲われた結果、銃が第三者の手に渡るというトラブルが発生している(『暗い街灯の下で』)。主に携帯しているのはスミス&ウェッソン社製の短銃身タイプのリボルバーである。主に使用するライフルは、狙撃用へとカスタマイズされたアサルトライフル「アーマライトM16」。この銃は軽量自動小銃としてデザインされ、他のアサルトライフルと比べて命中精度は優れているが、ボルトアクション方式の狙撃銃とは命中精度・有効射程・殺傷力の面で劣っているため、必要とあればボルトアクション方式の狙撃銃を使用し、アンシュッツ製や、ウルティマ・ラシオ、カルカノなどの使用歴がある。また特殊な狙撃銃としてソ連製のメドヴェージ三連銃(劇中のセリフによると9mm口径で、名前から3点バースト射撃が可能な模様)なる銃を用いたこともある(『マイアミの奇跡』)。その際の選択基準は、命中精度や信頼性を重視していることが窺える。射程は600〜1000m。なお、第100巻339話『傑作・アサルトライフル』以降は、M16の新型のアーマライトA2に切り替えている。何故1960年代に登場した(しかも狙撃銃ではなく)アサルトライフルであるアーマライトM16を今日に至る長期にわたって狙撃に愛用しているのかという理由は、作中でも軍事関係者や銃器設計者達の議論や詮索の対象となっている。またゴルゴが愛用しているという理由でM16が世界の銃器市場で過大評価されているとされており、その評判を失墜させてシェアを奪おうと欧州やロシアの武器製造・輸出関係者がゴルゴ打倒に挑んだ事がある(『傑作・アサルトライフル』、『激突! AK-100 vs M-16』)M16採用の理由として、作中のゴルゴは「自分一人しかいない軍隊」だからだと述べている(『激突! AK-100 vs M-16』)。要するに、M16の狙撃銃として至らぬ点は自身の腕で十分カバーができるため、それよりも不測の事態(狙撃現場を強襲された場合の迎撃のしやすさ、故障があった場合の予備部品の入手が比較的容易なこと等)の利便性を考慮しての選択である。多数登場するM16の中には違う銃があることは作中で描写されている(別の職人・商人から調達。あるいは軍で使用しているM16をそのまま借用するなど)。実際、武器そのものに対する執着は特に見せてはおらず、必要とあれば廃棄することもいとわない(M16そのものに対するこだわりがあるわけでもなく、「M16は一般的な武器としては近い将来に淘汰される物」とも語っている)。また、幾多の狙撃を遂行しているが、現場に残った銃弾のライフリングによる同一銃による犯行の線は作中で1度しか描かれていない(『さらば愛銃』にて、ゴルゴが以前に『Dr.V・ワルター』で使用したものであると条痕から確定される銃が登場する)ため、依頼(あるいは場所)によって複数の同じ銃を使い分けている可能性もある。ただし新型のアーマライトA2については、作中で初めて使った際はスイスの銃職人・ベリンガーが8年の歳月を費やした特製品と描写されており、それ以降、それ以外の銃職人や商人からA2を調達した例は作中にはない。また、何らかの判断で通常よりも倍率の大きい超長距離狙撃用のスコープを用意したがトラブルで手元に届かなかったり(『禁忌のスコープ』)、ストック作りの名人がかつての職場を引退し、長年連れ添った妻が死亡して世間との接点が少なくなったのを見計らってストックを作るよう頼み、期待通りの品を入手したこともある(『STOCK』)。この他、必要と判断すればM203 グレネードランチャーも装着して使用する(『バイオニック・ソルジャー』、『世紀末ハリウッド』等)。一方で、標的を油断させた上で仕留めるための罠として、M16自体を暴発爆弾として使用したり(『独裁者の晩餐』)、問題を解決するために止む無くM16を用いた結果、破損して使い物にならなくなったこともある(『マンモスの牙』)。実在する対物ライフルは滅多に使用せず、敵が対物ライフルを所持していても自身は使わなかったほど(『新法王の条件』『スナイパーたち』)。唯一の使用例は「ツルベロの14.5mm」だが、これは現地調達したものであり、あえてゴルゴが選んで事前調達したものではない。ただし依頼人から依頼内容を聞き、なおかつその時に依頼人から教えられた「どんな武器でも選り取り見取り」な場所から選んで調達した武器ではある(『顔の無い男』)。架空の銃としては、デイブが製作した150ミリの装甲を貫く特製銃が、通常の対物ライフル並みかそれ以上のサイズである。この銃は戦車砲の滑腔砲とAPFSDS弾の原理を狙撃銃に応用した、デイブの完全オリジナル。なお、対物ライフルは軍や警察では長距離狙撃に利用されているが、発射音や巻き上がる煙が凄まじいため、ゴルゴのように隠密性を重視する暗殺などの用途には向かず、銃自体も非常に大型のため秘匿しての運搬が難しい。唯一の例である「ツルベロの14.5mm」の使用時は、砂漠の中であり、発射音を第三者に聞かれる可能性がまずない状況であった。ディブが製作した特製銃も、発射音が凄まじいことが作中で描写されている。対物ライフルに準ずる大型銃として、象撃ちに用いられる大威力の猟銃を使用したことがある(『陽気な狙撃者』)。状況により各種銃器や野砲や無線爆弾などの陸上兵器にとどまらず、F15、F-104などのジェット機や、回天などの潜航艇など、陸海空問わず武器を使用する場合がある。なお、ゴルゴは「銃とは自身の欲望や興味を満たすための物でなく、仕事を遂行するための道具」だと定義している。また必要とあらば、銃が手元にあってもあえて状況を乗り切るべくナイフを使ったり(『呪術の島』)、標的に人ごみに紛れて背後から接近して「死の宣告」をした上でナイフで背中を刺して殺害したこともある(『焼けただれた砂』)。さらには太極拳の使い手に成りすましていた時には素手で修羅場に挑んでいるが、最後には拳銃を用いたケースもある(『チャイナ・タウン』)。ゴルゴ自身の主体的選択でなく、依頼者の要望に基づき、火縄銃を狙撃に用いた事もある(『史上初の狙撃者 ザ・ファーストスナイパー』)。使用する物は全て信頼性を重視しており、一例として『使用する弾丸は不発弾や精度不良を極力避けるために、100発中ランダムに抜いた80発を試射して全て異常なしなら残り20発を使用、1発でも不良なら100発全て破棄する』という手順を踏んでいる。こうすることで不発弾の発生を限りなくゼロに近づける(『アクシデンタル』ではそんなゴルゴの弾丸の中から不発弾が発生。これが自然に出た物ならば良いが人為的な物であれば自らに対する挑戦であると考え、ゴルゴは一時仕事を中断して徹底した調査に乗り出した)。また愛用銃をM16A1から改良型のA2ベースに切り換えたのも、アメリカ軍がA2を正式採用してから10年以上経って信頼性が十分実証された後のことであった(『傑作・アサルトライフル』)。もっとも信頼する職人・ディヴについては例外であり、初体面・初依頼時にはヘンメリーワルサーカスタム(超ロングマグナムカスタム弾)を注文し改造させる際に、1発しか作製されなかった(ただしこれは「3時間でやれ」という無茶な依頼のため)(『AT PIN-HOLE!』)。後に、特製銃の製作を依頼した時は弾丸は5発のみしか渡されなかった(試し撃ち用が1発、本番に4発で、余裕が全くない)が、ゴルゴはそれをよしとした(『宴の終焉』)。ただし緊急時には、敵から奪ったり、敵地で調達した銃を点検せずに発砲することもある(『ゼロの反撃』、『マンモスの牙』等)。また、銃は敵地で調達したが、弾丸は前もって自前で用意した物を使ったケースもある(『人質 HOSTAGE』)。ゴルゴへの連絡ルートは、手紙を出す、カジノに行く、無線を使うなど複数ある。依頼者とゴルゴの間には中継者がいることが共通しており、基本的に依頼者から直接の連絡はできない。報酬は必ず前もって決定し、成功報酬などの分割や追加謝礼は基本的に認めない。入金が確認され次第任務を開始する。任務が終了しても依頼人へは基本的に連絡しない。依頼の遂行と同時に依頼人とは一切無関係となる。ただし何らかの事情で任務遂行の必要がなくなった場合(上記にあるゴルゴの実行前に第三者がターゲットを殺害した場合など)や標的の正体が間違っていたり、標的の行為などに依頼者が思い違いをしていた場合は、任務終了後に電話連絡したり、または自ら赴いて報酬を返却すると同時に報告を行うこともある(『ロックフォードの野望』など)。なお、任務遂行の報告を依頼者に行い、あえてルールを破っての気遣いをした事を依頼者に感謝された事が一度だけある。この時は任務達成時の「ボーナス」として、依頼者(女性)から自分の身体を提示されており、ゴルゴはそれを断っており、あえてルール破りを行ったのはその事と関係があると思われる(『オクトパスの疑似餌』)。以下の場合は制裁と称して対象者を抹殺する(事前に警告を入れる場合もある)。上記の通り、ゴルゴに敵対及び存在を脅かす対象は個人、組織に関係なく、その脅威が排されるまで徹底的な殲滅を行い、状況により核の利用もありうる。想像できないほどの莫大な財産があると思われる(判明した中で過去最高額は200億ドル以上(約2兆円)『潮流激る南沙 G資金異聞』)。ただし単純な請け負った仕事の報酬の合計ではなく、スイス銀行の資産運用によって財産を殖やしていることが、作中でも示唆されている(スイス銀行への預金は利子はつかないので、預金を増やすには資産運用を依頼する必要がある)。さいとう自身が語るところによると「東郷」の名は、作者の中学時代の恩師の名前から取ったとしている。また、連載当初のゴルゴ13の容姿のモデルは高倉健であったが、連載がすすむに連れ連載40周年の際にインタビューを受けたさいとうは、ゴルゴを「僕にとっては凄く言うことを聞いてくれる役者」と形容し、また2008年現在に実写化するならば、ハンマー投げ選手の室伏広治が適任であると語った。
出典:wikipedia
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