『電送人間』(でんそうにんげん)は、1960年に東宝が製作した特撮スリラー映画。 英題は、 "The Secret of The Telegian" 、 "The Telegian" 、 "The Electrical Facsimile" 、 "Transmission Man" 、 "The Telegraphed Man" など。上映は1960年4月10日。併映は宝塚映画作品『爆笑嬢はん日記』(主演:佐原健二、監督:竹前重吉)。『美女と液体人間』に続く変身人間シリーズの第2作。検討用台本の段階で「怪奇空想科学映画シリーズ」と銘打たれており、第3作『ガス人間第一号』も本作とほぼ同時期に検討用台本が完成しているなど、当初よりシリーズ物として製作が進められた。原作表記は無いが、海野十三が「丘丘十郎」名義で発表した小説『電送美人』が下敷きになっていると考えられている。本来は本多猪四郎が監督を務めるはずであったが、『日本誕生』の製作遅延により順延となった『宇宙大戦争』の製作に追われていたため、『空の大怪獣ラドン』などで助監督を務めた福田純が監督に選ばれた。特撮班も『宇宙大戦争』の後に『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』が控えていたため、その合間の年末年始にかけて特殊技術の撮影が行われた。本作が監督作品2作目である福田は概ねの好評を受けたことで、以降もアクション作品を中心に監督していく。主演の鶴田浩二は福田の助監督時代から親交があり、本作の主演は彼がキャスティング作業を始める前に決定していた。後年、福田は鶴田との関係を知っていたプロデューサーの田中友幸の配慮があったのではないかと述べている。電送人間を演じた中丸忠雄は「お化け役」のように感じたそうで、当時に試写を見て「とんでもない作品に出てしまった」と真っ青になったという。そのため、田中が「『ガス人間第一号』のガス人間・水野役をやってくれないか」と声をかけてきたときは思わず断ってしまい、しばらく干されてしまったという。本作品における重要な道具立てとして「物体電送機」が挙げられるが、この機械自体は当時のSFとしてそれほど珍しいものではなかった。本作以前のアメリカ映画『ハエ男の恐怖』に同様の機械が登場しているが、円谷英二は「物体が電送される原理を観客に眼で見て解らせる」ための映像を作り上げることにこだわった。そのヒントとなったのが、当時多くの映画関係者が「電気紙芝居」と呼んで馬鹿にしていた「テレビ」である。当時のブラウン管方式のテレビ映像は画面上にある「走査線」と呼ばれる細かい横縞模様に沿って管内の電子ビームが映像信号をスキャンしていくことによって映像を再生していたが、送受信の不具合によっては乱れた縞模様が発生する場合があった。円谷はこれに着目し、電送人間役の中丸忠雄の上に光学合成で青白く光る細かい横縞模様を焼き込み、「脳天から足の爪先へと徐々に消えていく」という映像を完成させた。また、電送機で瞬間移動した直後の犯行中でも、ときどき全身に横縞模様が走ってバリバリと雑音を発するという、芸の細かいところを見せている。姿なき犯人に銃剣で刺殺されるという不可思議な銃剣魔連続殺人事件が発生。事件を追う新聞記者・桐岡は現場に残された遺留品クライオトロンから物体電送を研究する仁木博士の関与を推察する。その過程で敗戦時に博士の護衛を務めていた須藤兵長の存在が浮かび上がり、一連の銃剣魔事件が電送装置による須藤の復讐計画である事が判明する。実は須藤は、敗戦時のどさくさにまぎれて軍の資金と金塊を横領した元上官や同僚から、口封じのために仁木博士ともども殺されかけた過去があった。戦後は博士と2人で軽井沢の小谷牧場でひっそりとくらし、博士の研究完成を機に次々と復讐を果たし、最後のターゲットである元陸軍中尉大西正義に迫る須藤。命を狙われた大西は愛知県知多半島の小篠島の別荘へ身を隠した。それを察知した捜査陣も須藤を現行犯逮捕すべく、大西の別荘へ急ぐ。※映画クレジット順※映画本編クレジット順※以下クレジット表記なし2005年5月27日に東宝よりDVDが発売された。オーディオコメンタリーは中丸忠雄。
出典:wikipedia
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