ケイリー・ハミルトンの定理(ケイリー・ハミルトンのていり、Cayley-Hamilton theorem)、またはハミルトン・ケイリーの定理とは、線型代数学において、実数体や複素数体を含む可換環上の任意の正方行列が満たす定理である。アーサー・ケイリーとウィリアム・ローワン・ハミルトンにちなむ。"A" を "n" 次正方行列、"I" を "n" 次単位行列とすると、"A" の特性多項式は行列式を使って次のように定義される。行列の成分は λ の多項式であるから、行列式もまた λ の多項式となる。この多項式の λ を行列 "A" で置き換えた結果は零行列になる。行列 formula_3 の余因子行列を formula_4 で表すと次が成り立つ:行列 formula_6 の第 formula_7 成分を formula_8 , 行列 formula_4 の第 formula_7 成分を formula_11 と書いて上式を成分ごとに表す:多項式 formula_13 の変数 formula_14 に行列 formula_6 を代入する:行列 formula_17 の第 formula_18 成分を formula_19 、行列 formula_20 の第 formula_18 成分を formula_22 と書いて上式を成分ごとに表す:ここで formula_24 とおき formula_25 について 1 から formula_26 まで足し合わせて次を得る:行列 formula_28 の余因子行列を formula_4 で表すと formula_30 が成り立つ。formula_31 とおく。また、formula_4 の各成分は formula_14 の formula_34 次以下の多項式なのでformula_35 と表せる。formula_37 の各係数を比較して次を得る:これより次を得る:"A" を2次正方行列、"I" を2次単位行列とすると、"A" の特性多項式は以下で与えられる。ケイリー・ハミルトンの定理によれば、次の等式が成り立つ。アイルランドの数学者ウィリアム・ローワン・ハミルトン(1805-1865)は、高次元複素数―四元数―の発見で有名であるが、この仕事は直接行列との関連はなかった。事実彼は行列の研究に深く関わっていない。しかもハミルトン自身も自分の仕事の本質についてよく理解していなかったとすらいわれている。ハミルトンの研究の真の意味を理解した一人がアーサー・ケイリー(1821-1895)である。彼はケンブリッジ大学を優秀な成績で卒業し、数々の研究業績を残したが、奨学金の年限が来たことで法律家への転向を決意する。しかし、彼は法律家を目指し勉学に励みながらも何度も数学の講義に出席していた。ダブリンにまで足を運び、ハミルトンの四元数の講義に参加したのもこのときである。そしてケイリーは法律家として過ごした14年間に約250編の数学論文を書き、1863年にケンブリッジ大学数学教授となった。この定理の発見はケイリーの仕事であるが、ケイリー自身が着想の起源をハミルトンの研究に負っていると述べているため、二人の時間的順序から"ハミルトン・ケイリーの定理"と呼ぶことも多い。
出典:wikipedia
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