中学受験(ちゅうがくじゅけん)とは、中学校の入学試験を受験することである。特にこの試験を中学入試(ちゅうがくにゅうし)と言う。本記事では中学校の入学試験以外にも、前期中等教育の学校、すなわち中学校・中等教育学校前期課程・特別支援学校中学部などの入学試験と入学についても扱い、特に断らない限り「中学校(等)」「前期中等教育(の学校)」という表記は前掲の全てを含む。同様に「私立中学(等)」という表記は選抜制でない公立中学以外の全てを含む。入学者選抜のある中学校・中等教育学校においては、万人に門戸を開いているわけではなく、各校独自に出願資格を定めている場合が多い。一般的なものとしては、年齢、性別、学歴を定めるケースが多い。日本において、中学校をはじめとする前期中等教育の課程に入学するためには義務教育期においては通例、初等教育の課程を修了しなければならない。日本では学齢の考え方から、 初等教育課程を修了し、前期中等教育課程に入学する者は満12歳以上である。ただし、初等教育課程を修了していない者でも、年度初めの時点で満12歳の誕生日を迎えていれば、一般の小学校卒業者と同様に前期中等教育の課程に入学できる場合がある。この場合には特に高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定の後身)や中学校卒業程度認定試験のような入学資格試験を受ける必要はない。日本において、前期中等教育を行う各学校に出願できるのは以上の入学資格を満たしている者、または入学する年度初め(4月1日)の時点で満たす見込みがある者(現役生)である。また、法制度上は、中学校をはじめとする前期中等教育の学校に入学できる年齢に上限は設定されておらず、また、過年度卒業生(既卒者)の進学が禁止されているわけでもない。しかしながら、各学校等においては年齢に上限を設ける場合や、過年度卒業生に対して入学資格を設定していない場合が多い。その影響と社会的な風潮のため、現状では中学校等の入学志願者のほとんどが小学校等を卒業する見込みの者(現役生)であり、浪人などの過年度生はほとんど存在しない。たとえば、私立中学等の多くは募集要項で、「その年度に小学校を卒業する見込みの者(既卒ではない小学生)」のみを対象にしている。このため、ほとんどの入学志願者が現役生であり、過年度生はまれである。また、募集の対象が「小学校を卒業する見込みの者」(現役生限定)であれば、13歳以上の卒業見込みの小学生も現役生として入学できるかに見えるが、実際には年齢の上限が不文律で設けられている場合もあり、入学が許可されない場合がある。ただし、帰国生徒の場合は日本国外の学校制度に各国間で違い(年度のずれ等)があることから、日本国内からの受験生と違って、ある程度年齢に幅を持たせて募集している場合もよく見られる。また、入学者選抜を行わない公立の中学校は学区等に基づいて入学者が機械的に決定されることが多いため、個別に募集要項を発表することは通例ない。しかし、やはり同様に門戸は狭く、年初に13歳以上の人の第一学年への新入学や、学齢超過者(年初に15歳以上の人)の第一学年への新入学や課程の中途への編入学は難しいといわれている。一部の私立中学校等では小学校既卒者(過年度生)や、他の中学校に在籍する者(いわば仮面浪人生)に対して、第一学年への新入学、所属可能最高学年より低い学年への編入学を認めている場合もある。ただし、以上の例は中学校のほとんどを占める中学校の昼間課程の場合に多く当てはまるものであり、中学校の夜間課程・中学校の通信教育では逆に生徒のほとんどが学齢超過者である(詳しくは「過年度生」を参照)。通常は小学校・小学部の卒業者・卒業見込み者を対象にしているが、日本国外在住者などの場合、卒業時期や在学年齢が日本と異なることから、4/1時点で12歳の年度に達してもまだ小学校課程(第6グレード)を修了していないケースもあり、さりとて卒業後の翌年に延ばすと大多数の受験者より1歳上になってしまうため、そういったケースでも最低年齢時に入学できるよう「または同等の学力がある者」という規定を設けている場合がある。私立学校では男女別学の学校も多い。特に、難関大学合格者を大量に輩出する進学校型中高一貫校の多くを別学校が占める(御三家はいずれのバージョンも別学校である)。また、複数のコースがあって、一部コースのみ共学にしている学校も存在する。ただし、近年は生徒数減少のため、共学化して人気を呼ぼうとする学校も見られる。なお、私立の中学校では完全中高一貫校が高等学校からの外部入学者の募集をしないのと同じように、中学校からの外部入学者の募集をせず、併設小学校からの内部進学のみとする学校もまれに存在する(田園調布雙葉中学校など)(聖心女子学院中等科は2014年から併設の小学校の内部進学のみとする)。公立の中学校では学習者本人(実質的には保護者)の住所によって、通える学校が厳密に指定されている。これを学区制という。ただし近年、公立学校選択制が施行され始めており、徐々に中学校の選択肢は増えている。国立の中学校では公立の中学校の学区ほどではないが、通学区域をかなり制限している場合もある。私立の中学校ではあまり厳密な学区制限がない場合が多いが、通学時間に上限を設けたり、親元を離れての通学を認めなかったりといったケースもある。出願資格において、「大学進学を目指す者」としている場合がある。これは本人の自己申告でどうとでも答えられるが、基本的にはこの学校が進学に特化しているということを入学の時点で宣言するという狙いがあるため、そういった風土に合わない受験生が入学することで居づらくなったりすることがある。また、「併設の高校に内部進学する予定の者」という規定を設けることで、この学校が中高一貫校であることを改めて認識させようとする場合もある。また、まれながら宗教系の学校においては信者を主な対象にしている場合や、保護者がある程度学校行事に参加することを前提としている場合がある。日本では前期中等教育への進学率がほぼ100%であり、多くの小学生は自動的に中学校などの学校に進学する。しかし、無試験で入学できる学校が多いため、多くの地方では受験が意識されない場合が多い。なお、受験とは違うが、一部の地域で公立学校選択制が施行されたため、無選抜の公立学校に入学する場合でも進学先を選定することがある。日本において中学受験では御三家という用語がある。日本の教育界で「御三家」が使用されるようになったのは、第二次世界大戦前に旧制第一高等学校へ多く進学していた学校を「一中御三家」などのように3校単位で括るのに便利であったことが由来という説がある。以後、3つまとめられる学校は、時代や地域、評価をする者によって変遷していくこととなる。第二次世界大戦後、1947年の学制改革によって、中学校5年制から、中学校3年・高等学校3年制に学制が新制に変化しても、各地域の中学校・高等学校を進学実績などから3校にまとめることが随時行われてきた。ただし、どの学校を「御三家」とするのかには、時代の変遷による変化があるほか、同時代であっても受験予備校や各種メディア、地域などで捉え方が異なっており、用語自体は間違いなく存在しているもののこの言葉を聞いた際に各人が思い浮かぶ具体的な教育機関は開きがあるのも現実である。中学受験界においては、「御三家」は長きに渡り難関大学進学率の高い私立中高一貫校をグループ化する際に使われてきた。(東京男子)御三家として開成、麻布、芝(のち武蔵に替わる)が、(東京)女子御三家として桜蔭、女子学院、雙葉が括られて紹介される。また過去には、駒場東邦、海城、巣鴨を(東京男子)「新御三家」と呼んでいたこともある。当然のことながら各校の入学難易度・進学実績そして人気は時と共に変動する。一方で一度流布した「御三家」などの呼称は比較的長きに渡り固定化される。実際に、所謂(東京男女)御三家校が、大学進学実績において必ずしもトップ3校になっていない状態もある。中でも男子私立御三家は実質的なトップ3校というより、むしろその伝統や校風などへの評価も含めた、象徴的・固有名詞的な「御三家」となっている。2012年現在、御三家より高い偏差値の学校、高い進学実績の学校は何校か存在し、単に受験難易度や進学実績を示す場合には、それらをあわせて難関中学等とまとめる場合もある。関東では、(東京男子)御三家にならって、各地域のトップ校を3校にまとめることが行われている。そのようなものの中で、受験雑誌にて登場するものには、東京女子御三家(桜蔭・女子学院・雙葉)・神奈川男子御三家(栄光・聖光・浅野。90年代までは桐蔭学園だった)・横浜女子御三家(横浜雙葉・フェリス・横浜共立)が著名である。また、これよりも使用例では劣るが、千葉御三家(渋幕・市川・東邦大東邦)という括られ方もある。関東で地域や男女の区別をせずに御三家と言った場合、(東京男子)御三家を指すことが多く、「(東京)」「(男子)」と書かれる場合、他の御三家と比較を行う記事内であることが多い。一方で、関西には灘を筆頭に多くの私立中高一貫校があるが、そのようなまとめ方は行われていない。2014年度(平成26年度)において私立中学は日本に777校あるが、首都圏では東京都188校、神奈川県64校、埼玉県29校、千葉県24校と1都3県で305校と全体の39%を占め、京阪神では大阪府66校、兵庫県42校、京都府26校と2府1県で134校と全体の17%を占めている。この様に首都圏と京阪神に私立中学が集中しているため、それらの地域では中学受験が盛んである。地域によっては小学校の生徒の大部分が受験するため、それらの地域の公立中学が大幅な定員割れとなることもある。国立中学は私立中学ほど東京に集中しておらず、各都道府県に分散している。公立中高一貫校も全国に分散しているが、新潟県や東京都などが設置に積極的な一方、大阪府など設置に消極的な自治体もあり、数には大きな差がある。国公立中学も私立中学と同様、中学受験が盛んな地域では人気があり、首都圏では入試倍率が10倍を超える学校もある。中学受験が盛んな地域は上述のように首都圏・関西圏である。マスメディアも首都圏・関西圏の情報が中心であるので、中学受験に対する利点を強調する傾向がある。また、首都圏・関西圏以外でも高知県など西日本の一部では首都圏・関西圏並みに中学受験が盛んである。私立中学校、国立中学校および選抜制の公立中学校(おもに中高一貫校である)、国公私立中等教育学校は学区制の公立中学校とは異なり、入学希望者に学力試験や運動能力試験などを課し、その入学試験の結果によって合格者のみを入学させる場合が多い。公立の選抜制の学校では学力検査を行わない建前になっているが、実際には同様の適性検査が実施され、進学塾も検査対策を行っている。なお、学区制の公立中学校は入学時選抜は行わない。受験の難易度は、通常は学力偏差値によって表される。これは学校が発表するものではなく、日能研や四谷大塚の模試、あるいは中小の学習塾の連合である首都圏模試センターの模試によって算出される。定員が男女ごとに決まっている場合も多いため、偏差値は男女別で表示される。受験者と合格・入学を巡る倍率はさまざまな算出方法がある。主にこの5種類の人数の、いずれかを組み合わせることで算出することができる。日能研では定員と受験者の倍率を用いているが、他の資料では受験者と合格者の倍率を用いているところもある。これら数字については非公表とする方針の学校も見られ、この場合には学習塾や模試で独自に集計されたデータやアンケート、生徒からの情報などを元に概算の値が算出される。合格者に対する受験者の倍率は基本的に1を下回ることはないが、定員と受験者の倍率は学校や受験コースによっては1を下回り、この状況を定員割れという。なお、定員と受験者の倍率が1を上回っていても、他校の「滑り止め」としてその学校を受けている人が多ければ、実際の入学者数は激減する場合もあり、入学時点での定員割れという事態も起き得るが、実際の入学者数(入学者倍率)はあまり公表されない傾向にある。なお、倍率が高いか低いかは入学難易度とは一切関係がない。難易度は学力偏差値によって判断できるが、倍率によっては判断が困難・不可能となる。例えば偏差値60台でも倍率が2倍程度の学校もあれば、偏差値40台でも倍率が10倍程度の学校もある。また、進学校としての姿勢を明確に打ち出している学校では、入学試験の学力テストに合格基準点を設定し、入学定員を埋めるために合格点を下げることをせずに、未到達の受験者は一律にカットし不合格とする方針を取る場合もあるため、究極的には学校毎にこれら事情は異なるものといえる。ただし、倍率にはその学校の受験者数を反映する一面があり、倍率と志願者数が高いほどその学校の受験料収入が多い(経営安定化に寄与する)ということは分かる。特に、2月1日以前に入試を行える学校(東京・神奈川以外の学校)は、本番受験の前の手慣らしの実践練習として受験する者も多く見られることから、倍率が100倍超などといった極度に高い数値になる場合もある。日本では義務教育制度があるため、学齢期の日本人であれば誰でも公立中学校までの就学が公的に保証されている。だが、あえて入学試験を受けて私立中学校等に入学する(保護者がさせる)ものであり、これにまつわる利点と問題点としては次の諸点が挙げられる。かつては受験競争の低年齢化、またそれによって子供たちが受けるストレスが社会的に問題になり、ジャーナリズムにおいても批判的な記事が多く発表されたが、近年は中学受験自体が普遍化してしまったためか、批判的な報道は目立たなくなってきている。しかし、そのことは決して問題が改善されたことを意味するのではなく、むしろ逆により多くの子供たちと家庭にとって避けられない現実になってしまい、客観的に考えて批判することが難しくなっていることを示している。私立学校は各機会毎に行事を公開し、学校の教育方針を広めている。ただし非公開の行事もあれば、子供同伴の可否、事前予約制、受験希望者にのみ公開などという方針の学校もあるので、見学については個々に事前の確認が必要になる。次の基準もまた選別の目安となる。国公立校などでは12月以前に入試日が設定されている場合もある。私立中では、関西圏(2府4県)および首都圏のうち埼玉県・千葉県では1月中旬から下旬、首都圏のうち東京都・神奈川県では2月上旬に入試が行われる場合が多い。これは、各都府県毎の私学間協定により設定された入試解禁日(関西圏は全府県共通)の直後に集中していることによる(帰国生徒入試や専願入試は解禁日より早期に行われることがある)。北関東では11月から始まるが、東京に近い地域では1月に入試日を設定している学校が多い。一般的に、私立中の入試は曜日と無関係に各学校で毎年同じ日に行われるのが普通である。複数の日に入試を受けられる学校も多いが、難関校ほど入試日が少ない傾向にある。いわゆる御三家は全て2月1日のみに入試を実施することが知られている。このため御三家を併願することは物理的に不可能である。ただし、2月1日が日曜日になった場合に限ってはミッション系の学校は日曜礼拝との重複を避けることを理由に試験を翌月曜日に設定するため、年度によっては併願が可能になり、受験者の増加により倍率が高騰し、俗に「サンデーショック」「ミッションショック」と呼ばれる事態が発生する。また、21世紀初頭から、入試科目が国語・算数・理科・社会の4教科であるために、1日かけなくても時間の余裕が生じるために、志願者の増加を見込んで、午後入試と呼ばれる入試形態を採用する学校もあらわれている。午前中の出願校との併願者をターゲットとしている。合格発表日は学校によって様々である。ただ、早ければ試験当日の午後、遅くとも試験当日を含めて3-4日以内には発表する学校が多い。校内掲示が主だが、IT化に伴い、ホームページにて掲載、携帯電話でも閲覧可と対応している学校もある。発表日の所定時間にFAX、電子メール、レタックス、電報にて個別送信するところもある。また、合格発表の場では正式な合格証書と入学手続書類を手渡さずに書留郵便で自宅宛てに郵送する学校も多い。受験資格の居住地に制限を定めている学校などでは「別住所へ転送無用」などと封筒前面に明記し、生徒の自宅が正しく指定地域内に所在しているかを確認する意味も籠める場合がある。試験日は集中してはいるが統一されていないため、辞退者を見込み募集人員から若干多めに、または補欠合格者として別に発表するのが通例である。見込んだ人員以上に辞退者が出ることがあるので、さらに繰り上がり合格者を出すことがあり、それにより入学手続済みの学校で新たな辞退者を生み、順次波及して年度末の一定期日まで繰り上がり合格者を出していくことがある。逆に、見込んだ辞退者が出ず、学級数増で対応し、次年度募集人員を減らす形で翌年の受験に影響することがある。合格発表後、学校側が定めた一定の期間で合格者からの入学手続きが行われる。難関校や名門校とされる学校の中には、受付期間を短く設定しているものもあり、中には受付が1日限りで終了する学校もある。逆に合格者の併願校の合否を待つ為、長期間や二段階で入学受付を行うところもある。手続きは合格証書他、手続き書類一式を受け取る。多くの場合、入学金とその他初期費用を学校または指定の金融機関の口座に事前に納付しておき、必要書類と納付済書を提出して入学への手続きは完了する。入学手続きそのものは学校の受付窓口、事務所、郵送など学校毎に異なる。併願している学校がある受験者については、まず一時金を納め、その後の合格発表の日程にあわせて残金延納可としているところもある。合格発表日と入学手続開始日が異なる事も多く、この場合、入学手続き用書類の受取期限に注意を要する。受取期限をすぎても受領しなかったり、手続き期間をすぎても入学の手続きを済ませなかった合格者は自動的に入学辞退として扱われ、定員に対して空きが発生した場合には補欠合格者に繰り上げ合格の通知が行われる。学校で手続きを行う場合はあわせて入学式までの日程の案内が行われることも多いが、これとは別に3月中に事前登校日を設定して入学予定者を召集する学校も多い。また、入学手続きの際や事前登校日には、制服の採寸を行ったり、学校生活やカリキュラムについての説明が行われることもある。特に名門校や伝統校の場合には、別途保護者を集めて学校関係者との事前の懇談会が行われることもある。また保護者に対しては生徒を狙った学習塾などの勧誘や寄付金詐欺などに対する注意や、幼稚園受験や小学校受験などと同様に他の保護者への対応の心得などの説明を行ったり、これらをまとめた冊子が配布される場合もある。なお、他校への入学が決まった場合、入学手続き前であっても辞退を申し出ることはできる。手続き後の辞退も同様。受付期間後に生じた繰り上げ合格者については学校側の都合であるので別途受付けを行う。高校入試や大学入試と異なり、中学入試は不合格になっても、学齢期であれば必ず公立中学という受け皿があるため、基本的には浪人するという通念はない(小学入試も同様)。ただし、入学資格と過年度生にあるように、一部の中学校では浪人生などの入学を認めている場合もある。高校入試や大学入試は志願者自身の努力にかかる比重が大きくなるが、中学入試は保護者と志願者の共同作業に近い(一方、小学入試は志願者の意志が希薄なため保護者の努力に重心がある)。というのは志願者本人の勉学と並行して、保護者によるスケジュール管理や健康管理、塾への送り迎え、志望校選択や出願、子供のモティベーション維持といったふうに中学受験を控える家庭は家族ぐるみの受験態勢といった様相を呈するのも、他の入試には見られない特徴である。また、中学入試は大学入試同様にほとんどが学力検査の結果によって合否が決定され、公立高校入試と違って内申書にあたる報告書が持つ力はほとんどない。あったとしても小学校出席率の把握、ボーダー上の参考程度といえる。また、面接も年々廃止する傾向にある。ただし、国私立校では報告書や面接が合否の選考対象になる場合が多い。それから、小学校で学習する事項を超えた知識を求めてはいけないことになっている分、知識ではなく独特のテクニックを要する問題が出題されるため、高校受験や大学受験でしばしば見られる学校の勉強をしっかりするという方法では乗り切ることが難しい。中学受験で、学力中堅校・難関校に合格を目指す場合はそれ相応に学力を高めなければならない。一般的な公立小学校では中学受験対策の授業を行わない(一部の私立小学校は私立中受験にも熱心である)ため、学習塾・予備校に通ったり、あるいは参考書・通信教育を利用したりして、独自に対策を講じることになる。公立学校の学習指導要領がゆとり教育路線を走っているため(2011年以降は脱ゆとり教育の実施で幾分改善されているが)、以前は公立小学校の授業のみでもある程度は充実した学力が身に付き、中学受験にも対応できたといわれているが、現在はほとんど不可能になっているといわれている。私立中学校の受験においては、2002年学習指導要領で削除された内容も出題されているケースも多いからである。中学受験のための学習塾は進学塾と称され、公立小学校の学習進度よりも速く進む、若しくは扱っていない内容(特に2002年学習指導要領で教科書から削除された内容)も扱うカリキュラムを組んでいるのが特徴である。難関校志望者向けに特別なプログラムを用意する進学塾もある。一般的に、中学受験をする場合、学習塾に通う生徒の割合は高いとされている。一方、学習塾通いが要因で学校の授業や行事を軽視する、遊び時間や睡眠時間が削られる、夜道を歩くのが危険など子供の生活や安全が蝕まれるとする意見もある。中学受験対策を行う学習塾が近辺にない、または費用を節約したい場合、通信教育や参考書を利用して自習をすることになる。本人の意欲が低い場合はあまり成果が上がらない方法であるが、自習の力が身に付けば、後々有意義であるというメリットもある。中学受験用参考書は一般に分厚く、検定済教科書の内容をはるかに超えている(2002年に教科書から削除された内容も当然記載されている)。代表的なものとしては「応用自在」や「受験全解」や「特進クラス」シリーズがある。数学の教材で有名な東京出版も算数の参考書を出版している。四谷大塚では「予習シリーズ」という自宅学習用教材を利用しているため、学習塾に通っていても自宅学習をする場合もある。この「予習シリーズ」は四谷大塚に通っていなくても、本部で購入することができる(市販はされていなく、通信販売で購入)。通塾であれ家庭学習であれ、身についた学力を測定し、志望する学校への合格可能性をさぐるために模擬試験を利用することになる。模試は首都圏では・四谷大塚(合不合判定模試)・日能研(日能研全国公開模試 旧センター模試)・首都圏模試が、多くのシェアを占めている。また、関西では各学習塾が個別に模試を行うことが多い。中学校の入試科目数にあわせて、4科と2科の偏差値を分けて出す模試もある。また6年生には模試ごとに出願先を調査して、学校別の出願動向、偏差値、難易度といったデータを提供している。中学受験時の模試を受けるのは小学生のうち受験対策をとっている比較的学力上位層に限られるし、そもそも日本の私立中学校生徒数は6%程度(文部科学省「学校基本調査」/平成17年度)でしかないため、かなり少数精鋭の集団である。しかし、高校受験時は高校進学者・そのうちの模試参加者ともに中卒者の多数を占め、大学受験時も、大学進学者・そのうちの模試参加者ともに高卒者のかなりの割合を占める。中学受験用の過去問はさまざまな出版社から出版されている。学校によっては実際に使われた試験問題、解答用紙を有償販売または無償配布しているところもある。中学受験は学校ごとに出題傾向、出題方式の差が大きいので過去問を解いておくことは重要である。過去問と違い模試は、採点の都合上記述問題が少なく、出題分野の偏り、解答方式の違い、といった点からも出来不出来がそのまま志望校の合不合に当てはまるわけではない。そこで不慣れからくるロスを最小限におさえる効果をねらって、6年後半から志望校や併願校、出題傾向の似た学校の過去問にとりくむ塾・家庭が多い。試験の出題形式、答案の書き方に慣れるために、数年次にわたる過去問を、実際の時間配分にあわせて解く場合が多い。かつて出題された問題がそのまま出題されるわけではないが、よく似た問題が、あるいは出題の仕方・解答のさせ方が繰り返される傾向にある。ただし、受験本番の緊張や環境までは再現できないことや、配点、採点基準や合格最低点が公表されていない場合も多いことから、過去問の出来によって合格可能性を有意に判定することは難しい。小学校で学習する事項を超えた知識は求めないのが通常だが、その範囲の中で応用力を問うため限られた知識を最大限に活用させる傾向がある。そのため教科書の内容を理解するだけでなく、解答への糸口を見いだせるよう多面的なものの見方を身につける必要がある。最近では就職に際してのSPIにも似た形式で、知識量を問うのではなく、思考や判断力、作業量や正確さを問うような出題がなされるようである。文部科学省が私立学校に対して、学習指導要領を逸脱しすぎないよう要請し、中学校側も小学校で学習している範囲にて出題していると公言しているが(実際には2002年学習指導要領から削除された内容も出題しているケースも多い)、公立小学校のテストで毎回満点を取れる生徒でも塾や参考書で受験対策をしないと中堅校であっても合格するのは難しい。国語は漢字、語法、ことわざなどの基礎的な国語力を問われるほか、読解力を見る長文読解問題が出題される。長文問題は指示語など、文章の要旨に関する出題が多い。アドミッションポリシー、すなわちどんな生徒に入学して欲しいか工夫しやすい科目であることから、工夫を凝らした出題をする学校が見うけられる。近年、有名作家の文を使用した入試問題をそのままウェブサイトや過去問集に掲載したとして、複数の会社の出版物などが問題となった。近年では記述問題を出す学校が急増し、入試に占める国語の重要性が高まりつつある。また、物語文が中心であることも特徴的である。算数は実力・点数の差が付きやすいと言われ、難度の点でも話題に上ることが多い。上位校では出題傾向もまちまちだが、おおまかに、問題数が多く、正確さとスピードが重視されるタイプの学校と、応用問題のみ数問の出題の学校とに分かれる。文章題は小学校では方程式を習わないため、それを回避しながら入り組んだ問題を解かせるものになる。そのため、方程式を学べば自然にできる発想や説明が困難となり、かえって難しい内容となる。理科は実験・観察に関する出題が多い。単に結果や知識を暗記するだけではなく、なぜそうなるのか、こう仮定するとどうなるのかを問われるため、体系的な理解、筋道を自らたてて判断する力が必要となる。また図表を読み取る能力、そこからさらに計算する力も問われる。目の前にある物を観察するというユニークな出題をする学校もある。また、理科系時事問題や物質の構造など、中学校で習う範囲の発展的な問題を出す学校もある。社会は地理・歴史・公民から満遍なく出題される。特に時事問題の出題が多い。また、最新統計から、産地、作物、相手国を推察させる問題が出る。地理の問題からそこを舞台とした歴史を問い、さらに現在の社会の仕組みと結びつけるなど、複合的な出題が見受けられる。四谷大塚の調査では、時事問題を出題する中学は8割にものぼり、年々増加傾向にあると言って良い。上位・中堅校でも記述式や論述式の出題が増えつつある。地球上の直線、すなわち大円について問う問題。円形地図などさまざまな地図は、位相幾何学としての算数以上に高度な数学的感覚を要求される問題も出ることがある。現段階では少数派であるが、桐光学園中学校(帰国生入試)のように選択科目として入試に課す中学校がある。以前にも桜美林中学校などで課していた事例がある。児童英検各級から英検5〜3級程度にまで及ぶ出題がなされている。4科目を課す学校、国語・算数の2科目だけを課す学校、4科目と2科目を選択できる学校がある。3科目、1科目の中学校もある。4科目の得点を均等に加算して考慮する学校も、国語・算数は100点満点、理科・社会は50点満点とする学校もある。また下記の学力以外の要素を判定に加味する学校もある。かつては算数・国語のみで受験できる学校も多かったが、近年では4教科受験が一般的となっている。実施する学校によって、親子面接、志願者・保護者別の面接、志願者のみの単独・グループ面接などがある。子供が(または保護者が)なぜこの学校を選び志望するのかを記載する。出願時または受験時に提出。面接時にその内容を確認することがある。国立中学では応募者が多すぎる場合には抽選を実施する。実施時期は第1次選考と称して学科試験の前に行う場合と学科試験等によって選抜した後に行う場合とがある。報告書は小学校に依頼して担任が作成する書類であり、高校受験のときの内申書に相当する。中学校独自の様式もあれば、地域で統一した様式もある。厳封したまま志望校に提出する。通知表のコピーで代用できる場合も多い。これは欠席日数や成績を確認するためのものである。受験率の高い地域にあっては短期間に仕上げなければならない担任の事務負担が高い。この2つは不要の場合もある。公立中高一貫校はエリート校化を防ぐために学力試験を行わないことになっていて、適性検査や作文、面接で選抜している。しかし、適性検査や作文の難易度は学力試験とほぼ変わらないと言われていて、それらの対策講座を実施している学習塾が多い。公立中高一貫校の選抜は家庭の生活の仕方全てが問われるという。合格した児童の保護者の証言では「子どもに問いかけて調べるきっかけをつくる」『家族全員で毎日「読書タイム」をつくってみる』「親子の交換日記や手紙を書く習慣をつける」といった例が挙げられている。つまり、公立中高一貫校受検は「家庭の力」全てが問われる総力戦なのである。
出典:wikipedia
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