


オネエ言葉(おねえことば)とは、日本の男性同性愛者(ゲイ男性)の中の一部で話される、誇張された女性語のことである。オネエ言葉を使うゲイをオネエと呼ぶ。銀座にあったゲイ喫茶「ヴランスウィック」で使われたのが始まりだという説がある。同店に客として通っていた吉野寿雄によれば、「ねぇ、お前さん」など歌舞伎の女形の言葉から取り入れられたという。ただし、全てのゲイ男性が使うわけではなく、むしろオネエ(後述)と混同されることを嫌がるゲイも多く、ゲイ全体の中ではオネエ言葉を使うゲイ(≒オネエ)は少数派である。また、オネエ言葉に近い女性的な言葉は異性愛男性も使うことがあり、それらを使う男性の全てがゲイというわけではない。オネエ言葉によって、皮肉・揶揄などの毒舌や、率直な物言い、くだけたニュアンスをオブラートに包んで表現できることから、好んで使うゲイもいる。また、オネエ言葉は目上に使う敬語と丁寧語の境界が不明であるため、年上の人や年下の人ともすぐに打ち解けることができるという。1880年代から戦後一時期までの日本語では、女性には特有の語尾表現(「だわ」「わよ」などの、いわゆる女性言葉)が多く使われていたが、21世紀現在では廃れつつある。その代わり、「女言葉」はゲイの一部(正確にはクィア)が用いるオネエ言葉の中に生き残ったとする説がある。しかしその一方でオネエ言葉は、髭面でマッチョといった男性的なビジュアルのゲイが野太い声で話すから際立つのであって、女性たちは「女性の声」だから目立たないだけであり、実際はオネエ言葉と女性たちの言葉に差はないとする声もある。なお、ゲイ用語としてのオネエは、女性のファッション傾向を示す「お姉系」とは関係がない。元来、新宿二丁目などゲイコミュニティやゲイ当事者の中では、女装をしないゲイの中で女性的なゲイ(オネエ言葉を使ったり、女性的な仕草のゲイ)のみをオネエといってきた歴史があり、オネエ言葉を使わない男性的なゲイや、女装するゲイはオネエとは呼ばない。2006年に日本テレビ系「おネエMANS」が始まった頃から、「オネエ」が元来の意味を大きく超え「ゲイ」と同義語で用いられることが多くなっている。だがこれは言葉の誤用である。ゲイの中の多くはむしろ男性的でありたいと望んでおり、女装をしたりオネエ言葉を使ったりしない。また全てのゲイが美容やコスメ、ゲイ・ファッションに関心があるわけではなく、オネエはゲイ全体の一部である。さらにはオネエ言葉に近い女性的な言葉を用いるが性愛志向は異性愛者という男性も存在し、そのような者が混同される場合もある。男性としてのアイデンティティを受け入れているマジョリティのゲイには、オネエと混同されることに不快感を抱くものもいる。因みに性同一性障害の者は全国に4.6万人いるとされ、日本で約620万人いるとされる性的少数者の1%未満である。ゲイの中でもオネエ言葉に嫌悪感がある者は多く、その理由として、生理的な拒否感のほかに、オネエ言葉から連想されるイメージと自分が同一視されることへの嫌悪感や、オネエ言葉を振り撒いて見世物やピエロになっていることへの反発などがある。また「ゲイは男らしくあるべきだ」と考えている者も多く、男同士の愛は片方が女役になることではないはずだ、という考えもある。二十歳前後の若いゲイがオネエ言葉を使うには、まだ可愛いといっていられるが、大人のゲイがクネクネした姿でオネエ言葉を使う様は、多くのゲイにとっても気持ちの良いものとはいえないとする声もある。またゲイ同士の会話で「彼、オネエ(言葉)だね」という場合、友達としてはいいけれど、恋愛対象ではないなどを含意することもあり、ゲイの間では一般的にオネエだとモテない。そのため、ゲイの世界でモテるために、敢えてオネエ言葉を敬遠するゲイもいる。オネエ呼称の広がりはゲイの多様性を見えにくくし、ステレオタイプを強めることになっており、近年新たに浮上したゲイ差別になりつつある。
出典:wikipedia
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