死体洗いのアルバイト(したいあらいのアルバイト)とは、死体を洗うアルバイトのことであり、実際に存在する場合や日本の都市伝説において語り継がれている労働の2つがある。日本における都市伝説『死体洗いのアルバイト』は、「大学の医学部では解剖実習用の遺体をホルマリンのプールにつけていて、その遺体を洗ったり、浮いてくると棒で突いて沈めるというようなアルバイトがある」などとするものである。本記事では、まず主として日本の都市伝説について解説し、加えて現実で実際に行われている労働実態についても言及する。日本の大学の医学部と歯学部では、その養成カリキュラムの中に遺体解剖実習が必ず組み込まれているが、この都市伝説では、献体を解剖前に洗浄・保存(固定)する作業が必要となるため、病院は高額な時給でアルバイトを雇いこの作業を行わせている、という内容で語りつがれている。良く知られているのは、洗浄前の献体がホルマリン漬けのプールに沈められているというものだが、その他にも洗浄する対象が献体ではなく、ベトナム戦争で戦死したアメリカ兵となっているもの、「洗浄」ではなく「死化粧(エンバーミング)」を行うというもの、などいくつかの派生形がある。大江健三郎の小説『死者の奢り』(1957年)が初出だ、とする説がある。ただし、『死者の奢り』の中で書かれているのは「死体洗い」ではなく「死体運び」であり、また作品中で死体を沈めているプールの中の液体も一般に流布しているホルマリンではなくアルコールである。「『死者の奢り』の中のこの話を大江自身が創作したのか、聞いた話を小説の素材に活用したのか、どちらなのかは判然としない」とコメントした人がいる。「大江自身もそのあたりは言葉を濁している」と言う。このように初出かどうかに関しては真偽は不明でも、大江のこの小説が、都市伝説として広く流布させる一因になったと、主張する人がいる。以下のように、一連の都市伝説で言われるような事実はない、とする指摘がされている。厚生労働省の「平成20年度化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会報告書(医療現場におけるホルムアルデヒドについて)」によると、遺体の保存については、専門の知識を有する者が大腿動脈等から10%ホルムアルデヒド溶液を注入した後(法令改正により密閉式パックの使用例が増えている)、脳を取り出して60%エタノール・40℃で3週間程度、防腐処理する。処理後、一体一体別々に保存庫で保管する。またホルマリンに関してはホルムアルデヒド自体が、2008年12月の法令改正で第3類特定第2類特定化学物質に指定替えされるほどに有毒性の高い物質である。無対策の大きなプールに遺体を直接浸すということは危険極まりない行為であり(ホルマリンは揮発性が極めて高く、高濃度反復ばく露で刺激性に起因する呼吸器への影響、中枢神経系への影響が出るため)、「ホルマリンプールなどはありえない」とされる。また、解剖実習中においては、ホルマリンではなくフェノールなどを振り掛けるのが一般的である、と言う。法医学者・監察医の西丸與一によると、多くの医科大学や大学病院には、現在でもこのアルバイトに関して年に数件の問合せがあるという。そこから、電話を取った職員が問い合わせに対し「そんなに給料が良ければ俺がしたいよ!」などと怒鳴った、というお話(あるいはジョーク)も存在するという。現在の日本では「死体解剖保存法」や「医学及び歯学の教育のための献体に関する法律」 などにより、解剖用遺体の取り扱いには厳しい制限が設けられている。ただし、死体解剖保存法では解剖者の資格は規定しているが、その遺体の保管に関する資格に関しては言及していないので、解剖資格の無いものが死体を扱うことそのものは違法ではない。また、この都市伝説の派生のひとつとされることのある「戦死したアメリカ兵」に関しても、在日アメリカ軍のモルグ(死体置場)職員から明確に「そのような事実は存在しない」とのコメントが出されている、西丸與一はエッセイで書いた。葬儀の際に行われる湯灌(ゆかん)において、遺体を入浴(洗浄)させる場合がある。この作業には特に厳しい制限は課されておらず、アルバイトの者も遺体に触れている(日給1万円~2万円程度)。ただし、業者や地域による差はあり「厳粛な行為なのでアルバイトに遺体を触らせるようなことはしない(させない)」という業者や地域も存在する。また、湯灌に先立って死亡直後の清拭や死化粧は看護師が行う。遺体に触れるのは穢れを伴うという考え方から、湯潅、死に化粧は女性のみが行なう仕事とし、納棺その他を男性が担うという形態もある。
出典:wikipedia
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