『カウボーイビバップ』("Cowboy Bebop")はサンライズ制作の日本のSFアニメ作品。テレビ東京系などで1998年(平成10年)4月から同年6月にかけて全26話中の一部(後述)が放送され、その後WOWOWで同年10月から1999年(平成11年)4月にかけて全26話が放送された。また、2001年(平成13年)9月には劇場作品『カウボーイビバップ 天国の扉』が公開された。1998年(平成10年)11月開催の第3回アニメーション神戸で作品賞・テレビ部門を受賞。2000年(平成12年)の日本SF大会で星雲賞メディア部門を受賞。2009年にハリウッドにてキアヌ・リーブス主演での実写映画化のプロジェクトが進行中であることが明かされている。2071年の火星を中心とした太陽系を舞台に、おんぼろ宇宙船「ビバップ号」に乗って旅する賞金稼ぎのスパイク・スピーゲルら乗組員の活躍を描くSFアニメ作品である。粋な台詞回しやクールな映像などが特徴。本筋はハードボイルドタッチだが、話数によってテイストが異なり、サスペンスやホラー、メカアクション、ドタバタコメディ、サイバーパンクなど振り幅が大きい。『ビバップ』というタイトルどおりジャズを始め、ブルース、ロック、テクノなど多彩なジャンルの音楽をBGMとして使用し、その独特の世界観と相まって、特異なスタイルを築きあげた。監督の渡辺信一郎いわく「それまでやりたくてもやれなかったことを全部ぶち込んで作った」作品であり、「毎回20分の映画を作っているつもりでした」と語っている。放送当時は『ルパン三世』に類似するという声が多かったが、渡辺によればむしろ(次回予告ナレーションを含めて)松田優作主演のテレビドラマ『探偵物語』に近いという。音楽面では本作以降、自身ですべての選曲を行なうスタイルにしている。また本作の特徴の一つに、その世界設定から登場人物のデザインに人種的特徴がよく表れている点が挙げられる。キャラクターデザインを担当した川元利浩によれば、これは渡辺監督から許可が出たためとのことである。制作を担当したのはサンライズ第2スタジオ。中心スタッフは渡辺や南雅彦プロデューサーが以前関わった『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』『機動武闘伝 Gガンダム』『マクロスプラス』の人脈が集められた。南らはテレビシリーズ制作後にサンライズから独立してボンズを設立し、劇場版はボンズが制作を担当した。サンライズは元々、玩具の商品化を前提にしたオリジナルのロボットアニメを数多く製作しているスタジオであるが、本作も『スター・ウォーズ』の人気再沸騰で宇宙船ブームが来ると見たバンダイホビー事業部から「宇宙船のプラモデル展開ができるアニメ」というオファーが届いたことが企画の発端であったという。渡辺は南から「何か企画はないか」と聞かれ、アメリカのバウンティハンター稼業をヒントに、近未来の宇宙を舞台とする無国籍アクションものを思いついた。コンセプトはスペースオペラならぬ「スペースジャズ」で、企画タイトルは「流れ星ビバップ!」(次いで「シューティングスター・ビバップ」)。しかし独特の作風に周囲の反応は悪く、地上波放送枠がなかなか決まらず、放送に至るまでには2年近くを要した。サントラを発売するレコード会社には「ジャズなんて日本で何枚売れてると思います?」と反対された(菅野も最初は「ジャズなんて絶対に売れないよ」と思ったという)。メーカーが「これじゃ宇宙船売れないから」と降りてしまい危うく没になりかけながら、バンダイビジュアルの協力で放送にこぎつけたが、放送前に第1話を観た関係者の声は「渋すぎる。売れないよ、これ」だった。玩具のロイヤリティ収入が見込めない分、音楽CDと映像パッケージによる投資回収計画が緻密に練られた。結果的にはソフト関連がヒットし、本作は「ビデオと音楽CDのセールスでガンダムシリーズに匹敵する実績を上げた」とサンライズは述べている。南によると制作費がかなりかかった作品であり、社長に「南、お前は会社を潰す気かっ」と言われるほどだったという。ただし「『08(機動戦士ガンダム第08MS小隊)』ほどはかかっていないです」と述べている。オープニング・エンディング曲と作中のBGMは一部を除いて全て菅野よう子が作曲しており、菅野ら国内外の音楽家が参加した「シートベルツ (THE SEATBELTS) 」が演奏した。エンディング曲以外にも、ボーカル曲が多用されている。サントラ第一弾は第13回日本ゴールドディスク大賞「アニメーション・アルバム・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。また、1999年(平成11年)8月16日に渋谷ON AIR EAST、2001年(平成13年)8月10日にはSHIBUYA-AXでシートベルツのライブが開催され、どちらもチケットが即日完売した。テレビ東京での放送は、放送枠が1クールしか確保出来なかったために全26話中12話(#2、#3、#7 - 15、#18)+総集編の全13回となった他、暴力表現および性的表現が修正・カットされている。これは、製作開始時から放送までの間に青少年によるナイフを使用した暴力事件が起きたことや、ポケモンショックによってテレビ東京の規制が強まったためである。また、テレビ東京自身は制作にあまり関与していないため、担当者は深夜アニメと同じ「番組担当」とクレジットされた。テレビ東京版最終回である総集編「よせあつめブルース」は、これらの規制・カットに対する抗議をメインキャラクター達の独白という形で吐露したもので、通常の総集編とは異なり、物語自体にはほとんど言及していない。エンディングは「THIS IS NOT THE END. YOU WILL SEE THE REAL "COWBOY BEBOP" SOMEDAY!(これは最終回じゃない。いつか本当の「カウボーイビバップ」を見せてやる)」という挑発的なメッセージで締めくくられている。これは2015年現在でも再放送されておらず、DVDなど映像ソフトへの収録も行われていない。テレビ東京での放送終了から4か月後には、1998年10月から1999年3月にかけてWOWOWのノンスクランブル枠で全26話が放送されたため、テレビ東京系を視聴できなかった地域でも視聴が実現した。地上波でも2001年6月23日から2002年2月16日にかけて毎日放送のアニメシャワー枠で全26話が放送されたが、こちらは特番のために放送休止になることが多く、最終話放送までに約8か月を要した。上記の2局の他、その後も各局で放送されている。アメリカではビデオとDVDが先行発売され、2001年9月1日からアニメ専門局カートゥーンネットワークのアダルトスイム枠で全米放送(TV-14:14歳以上限定)され人気を博した。ただしこの放送では血糊、女性の裸体描写などが修正されている他、アメリカ放送コードの関係や同時多発テロの影響から、初回のみ#6(コロンバイン高校銃乱射事件を連想させるため)、#8(ハイジャック)、#22(ビル爆破)は放送されていない(直後の再放送では放映)。2009年にキアヌ・リーブス主演による実写映画の制作が発表されたが、その後資金難で製作中止の危機に瀕していることが報じられていた。この件に関し、渡辺は2013年に開催されたロンドンのコミケ「コミックコン」で行われたRed Carpet News TVのインタビューで、詳細は明かせないとした上で「実写化のプロジェクトは進行中」と述べている。また自分の作品が実写映画化されることについては「『カウボーイビバップ』という作品は、アメリカ映画に影響を受けて作った部分が大きいので、アメリカ人がそれをどういう風に映画にするのか興味を持っています」と語ったほか、日本アニメのハリウッドでの実写化については「アニメのフィーリングを壊さないようにしてほしいと思っています」と実写映画への希望を述べている。時は2071年。宇宙開拓時代を迎えた人類は太陽系内に生活圏を広げており、悪化する治安への対策として、指名手配犯を捕まえる賞金稼ぎ、いわゆる「カウボーイ」たちが活躍している。カウボーイ稼業を営むスパイク・スピーゲルと相棒のジェット・ブラックは、古い漁船を改造したおんぼろ宇宙船「ビバップ号」に乗り込んで宇宙を駆け巡っている。大物の賞金首を捕まえることもある一方、その荒っぽいやり方に巻き込んだ一般市民からの損害賠償請求も多い彼らに金銭的余裕はない。そんなビパップ号に奔放な美女フェイ・ヴァレンタイン、天才ハッカーのエド、犬のアインが転がり込む。おのおの何かしらの事情を抱えながらも、一同はビパップ号で緩やかな絆を育み、行く先々で様々な騒動に巻き込まれる。2022年、月での位相差空間ゲートの実験中に大事故が発生する。事故の結果、月の表面が大きくえぐられ、地球上にはその破片が大量に降り注ぎ壊滅的な被害をもたらした。この事態により地球は死の星と化し、人類は外惑星へ移民することを余儀なくされ、皮肉な形で人類は長年の夢であった宇宙時代を迎えることになる。人類の生活圏は急激に拡大することになったものの、ゲート事故以来約20年にも及ぶ無政府状態は深刻な治安の悪化を招いてしまった。そのような状況に対して、警察にも手に負えないほどの多量の犯罪を取り締まるため、アメリカ西部の時代に倣って「犯罪者に賞金を掛け、その摘発を一般から公募する」というカウボーイ(賞金稼ぎ)制度が制定されることとなる。ゲート事故により国家はなし崩し的に崩壊し、人類は人種も民族も混ざり合いながら宇宙へ進出し、2071年の世界では土星圏までに進出、かつてない繁栄の時代を迎えている。火星や金星、タイタンなど人が居住可能な星では大規模なテラフォーミングが行われて地表に地球上と変わらない都市が作られ、人類はそこで普通の生活を営んでいる。一方、ゲート事故によって甚大な被害を受けた地球ではその後も月の破片が隕石となり日常的に降り注いでいるため、人類は地下での生活を余儀なくされている。位相差空間ゲートによる宇宙航海、ナノマシン、サイバネティックスなどの技術が実用化され、汎太陽系コンピュータ通信ネットワークも運用されてはいるものの、急速な社会の拡大が発達のアンバランスを生んでいる。そのため、宇宙トラッカーたちは自分のトラクターの運転席に相変わらず様々なガラクタを飾り付けており(お守り、ダルマなど)、街角では辻占いが街を歩く人々に声をかけ、バーでは紹興酒・老酒が飲まれているという、どこか懐かしさを感じさせるローテクな20世紀末から21世紀初頭の雰囲気と高度な未来社会が共存する世界となっている。各惑星で民族や人種が混交しながら生活を送っているといっても、各々にコミュニティーを形成して生活を営んでおり、各惑星は中国語・英語・アラビア語などの看板・標識が乱立して街を埋め尽くすように立っている。民族同士の反目・対立も無くなってはおらず、エスニック・グループによる犯罪組織も存在し、各民族社会に深く根を張っている。「レッド・ドラゴン」のような大組織ともなると、火星の大都市に代紋入りの巨大ビルを堂々と建てている。「Session #○○」はテレビ東京を除く全ての放送での放送話数、「第○回」はテレビ東京での放送話数。『カウボーイビバップ 天国の扉』は、2001年(平成13年)9月1日公開のアニメ映画。主役4人と1匹が健在であり、「BIG SHOT」が放映中、そして侍姿のアンディがハロウィンの群衆の中にいることから、Session#22 - 23の間のストーリーであることがわかる( )。2071年、ハロウィンを目前にした火星のクレーター都市アルバシティー。その高速道路でタンクローリーが突如爆発炎上した。事故発生現場周辺に居合わせた人々は原因不明の症状を訴えて次々と倒れていき、事件の死傷者は400人を上まわる大惨事になった。苦しみながら次々と死んでいく被害者を見た警察は、正体不明の生物兵器を使用したテロの可能性を示唆する。火星政府はこれを受け、犯人に史上最高の3億ウーロンという巨額の懸賞金をかけることを発表した。別件で盗難カードの使用情報からハッカー、リー・サムソンを追っていたフェイが偶然この事件に出くわして現場を撮影。そこには手の甲に入れ墨がある男が映っていた。3億ウーロンを手に入れるため、「ビバップ」の乗組員たちはその男を探し始める。ここではゲーム版に登場したキャラクターについて記載する。すべてサンライズインタラクティブから発売されている。バンダイビジュアルより発売。なお、パッケージ画の異なるTVシリーズのレンタル版DVD(全9巻・BCDR-0148 - 0156)は2003年12月21日に、劇場版のレンタル版DVD(BCDR-0006)は2002年7月25日にリリースされた。ビクターエンタテインメントより発売。いずれもビクターエンタテインメントより発売。専用ドメインを用いてプロモーションを行った最初期の作品のため、公式サイトも何回かurlが変わっている。下記urlのページはInternet Archive Wayback Machine内のアーカイブキャッシュから一部閲覧可能。
出典:wikipedia
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