執行猶予(しっこうゆうよ)とは、罪を犯して判決で刑を言い渡された者が、定められた一定の期間(執行猶予期間)中に刑事事件を起こさずに済めば、その刑の言い渡しが将来にわたり効力を失うという制度。ただし、刑の言い渡しの事実は消えない。日本では - に規定されている。執行猶予が付された判決のことを執行猶予付判決という。これに対し、執行猶予が付されていない自由刑(懲役、禁錮、拘留)のことを俗に実刑といい、その判決を実刑判決という。なお、拘留については、執行を猶予することができないので、常に実刑ということになる。情状により執行猶予を付することのできる法定条件は以下の通りであり、期間は1年以上5年以下の範囲で指定される。()もっとも、罰金に執行猶予が付されることは実務上は殆どなく、再度の執行猶予についても認められる事例は稀である。なお、2014年7月に大阪地方裁判所において、執行猶予中の累犯の被告人に対し、公判で知的障害の存在が判明し、再度の執行猶予が付された例がある。執行猶予には保護観察が付く場合もある。なお前者の条件に該当しないが後者に該当するために執行猶予を受けた場合は、必ず保護観察が行われる。再度の執行猶予で保護観察が付いている場合に、その保護観察が仮に解除されたときは保護観察に付されていないものとみなされる。なお「禁錮以上の刑を受けた事がない者」とは、生まれてから一度もその刑を受けた事がない者の他、によって「刑の言い渡しの効力が失われた者」(禁錮以上の刑の執行が終わって、あるいは執行の免除を受けて10年間、罰金以上の刑を受けていない者など)も含まれる。執行猶予の取消しを受けることなく執行猶予の期間が経過すると刑の言い渡しは効力を失う。「刑の言渡しが効力を失う」とは、刑の言渡しの効力が将来に向かって消滅するという趣旨であり、法律上の復権とも言う。執行猶予の期間が経過すると、再び犯罪を犯しても執行猶予を受けることはできる。しかし、刑の言渡しの事実そのものまでもがなくなるわけではないので同種の犯罪を再び犯した場合などは特に情状が重くなり、量刑に影響することは十分にありうるまた、執行猶予期間の経過によって刑の言い渡しの効力が将来的に消滅する結果、いわゆる(狭義の)前科にはならず、通常、「資格制限」(各々の法律により定める)も将来に向けてなくなる。ただし、将来に向けてなくなるだけなので、執行猶予付き刑の言渡しにより失った資格が当然に復活するわけではない。必ず執行猶予が取り消されるのは次の場合である(第26条 必要的取消し)。執行猶予の言い渡しの取り消しができるのは次の場合である(第26条の2 裁量的取消し)。執行猶予が取消しになる事例の大半は執行猶予中の再犯であるが、これについては単に執行猶予期間中に執行猶予に付さない自由刑に相当する罪を犯したのみでは足りず、さらに執行猶予期間中に執行猶予に付さない自由刑が確定した上で執行猶予期間の満期までに執行猶予取消し決定の効力が生じることが必要であり、執行猶予期間中に執行猶予取消し決定が確定しているか、あるいは即時抗告審の決定において原審の執行猶予を取り消す決定を是認する決定かあるいは即時抗告審自らが執行猶予を取り消す決定のいずれかが被請求者に告知されている必要がある。運用上は極めて稀であるものの道路交通法違反等の犯罪でも罰金刑の判決を受ければ、執行猶予が取消されてしまう可能性も皆無とは言えない。なお、交通反則通告制度に基づくいわゆる反則切符(「青切符」)により納付する反則金は行政罰であり同規定の「罰金刑」には該当しない。2号の保護観察遵守事項違反を事由とする取消しについては、執行猶予期間満期間際に自由刑相当の再犯をしたことにより、その再犯を犯したことが遵守事項違反として取消されている事案が大半を占めている。2号を事由とする取消しをする場合、被請求者には口頭弁論請求権がある。禁錮以上の刑の執行猶予が取り消されたときは、他の禁錮以上の刑の執行猶予も取り消される(第26条の3)。執行猶予が取り消された場合には、執行猶予期間中のどの期間で取り消された場合であっても、言い渡された刑の全部について執行される。(この項の出典は、いずれも『検察統計年報』)
出典:wikipedia
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