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Accelerated Graphics Port

Accelerated Graphics Port(アクセラレーテッド グラフィックス ポート、AGP)とは、インテルが策定したビデオカード用の拡張ポート規格である。インテルのPentium II・Celeron用Slot 1対応チップセットであるIntel 440LXでAGP 1.0が初採用され、以後、後継規格であるPCI Expressが制定・実用化されるまでパーソナル・コンピューターを中心に利用された。信号プロトコルは32ビット 66MHz動作のPCIバスのそれを基本としつつ、同バスでデータバスと時分割により共用とされていたアドレスバスを8ビット幅で別途用意し、必要に応じて両バスを分離可能とするサイドバンドアドレッシング機能や、CPUを介せず直接グラフィックコントローラでメインメモリの読み書きを可能とするDIME (DIrect Memory Execution) 機能を搭載する。サイドバンドアドレッシング機能とDIME機能は共に本ポートに接続されるグラフィックコントローラからパソコン本体のメインメモリへのアクセスを高速化するためのものである。これらは当初、メインメモリをテクスチャやZバッファやバックプレーンとして使用することによって、ビデオカードに搭載されるビデオメモリの搭載量を必要最小限で済ませ、一定の描画性能を確保しつつ低コスト化を図る目的で開発された。だが、規格制定と前後してWindows搭載パソコンでの3Dグラフィック機能の搭載が急速に進展したことから、そうした低コストパソコンへの適用とは別に、ポリゴンによる3Dグラフィック機能をサポートするグラフィックコントローラにおいて、大容量テクスチャメモリをメインメモリ上に確保する手段として賞揚され、下位機種から上位機種まで幅広く普及するに至った。最初のバージョンであるAGP 1.0は1996年8月に策定され、1997年夏頃から製品が出回るようになった 。もっとも、本ポートが製品レベルで現役であった当時の大多数のPCで使用されていたWindows 9xやWindows 2000・Windows XPなどにおいて、恒常的に最も多く使用されていたアプリケーションソフトであるオフィスソフトを使用する場合に限って言えば、PCIバス接続のグラフィックコントローラで十分であった。実際にも、本ポートの登場に先行して実用化が始まっていた、メインメモリの一部をビデオメモリとして共有するIGP=統合チップセットを利用するPCは、本ポートの普及後もそうしたビジネス用PCを中心に多数販売され続けている。これは、オフィスソフトでは高度な3D処理は必要とせず、また、高速に描画を行い大量のデータをやり取りする時間よりも、人の手で入力する時間が作業の殆どを占めており、画面の書き換えについても文字を毎秒数文字(または、毎分数文字)書き換える程度の処理が殆どであったためである。上述の通りAGPは32ビットPCIの上位互換機能を備えており、適切なデバイスドライバが存在しない場合、本ポートに接続されたグラフィックコントローラは32ビット 66MHzのPCIバスに接続されているのと同等の動作を行う。後年、大量のメモリをビデオカードに実装するようになると、ビデオカードのメモリアクセスはビデオカード内で完結することも多くなり、メインメモリへのアクセス向上という意義はやや薄れた。だが、この時期には3Dゲームを中心に本ポート経由でやりとりされるデータそのものが急増しており、その要求に応える形で本ポートは規格の拡張・性能向上が繰り返された。これにより、基本となる1xモード (266MB/s) の機能に加えて信号の低電圧差動を行い、さらにクロック信号の立ち上がりに加え、立ち下がり、待ち時間などを検出することで同一クロックタイミングのまま転送速度を2倍・4倍・8倍と高速化させるAGP 2xモード (533MB/s) ・4xモード (1,067MB/s) ・8xモード (2,133MB/s) が開発されている。AGPはこれまでに3つの規格がリリースされ、諸元は以下の表の通りである。より高速な動作モードを備えたリリースであるほど、スルー・レートを高く維持するように信号電圧が低く設定されている。データ転送速度は1x・2x・4x・8xの4種類があり、バースト転送時でそれぞれ 266Mbytes/秒・533Mbytes/秒・1.07GBytes/秒・2.13GB/秒の速度となっている。カードエッジ端子部分はPCIのような櫛状に端子を並べるのではなく、かつてのEISAバスと同様、端子を上下2列に千鳥配置としている。また複数の動作電圧が設定されているので、対応電圧の異なるカード・スロットを区別するため、図に示すように、3.3Vと1.5Vの電圧にそれぞれ対応した位置に、カードには切り欠きが、スロットには突起が存在する。これにより電圧が非対応のカードの挿入を物理的に防いでいる。AGP 3.0の駆動電圧である0.8Vに対応した切り欠き(突起)は存在しないが、0.8Vで動作するカードは、0.8V非対応のスロットに挿入されたときも適切に対処することが規格上定められており、AGP 3.0専用カードであっても1.5Vの入力電圧に耐え(切り欠きにより3.3V専用スロットへの挿入は物理的に回避できる)、非対応スロットであることを電気的に認識した後に動作を停止(あるいは1.5V動作に自動切り替え)し、故障を回避する必要がある。なお、3.0対応スロットの場合、2.0のカードが装着された場合には自動的に2.0モードに切り替わる実装が多い。過去には、切り欠きが不適切に設定されたカードにより、回路が焼損する事故が起きたこともある。なお、例えばAGP2.0対応カードが必ずしも全ての動作速度に対応しているわけではなく、動作モードは2xまでしかサポートしないというカードも存在する。カードやスロットにより、対応する規格の範囲が異なり混乱を招くことがある。また、カードやスロットの物理的形状だけでは対応する動作モードを判断することが出来ないため、混乱に拍車をかけている。なお、拡張スロットの色は茶色が多く、CPUからは最も近い位置にあることが多い。2005年末以降のマザーボードの新製品では、より高性能だがAGPと互換性のない後継規格PCI Express (PCIe、対応マザーボードのほぼ全てが帯域を占有するビデオカード向けに16レーンを同時に利用するx16スロットを備える) 規格スロットのみを搭載したマザーボードが一般的となったため、AGPは事実上旧規格(レガシーデバイス)となり、各ビデオカードベンダーの最新型製品におけるラインナップはPCIeを中心とした物に移り変わっている。NVIDIAはGeForce 8シリーズ以降のAGP版をリリースしていない。AMDでは2009年現在のところRadeon HD 3000・4000シリーズのAGP版が発売されているが、HD 2000シリーズ以前に比べるとラインナップが大幅に減少した。いずれにしろ古いパソコンを強化する目的が主となり、バス転送速度がボトルネックとなるため、ビデオカード側をそれ以上強化しても処理速度は上がらず、利用しているCPUやチップセットなどのハードウェア全体を含めて最新のゲームを快適にプレイできるほどの性能をAGPベースのビデオカードに求めるのは困難となっている。また同等性能のPCI Express版に比して、販売数量が見込めないことや、後述のブリッジチップを搭載するなどの要因から高価になる傾向がある。PCIe用ビデオチップをAGPに転用するため、AGP-PCIeブリッジチップ(NVIDIA製品では「HSI」、AMD製品では「Rialto」と呼ばれる)を搭載するカードも存在する。しかし、このタイプのビデオカードは、ごく一部のチップセットで動作が不安定になることがある(デバイスドライバやマザーボードのBIOSの更新で解消できる場合がある)。

出典:wikipedia

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