LINEスタンプ制作代行サービス・LINEスタンプの作り方!

お電話でのお問い合わせ:03-6869-8600

stampfactory大百科事典

ACジャパン

公益社団法人ACジャパン(エーシージャパン、")は、様々なメディアを通した公共広告により啓発活動を行っている公益社団法人である。公共広告によって、国民の公共意識を高めることを目的に活動している民間の団体である。アメリカの「広告協議会(、以下『アメリカAC』と表記)」を見本として、1971年(昭和46年)に大阪で前身である任意団体の「関西公共広告機構(かんさいこうきょうこうこくきこう)」が発足。公共広告を実施する団体としては日本初のものであった。1974年(昭和49年)、これを引き継ぐ形で「社団法人公共広告機構(こうきょうこうこくきこう)を設立」し、2009年(平成21年)7月には現名称であるACジャパンへ改称。2011年(平成23年)には公益社団法人化された。運営は会員による会費制で成り立っており、公的な資金は受け取っていない。会員には正会員、賛助会員、個人会員がおり、それぞれ企業、正会員社の事業所、個人からなる。主な活動内容は様々なメディアを通した公共広告の発信であり、制作は正会員である広告会社により行われている。広告は無料で流されているが、正規料金に換算した場合の広告費は日本国内の広告主でトップクラスの規模である。前述の通り、組織の運営は会員からの会費により成り立っている。会員は「正会員」「賛助会員」「個人会員」に分けられる。正会員は広告を取り扱う企業であり、広告主となる一般企業のほか放送業界・新聞業界・広告業界などの企業が含まれ、正会員社数は約1000社(2011年(平成23年)度現在)にのぼる。会員企業からは1口12万円の年会費という形で資金を集めている。賛助会員は1987年(昭和62年)度から設けられた会員であり、当初はACジャパンの活動に賛同する個人を対象にした会員であった。現在、賛助会員は名称が「個人会員」と改められ、「賛助会員」は正会員社の事業所である会員を指している。賛助会員(現在の意味における)の会費は1口6万円、個人会員の会費は年6000円である。現在、主たる事務所を東京都中央区に置いて、全体の年間実行計画の統括事務を行う一方、札幌市中央区・仙台市青葉区・東京都中央区・名古屋市中区・大阪市西区・広島市中区・福岡市中央区・那覇市の全国8か所に事務局が設置されている。現理事長はライオン株式会社相談役の藤重貞慶。なお、副理事長の一力雅彦は、河北新報社の代表取締役社長である。前身である関西公共広告機構が設立される背景となった時代は、高度経済成長期である。この時代は人々の生活水準が向上した一方で様々な社会問題が生じており、いわゆるテクノロジーアセスメント、ソーシャル・マーケティングといった概念の登場で『企業の社会的責任』が問われるようになった。この点は植条則夫が指摘しているほか、「関西公共広告機構設立趣意書」においても記されている。このような時代の中で1970年(昭和45年)の日本万国博覧会(大阪万博)開催を控え、当時サントリーの社長だった佐治敬三は大阪の人々の社会的マナーについて、訪問してくる多くの外国人を前に「恥ずかしいことが多すぎる」と問題視しており、解決できないかと考えていた。1969年11月、佐治はアメリカの広告会社であるケッチャム社を訪れ、そこでアメリカACの存在を知り「同じような活動を日本でもできないか」と考えた。これが関西公共広告機構設立のきっかけである。佐治が注目したアメリカACの作品は「愛…それはあらゆる人種を超えて」である。また、佐治は「広告は人を説得するための最も強力な手段」と考えており、広告を手段に商売をしてきた大企業の社長として、公共の問題について社会に訴えていくことで広告に「お返し」をしたいと思っていたことも、設立のきっかけの一つにつながっている。帰国した佐治は、1970年1月29日に大阪広告協会で公共広告を実施する機関の設立を提唱し、その約1年半後となる1971年7月7日に発起人会・設立総会が実施され、関西公共広告機構が設立された。設立に至るには、会員となる企業がその活動に賛成し、さらに金銭面で協力することが必要であった。植条によると、日本人はアメリカ人と違って公共意識が低いため協力が得にくいのではないか、という意見があったというが、関西においては広告関係者の協力が問題なく得られた。これに関して加藤良雄(1992年当時、公共広告機構政策実行委員会副委員長)は、大阪人には佐治や芦原義重(関西公共広告機構会長)を中心としたまとまりがあり、ボランティア精神やすばやい問題意識もある、ということを発言している。さらに加藤は金銭面での協力について、当時は万博景気の後ということで広告主や媒体社に多少の余裕があったのが幸運であった、との旨を発言している。植条は設立された時期について、前述の社会的な背景を踏まえて「公共広告を受け入れるには、まことにタイムリーな時代でもあった」と述べている。団体としてのスローガンには、1987年(昭和62年)5月に採用された「人と人とを結ぶ、思いやり」(1985年度の同名新聞広告が由来)と、2001年(平成13年)に新たに採用された「明日のために、いま始めよう。」がある。スローガンはテレビCMにおいても最後に表示されるロゴマークに付記されていたが(2004年(平成16年)度の「シカの愛」のように付記のないCMも存在した)、異なる文言が表示されていたCMもある(例として1994年度の阪神・淡路大震災激励CMでは「人を救うのは、人しかいない。」と表示)。2009年(平成21年)度以降はテレビCMの最後にスローガンが表示されなくなり、代わりに以下のような文言がロゴマークに付記されている。2013年度以降の支援キャンペーンは文言の代わりにロゴマークの下に「この活動を支援しています」が付記されるようになった。団体創立20周年記念の際にマスコットキャラクター「めばえちゃん」が登場した。公式サイト上では2006年度のリニューアルから登場しており、同時に「みのりちゃん」「いくえちゃん」が加わった。この3人は姉妹関係で、みのりちゃんが長女、いくえちゃんが次女、めばえちゃんが末っ子とされている。2014年6月現在、テレビCMへの登場は無いが、2007年(平成19年)に新聞広告ではインターネットの検索エンジンの検索窓に「AC」と入力してあるその右に「検索」ボタンが描かれているという内容の広告がある。他に創立40周年を記念した新聞広告に3姉妹で出ている。2008年より、公式サイトのめばえちゃんのコーナーで新たに4コマ漫画のページが設けられている。企業広告を放送しないNHKも会員企業であり、2000年(平成12年)には、NHKとの共同による啓発キャンペーンとして公共広告を放送した実績がある。最初に放送されたのはAC制作の「捨てる世紀」とNHK制作の「地球の声 環境汚染」。この活動は現在も継続中である。NHK制作のCMは開始時から2011年度まで環境問題、2012年からは公共マナーをテーマに取り上げる。なお、NHKでCMを放送する場合は、通常AC JAPANのロゴは「公共放送 NHK」や「NHK環境キャンペーン」などに差し替えられるか、カットされる。しかし、稀にそのまま「AC」ロゴやサウンドロゴが放送されたこともある。このキャンペーンは、2001年度から2005年度まで、NHKオンラインには紹介されなかった。NHKで放送されているCMは、ハイビジョン制作になっている。民放で放送されるCMは、2011年度までサイドカットまたはレターボックスになっていたが、地デジ化完了後は、NHK同様ハイビジョンでCMが放送されている。広告キャンペーンは毎年7月に更新され、7月から翌6月までの1年間(年度)にわたって実施される。広告を展開するメディアはテレビ・ラジオ・新聞・雑誌のほか、映画館(映画の上映前)やスタジオアルタなどのオーロラビジョン(街頭ビジョン)、インターネット広告なども利用している。取り扱うテーマはその年度ごとに日本社会が必要としている事柄であり、環境問題・公共マナー・薬物・いじめ・家庭問題・一般常識など多岐にわたる。テレビおよびラジオCMについては、各局の7月1日の放送開始以降または起点の午前5時から、新しいCMが放送される。テレビCMに関しては、2011年度からは一部の作品が、翌年からは全てハイビジョン制作となり、2015年度からは一部の作品でテレビCM字幕放送を開始した。また、2015年度まではACジャパン公式サイトでラジオCMを聴けなかったが、2016年度からは、40秒版のみ聴ける様になった。新聞広告、ポスターなどの枠は会員社によって無償で提供されており、広告代理店などの加盟企業がコンペティション形式で制作している。その広告実績は正規の広告料金に換算すると797億円(2009年度)にものぼり、これは日本で展開される一広告主の広告としては最大規模のものとなっている。2010年度の実績は2800億円と大きく伸びており、ACジャパンはこれを東日本大震災後における自身のCMの大量放送(後述)によるものとしている。「全国キャンペーン」「地域キャンペーン」「支援キャンペーン」の3つを主としており、ACジャパンはこれを「3つの柱」としている。このほか、団体そのものを紹介する広報キャンペーンや、NHK・アメリカAC・韓国放送広告公社と共同で行うキャンペーン(それぞれ「AC・NHK共同キャンペーン」(上記参照)「日米共同キャンペーン」「日韓共同キャンペーン」)もある。BS放送においては、大学や専門学校の学生が制作し、応募した作品の中から選ばれた「公共広告CM学生賞」の作品も放送される。大災害発生などの緊急時には、7月の更新時期に関係なく臨時キャンペーン(下記参照)が企画、制作される。ACジャパンのCMは、CM枠に空きが生じた場合に放送される。空きが生じるケースとして、番組のスポンサーである企業(クライアント)が深刻な事情によりその番組へのCMの出稿を自粛した場合(放送・広告業界において「AC差し替え」と呼ばれる)や、生放送においてCMをはさまずに放送することが技術上困難なためにCM枠が入る場合のような例がある。これらの事情がない場合でも、テレビ局がCM枠を確保できないことがあり、その枠を埋めるためにもACジャパンのCMが放送される。ちなみに、JRN制作のラジオ番組のネットワークセールスのCM枠においてACジャパンのCMが放送される場合は、ネット局によって別の内容のCMが放送される。CMの出稿を自粛するのは企業側の都合による場合が多い。企業が不祥事を起こしてCM出稿を差し控えるのはその例である。それに対し、皇室の慶弔や大災害の発生時などにおいて多くの企業が一斉にCMの出稿を自粛することがある。この場合、CM枠の多くが空くためACジャパンのCMが大量に放送される。例として、昭和天皇崩御時および阪神・淡路大震災発生時には大規模なCM出稿の自粛が起こった。2011年3月の東日本大震災発生時はACジャパンのCMがとりわけ多く放映され、反響を呼んだ(後述)。2016年4月の熊本地震においても同様に、ACジャパンのCMへの差し替えが増加した。国の行政機関に関連する法人がCMを自粛する場合もあり、JRN制作のニュース番組「ネットワークTODAY」では公益社団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)が熊本放送、大分放送でのみCMを展開せず、ACジャパンのCMに切り替えとなる。企業側ではなくテレビ局側の不祥事によって企業がCM出稿を取りやめる場合がある。この事例としては、2011年(平成23年)8月に『ぴーかんテレビ』(東海テレビ制作)で岩手県産米に関する不謹慎なテロップが表示された放送事故により、JAグループがCM出稿を東海テレビの放送エリアに限り取りやめ、その分がACジャパンのCMに差しかわったというケースがある。また、テレビ番組が原因で企業がCM出稿を取りやめる例もある。2014年(平成26年)放送の日本テレビ制作のテレビドラマ『明日、ママがいない』では、児童養護施設の団体などから内容改善を求められ、賛否両論を巻き起こす事態になったことで、最終的に番組スポンサーの8社すべてがCM放送を取りやめ、ACジャパンのCMが連続して放送された。フジテレビ制作のテレビバラエティ『とんねるずのみなさんのおかげでした』では人気コーナー「新・食わず嫌い王決定戦」、「買うシリーズ」、「男気じゃんけん」の時はスポンサーの花王が提供を取りやめ、ACジャパンのCMに切り替えとなる。番組の放送休止によって生じる代替番組におけるCMとして、ACジャパンのCMが放送される場合もある。たとえば、前述の『ぴーかんテレビ』で放送事故が起こった後、同番組の休止によって放送された代替番組ではACジャパンのCMが多く放送されていた、ということがインターネット上の「実況」で伝えられていた。近年はレギュラー番組における週替わりスポンサーの穴埋めとしてACジャパンのCMが放送されることもある。関西公共広告機構のロゴマークは、当初は鳥とハートを掛け合わせた、ハートマークの左側にくちばしのような尖った部分があるものだった。鳥は「社会と自然の融合とやさしさ」を象徴し、ハートは「人の社会への思いやり」を形にしたものである。このロゴマークは、大阪万博のシンボルを担当した大高猛がデザインしている。1986年度の団体創立15周年記念事業において、ロゴマークが変更された。デザインは東急エージェンシーによるものである。新しいロゴマークは、「Motter Ombra」というフォントを元にした青色の「AC」という文字がデザインされたものである。また、これに伴い、「公共広告機構」の部分の書体が変更されていた。2008年(平成20年)度、団体名改称の予告に伴いロゴマークも変更され、「AC」の文字の下にあった「公共広告機構」の文字が「よりよい社会をめざす民間の広告ネットワーク」に変わった。2009年度の正式な改名に伴い、「AC」の下の文字は「JAPAN」になった(「JAPAN」の文字は「Motter Ombra」の書体ではない)。また、「AC」ロゴの先端の部分が若干太くなっている。ロゴマークは公式サイトで見られるほか、広告作品においても表示される。テレビCMでは最後に表示されるが、必ずしも青色のロゴマークが白色の背景に表示されるわけではなく、異なる色や大きさのロゴマークや異なる背景が使用されているCMがこれまで存在している(2006年度の「生命を咲かせるカード」などで使われた黒色の背景に表示される白色のロゴマークなど。1989年度の「樹のお医者さん」、2003年度の「抱きしめる、という会話。」(白色、15秒、30秒篇のみ、60秒篇は黒色背景に白色ロゴマーク)、2004年度の「宣誓、2005年ポリオ撲滅」、2012年度の「希望の種」(沖縄地域キャンペーン、青色)などでは映像中にロゴマークが挿入される)。ちなみに、初代のロゴマークが使われていた頃には、CMの最後に白色・無地の背景にアニメーションで描かれた鳥が飛び回って鳩マークに変形する(または鳩マークと融合する)演出のCMも存在した。テレビCMやラジオCMでは、1987年度より女声による「♪AC~」というサウンドロゴが同じくCMの最後に使用されていた。サウンドロゴに関しても2009年度の団体名改称とともに、男女混声による音声のものに変わった。ただし、2009年度以降のCMでも初代サウンドロゴを使用しているものがある(一例として2010年度の「見える気持ちに。」と「オシムの言葉」)。また、ロゴマークの色と同様サウンドロゴの使用に関しても統一されているわけではなく、使用していないCMも存在する(一例として2010年度の「こだまでしょうか」)。2006年度までのCMでは、サウンドロゴの有無にかかわらず、ナレーションが「公共広告機構です」やスローガンの「明日のために、いま始めよう。」となっているCMも一部存在していた(一例として2006年度の「はっけよいエコライフ」)。2007、2008年度は全てのCMにサウンドロゴが使用された。2010年度、期間中にサウンドロゴの削除が行われることになった。この削除は、同年度の期間内の2011年3月に発生した東日本大震災の影響でACジャパンのCMが大量に放送されたことで殺到した視聴者からの苦情に対する措置である(後述の東日本大震災に伴う特別措置を参照)。この措置は、テレビCMでは2010年度CMの放送終了まで行われたが、ラジオCMではまもなく一部で使用が再開された。また、その翌年度である2011年度のCMでは、テレビCMにおいてサウンドロゴの使用が見合わせられたものの、ラジオCMでは一部を除き使用された。2012年度のCMではテレビ・ラジオ共にサウンドロゴが使用されず、ロゴの表示の際に「ACジャパン」とのナレーション(声はCMごとに異なる)がなされた。翌2013年度においても、ACジャパンのアンケート調査で「地震を連想させる」という意見が多く、サウンドロゴの使用は見合わせられ「ACジャパン」とのナレーションがなされた。3年間にわたり使用が見合わせられていたサウンドロゴは、2014年度のCMにおいて新たに復活した。ACジャパンによると、調査の結果3人に2人がサウンドロゴの使用に肯定的であり、「ACジャパン」という正式名称による新しいサウンドロゴが使用される様になった。但し、2013年度からの支援キャンペーンは「ACジャパンは、この活動を支援しています」というナレーションも使用されている。2016年4月14日に発生した熊本地震の際、東日本大震災時の教訓から翌15日の放映分より再度サウンドロゴを自粛していたが、5月・6月は不定期という形で使用を再開し、2016年度のCMを開始した7月以降は元の体制に戻った。2016年度の支援団体は以下の9団体である。記載順序はACジャパン公式サイトに従う。など。テレビCMに限る。また、ナレーションの担当者も含む。2016年度キャンペーン放送時期の順に記述。2011年(平成23年)3月11日に東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生した際、当初CM抜きで報道特別番組を放送していた民放各局は、徐々にCMを入れた通常編成に戻したが、多くのスポンサー企業はCM放送を自粛した。ACジャパンの担当者がテレビ局の人物から聞いた話によると、クライアントである一般企業の約70%以上が自粛したという。これにより、ACジャパンのCMは民放各局で繰り返し放送され、世間から注目を集めることになった。地震発生前におけるACジャパンのCMの本数は、2011年3月5日から3月11日14:50過ぎまでの期間において32本であった(関東の民放キー局5局を対象にした調査。CM総合研究所調べ)。それ以降、地震に関する特番によりCMが放送されなくなり、CMが復帰した3月12日以降、ACジャパンのCMが激増した。3月12日から3月19日までの1週間におけるACジャパンのCMの本数は19972本にのぼっており(調査対象・調査会社は同じ)、CM総合研究所によると、この本数はトヨタ自動車が1年間で放送するCMの本数に相当するという。CM全体に対してACジャパンのCMが占めた割合も、地震直後は非常に高くなった。地震後にCM放送を再開してから3月16日早朝までに放送した8173本のCMのうち、77%がACジャパンのCMであり、3月22日まででは全体の約8割がACジャパンのCMであったという。また、1日におけるACジャパンのCMの割合は、3月15日が「8割超」、3月16日が「約86%」と発表されている。3月下旬には徐々にCMを再開する企業が増え、4月以降になると割合は全体の15%程度に減少し、5月のゴールデンウィークの時期には全体の1%未満(1日あたり約20本)に落ち着いた(いずれも関東の民放キー局5局を対象にした調査。CM総合研究所調べ)。このように、ACジャパンのCMは非常に多く流された。さらに、放送回数の多さに対してCMの種類が少ないために同じCMが繰り返し流され、これにより視聴者からの反感を生み出してしまった。また、CMの内容についても、震災時に流されることが考慮されたものではない。これらの点について、ACジャパンには視聴者から「同じCMばかり流れてしつこい」「内容が地震にそぐわない」といった旨の苦情が殺到した。後のACジャパンの2010年度事業報告によると、非常時を意識していないCMの内容に対する違和感の声が多かったのは支援キャンペーンであり、一方で全国キャンペーンに対する批判は少なかった。なお、ACジャパンの専務理事である草川衛によると、苦情は被災地以外に住む視聴者から先に寄せられ、被災地の視聴者からの苦情はやや遅れて寄せられたという。苦情はCMの放送回数や内容に関するものばかりではなく、サウンドロゴに対するものや的外れな苦情・脅迫もあった。サウンドロゴに対しては「不快だ」「地震速報と間違える」といった旨の苦情が寄せられた。的外れな苦情の例としては、「企業の自粛であまったCM枠を買いあさっているのか」「そんなCMを流すのに税金を使うなら、少しでも被災地に回せ」といったものがあった(実際、CMは無料で放送されており、どれだけ大量に放送してもACジャパンと各放送局の間に金銭のやりとりは一切生じず、またACジャパンは国からの援助を受けていない)。このほか、刃物を持って押しかけるという脅迫電話をかけた者もいた。このように、ACジャパンへの反感を持った視聴者による苦情が殺到したという事実がある一方で、雑誌『CM NOW』は地震直後におけるACジャパンの広告に関する肯定的な一面に言及している。それは、テレビを通して地震による災害を見守ってきた視聴者が感じた「言い知れない、解消の出来ない心のざわつき」を「一瞬、冷静にさせ、ある意味では癒してくれた」という一面である。さらに同誌では、ACジャパンの作品には「他人(ひと)を想う気持ち」を考えたという意味での共通点があり、それが震災に立ち向かう人々の心情と重なったのかもしれない、という見解が述べられている。また、CM総合研究所調べによる銘柄別CM好感度ランキングでは、震災直後である2011年3月度後期の調査において、ACジャパンが1位となった。その後4月度前期・4月度後期と3期連続で1位を保っており、ACジャパンに対する世間の関心の高さが示されている。同社調べによる2010年度の年間企業別CM好感度ランキングにおいても前年度の59位から8位まで浮上した。また、インターネット上では、動画投稿サイトなどに「あいさつの魔法。」などのCMから作られた二次創作が多く投稿された。ACジャパンは3月16日、視聴者に不快な思いをさせたとしてお詫びの文章を発表した。また同日、テレビ各局にサウンドロゴの削除を依頼し、それにテレビ局が対応する形でサウンドロゴなしのCMが放映されるようになった。しかし依頼以降も非常にまれだがサウンドロゴがそのまま流れたこともあった。依頼が行われたテレビ局は全国160局以上に及んでいる。また、ACジャパンお詫びに先がけて、被災している状況において内容のそぐわない6本のCMの放送中止をテレビ局に依頼した。ただし、対象のCMのうち「ありがとう あしながさん」は後に放送を再開したほか、依頼以降もまれにこれらのCMが放送されたこともあった。これらのCMの放送中止依頼が行われた日付(以下依頼日)については雑誌『日経エンタテインメント!』の記事、依頼理由については雑誌『FLASH』の記事を出典とする。また、過去の事例とは違い、前年度以前のCMを流さなかった。CMの一部が放送中止されたことにより、残ったCMの放送頻度はさらに高まり、視聴者の苦情にあった「同じCMばかり流れてしつこい」という状況が悪化することになった。これにより、CM自体だけでなくその出演者にも批判が向けられるという事態に至った。これについてACジャパンのクリエイティブディレクターである尾形敏朗は「普段なら良いと思うメッセージでも、あまりに何度も見せられて、押し付けに感じられてしまったようだ」と述べている。当初は中止の対象になっていなかった「オシムの言葉」「大切なあなたへ」(それぞれ日本脳卒中協会、日本対がん協会支援CM)に関しても、放送頻度の増加により中止された。最終的には放送できるCMが震災から3週間で「あいさつの魔法。」「見える気持ちに。」「あなたの手当て」「こだまでしょうか」の4本に絞られることになった。CMの大量放送により、1つ1つのキャンペーンも注目された。全国キャンペーン「あいさつの魔法。」は、インターネット上を中心にブームになるなど話題になった。同じく全国キャンペーン「見える気持ちに。」、および地域キャンペーン「こだまでしょうか」(東京地域。ただし東京キー局制作の全国ネット番組内、および放送局の所在地が東京である民放各局のBS放送ではそのまま全国で放送された)に関しては、それぞれで引用されている詩「行為の意味」(宮澤章二)、「こだまでしょうか」(金子みすゞ)が反響を呼び、それぞれを収録している詩集がAmazon.co.jpのベストセラーランキングで上位を獲得した。また、山口県長門市にある金子みすゞ記念館においては、2011年3月20日から4月8日にかけての入場者数が前年同期と比べて20.6%増加しており、読売新聞は「こだまでしょうか」による影響があると推測している。ACジャパンは地震発生後、被災者を応援する臨時CM「震災臨時キャンペーン」を企画した。CM情報誌『CM NOW』によると、地震が発生した2011年3月11日にはACジャパンが2011年度に展開するキャンペーンの最終決定が行われており、地震によって交通機関が止まったことで、集まった役員たちは事務所に泊まって震災臨時CM制作の相談をしたといわれている。3月14日に会員企業へ臨時CMの企画募集について連絡し、翌15日までに10社から提案があった。最初に制作・放送されたのは「文字篇」である。15日の夜に持ち寄られた臨時CM案の検討をし、すぐにできるものという条件で「文字篇」の制作を開始し、3月18日に放送局へ送り、3月19日から放送が始まった。その後は3月23日から「サッカー篇」、24日から「日本の力を、信じてる篇」、26日から「今、わたしにできること・呼びかけ篇」、31日から「日本の力を、信じてる篇」の新作が放送開始された。『CM NOW』はこのように、臨時CM制作の話が地震発生後すぐに出ていることを伝えている一方で、同じCMが繰り返し流されて逆効果を生み出したことへの「対策」として臨時CMが急遽制作されたとも書いている。ほかにも同様の趣旨の報道がある。たとえば産経新聞では「視聴者の不満の声に早急に対応した形だ」と書かれており、サーチナの報道では「同社ではその対策(苦情の対策)にCM最後のロゴの音声を削除したり、今回の臨時CMを制作することを発表していた」と書かれている。逆にまんたんウェブ(=毎日新聞)の報道では、臨時CMが苦情への対応であるということをACジャパンが否定した上で「ACジャパンとして、いま、国民のみなさんに伝えるべきこととして制作した」と話していたことが述べられている。ただし、展開を中止したCMに代わる素材に関する要望は視聴者の苦情とは別にメディア側から寄せられており、ACジャパンの2010年度事業報告では、臨時CMの全国展開について「支援キャンペーンの多くが中断したために、それに代わる素材をというメディアの要望に応えました」と記されている。臨時CMの開始により放送できるCMの本数は増えたが、臨時CMに関しても否定的な見方が出るようになった。たとえば、ACジャパンの常務理事である高島邁によると、地震発生直後は物資が不足したため買い占めを控えるべき旨をCMで呼びかけたが、それが解消すると「復興のために経済活動を活発にすべき」と批判される、というような事例があったという。また、広告においては出演しているタレントにプロモーションの意図があるという誤解を受ける可能性が避けられず、実際にこの種の批判があった。そのため臨時CMの放送は短期間で終了した。臨時CMは「文字篇」「サッカー篇」「日本の力を、信じてる篇」「今、わたしにできること・呼びかけ篇」の4タイトル以外にも制作された。大阪地域においては「こいのぼり篇」をテレビ・新聞で展開し、「選手宣誓篇」「ひとつひとつ篇」を新聞で展開したほか、環境映像をテレビで5タイプ展開した。東京地域および岩手・宮城・福島の東北3県においては「同じ空の下篇」を2011年5月末からテレビ・ラジオで展開した(前出の「こだまでしょうか」と同様、東京キー局制作全国ネット番組や民放各局のBS放送ではそのまま全国に流れた)。また、ACジャパンのサイトではのちに「今、わたしにできること・呼びかけ篇」および「日本の力を、信じてる篇」のCMタイトルがそれぞれ「タレント篇A・B」「タレント篇C・D」と変更されている(前者はA・Bの2タイプとされているが、30秒版と15秒版で出演芸能人が異なる。次の「CM出演者」の節ではこの違いを考慮するため4タイプとして扱う)。「文字篇」「日本の力を、信じてる篇」「今、わたしにできること・呼びかけ篇」は同タイトルで異なるタイプのCMが存在する。それらの区別について、「文字篇」はサイト「曲名探偵団」および『CM NOW』に従う(『CM NOW』では「文字篇B」の内容が紹介されている)。「日本の力を、信じてる篇」は2バージョンのうち後から放送開始されたものを(新作)とする。「今、わたしにできること・呼びかけ篇」は「曲名探偵団」に従う。

出典:wikipedia

LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。