ザ・ウィーケスト・リンク (The Weakest Link) は、イギリスのBBC Twoで放送されたクイズ番組である。初回の放送は2000年8月14日。オリジナルであるイギリス版は、および BBCアメリカを通じ、世界中に配信された。番組フォーマットのライセンスは、BBC(英国放送協会)の商業部門である を通じて配信された。世界中の50の国・地域にライセンス契約され、それぞれの版が制作されており、その中には日本も含まれている。世界に先駆けてライセンス契約によって取り入れた国はオーストラリアである。各国版における番組名は、そのほとんどが「ザ・ウィーケスト・リンク」またはその訳語となっている。また、他国版を放送した国は11にのぼる。ザ・ウィーケスト・リンクは、フランチャイズ番組として、世界で2番目に好評を博した番組となった。1番目は『フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア (Who Wants To Be a Millionaire?)』であり、こちらもイギリス発祥の番組である。オリジナルのイギリス版では、司会者を務めるアン・ロビンソン () は、黒い衣装をまとい、決して笑わないという設定を徹底している。これにならい、各国版の司会者もすべて黒(ないし暗い色)の衣装をまとっており、決して笑わない。またほとんどの版でイギリス版と同じく女性が務めている。オリジナルであるイギリス版、および多くの各国版におけるフォーマットは以下の通りである。9人の解答者は半円形に1列に並び、全員が1チームとして、1人ずつ順に1問1答の一般常識問題に解答していく。これを一定時間行い、1ラウンドとする。各ラウンドの目的は、その制限時間内に連続して正解し、チーム全体で共有する賞金を増額していくことである。このとき増額される賞金は、後述する「マネー・ツリー (Money tree)」に従う。しかし、1問でも不正解すると、それまでに積み上げた賞金は全額没収されてしまう。これを防ぐための手段として、司会者が出題する前に解答者は「バンク (Bank)」と宣言することで、それまでに積み上げた賞金を確保し、マネー・ツリーの第1段の賞金から連続正解を再スタートすることができる。それ以降で不正解しても、バンク宣言してある賞金は没収されない。賞金のバンクは安全策であると言える。その反面、バンクせずに次の問題に正解できたならば、バンクして正解した場合に比べ、より高額の賞金を積み上げることができる。各ラウンドの制限時間に達すると、そのラウンドは終了し、その時点でバンクしていなかった賞金は没収される。この際、司会者が問題を読み上げている最中だった場合、もしくは解答者が解答する前だった場合、その問題は破棄される。幾つかの国の版では、解答者が正解を答えられようとそうでなかろうと、司会者によりその問題の正解が発表される。もし解答者側が、与えられた制限時間に達する前に、そのラウンドでの最高賞金額、すなわちマネー・ツリーの最終段ないしその同額に到達してしまった場合、そのラウンドは自動的に終了となり、次の解答者はバンクを宣言する。各ラウンド終了時に、司会者はそのラウンドでの獲得賞金を発表する。その後、解答者たちはそのラウンドの内容(各解答者の正解数等)をふまえて、次のラウンド開始前に、退場させたい解答者1人に投票する。視聴者にのみナレーションでどの解答者が統計的な「ストロンゲスト・リンク(strongest link。各ラウンドにおいて正解率が最高だった解答者)」だったのかが知らさせる。統計的な「ウィーケスト・リンク(weakest link。各ラウンドにおいて正解率が最低だった解答者)」も併せて知らされる場合もある。解答者は全員でチームとして行動するため、お互いに容赦なく投票することが求められる。解答者にとって投票は、自身が優勝できる可能性を最大限にし、かつ獲得賞金を最大限にするためにも、戦術的に重要と言える。正解率の低い解答者に投票し退場させることは、優勝者が獲得する賞金を増額できる可能性を高めることに繋がるが、同時に正解率の高い解答者を残留させることは、最後のヘッド・トゥ・ヘッド(1対1の最終対決。詳細は後述)で打ち負かすことがより困難になることに繋がるからである。このため、序盤は賞金を稼ぐために最も正答率の低い解答者に投票して蹴落とし、ゲームが進むにつれ最終ラウンドに備えて正答率の高い解答者に投票して蹴落とす傾向にある(ただし、今度は多くの賞金を稼ぐことが困難になるというリスクも伴う)。投票結果が発表されると、司会者は各解答者に対して、なぜその人物に投票したのかの理由を訊(たず)ねるのだが、同時にその解答者の無知・経歴・趣味などを侮辱したり皮肉を言ったりすることが決まりとなっている。すべての解答者に一通り訊ね終わると、最多得票者が「ウィーケスト・リンク」として失格となる。この際、司会者から「You are the weakest link. Goodbye!(貴方がウィーケスト・リンクです。さようなら!)」とすげなく言い放たれ、ステージを退場する。この退場の様を「ウォーク・オヴ・シェイム(Walk of Shame。不名誉の歩み)」と呼ぶ。最多得票者が複数居た場合、司会者はストロンゲスト・リンクを発表し、そのストロンゲスト・リンクが誰を退場させるかを最終決定する。ストロンゲスト・リンクが候補者の内の1人に投票していた場合、あくまで投票した人物を退場させることに固執するか、あるいは他の人物を退場させることに気を変えるかは自由である。また、ストロンゲスト・リンク自身が候補者だった場合でも、誰を退場させたいかを訊ねられる。以上の流れを繰り返し、最後の2人が勝ち残るまでラウンドを繰り返す。賞金は、各ラウンド毎の獲得額を加算してゆく。最後に残った2人は協同して最終ラウンドに挑む。それまでのラウンドと同様だが、異なる点が2点ある:ヘッド・トゥ・ヘッド (Head to Head) は1対1の最終対決であり、サッカーの PK 戦方式で両解答者に5問ずつ出題される。最終ラウンドでストロンゲスト・リンクだった解答者が、先攻/後攻を決定する。5問ずつ出題を終えた時点で正解数の多い者が優勝者となる。優勝者には、それまでに積み上げた獲得賞金の全額が授与される。最終対決に負けた解答者は、それまでのラウンドで失格となった解答者たちと同様に、何も獲得できず帰途に着くこととなる。正解数が同数の場合は、以降サドンデス方式にて行う。すなわち両解答者は、いずれか一方が正解し他方が不正解するまで、出題され続ける。これは決着が着くまで行われるが、幾つかの国の版では、放送時間の都合上、サドンデスは1回に編集されている。イギリス版における最高賞金額は、ほとんどの回では £10,000 だが、有名人が解答者として参加するチャリティーの回では £50,000 である。直訳すると「最も弱い鎖の環」。鎖の強さは最も弱い環によって決まるが、逆に、他の要素を守るために、最も弱い環を犠牲にしてもよいということ。システム上のウィーケストリンクは強化など対策をとらなければならないものと、逆に火災報知器のボタンのプラスチックカバーのように弱い事が重要な役目を持っているものがある。イギリスは、この『ザ・ウィーケスト・リンク』のオリジナル版が制作された国であり、高い視聴率を獲得した。フィンタン・コイル (Fintan Coyle) とキャシー・ダニング (Cathy Dunning) が考案し、英国放送協会エンターテインメント部が制作した。司会者はアン・ロビンソン ()、ナレーターはジョン・ブリッグズ (Jon Briggs)。夕方の時間帯で放送されるデイタイム版で大成功を収めると、すぐにプライムタイム版が制作されるに至った。デイタイム版は、放送開始以来BBC Twoで放送されていたが、2008年2月11日よりBBC Oneでの放送に切り替わった。しかし、2011年7月から再びBBC Twoでの放送に戻った。オーストラリアのソープ・オペラ『ネイバーズ ()』の放送局が Five に移動したため、その枠に移動したかたちとなった。2006年12月18日には、放送1,000回を迎えた。週1回のプライムタイム版と週5回(月 - 金)のデイタイム版が放送されていたが、デイタイム版は2012年3月30日、プライムタイム版は同年3月31日にアン・ロビンソンの契約終了に伴い終了した。BBCウェールズ製作のSFドラマ『ドクター・フー』では、21世紀においてなお続くクイズ番組として登場した。2004年12月1日から2006年4月末まで、日本のスカイパーフェクTV!110(現 スカパー!e2)の「BBC JAPAN」(Ch.025) にて月金曜の4:45・10:15・15:45に放送されていたが、BBC JAPAN の放送終了と共に番組も終了した。アメリカ版は『"Weakest Link"』という番組名で、NBCで2001年4月16日から2002年7月14日まで放送された。この際、幾つかの回は未放送のままであったが、その内の数回は で2002年に放送され、さらに残った分は最終的には GSNで放送された。また、シンジケーション(地方局や独立局への番組の直接販売)によって、2002年1月から2003年9月まで放送された。PAXでは両方の版が短期間だが放送されていた。現在ではGSNで両方の版が放送されている。NBC版では、イギリス版と同じくアン・ロビンソンが司会者を務め、シンジケーション版では、ジョージ・グレイ () が司会者を務めた。ジョージ・グレイは、この時点では『エクストリーム・ゴング ()』の司会者として知られていたが、現在ではこの番組の司会者としてより幅広く認知されている。また、『ザ・ウィーケスト・リンク』の各国版の内、男性が1人で司会者を務める例として挙げられる。フォーマットは、基本的にヨーロッパ各国の版と同じである。NBC版では、解答者は8人で、最高賞金額は $1,000,000。シンジケーション版では、解答者は6人で、最高賞金額は1年目シーズンでは $75,000 だったが、2年目シーズンでは $100,000 に引き上げられた。アメリカでこの番組が2年目シーズンで失敗に終わったことの一因として、多くの局が抱える決算上の問題が挙げられる。アメリカのテレビ界における2002-2003年シーズン開始時に、既に『ウィーケスト・リンク』を放送していた局の多くで『フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア』のシンジケーション版の放送が始まり、中には『ウィーケスト・リンク』を放送していた枠で放送する局まで現れた。新番組のたたき出す高い視聴率は、『ウィーケスト・リンク』の購入をキャンセルするのに十分な理由となったのである。なお、『フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア』のシンジケーション版は、現在も放送が続いている。ドイツ版は、『"』という番組名で放送された。ドイツ語では、「The Weakest Link」を「」と訳せるが、これは性的な意味で「The Weakest Virile Member(性的能力が最も弱い陰茎)」という意味にも読めるため、「(最も弱い者が逃げる)」となったとされている。初回は RTLテレビジョン で2001年3月19日に放送された。平日午後3時から放送開始。司会者は。彼女は、前年に放送された自身の名前を冠したトークショーでの辛辣な語り口で既に知られていた。解答者はイギリス版と同じく9人、最高賞金額は DM50,000。この年の9月までに、視聴率は急速に低下。視聴率回復のために は解答者に対しもう少し敬意を払うようになった。それ以前には、「(見てください、私たちの貴重なスタジオ内の空気を余りに長く吸っている人を!)」などと侮辱するなど、解答者を罵倒していた。 が態度を改めたものの、それも視聴率を回復させるには十分ではなく、12月に打ち切りとなった。2002年2月には、土曜日深夜の時間帯で復活する機会を得た。スタジオも改装し、観客も取り入れ、最高賞金額も €50,000 に引き上げられた。しかし、最初の数回の放送では、より多くの視聴者を惹き付けるために、俳優に金銭を渡して解答者になってもらっていたという噂が流れた。これらの変更も番組の視聴率を跳ね上げる原動力とはならず、翌3月には打ち切りとなった。『"The Weakest Link"』というタイトルで、2001年2月から2002年4月まで、セブン・ネットワークで制作・放送された。司会者はコーネリア・フランシス ()。解答者は9人で、最高賞金額は $100,000。週2回、プライムタイムに放送された。司会を務めるコーネリアがあまりに失礼だとして多くの批判を浴び、セヴン・ネットワークが番組の雰囲気を軟化させるも視聴率は伸び悩み、2002年に打ち切りとなった。数回、特番が放送されたことがあり、ある回では他番組の『ザ・モール ()』とリンクして、その参加者たちが解答者となった。この回では、ヘッド・トゥ・ヘッドでボブ・ヤング (Bob Young) がタオ・グェン (Thao Nguyen) に勝ち、優勝者となった。優勝賞品として、次回の『ザ・モール』へのフリー・パスを勝ち取り、失格免除となった。なお、獲得賞金は全額『ザ・モール』の積み立て金に回された。このときの獲得賞金額は $14,100 で、オーストラリア版ザ・ウィーケスト・リンク史上最低額だった。しかし、『ザ・モール』では積み立て金の額は $1,000 単位であったため、司会者グラント・ボウラー () が賞金額を切り上げて、$15,000 とした。別の特番回では、以前の回で失格退場した解答者たちが再戦する「Worst Loser Special」が放送された。また、以前の優勝者たちに、さらに賞金を獲得する機会を与える「The Best of the Best」が2001年の中ごろと終わりごろの2回放送された。特に後者では、$72,900 の最終賞金額を記録した。『"』、英語副題『"The Weakest Disappears"』という番組名で放送された。司会者は香港の女優(中国語・広東語名。英語名: キャロル・チェン (Carol Cheng))が務め、広東語で放送された。『』は、ATV が広東語版の『フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア』で大幅な視聴率を獲得した直後に、そのライバル局である TVB が迅速にライセンス契約し、TVB Jade で放送を開始した。最高賞金額は HK$3,000,000。初回は2001年8月に放送された。ライセンス契約に基づき、キャロル・チェンは元祖のアン・ロビンソンのように、冷淡な口調と表情で振る舞わなければならなかった。しかし、中国の文化では、一般的に他人に対しこのような態度で接することを快く思わないため、TVB はこの番組に対する苦情を多数受けることとなった。制作側は大衆からの圧力に迎合するかたちで、番組のスタイルを変更し、キャロル・チェンのキャラクターを第5回放送までの意地悪なものから軟化させた。その結果、番組は視聴者から受け入れられ、視聴率も上昇していき、最終的には『フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア』のそれを上回るまでになった。TVB は、平日版108回分しか契約していなかったため、2002年1月には最終回が放送されて終了した。フジテレビ系で『ウィーケストリンク☆一人勝ちの法則』というタイトルで放送された。司会は伊東四朗。上から順に1チェイン、2チェイン…の順。◎はラウンド最高金額。なお、最高チェイン数は、1チームの解答者の人数に等しい。途中から6人制となったが、マネーツリーの変更はなかった。
出典:wikipedia
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