閣議(かくぎ)とは、内閣の職権行使の内容に際して、その意思を決定するために開く国務大臣の会議のことである。閣議は内閣法で規定されているが、会議の手続きについては明文で規定されておらず、慣行によっている。内閣総理大臣が主宰し(議長となり)、内閣官房長官が進行係を務める。内閣官房副長官(政務担当2人、事務担当1人。ちなみに副長官は全部で3人)と内閣法制局長官が陪席する(この4人は意思決定には参加できない)。閣議には毎週2回、火曜日と金曜日の午前中に開かれる定例閣議と、必要に応じて開く臨時閣議があり、原則として全閣僚が総理大臣官邸閣議室(通常国会会期中は国会議事堂内の院内閣議室)に集まって行われる。しかし早急な処理を要する案件の場合には、内閣総務官が閣議書(閣議内容の書かれている文書)と矢立を持ち回りそれぞれの閣僚の署名を集めるという回議によって意思決定する場合がある。これを持ち回り閣議という。閣議決定は閣議書に花押をもって署名することで行われる。閣議書は午後には皇居・御座所に送られて天皇に提出され決裁を受ける。定例閣議で意思決定された案件を決裁するために、天皇は閣議がある日の午後は皇居に滞在しているが、静養や行幸のさいに臨時閣議が行われた場合は、クーリエの宮内庁職員が閣議書を滞在先まで運び決裁を仰ぐ。閣議は非公開が原則である。なお、全閣僚による閣議(決定)書への署名は原則であり、法律や条約の公布、特命全権大使等に交付する信任状や全権委任状などの案件については、内閣総理大臣のみが署名する。閣議案件には次のような区分がある。閣議の意思決定には、閣議決定と閣議了解の2つがある。内閣としての意思決定を閣議決定といい、内閣総理大臣は、閣議決定に基いて、行政各部を指揮監督する。また、本来は主務大臣の管轄事項だがその重要性にかんがみ閣議に付され閣議として意思決定をおこなったものを閣議了解と言う。閣議の意思決定は出席した閣僚の全員一致を原則とする。これは、内閣が、「行政権の行使について、全国民を代表する議員からなる国会に対し連帯して責任を負う」(内閣法第1条第2項)ことに基づく。なお、慣例として、閣議に引き続き「閣僚懇談会」が開かれる。閣議で取り上げられなかった議題がこの席で了承されることがあり、閣僚が自由に意見を述べたり、情報交換を行ったりすることもできる。首相が入院したために、閣議を開催できない状態で首相臨時代理を指定しないまま定例閣議の時間を迎えた第1次安倍内閣末期の場合、定例閣議に代わる閣僚懇談会が閣議の議事進行役の内閣官房長官が主導する形で行われ、全閣僚が閣議書に署名した後で首相が入院先の病院で決裁する「持ち回り閣議」の手法をとっていた。閣議及び閣僚懇談会には長らく公式的な議事録は作られてこなかった。記録を残すと、外に出た場合、閣内不一致を指摘される恐れがあるからである。しかし、2014年4月より閣議や閣僚懇談会にて議事録を作成することが第2次安倍内閣において決定している。非公式的なものとしては、例えば内閣官房長官など閣議に関わる複数の役職を務めた後藤田正晴が著書の中で、「閣議では事務担当の官房副長官が議事について、メモ(非公式議事録)を取る慣行になっていた」ことを明かしている。また自身が官房副長官時代は自身がメモを取ることを嫌いだったため、同じく陪席していた吉國一郎内閣法制局長官に、「君がメモを取ればいい」(なお後藤田は元内務官僚として吉國の先輩に当たる)と指示し、吉國がメモを取っていた。だがこの法制局長官がメモを取る慣行が後藤田・吉國以降も続いたかは不明である。よく新聞やテレビなどで閣議の際に閣僚がソファーに座って懇談する様子が伝えられるが、これは閣議室の隣の閣僚応接室の模様であり、先述のように閣議自体は非公開。閣議室の内部については、かつてはその様子が知られることはほとんどなかったが、現在は首相官邸公式サイトに新・旧両首相官邸の閣議室の写真が掲載されている。現在の首相官邸閣議室は広さ約110平方メートルで、直径5.2メートルの円形テーブルが置かれており、通常は閣僚がこのテーブルを取り囲むように着席。それぞれの前には花押を記すための墨汁入り硯と細筆が用意されている(陪席の内閣官房副長官・内閣法制局長官は別テーブル)。この場合の閣議とは、各国務大臣の合議体である内閣において、国務および行政に関する協議を行なうことである。内閣は各国務大臣の合議機関でもあり、行政各部の長官である各省大臣の合議機関でもあるから、閣議は国務上の閣議と行政上の閣議とに分けられることがある。その詳細な規定は、内閣官制(明治22年勅令135号)にあり、必要的閣議附議事項として以下のものがある。その他任意附議事項として、各大臣が適当と信ずる事項を提出することができる。閣議の議題については、内閣官制第7条に「事の軍機軍令に係り奏上するものは勅令により特に内閣に下附せらるるものを除く外閣議を経るの必要なく唯陸海軍大臣より内閣総理大臣に報告すべし」という規定がある。
出典:wikipedia
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